「青みピンクを選んでいるのに顔がむくんで見える」「チークをのせるほど幼くなる」「夕方になるとくすみ勝ちで土台だけ浮く」——それはブルベ夏特有の明るい肌×薄い影に対して、面積(広すぎ)・彩度(強すぎ)・艶(多すぎ)・位置(低すぎ)のどれかが過剰だから。結論は明快です。
“黒目の外・鼻先の高さ”に直径3〜3.5cmの小楕円で、青み寄り中彩度を微艶5:マット5で溶かし、口と同系で一体化させる——これだけで透明感・血色・立体が同時に整います。
本稿は原理→色選び→位置と形→質感と重ね順→道具/分量→シーン/季節/光源→直し→失敗→練習ドリル→Q&A/用語→最終チェックの順に、数値と表で今日から再現できる方法を詳述します。
ブルベ夏のチークが“腫れぼったく”見える理由と対策
肌の特性:やわらかい明度×薄い影
ブルベ夏の肌は明度が高く・きめ細かいため、影が薄く面が広く見えやすいのが特徴。ここに広範囲のせ・高彩度・強艶が重なると、面だけが前へ膨らみむくみ見えを招きます。
加えて黄み寄りの服色(ベージュ/キャメル/カーキ)や電球色の下では赤みが拾われにくく、さらに面が膨張します。
対策の骨子:小面積×中彩度×微艶×高位置
- 面積:直径3〜3.5cmの横長小楕円に限定。
- 色:青みピンク/ローズ/ラベンダー寄りの中彩度。
- 艶:微艶(5割)。強艶は白飛び→むくみ。
- 位置:鼻先ライン以上。低位置=たるみ見え。
- 連動:頬=口で同系。一体化が最短で上品。
よくあるNG→即修正
- 頬骨の内側まで広げる→黒目外の外に限定。
- 一点濃色ドン置き→外へ0.5〜1cmだけぼかし面を馴染ませる。
- 黄みピーチ→青みピンク/ローズへ差し替え。
- 艶を広範囲→**黒目上“一点”**に縮小。
- 低位置→鼻先ラインに引き上げ。
表:腫れぼったく見える要因と逆算の直し
| 要因 | 起きる見え方 | 直しの一手 |
|---|---|---|
| 面積が広い | 頬が前に張る | 3〜3.5cm小楕円に限定 |
| 彩度が高い | のっぺり・幼い | 中彩度に引き下げ |
| 艶が強い | テカり・むくみ | 微艶5:マット5へ |
| 位置が低い | たるみ見え | 鼻先の高さまで引き上げ |
| 服が黄寄り | 顔がくすむ | 頬=青みピンク薄+口中央明 |
| 電球色の照明 | 赤みが沈む | 頬を+0.5明度、艶は一点に |
似合う色選び:ブルベ夏の“温度・明るさ・濃度”
基本の色相と避ける色
青みピンク/ローズ/ライラック/ラベンダーが安定。アプリコット/強いピーチ/黄みコーラルはくすみ増幅に直結。モーブは灰多めの薄色なら透明感を保てます。
明度・彩度・濃度の目安
- 明度:肌と同等〜+0.5が安全地帯。
- 彩度:低〜中。原色級は点使いのみ。
- 濃度:足りなければ面積は据え置き、濃度だけ二度目で調整。
口との連動(統一が最短)
頬=口の同系で品よく一体化。頬を青みピンクにしたら口はローズ、唇中央を半トーン明るく。唇の山に微艶を一点のせると歯が白く見える効果。
表:ブルベ夏のチーク色マップ
| 目的 | 安定色 | 少し冒険 | 避けたい |
|---|---|---|---|
| 日常 | 青みピンク/ローズ | ライラック薄 | ピーチ/オレンジ |
| 会食 | ローズ/ベリー薄 | ラベンダー薄 | 強コーラル |
| 写真 | 青みピンク+口中央明 | モーブ薄 | 黄みベージュ |
表:肌の明るさ×おすすめ明度
| 肌の明るさ | 下地の明るさ | チークの明るさ | 口の明るさ |
|---|---|---|---|
| とても明るい | 同等 | 同等〜+0.5 | 同等〜+1(中央明) |
| 標準 | 同等 | 同等 | +0.5 |
| やや暗め | −0.5 | +0.5 | +0.5〜+1 |
くすみ・赤み・黄ぐすみに効く“補正の順番”
1)ローズ系補正を目頭下の三角へ点。
2)ラベンダー下地を頬骨上だけ米粒。
3)青みピンクのチークを小楕円で重ねる。
位置と形:小さな楕円ד黒目外・鼻先の高さ”が黄金比
入れる位置の基準(鏡あり)
正面で、黒目外の真下→外へ3〜3.5cm。高さは鼻先ライン。ここに横長小楕円で置くと、ほお骨の上だけふわっと持ち上がる。
指二本ガイド(鏡なし応用)
鼻の付け根から指二本分外に人差し指を置き、その指先の高さ=鼻先ラインが中心。そこから外へ0.5〜1cmだけぼかす。
顔型・頬骨の高さ別の微調整
- 丸顔:楕円の外側を長くして横幅を引き締め。
- 面長:楕円を少し幅広に、高さは厳守で縦長を中和。
- 逆三角:内に寄せない。外小さく、下へ広げない。
- 頬骨高め:1〜2mm外へ、濃度は控えめ。
- 頬骨低め:鼻先ラインぴったり、黒目上の艶をやや強め。
表:顔型×位置・形の微調整
| 顔型/骨格 | 位置 | 形 | 広げ方 |
|---|---|---|---|
| 丸顔 | 黒目外→外へ長め | 横長小楕円 | 外0.5〜1cmのみ |
| 面長 | 鼻先ライン厳守 | 幅広小楕円 | 外0.5cmのみ |
| 逆三角 | 外側に小さく | 細め小楕円 | 広げない |
| 頬骨高め | 1〜2mm外へ | 薄め小楕円 | 濃度控えめ |
| 頬骨低め | ラインぴったり | 標準小楕円 | 艶を黒目上に追加 |
質感と重ね順:微艶5:マット5で“面は明るく、線は細く”
ツヤと粉の配分(むくみ回避の公式)
艶多すぎ=むくみ、粉多すぎ=粉っぽい。頬の中央=微艶、境目=半マットの二層が基本。ハイライトは点、シェードは線で扱うと破綻しません。
重ね順の正解(練り→粉→仕上げ)
1)練りチーク(米粒)を小楕円で置く。
2)指腹で境目だけトントン。
3)粉は小鼻・額のみへひとはけ(頬ノーパウダー)。
4)必要時のみ粉チークを米粒弱、1)と同位置へ重ねる。
5)黒目上の頬骨に微艶を米粒の半分だけ。
剤形(練り/粉/液)の選び分け
- 練り:透け・密着。夏の日中/冬の乾燥日に強い。
- 粉:持ちと調整。会食・写真で輪郭を出したい時。
- 液:薄膜の広がり。面積を広げない前提で上級者向け。
表:質感×重ね順の目安
| 項目 | 量 | 置き場 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 練り | 米粒 | 小楕円の中心 | 透ける血色 |
| 粉 | ひとはけ | 小鼻・額のみ | 崩れ防止 |
| ハイライト | 米粒の半分 | 黒目上の頬骨 | 面の持ち上げ |
表:剤形別メリット/注意
| 剤形 | 良い点 | 注意点 | 相性の良い肌 |
|---|---|---|---|
| 練り | 透け・密着・乾燥に強い | のせすぎで艶過多 | 普通〜乾燥 |
| 粉 | 調整しやすい・持ちが良い | 粉っぽさが出やすい | 普通〜脂性 |
| 液 | 薄膜で一体化 | 広げすぎやすい | 普通 |
気温・湿度での質感調整
| 季節/環境 | 下地 | チーク | 粉 | 艶 |
|---|---|---|---|---|
| 真夏・高湿度 | 皮脂抑えを小鼻だけ | 練り薄 | 小鼻/額のみ | 一点に限定 |
| 春秋・穏やか | 保湿薄め | 練り→粉少量 | 小鼻中心 | 黒目上一点 |
| 真冬・乾燥 | 保湿を頬に追加 | 練りで透け | 粉最小 | 微艶を少し増 |
道具と分量:同じ色でも“仕上がり差”を作る基礎
道具の使い分け(指・スポンジ・ブラシ)
- 指:体温で密着。境目ならしに最適。
- スポンジ:余分を吸い、面を均一。生え際・耳前の境目消しに。
- ブラシ:粉のせ専用。小さめ・先細を選びひとはけ徹底。大刷毛は面積超過の元。
分量の目安(両頬合計)
| アイテム | 量 | 配り方 |
|---|---|---|
| 練りチーク | 米粒1 | 小楕円に点置き→境目だけ指で |
| 粉チーク | 米粒弱 | 1と同位置へ軽く |
| ハイライト | 米粒の半分 | 黒目上一点のみ |
清潔と持ちの関係
道具に皮脂・粉が残るとムラの原因。週1スポンジ洗浄、ブラシはティッシュオフ→月1洗いが理想。濡れたスポンジは完全乾燥してから保管を。
シーン/季節/光源での入れ替え3点テンプレ
日常・通勤(近距離で清潔感)
- 色:青みピンク薄。
- 面積:直径3cm。
- 光:黒目上に微艶一滴。
在宅会議・画面越し(カメラ映え)
- 色:青みピンク〜ローズ薄、口は中央を半トーン明。
- 位置:鼻先ライン+1mmで下垂回避。
- 光:黒目上の艶を通常比1.2倍、下まぶたは薄グレージュで影づくり。
会食・写真(強い照明)
- 色:ローズを一段濃く、口は同系で中央明。
- 面積:3.5cmまで。
- 光:黒目上の艶を少し強め。
光源別の見え方と対策
| 光源 | 起きやすいこと | 調整 |
|---|---|---|
| 昼光(窓際) | 赤みが素直に出る | いつも通り、艶は一点 |
| 電球色 | 赤みが沈む/黄寄りに見える | 頬+0.5明度、口中央明、艶は一点 |
| 蛍光灯 | 青白く平板 | 頬はローズ寄り、黒目上の艶やや強 |
| 画面光 | 立体が消える | 位置+1mm、口中央明、髪は表面だけ艶 |
服色との相乗
白/紺/黒/ラベンダーは相性良。ベージュ/黄みカーキの日は頬=青みピンク薄、口=ローズ中央明、耳飾り=銀小粒で黄ぐすみを打ち消す。
表:服色×チーク/口の合わせ早見
| 服色 | チーク | 口 | 小物 |
|---|---|---|---|
| 白 | 青みピンク薄 | ローズ中央明 | 銀小粒 |
| ベージュ | ローズ薄 | ローズ中央明 | パール白 |
| 紺/ネイビー | 青みピンク薄 | ベリー薄 | 銀/白金 |
| 黒 | ローズやや濃 | ベリー | 鏡面銀 |
| ラベンダー | ライラック薄 | ローズ薄 | 透明系 |
直し方と持ち運び:30秒で“透明感”を回復
直しの順番(屋外・移動中)
1)ティッシュで頬汗・皮脂を軽く押さえる。
2)指腹でチーク境目をならす。
3)口中央に同系をひと押し。必要なら黒目上の艶を米粒の半分だけ追加。
※粉は頬にのせない方が若見えが続きます。
ミニポーチの三点セット
- 小さめあぶらとり紙
- 口紅(頬と同系)
- 極小ハイライト(米粒サイズで出せるもの)
汗・湿気・マスクの日の工夫
マスク着脱が多い日は、練り薄→指で密着→粉は小鼻のみ。外してすぐ触らず1分待って境目ならし。にじみは綿棒で拭い→極細で線を補修。
失敗→修正:ありがちNGの“即”変換表
| NG | なぜ起きる | 即変換 |
|---|---|---|
| ほっぺ全体が赤い | 面積が広すぎ | 3〜3.5cm小楕円に限定 |
| のっぺり・幼い | 彩度が強すぎ | 中彩度へ下げる |
| むくんで見える | 艶を広く入れた | 黒目上だけに艶を限定 |
| 黄ぐすみ | 色相が黄寄り | 青みピンク/ローズへ変更 |
| 頬が下がって見える | 位置が低い | 鼻先ラインまで引き上げ |
| 粉っぽい | 頬に粉をのせた | 頬ノーパウダーに戻す |
| 夕方消える | 面積を広げて薄塗り | 面積据え置き×二度塗り |
| 写真で白飛び | 艶・粉が多い | 艶=一点/粉=小鼻・額のみ |
| くまが勝つ | 補正が後回し | 補正→土台→頬の順に |
1週間ドリル:位置と濃度を“体で覚える”練習
| 曜日 | 目的 | やること | 判定の目印 |
|---|---|---|---|
| 月 | 基準作り | 3cm小楕円/青みピンク薄 | 正面で面が膨らまない |
| 火 | 位置固定 | 鼻先ライン厳守で+1mm/−1mmを比較 | 斜め45°の立体差 |
| 水 | 艶の管理 | 艶=黒目上一点と無艶を撮り比べ | 白飛びの有無 |
| 木 | 服色対応 | ベージュ服で口中央明を追加 | 黄ぐすみ回避度 |
| 金 | 強照明対策 | ローズ濃度+0.5で写真撮影 | 頬の輪郭の出かた |
| 土 | カメラ映え | 在宅テンプレでオンラインテスト | 画面での血色保持 |
| 日 | まとめ | ベスト設定で屋外・室内各1枚 | 再現性の高さ |
Q&A(よくある疑問)
Q1. 一重・奥二重で目元が重い日は?
A. 楕円をやや外・やや上へ。下へ広げると重心が落ちます。
Q2. くまが強いとチークが濁る
A. 目頭下の三角にローズ補正→土台→頬の順番を厳守。
Q3. ベージュ服で顔がぼんやり
A. 頬=青みピンク薄、口=ローズ中央明、銀小粒でコントラスト確保。
Q4. マスクでとれる
A. 練り薄→指密着→粉は小鼻のみ。外したら境目ならし+口中央足し。
Q5. 写真でチークが消える
A. ローズを+0.5濃度、黒目上の艶を少し強めに。面積は広げない。
Q6. 皮脂が多くヨレやすい
A. 下地を小鼻へ点、頬ノーパウダーのまま練りで密着。直しは押さえ→艶一点。
Q7. 50代以降で毛穴が気になる
A. 練り→境目だけ粉で面の艶を残す。頬全体の粉は凹凸を強調。
Q8. 口紅と頬が合わない
A. 同系に寄せ、唇中央を半トーン明で橋渡し。
Q9. ハイライトがギラつく
A. 黒目上一点に限定し、量は米粒の半分に減らす。
用語辞典(やさしい言い換え)
ブルベ夏:青みのあるやわらかな肌タイプ。淡色・微艶が似合う。
明度/彩度:色の明るさ/鮮やかさ。中彩度は落ち着きと血色の中間。
微艶:強すぎない控えめな光。むくみ見えを避ける。
黒目上の艶:頬骨の一番高い所に一点だけ光を置く。
小楕円:直径3〜3.5cmの横長の楕円形。
境目ならし:色の端だけを指でなでて曖昧にする技。
点使い:小面積に限定して置くこと。
半トーン明:同系のまま明るさを半段上げること。
鼻先ライン:正面で鼻先と同じ高さの水平線。
最終チェック(30秒で“今日の頬”を仕上げる)
- 正面:面積3〜3.5cmが守れているか、頬ノーパウダーか。
- 斜め45°:黒目上だけが柔らかく光るか、境目がなめらかか。
- 横:鼻先ラインの高さに置けたか、髪の表面に艶ひと筆があるか。
この3点だけで、澄んだ血色・上品な清潔感・腫れぼったさゼロが完成します。
まとめ
ブルベ夏の“透明感チーク”は、小面積×中彩度×微艶を黒目外・鼻先の高さに小楕円で置くのが最短ルート。頬=口同系で一体化し、艶は黒目上一点に限定すれば、むくみと幼さを避けつつ澄んだ血色と立体が安定。
今日の一手で、顔の印象をやさしく底上げしましょう。

