導入（共感→結論→再現性）
朝は整っているのに、昼には頬の毛穴が目立つ、小鼻はてかりとヨレ、夕方はくすみや黄ぐすみ——。その多くは、色（青み/黄みの配分）・質感（つや/マット）・塗る順番と量がブルベの肌特性と噛み合っていないせいです。
結論は簡潔。顔全体は冷たすぎない中明度の半艶で“面”を平らに、小鼻や頬の毛穴帯は薄マットで“点”を締める。下地はラベンダー/青みミントで赤みと黄ぐすみを打消し、ファンデは首色±0.5段で薄膜、粉は“面＝半艶・点＝控えめ”の二刀流。待ち時間（20〜40秒）と一往復ルールを守れば、誰でも毛穴ぼかし×透明感が一日中続きます。
この記事は、原理→下地→ファンデ→仕上げ粉→実務（場面/季節/肌質/時間帯）→上達トレーニング→応急処置→Q&A→用語の順で最大級に詳しく解説します。
0. この記事の使い方（最短で成果を出す読み順）
急いで整えたい日は「5. 実務テンプレ」→「7. 応急処置」を先に読み、明日以降は「1〜4」をじっくり。色が合っているか迷う人は「1-2→3-2→3-4」の順で確認すると、白浮き/くすみ/毛穴落ちがまとめて減ります。家を出る直前は照明テスト（2-5）で首との色差と粉の筋だけ最終チェック。
1. ブルベの毛穴が目立つ理由と“色×質感”の原理
1-1. 毛穴タイプ別に起きやすいこと（原因→見え方→要点）
- 開き毛穴：皮脂と強い光で白飛び→穴の輪郭が拡大。→乱反射を抑える半艶＋点マット。
- たるみ毛穴：斜め下に落ちる影の線。→線の外側を明るく、線上には粉を置かない。
- 黒ずみ毛穴：酸化・色ムラで灰影。→薄ローズ/ラベンダーで色の凹凸を均す。
毛穴タイプ別・即対応表（ブルベ）
| タイプ | 主因 | 失敗サイン | 正解アプローチ | 追加の一手 |
|---|---|---|---|---|
| 開き | 皮脂/乱反射 | 粉が団子、テカり早い | 下地薄→半艶で面整え→小鼻は控えめ粉を点 | 粉は筆先だけで一押し |
| たるみ | 乾き/重力 | 口元〜頬に線 | 下地で面ならし→頬に薄膜→線“外側”だけ粉 | 練りは米粒で境目ぼかし |
| 黒ずみ | 酸化/色ムラ | くすみ・灰影 | ラベンダー/薄ローズ点→中立〜青み中立を薄く→無色粉 | 鼻頭は粉前に油取り紙 |
1-2. ブルベの正解トーンと補正色（数値めやす）
- 明るさ：首の明るさ±0.5段。顔だけ白浮き禁止。
- 色み：青み中立〜わずかに青寄り。黄み粉はくすみの原因。
- 補正色：赤み→ラベンダー/青ミント、くすみ→薄ローズを点で。
1-3. 光の配分（面・点・線の地図）
- 面（頬・額中央・あご）＝半艶でなめらかに整地。広げる回数は一往復。
- 点（小鼻・口角・目尻）＝薄マットでにじみ止め。押すだけ、こすらない。
- 線（鼻すじ・頬の稜線）＝粉は最小。線上に重ねると筋が強調。
1-4. ブルベ夏/冬タイプ別の微調整
| タイプ | 似合う傾向 | 下地の色 | ファンデ明るさ | 粉の質感 | ねらい |
|---|---|---|---|---|---|
| ブルベ夏 | 柔らかい冷色が得意 | 薄ラベンダー/青ミント | 首±0.3段 | 半艶中心 | 透明感とやわらかさ |
| ブルベ冬 | くっきり冷色が得意 | ラベンダー/薄ローズ | 首±0.5段（上限） | 半艶＋控えめ点 | くっきり感と持ち |
1-5. 毛穴“地図”の描き方（3分自己観察）
鏡を30cm離して真正面→斜め45度→真横の順で見ます。影が縦に落ちる所＝線、粒が見える所＝点、のっぺり見える所＝面。この地図が粉の置き場と筆の角度の設計図になります。
1-6. 撮影・画面越しでの見え方の違い
室内蛍光灯は白飛び、夕方の西日は黄ぐすみが出やすいので、面＝半艶を広げすぎない・鼻筋に粉を置かないの2点を徹底します。
2. 下地：毛穴は“埋めずに、ならす”
2-1. 手順と置き方（全顔で小豆1粒＋待ち時間）
1）保湿：化粧水→乳液（頬を多め）。30秒なじませ。
2）仕込み油：乾く所に米粒1〜2、10秒プレス。
3）下地：全顔小豆1粒、5点置き→内→外へ指の腹で薄く。鼻・額は半量。
4）定着待ち：20〜40秒触れずに置くとムラが減る。
2-2. 部位別ミニテク（毛穴ゾーンは“足さずに均す”）
- 小鼻：余りだけをスタンプ。塗り足し禁止。
- 頬の毛穴帯：横に広げず、下から上へ押し上げ。
- 口角：縦2回で影を消し、粉は最後に点。
2-3. 季節・肌質で切り替える処方
| 肌質/季節 | 保湿配分 | 下地 | 量 | ひと言 |
|---|---|---|---|---|
| 乾き | 水分多→乳液→油点 | うるおい | 小豆1.2粒 | 粉ふき回避 |
| 脂多 | 水分→乳液控えめ | 皮脂抑え | 小豆0.8粒 | 毛穴落ち防止 |
| 春夏 | さらり | 皮脂抑え | 少なめ | 汗・湿気対策 |
| 秋冬 | しっとり | うるおい | 標準〜多め | 割れ防止 |
2-4. 色補正の置き場所（“点だけ”で効かせる）
- 赤み：小鼻横/頬中心のみラベンダー。
- くすみ：目頭横/口角上に薄ローズを米粒。
- 黄ぐすみ：頬高めにラベンダーを指先で1往復。
2-5. 照明・鏡での見え方テスト
| 環境 | 起きやすいこと | 確認ポイント | 調整 |
|---|---|---|---|
| 電球色 | 黄ぐすみ/白飛び | 首との色差 | 下地をラベンダー寄りに |
| 昼光色 | 粉っぽさ | 小鼻〜目下の粉感 | ミスト→粉を点 |
| 曇天屋外 | 顔色沈み | 頬の明るさ | 薄ローズを頬高めに米粒 |
2-6. 成分の目安（やさしい辞典）
うるおい系はグリセリン/ヒアルロン酸、皮脂抑え系は皮脂吸着粉末入りなど、難しい名前は覚えず仕上がりの手触りで選べば十分です。
3. ファンデ：面は半艶、毛穴は“点で消す”
3-1. 種類別の使い分け（薄さが最優先）
- 液状：薄く広く。指で置き→スポンジで密着。
- 練り：気になる所だけ。頬中心に米粒で十分。
- 固形：持ち直し用。小鼻・口角に点で。
3-2. 配分と数値（頬7：他3）
- 分量：全顔パール粒×1が上限。
- 置き順：頬高め→額中央→鼻→あご。
- ぼかし：頬は面で内→外、鼻は点たたき。首境は余りで1回。
3-3. 道具の当て方（毛穴をならす角度）
| 道具 | 当て方 | 使う場所 | 失敗回避 |
|---|---|---|---|
| 指 | 面で押し広げる | 頬/額 | 温度で密着、こすらない |
| 乾スポンジ | 置いて→軽く引く | 境目/小鼻 | 厚みの段差を消す |
| 先端スポンジ | 先で点押し | 小鼻/目まわり | 毛穴に線を作らない |
3-4. 首・耳・うなじまで一体化（写真で差が出る）
- 首：ファンデの余りで1回だけなでる。
- 耳：赤みがある人は粉を一押しで色差を均す。
- うなじ：まとめ髪の日は粉を薄くでテカり抑え。
3-5. 色合わせプロトコル（失敗しない3手順）
1）首の明るさを0として**±0.5段の範囲で候補を用意。
2）頬の高い所に縦3本のせて自然光で見る。
3）境目が最も見えない色＝正解。迷ったら暗い方**を選ぶと毛穴が浅く見えます。
毛穴カバー 置き場早見表（ブルベ）
| 悩み | 形状 | 置き場 | 仕上げ | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 開き毛穴 | 液状 | 頬中心 | スポンジ押さえ | 面を平らに |
| たるみ毛穴 | 練り | 線の“外側” | 粉は外側だけ | 影を切る |
| 黒ずみ | 液状＋練り点 | 鼻頭/口角 | 無色粉 | 色ムラを均す |
4. 仕上げ粉：粒度とつけ方で“ぼかすフタ”
4-1. 粒度/色/質感の選び方（ブルベ相性）
- 粒度：毛穴の深さ≒粉の細かさ。深いほど細かく。
- 色：無色〜青み中立。黄み粉はくすみの原因。
- 質感：半艶が基本、小鼻・口角は控えめを点で。
4-2. つけ方（面＝大筆、点＝小筆、線＝触れない）
- 面：大筆で頬→額→鼻横→あごを各1往復。
- 点：小筆で小鼻・口角・目尻を一押し。
- 仕上げ：清いスポンジで余分オフ、粉の筋ゼロへ。
4-3. 直しの三段階＆10秒テスト
1）油：あぶら取り紙3秒、こすらない。
2）線：指の温度でならす。
3）粉：点で一押し。
4-4. 粒度セルフチェック（合う/合わないの見分け）
| 見え方 | 合っているサイン | 合っていないサイン | 変更案 |
|---|---|---|---|
| 直後 | すべすべ、毛穴が浅く見える | 表面がざらつく | より細かい粉へ |
| 1時間後 | 半艶が続く | 毛穴に白い粒が溜まる | 控えめ粉を点に切替 |
4-5. 筆とパフの選び方（道具で仕上がりが変わる）
- 大筆は毛が柔らかく密度中が扱いやすい。
- 小筆は先のまとまりが命。点で押せる硬さがあると失敗しにくい。
- パフは面の均一化に便利だが、一往復にとどめると粉だまりを防げます。
シーン別・粉の使い分け
| 場面 | 粉の質感 | 量 | 道具 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 日常 | 半艶 | 薄 | 大筆 | 面を整える |
| 写真 | 控えめ＋半艶の薄×2 | 薄×2 | 小筆＋大筆 | 白飛び防止 |
| 長時間 | 半艶＋鼻先控えめ | 標準 | 大筆＋スポンジ | 持ちを延ばす |
| 屋外湿気 | 半艶 | 薄 | 大筆→小筆 | にじみ防止 |
5. 実務テンプレ：場面/季節/肌質/時間帯×時短
5-1. 場面・季節テンプレ（そのまま使える）
- 通勤：ラベンダー下地→液状薄膜→半艶粉、鼻は粉一押し。
- 会食：薄ローズ下地を頬中心→練り点→半艶粉＋目尻だけ控えめ粉。
- 夏：保湿軽め→皮脂抑え下地→液状極薄→小鼻は粉先行も可。
- 冬：水分多め→うるおい下地→練りを頬中心→半艶粉を面一往復。
- 梅雨/屋外：粉は面を薄く＋点を増やすで耐湿度。
季節×毛穴タイプ 早見表（ブルベ）
| 季節 | 開き | たるみ | 黒ずみ |
|---|---|---|---|
| 春夏 | 皮脂抑え下地薄→液状極薄→控えめ粉点 | うるおい下地→液状薄→線の外に粉 | ラベンダー点→中立薄→無色粉 |
| 秋冬 | うるおい下地→液状薄→半艶粉面 | 仕込み油→練り米粒→外側粉 | 薄ローズ点→液状薄→半艶粉 |
5-2. 肌質別ミニ処方＆直し動線
| 肌質 | 下地 | ファンデ | 粉 | 直し |
|---|---|---|---|---|
| 乾き | うるおい | 練り少量 | 半艶 | ミスト→粉点 |
| 普通 | 標準 | 液状薄膜 | 半艶 | 皮脂紙→粉一押し |
| 脂多 | 皮脂抑え | 液状極薄 | 控えめ | 鼻先だけ粉足し |
| 敏感 | 低刺激 | 液状薄膜 | 無色 | 触る回数を減らす |
5-3. 朝・昼・夕の時間割（目安）
| 時間帯 | 所要 | やること | 注意 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 5〜7分 | 保湿→下地→ファンデ→粉 | 待ち時間と一往復 |
| 昼 | 30秒 | 皮脂紙→線を温度でならす→粉点 | こすらない |
| 夕 | 40秒 | 口角・小鼻のみ整える | 粉の重ねすぎ禁止 |
5-4. 移動・天候・マスク素材で変える微調整
| 条件 | 変えるポイント | 具体策 |
|---|---|---|
| 電車通勤 | 擦れ対策 | 小鼻と口角に控えめ粉を先に点置き |
| 車移動 | 暑さ対策 | 背もたれ接地部は粉を増やさない、直しは口角のみ |
| 不織布マスク | 乾燥対策 | 頬の粉を薄く、ミスト→半艶の順 |
| 布マスク | 擦れ対策 | 鼻先控えめ粉を増やす、口角は温度でならす→粉点 |
| 雨/湿気 | にじみ対策 | 面を薄く、点を多め。あご下の粉は一押しのみ |
6. 上達トレーニング：圧・角度・回数を体に入れる
6-1. 3つの「圧」を覚える
- 面圧：頬は手のひらの重さ程度で面を均一化。
- 点圧：小鼻・口角は米粒をそっと押す強さ。
- 無圧：線上は触らない。粉は周囲だけ。
6-2. 角度のコツ
- スポンジは45度で置き→15度で引くと段差が消える。
- 筆は寝かせて面、立てて点。先端だけで押す。
6-3. 回数ルール（超重要）
- 面は一往復、点は一押しまで。増やすほど崩れやすい。
6-4. 7日間ミニ練習メニュー
- 1日目：頬の一往復だけで止める練習。
- 2日目：小鼻の点押しだけで仕上げる。
- 3日目：下地の待ち時間を守る。
- 4日目：首・耳・うなじの一体化を追加。
- 5日目：粉の面→点の順番を体に入れる。
- 6日目：昼の30秒直しを実践。
- 7日目：曇天での照明テストを習慣化。
7. 応急処置（現場で30秒）
7-1. マスク移り
粉前に鼻先だけ控えめ粉を増やす。外出先は口角を温度でならす→粉点。
7-2. 毛穴落ち/ヨレ
上から下へ小筆で粉を一押し。スポンジで境目だけならす。
7-3. 乾燥割れ
指先で温めてならす→霧吹き1プッシュ→粉を点。こすらない。
7-4. 眼鏡あと/鼻のつけ根
何も足さず温度でならし、最後に控えめ粉を点。
7-5. くすみ・白飛び
くすみは頬高めに薄ローズを米粒で点置き、白飛びは粉を控えめ→半艶の薄×2に分割。
8. Q＆A（よくある疑問）
Q1. 首と顔の色差で毛穴が強調される。
A. 首色に合わせた明るさを基準に、頬だけ0.3段明るい下地で調整。境目は余りで薄く。
Q2. 粉が毛穴に落ちる。
A. 粒が粗い可能性。より細かい半艶粉へ。塗布は大筆一往復＋小筆一押しまで。
Q3. 厚塗り感なく隠したい。
A. 頬7：他3の薄膜と、小鼻・口角は余りで。線の上に粉を置かない。
Q4. 写真で毛穴が強く写る。
A. 線上の粉をゼロにし、控えめ粉→半艶粉の順で薄×2。耳の赤みには粉一押し。
Q5. 時短したい。
A. 頬だけ丁寧に。小鼻と口角は余りで点、昼は皮脂紙→粉一押しで十分。
Q6. 朝は乾燥、昼はてかる。
A. 朝はうるおい下地で面を整え、昼は鼻先に控えめ粉を点で切替。粉は足し算より配分です。
Q7. 肌あれの日は？
A. 下地＋粉のみで面を整え、赤みはラベンダーを点で。上から練りを米粒だけ足します。
9. 用語辞典（やさしい言い換え）
半艶：光りすぎず、しっとり見える質感。
薄膜：肌の動きに沿う、ごく薄い層。
控えめ粉：つやを抑える粉。点使い向き。
面/点/線：塗る範囲の考え方。面=広い部分、点=細部、線=高い稜線。
一往復ルール：同じ場所を行って帰るまでで止めること。
待ち時間：下地やファンデが落ち着く20〜40秒のこと。
境目処理：首・耳・うなじとの色のつながりを作ること。
まとめ：面は半艶、毛穴は点で薄マット——色は“青み中立”に
ブルベの毛穴カバーは、下地で面をならし、ファンデは頬7：他3の薄膜、粉は面＝半艶・点＝控えめの分業。分量は下地小豆1粒/ファンデパール1/粉は一回り。
待ち時間と一往復ルールを守れば、毛穴ぼかし×透明感が一日中つづきます。季節・湿度・照明・移動手段に合わせて、表の微調整をそのまま実行してください。