「診断でイエベ春とブルベ夏の要素が両方あると言われた」「黄みを入れるとくすみ、青みを入れると血色が消える」——二重タイプ(ミックス)は、片方に強く寄せるほどちぐはぐに見えやすく、季節や照明でも似合う/似合わないが揺れがちです。
結論は明快。明度は高め最優先、彩度は中くらい、黄み/青みは“±5”以内の中性寄りにそろえ、光は“面でやわらかく”返すこと。金具は淡金〜白金の中間で「点」づかいにし、服・髪・化粧すべてを同じ方向に振り過ぎない。このルールを数値と手順で固定すれば、誰でも清潔・やさしさ・透明感が安定して再現できます。
この記事は、原理→数値基準→配色テンプレ→顔・髪・服の質感→場面別コーデの順で、最後にQ&A/用語を添えてお届けします。
1. 原理と結論:イエベ春×ブルベ夏の“交差点”を掴む
1-1. 二重タイプが迷う理由
- 肌の透明感は高いが、黄み耐性は強くない:黄みが強いと黄ぐすみ、青みが強いと白浮き/青白さが出やすい。
- 低〜中コントラストの顔立ち:強い原色や濃色の面積が大だと顔が負ける。
- 環境の影響が大:屋外の直射/夕暮れ/室内蛍光灯で見え方が数段変わる。
1-2. 「最優先は明るさ」—明度で土台を整える
- 明度(明るさ)優先。白をひとさじ混ぜた軽さを常に確保。
- 彩度は中くらい(4.5〜6.5/10段階)、清さは**やや清楚(濁り少)**を基本に。
1-3. 黄み/青みは「±5」ルール
- 色相偏差=−5〜+5を目安(0=中性、+黄より、−青より)。
- 服・小物・化粧を同方向に大きく振らない:どれか一つをわずかに寄せ、他は中性で均すのが安定。
1-4. 環境補正(光の色で微調整)
- 屋外日中(青み強):**+2〜+3(黄寄り)**に微修正(杏ミルク、淡金)。
- 室内蛍光灯(黄み強):**−2〜−3(青寄り)**に微修正(薄藤、白金)。
- 夕方/電球色:明度を+0.5上げ、口元に薄い血色を一滴。
表:色の指標(体感スケール)
| 指標 | ねらい | 具体例 | 避けたい |
|---|---|---|---|
| 明度 | 高い | ミルク、粉砂糖、淡い霧 | 暗く濃い色の面積大 |
| 彩度 | 中くらい | いちごミルク、藤、あんず | 原色、蛍光、重たい濁り |
| 色相 | 中性±5 | 黄み少し/青み少し | 黄み強すぎ/青み強すぎ |
| 光沢 | 面でやわらかい | マットサテン/微つや | ギラギラの点反射 |
2. 数字でわかる基準値(服・小物・化粧・柄・金具の“幅”)
2-1. 服の色幅(座標の目安)
- 明度:7.5〜9.0(10段階想定)
- 彩度:4.5〜6.5
- 色相:−5〜+5(中性寄り)
- 柄:小柄/間隔狭めが安全(小花、細ドット、細千鳥)
2-2. 小物・金具の色幅
- 金具:淡金↔白金の中間域。混ぜ使いOK(1:1〜2:1)。
- 革小物:グレージュ、ミルクティー、薄藤灰。
- 眼鏡:半透明の薄茶/薄灰フレームが顔から浮かない。
2-3. 化粧の数値テンプレ
- 下地:明度高め。くすみ消しは黄寄り薄ベージュ or ラベンダー薄膜を米粒量。
- 頬:サーモン3:ローズ2の混色を面でふんわり。
- 唇:コーラル1:ローズ1を薄膜×2。仕上げは面つや。
- 目:影色はグレー寄り薄茶、線は短く細く。
2-4. 照明別の補正表
| 環境 | 色の寄せ | 明度微調整 | 小物/金具 |
|---|---|---|---|
| 屋外快晴 | +2(黄) | ±0 | 淡金を点で |
| 室内蛍光 | −2(青) | +0.5 | 白金を点で |
| 夕方/電球 | 0〜+1 | +0.5 | 真珠で面つや |
表:基準の目安(数値イメージ)
| 項目 | 許容レンジ | 例 | ワンポイント |
|---|---|---|---|
| 明度 | 7.5〜9.0 | ミルキー/パール | 顔まわり最も明るく |
| 彩度 | 4.5〜6.5 | 乳白に果汁一滴 | 面積が大きいほど下げる |
| 色相 | −5〜+5 | 桜貝/藤灰/杏ミルク | 全身で平均を取る |
| 光 | 面つや | 微光沢 | 点のギラつき回避 |
3. 配色テンプレ(そのまま使える色合わせ)
3-1. 顔まわり:白み×淡彩の鉄板
- トップス:ミルクホワイト/アイボリー薄/薄藤/杏ミルク。
- 首元:白寄りの真珠、細い銀鎖、淡金の小粒で「点」つや。
- イヤー:小粒・透けで面つやを邪魔しない。
3-2. 三色法(主役・脇役・点)
- 主役(L=60%):白/淡グレー/明るいベージュ。
- 脇役(M=30%):いちごミルク/藤/うす杏。
- 点(S=10%):銀〜淡金/薄藤灰の革/深ベリーの靴。
3-3. 強い色を使いたい日(差し色の距離)
- 面積を小さく、顔から離す(靴/ベルト/小物)。
- 例:深ベリーの靴+白×薄藤の装い。唇はコーラル:ローズ=1:1薄膜。
表:配色レシピ(そのまま着回し)
| シーン | 上 | 下 | くつ | かばん | ひと工夫 |
|---|---|---|---|---|---|
| 通勤 | ミルクホワイト | 薄グレー | つや控えパンプス | グレージュ | 真珠の耳飾り |
| 休日 | 薄杏 | 明るいデニム | 白スニーカー | 藤灰 | 袖を一折り |
| 会食 | うす藤 | アイボリー | 細ストラップ | 薄ベリー | 唇をコーラル×ローズ |
| 写真日 | アイボリー | 薄藤グレー | 甲深フラット | 白金小物 | ハイライトは面で |
| 雨の日 | 桜貝ベージュ | 防水テーパード | 淡金金具ローファー | グレージュ | 光沢は控えめ |
三色配分の目安:L60/M30/S10。強い差し色はS領域に限定。
4. 顔・髪・服の“質感”合わせ(光の強さをそろえる)
4-1. 顔(化粧)—面でやわらかい光を作る
- 下地:黄ぐすみ→ラベンダー米粒、青白さ→薄ベージュ米粒で調整。
- 頬:サーモン×ローズ=3:2。小鼻横〜黒目下に面でふわり。
- 目:薄ベージュ→薄藤→グレー影の順。線は短く細く。黒は根元だけ。
- 眉:灰茶(明るめ)で直線を短く。長すぎは顔が間延び。
- 唇:コーラル1:ローズ1を薄膜×2。仕上げに面つやをうすく。
表:化粧の比率早見表
| 項目 | 比率/量 | 色の寄せ | 置き方 |
|---|---|---|---|
| 下地 | 米粒×1 | 黄orラベ | 面で均一 |
| 頬 | 3:2(サ:ロ) | 0〜−2 | 円で薄く |
| 目影 | 1 | −2〜0 | 根元中心 |
| 唇 | 1:1(コ:ロ) | 0〜+1 | 薄膜×2 |
4-2. 髪—つやは「面で、少量」
- 色:7〜8トーン(暗すぎ/明るすぎ回避)。
- つや:オイル1滴を毛先のみ。表面は梳かして面で光らせる。
- 前髪:軽く透けさせ、額に光を通す。
4-3. 服—生地と金具のバランス
- 生地:マット〜微つや(ジョーゼット、マットサテン薄)。
- 金具:小さく点で。面つや(真珠/艶布)を主役に。
- 柄:小柄/間隔狭めで面を乱さない。
表:質感合わせ早見表
| 部位 | つやの強さ | 量 | 置き方 |
|---|---|---|---|
| 肌 | 面でやわらかい | 薄膜 | 頬は円、鼻筋は短く |
| 目 | 控えめ | 根元中心 | 線は細く短く |
| 唇 | 面つや | 中 | にじませ仕上げ |
| 髪 | 面つや | 少 | 毛先のみ |
| 服 | 微つや | 中 | 生地で面を作る |
5. 場面別の正解(通勤・休日・行事・在宅・旅行)
5-1. 通勤:清潔感×やわらかさ
- 上:ミルクホワイトの直線ブラウス(明度9、彩度5)。
- 下:薄グレーの細見えパンツ(明度8)。
- 小物:淡金の耳飾り、グレージュ細ベルト、真珠で面つや。
5-2. 休日:可愛げ×抜け
- 上:薄杏のニット(+2寄り)。
- 下:明るいデニム(明度8、彩度5)。
- 靴:白の軽い運動靴。金具は小さく点で。
5-3. 行事:写真に強い面
- 上:うす藤のとろみ(−2寄り)。
- 下:アイボリー。口元はコーラル×ローズ=1:1薄膜×2。
- 首:真珠、耳は淡金小粒。
5-4. 在宅/オンライン:画面で白飛びさせない
- 上:ミルクホワイトより半トーン落とす(明度8.5)。
- 唇/頬:比率を**+1**足し、面つや控えめ。
- 背景:グレー寄りでコントラストを下げる。
5-5. 旅行:軽量カプセル(2泊3日)
- トップス:ミルク白/薄藤/薄杏の3枚。
- ボトム:薄グレー/明デニム。
- 小物:淡金と白金を1:1でミックス。靴は白と薄ベリー。
表:季節別・素材と重ね方
| 季節 | 上に着る物 | 下に着る物 | くつ | ひと工夫 |
|---|---|---|---|---|
| 春 | ジョーゼット調 | 明るいコットン | ローファー | 首に光を足す |
| 夏 | 風通しのよい薄手 | 明るい麻混 | 細ストラップ | 金具は点で少量 |
| 秋 | マットサテン薄 | 細番手ウール | 甲深フラット | 藤灰のかばん |
| 冬 | 薄ウール×裏地軽 | 直線スカート | 細筒ブーツ | 首元は面で明るく |
一週間・三色レシピ(L/M/S)
| 曜日 | L60 | M30 | S10 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 月 | ミルク白 | 薄グレー | 淡金/真珠 | 仕事の初日は明度9 |
| 火 | アイボリー | 藤 | 白金小物 | 室内蛍光で−2寄り |
| 水 | 薄杏 | 明デニム | グレージュ | 屋外多めで+2寄り |
| 木 | ミルク白 | うす藤 | 深ベリー靴 | 差し色はS限定 |
| 金 | 桜貝 | 薄グレー | 銀×淡金1:1 | 夕方の電球色に対応 |
| 土 | 藤灰 | 明デニム | 白スニーカー | 家族時間は抜け重視 |
| 日 | アイボリー | うす藤 | 真珠 | 写真日は面つや |
Q&A(よくある疑問)
Q1. どちらのベースに寄せるべき?
A. 明度優先で中性寄り。屋外は**+2(黄)、蛍光灯下は−2(青)**へ微修正。
Q2. 真っ白が浮きます。
A. ミルクホワイト/アイボリー薄に置換。首もと真珠で面つやを足す。
Q3. 濃い色を使いたい日?
A. 面積小/顔から離す。靴や小物で差し、上は明度高めを守る。
Q4. 金と銀、どちらが似合う?
A. 淡金〜白金の中間が最適。混ぜ使いOK(1:1〜2:1)。強い色は一点のみ。
Q5. 赤みが強い肌の日は?
A. ラベンダー米粒→頬のローズを−1→唇にコーラルを一滴で均衡。
Q6. 黒を着たい。
A. 面積S(10%)に限定。黒は小物で、上は明度9を死守。
Q7. ビビッドが好き。
A. 白で割るか面積Sに。白×ビビッド×薄藤の三色で整える。
Q8. パステルが白浮きする。
A. 彩度を+0.5、光を面つやへ。淡金の点を足すと馴染む。
用語辞典(やさしい言い換え)
- 明度:色の明るさ。高いほど白に近い。
- 彩度:色の鮮やかさ。高いと強く見える。
- 色相:黄み・青みの方向。0が中性、±は寄りの度合い。
- 面つや:光を面でふんわり返すつや。ギラつかない。
- 中性寄り:黄みと青みの真ん中。±5以内の範囲。
まとめ:
イエベ春×ブルベ夏の二重タイプは、明度高め・彩度中くらい・色相±5が軸。面でやわらかい光と淡金〜白金の中間で統一し、三色法(L60/M30/S10)を守れば、通勤も休日も行事も清潔・やさしさ・透明感が安定します。照明や季節で**+2/−2の環境補正をかけつつ、差し色はSに限定。今日の一枚から、“顔が負けない明るさ”**を最優先に整えましょう。

