導入(共感→結論→再現性)
朝はつややかでも、昼には小鼻がてかる、頬は粉っぽい、マスクの跡でヨレる、夕方は黄ぐすみ——。多くは、色(トーン)・質感(つや/マット)・順番(のせる位置と量)が肌と合っていないことが原因です。
結論はシンプル。イエベは黄みの澄んだ中立〜やや黄み寄り(バニラ/オークル/蜂蜜色)を薄く均一に重ね、面は半艶・細部は薄マットに切り替えるだけで、朝〜夜まで崩れにくい艶が安定します。手順は、①保湿で水分を満たし、②下地で色と質感を整え、③ファンデは頬7:他3の配分で薄膜、④仕上げ粉は面で固定→点で補強。仕上げに口角・小鼻だけ一押しで持ちが桁違い。
この記事は原理→下地→ファンデ→仕上げ粉→場面/季節/肌質→実務(道具・分量・時間管理・直し)→トラブル応急→Q&A/用語の順に最大限詳しく解説します。
1. 崩れの原理と色選び(イエベの肌をいちばんきれいに)
1-1. 崩れる5大要因(原因→対策一行)
- 水分不足→皮脂過多:保湿を頬多め・小鼻少なめで配分。
- 厚塗りの段差:頬7:他3で薄膜を一定に。境目は余りでぼかす。
- 色の不一致(冷たすぎ/明るすぎ):首色±0.5段に合わせて自然に。
- 下地と土台の相性:油分が多い日は油少なめ下地へ切替。
- 粉の粒度ミスマッチ:毛穴深さ≒粉の細かさで選ぶ。
1-2. イエベの正解トーン(数値めやす)
- 明るさ:首の明るさを0基準とし**±0.5段**。顔だけ明るすぎない。
- 色み:黄み〜黄み寄り中立。ピンクが多いと黄ぐすみ誘発。
- 補正色:赤み→黄緑/ミント、くすみ→コーラル/杏を点置き。
1-3. 質感の配分(面=半艶/点=薄マット)
- 面(頬・額中央・あご):なめらか半艶で光を広く。
- 点(小鼻・口角・目尻):薄マットでにじみ止め。
- 線(鼻すじ・頬の高い所):粉は乗せすぎない。筋が出やすい。
色と質感 早見表(イエベ)
| 悩み | 下地色 | ファンデ色 | 仕上げ粉 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 赤み | 黄緑/ミント | 黄み中立 | きめ細かい粉 | 透明感維持 |
| くすみ | コーラル/杏 | 蜂蜜色 | つや控えめ | 自然に明るく |
| 血色不足 | アプリコット | バニラ系 | 半艶 | 温度感を足す |
| 毛穴目立ち | ミント微量 | 首色同等 | 細かい半艶 | 面をなめらか |
2. 下地(崩れにくさの半分はここで決まる)
2-1. 塗る順番と待ち時間(全顔で小豆1粒)
1)保湿:化粧水→乳液(頬多め・小鼻少なめ)。30秒なじませ。
2)仕込み油:乾く所に米粒1〜2、10秒プレス。
3)下地:全顔小豆1粒、鼻・額は半量。5点置き(額/両頬/鼻/あご)→内→外へ指の腹で薄く。
4)定着待ち:20〜40秒触れずに置くとムラが減る。
2-2. 部位別の最小テク
- 小鼻:余りだけをスタンプ。塗り足し禁止。
- 目の下:横にこすらず、下から上へ点で押す。
- 口角:縦に2回なでて影を消し、粉は最後に点。
2-3. 季節・肌質別の処方決定表
| 肌質/季節 | 保湿配分 | 下地 | 量 | ワンポイント |
|---|---|---|---|---|
| 乾きやすい | 水分多め→乳液→油少量 | うるおい系 | 小豆1.2粒 | 粉ふき防止。粉は遅らせて薄く |
| 脂が出やすい | 水分→乳液控えめ | 皮脂抑え | 小豆0.8粒 | 鼻・額はさらに半量 |
| 春夏 | さらり | 皮脂抑え | 少なめ | 汗・湿気対策。首は粉なし |
| 秋冬 | しっとり | うるおい | 標準〜多め | 割れ防止。目の下は油点置き |
2-4. 色補正の置き場所(“点だけ”で効かせる)
- 赤み:小鼻わき/頬の中心だけミント。
- くすみ:口角上/目頭わきに杏を米粒。
- 黄ぐすみ:頬高めにコーラルを指先で1往復。
3. ファンデ(薄膜・均一・動きに強い)
3-1. 種類別の特徴と使いどころ
- 液状:薄く広くに最適。指→スポンジで密着。
- 固形:持ち運びと直し向き。小鼻・口角に。
- 練り:カバー力を少量で。頬中心のみ。
3-2. 配分と置き方(頬7:他3)
- 分量:全顔パール粒×1が上限。
- 置き順:頬高め→額中央→鼻→あご。
- のばし:頬は面で内→外、鼻は点でたたき。首境は余りでぼかす。
3-3. 明るさ・厚みのそろえ方
- 明るさ:首色と同じ、頬だけ0.3段明るく。
- 厚み:段差NG。小鼻・口角はごく薄、目の下は引っ張らない。
3-4. 道具の当て方(仕上がりが激変)
| 道具 | 当て方 | どこに使う | 失敗回避 |
|---|---|---|---|
| 指 | 面で押し広げる | 頬/額 | 温度で密着、こすらない |
| 乾スポンジ | 置いて→軽く引く | 境目/小鼻 | 余分除去、毛穴埋めすぎ防止 |
| しずく型スポンジ | 先端で点押し | 目まわり/小鼻 | 筋を作らない |
ファンデ設計 早見表
| 悩み | 形状 | 置き場 | 仕上げ | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 毛穴 | 液状 | 頬中心 | スポンジ押さえ | 面を平らに |
| 色むら | 練り | 気になる所だけ | 指で温め密着 | 厚みを出さない |
| マスク移り | 固形 | 鼻先/口角 | 蒸気部分のみ粉 | 擦れ耐性 |
4. 仕上げ粉(面で固定・点で補強)
4-1. 粒度/色/質感の選び方(イエベ相性)
- 粒度:毛穴の深さと同等か少し細かいを選択。
- 色:黄み中立〜無色。白すぎると灰見え。
- 質感:半艶が基本、小鼻/口角はつや控えめを点で重ねる。
4-2. つけ方(広い所は面、細部は点)
- 面:大筆で頬→額→鼻横→あご、各1往復のみ。
- 点:小筆で小鼻・口角・目尻を一押し。
- 仕上げ:清いスポンジで余分をふき取る。
4-3. 長持ちさせる“直しの三段階”
1)油:あぶら取り紙3秒。こすらない。
2)線:指先の温度でならす。
3)粉:点で一押しだけ。
仕上げ粉 使い分け表
| 場面 | 粉の質感 | 量 | 道具 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 日常 | 半艶 | 薄 | 大筆 | 肌の面を整える |
| 写真 | つや控えめ+半艶重ね | 薄×2 | 小筆+大筆 | 白飛び回避 |
| 長時間 | 半艶+鼻先控えめ | 標準 | 大筆+スポンジ | 持ちを伸ばす |
| 屋外湿気 | 半艶 | 薄 | 大筆→小筆 | 湿気でのにじみ防止 |
5. 場面・季節・肌質別テンプレ(そのまま使える)
5-1. 通勤・会食・写真・屋外イベント
- 通勤:黄緑下地→液状薄膜→半艶粉。鼻は粉一押し。
- 会食:杏下地を頬中心→練りは点→半艶粉+目尻だけ控えめ粉。
- 写真:青白く写る人はコーラル下地を点。粉は控えめ→半艶の二層。
- 屋外:ミストスプレーは粉の前に1プッシュ、粉は薄く回す。
5-2. 夏・梅雨・冬の持ち対策
- 夏:保湿軽め→皮脂抑え下地→液状極薄→鼻先控えめ粉。
- 梅雨:小鼻は下地ごく薄、粉は点で足す。
- 冬:水分多め→うるおい下地→練りを頬中心→半艶粉を面で一往復。
5-3. 肌質別ミニ処方(直しまでセット)
| 肌質 | 下地 | ファンデ | 粉 | 直し |
|---|---|---|---|---|
| 乾き | うるおい | 練り少量 | 半艶 | ミスト→粉点 |
| 普通 | 標準 | 液状薄膜 | 半艶 | 皮脂紙→粉一押し |
| 脂が多い | 皮脂抑え | 液状極薄 | 控えめ | 鼻先だけ粉足し |
| 敏感 | 低刺激 | 液状薄膜 | 無色 | 触る回数を減らす |
5-4. マスクあり/なしの二刀流
- あり:鼻先・口角に控えめ粉、頬は半艶のまま。
- なし:頬の半艶を広め、小鼻は粉点で締める。
6. 実務:道具・分量・時間管理・手入れ
6-1. 最小道具セット(持ち歩き)
- 指(温度で密着)
- スポンジ(余分除去)
- 大筆/小筆(面と点を切替)
- あぶら取り紙(3秒)
6-2. 分量の基準(覚えやすい)
| 工程 | 全顔の目安 | 追い足し |
|---|---|---|
| 下地 | 小豆1粒 | 鼻は半量 |
| ファンデ | パール1 | 小鼻/口角は余りで |
| 粉 | 大筆で一回り | 小筆で点押し |
6-3. 朝→昼→夕のタイムライン
- 朝:保湿→下地→ファンデ→粉。待ち時間を守る。
- 昼:皮脂紙→割れを温度でならす→粉を点。
- 夕:口角だけ直すと全体が締まる。粉の重ねすぎ禁止。
6-4. 道具の手入れ・交換めやす
| 道具 | 洗う頻度 | 交換めやす | ケア |
|---|---|---|---|
| スポンジ | 2〜3日 | 1〜2か月 | 中性洗剤で押し洗い→陰干し |
| 筆(大/小) | 週1 | 半年 | 泡で洗い、毛先を整えて乾燥 |
| パフ | 週1 | 3か月 | 汚れ側を回して使い、都度洗う |
7. トラブル別・応急処置(現場で30秒以内)
7-1. マスク移り
- 粉前に鼻先だけ控えめ粉を増やす。外出先では口角を温度でならす→粉点。
7-2. 毛穴落ち/ヨレ
- 上から下へ小筆で粉を一押し。スポンジで境目だけならす。
7-3. 乾燥割れ
- 指先で温めてならす→霧吹き1プッシュ→粉を点。こすらない。
7-4. 眼鏡あと/鼻のつけ根
- 何も足さず温度でならし、最後に控えめ粉を点。
7-5. 黄ぐすみが出た
- 杏下地を米粒だけ頬高めに上から点置き→スポンジでなじませる。
8. よくある質問(Q&A)
Q1. 首と顔の色差が気になる。
A. ファンデは首色に合わせ、頬だけ0.3段明るい下地で調整。境目は余りで薄く。
Q2. 夕方の黄ぐすみを防ぐには?
A. 青白い粉は避け、黄み中立の粉に。下地で赤みを先に消すとくすみにくい。
Q3. 厚塗り感が出る。
A. 置く量を半分に。頬7:他3を守り、口角と小鼻は余りで。
Q4. 肌あれの日は?
A. 下地+粉のみで面を整え、赤みは黄緑を点で。上から練りを米粒だけ。
Q5. 毛穴に粉が落ちる。
A. 粒度が粗い可能性。より細かい半艶粉へ変更し、筆は一往復まで。
Q6. 写真で白く飛ぶ。
A. 控えめ粉→半艶粉の順で薄×2に分ける。頬の高い所に粉を置き過ぎない。
Q7. 時短したい。
A. **下地とファンデを“頬だけ丁寧”**に。小鼻・口角は余りで足りる。
9. 用語辞典(やさしい言い換え)
半艶:光りすぎず、しっとり見える質感。
薄膜:肌の動きに沿う、ごく薄い層。
面で押さえる:広い所を均一に整えること。
点で直す:細部だけ少量で補強すること。
割れ線:笑った後などにできる化粧のすじ。
粒度:粉の粒の細かさ。毛穴の深さと合わせて選ぶ。
まとめ:面は半艶、細部は薄マット——色は“黄みの澄んだ中立”に
イエベの崩れ対策は、黄みの澄んだ色を薄く重ねる、頬は面で・小鼻と口角は点で整える、粉は面と点で使い分ける——この3点に尽きます。分量は下地小豆1粒/ファンデパール1/粉は一回り。待ち時間と一往復ルールを守れば、朝から夜までやわらかな艶と清潔感が続きます。

