導入(共感→結論→再現性)
朝晩だけ冷えるのに、昼は汗ばむ。夏の名残りと秋の深みが同居するこの時季、色選びを誤ると重く老けるか軽すぎて季節外れに見えがちです。原因は、秋色の「明るさ(明度)・あざやかさ(彩度)・黄み/青みの方向」が肌・髪・瞳と半歩ずれていること。
結論はシンプル。今年の秋は「くすみの透明感」×「深色の薄塗り」が鍵です。パーソナルカラー(イエベ/ブルベ)に合わせて明度・彩度・黄み/青みを1段だけ調整し、面=淡〜中明度、点=深色の順で重ねれば、誰でも今日から秋顔に更新できます。
本ガイドは2025年秋の注目色を5色軸→イエベ/ブルベ別→シーン別で整理し、配色テンプレ10式・買い物の順番・素材/小物・身長/骨格別の色の置き方・お手入れ・Q&A・用語辞典まで一気通貫で解説。読み終えたその日から再現できます。
2025秋トレンドカラーの全体像(5つの色軸)
1. くすみライト(空気を含む薄色)
ミストグレージュ/ダスティライラック/セラミックホワイト。夏から秋への橋渡しに最適。白・ライトグレー・生成が受け皿。トップスや羽織で面に使い、下は中明度で受けると軽い。
2. 温かニュートラル(土台の面)
サンドベージュ/ココアグレージュ/モカトープ。柄より無地の面で使うと大人の落ち着き。ボトムやジャケットで面積を確保し、差し色は小面積で。
3. 深みアクセント(締めと艶)
ボルドー/フォレスト/インクネイビー。基本は小面積(点)で効かせる。面で使う日はマット素材にして重さを管理。
4. 果実トーン(血色と映え)
フィグ(いちじく)/ラズベリー/プラム。口元・ストール・小物で一点投入が正解。面に広げるときは彩度を1段下げる。
5. メタルの微光(秋のツヤ)
つや控えめ金/アンティーク金/シルバーグレー。点で光を置くと“品”が出る。金具は小粒が基本。
表:2025秋トレンドカラー早見表(使い方と相性)
色軸 | 明度/彩度 | 面・点の推奨 | 相性ベース | 金具 | 注意点 |
---|---|---|---|---|---|
くすみライト | 明るい×低彩度 | トップス/羽織の面 | 白/生成/ライトグレー | シルバー/淡金 | 黄ぐすみを感じたら白で区切る |
温かニュートラル | 中明度×低彩度 | ジャケット/ボトムの面 | 生成/サンド/グレー | 淡金/アンティーク金 | 暗色を足し過ぎない |
深みアクセント | 中〜低明度×中彩度 | バッグ/靴/ベルトの点 | ニュートラル全般 | 金具は控えめ | 面で使う日は素材マット |
果実トーン | 中明度×中彩度 | 口紅/ストール/小物の点 | くすみライト | つや控えめ | 面に広げる場合は彩度-1段 |
メタル微光 | – | イヤ/時計/金具の点 | どの色にも | 淡金/シルバー | 広げすぎると強すぎる |
イエベ向け:2025秋トレンドカラー攻略(スプリング/オータム)
イエベ春(スプリング):“明るさ”を残した秋色
推し色:ミストピーチ/ハニーココア/セージグリーン/サンドベージュ。
配色の方程式:明るい同系2+生成1。例:ミストピーチのニット+サンドのスカート+生成バッグ。
素材:とろみツイル、細番手ニット、薄手スエード風。金具は淡金がなじむ。
コーデ例:
- 通勤:サンドのテーラード+生成ブラウス+セージの細ベルト。靴はキャメル。
- 休日:ミストピーチのカーデ+オフ白デニム+籐素材。
- 行事:ハニーココアのワンピ+淡金のパンプス+小粒パール。
避けやすい色と代替:強い黒はインクネイビーに、濃ボルドーは薄いフィグへ置換。黄みが強すぎるベージュは生成で間をとる。
イエベ秋(オータム):“深み”を薄く重ねる
推し色:サンドベージュ/カッパーオレンジ(薄め)/オリーブセージ/ココアグレージュ。
配色の方程式:サンド(面)+オリーブ(面)+カッパー(点)。重くなりやすい日は白/生成を間に。
素材:高密度ギャバ、二重織り、マットサテン。金具はアンティーク金が品良く映る。
コーデ例:
- 通勤:ココアグレージュのセットアップ+こげ茶ローファー。
- 休日:オリーブセージのCPO+白T+サンドチノ+ラタンバッグ。
- 行事:サンドIラインワンピ+薄カッパーのストール+ヌードベージュの靴。
表:イエベ向け 似合わせ早見表(秋)
項目 | イエベ春 | イエベ秋 |
---|---|---|
明度 | 高め(明るい) | 中〜やや低 |
彩度 | 中〜やや高 | 低〜中 |
黄み | 強い | やや強い |
ベース布 | 生成/サンド/ベージュ | サンド/ココア/カーキ |
金具 | 淡金 | アンティーク金/淡金 |
ブルベ向け:2025秋トレンドカラー攻略(サマー/ウィンター)
ブルベ夏(サマー):“やわらか青み”で透明感
推し色:ダスティライラック/ローズグレー/ミストネイビー/セラミックホワイト。
配色の方程式:淡2(面)+濃1(線)。例:ライラックのブラウス+ライトグレーのスカート+ミストネイビーの細ベルト。
素材:マット寄りのサテン、細ストライプ、薄手ハイゲージ。金具はシルバーが安定。
コーデ例:
- 通勤:ローズグレーのジャケット+白T+グレーのテーパード+シルバーフラット。
- 休日:ダスティライラックのカーデ+淡ネイビーのデニム+白スニーカー。
- 行事:ミストネイビーのワンピ+パールの一点。
避けやすい色と代替:黄みのベージュはグレージュに、濃ボルドーはプラム薄めへ。金具は銀色寄りを選ぶ。
ブルベ冬(ウィンター):澄み色を“点”で効かせる
推し色:インクネイビー/ボルドー(澄み)/ブラックチェリー/スノーホワイト。
配色の方程式:無彩色(面)+澄み色1点。例:白シャツ+チャコールパンツ+ボルドーのバッグ。
素材:はりのある平滑布、微光沢、クールタッチ。金具はシルバー/ガンメタで統一。
コーデ例:
- 通勤:インクネイビーのニット+チャコールのIスカート+黒ポインテッド。
- 休日:白T+ミストグレーのジョガー+ボルドーのスニーカー。
- 行事:黒ジャケット+スノーホワイトのブラウス+シルバーイヤーカフ。
表:ブルベ向け 似合わせ早見表(秋)
項目 | ブルベ夏 | ブルベ冬 |
---|---|---|
明度 | 高め(淡) | 中〜高(クリア) |
彩度 | 低〜中 | 中〜高 |
青み | やや強 | 強 |
ベース布 | 白/ライトグレー/淡ネイビー | 白/黒/濃紺/メタル |
金具 | シルバー/パール | シルバー/ガンメタ |
シーン別 最旬コーデ(通勤・休日・行事・雨の日・オンライン・旅)
通勤:信頼感と季節感の両立
- イエベ春:サンドテーラード+生成ブラウス+セージの細ベルト。靴はキャメル。
- イエベ秋:ココアグレージュのセットアップ+アンティーク金の小物。
- ブルベ夏:ローズグレー+白+グレー。パール1点で光を足す。
- ブルベ冬:白×黒の面にインクネイビーを小面積。
休日:抜けと柔らかさ
- イエベ:ミストピーチのニット+生成デニム+籐素材バッグ。
- ブルベ:ダスティライラックのニット+淡ネイビーのデニム+シルバー小物。
行事:写真で“面”が整う
- イエベ秋:サンドのセットアップ+薄カッパーのブラウス。
- ブルベ夏:ミストネイビーのワンピ+アイボリーパンプス。
- ブルベ冬:黒×白にボルドーの一点。
雨の日:色を濁らせない
撥水のライトグレー/生成/淡ネイビーが万能。傘やレイン靴で澄み色1点。スカート丈は足首が見える長さで軽さを確保。
オンライン会議:顔映り最優先
顔周りは淡色・高明度、胸元に小さなツヤ(パール・控えめ金具)。背景が暗い場合は白〜淡グレージュが安定。襟は浅V/丸首で影を落とさない。
旅・出張:しわと温度差に強い色構成
上をくすみライト、下を温かニュートラル、小物で深み。移動日は伸びのある二重織りが楽。車内・機内の冷えには**薄手ストール(果実トーン)**が便利。
表:シーン別 色と小物の相性(実用版)
シーン | ベース色 | 差し色 | 小物 | 仕上げの一手 |
---|---|---|---|---|
通勤 | ベージュ/グレー/白 | イエベ:セージ/カッパー|ブルベ:ライラック/ミスト紺 | パール/淡金/シルバー | ベルトは細く高め |
休日 | 生成/淡ネイビー | ミストピーチ/ライラック | かご/スニーカー | 足元は甲浅で軽く |
行事 | サンド/黒/白 | ボルドー/薄カッパー/プラム | パンプス/小粒アクセ | 口紅は服より半トーン濃く |
雨 | 生成/ライトグレー | 澄み色1点 | 撥水小物/縦長バッグ | 裾短め・傘は顔映り色 |
オンライン | 白/淡色 | 顔周りは淡/小ツヤ | パール/控えめ金具 | 映る範囲に集中 |
旅 | サンド/グレー | 果実トーン小物 | 軽い革/布 | しわ戻り布で荷物軽量化 |
身長/骨格別:色と面積の置き方(速習)
身長別
- 小柄(〜158cm):上はくすみライトを面、下は中明度。深色は点。ベルトは高めで脚長。
- 中〜高身長:上は淡/中明度、下に温かニュートラルを面で。深みアクセントは**線(細ベルト・ふち)**で足す。
骨格別
- ストレート:直線×中厚。深色は縦に。光は点で。
- ウェーブ:落ち感×軽さ。淡色を面、深色は小物へ。
- ナチュラル:中厚×表情ある布。配色は濁さず段差小さく。
表:骨格×色の置き場
骨格 | 面(上) | 面(下) | 点(小物) |
---|---|---|---|
ストレート | くすみライト | 温かニュートラル | 深みアクセント(細) |
ウェーブ | くすみライト | 淡ニュートラル | 果実/深みの小粒 |
ナチュラル | くすみライト/生成 | サンド/グレー | メタル微光を控えめに |
買い物の順番と配色レシピ(失敗しない段取り)
買い物の順番(小→中→大)
1)差し色の小物(ストール/バッグ/靴)で肌映りを確認。
2)トップス(顔周りの色)→3)羽織→4)ボトムの順。
5)成功色は同系の濃淡を買い足し“色の柱”を作る。
6)季節の終盤にベース色の良質な一枚を追加して来季へ橋渡し。
店頭・オンライン共通チェック
- 色:屋外光/店内光の両方で顔が明るいか。
- 素材:高密度×軽さ。強いツヤは点に回す。
- サイズ:襟は影が落ちない開き、袖は手首骨が少し見える。
- 重さ:ボタン/金具は小粒。裏地は薄く滑るものを。
配色テンプレ(10公式)
- 同系濃淡:セージ+オリーブ。
- 反対色×生成:ボルドー+セージ+生成。
- 無彩色+1色:白/黒/グレー+澄み色一点。
- 上淡・下濃:上に光、下で安定。
- 線で締める:細ベルト/ふち/靴の縁。
- 三段配色:上淡・中中・下濃で重心調整。
- 点光り:パール/淡金を一点だけ。
- 白で区切る:強色どうしの間に白/生成。
- メタル統一:金具色を一系統に。
- 柄は細線:太柄は色差-1段に。
素材×色の合わせ方(秋支度)
- くすみライト:さらり/マット。透けは同系インナー。
- 温かニュートラル:高密度で軽め。重さは金具小で調整。
- 深みアクセント:面ならマット、点なら微光沢。
表:色×素材の相性ミニ表
色カテゴリ | ベスト素材 | 見え方 | 注意点 |
---|---|---|---|
くすみライト | マットサテン/薄ニット | 柔らか/軽い | 黄ぐすみ注意・白を挟む |
温かニュートラル | 二重織り/ギャバ | 端正/大人 | 面積を広げすぎない |
深みアクセント | マットツイル/スエード風 | 締まる/写真映え | 面は重く見えやすい |
果実トーン | 微光沢/マットリップ | 血色/華やぎ | 面は彩度を落とす |
メタル微光 | 金具/パール | 品のツヤ | 入れすぎ注意 |
仕上げの細部(口紅・髪・金具色・お手入れ)
口紅(服と半トーン連動)
- イエベ春:コーラル/アプリコットを半トーン淡く。
- イエベ秋:ベージュコーラル/テラコッタ薄め。
- ブルベ夏:ローズ/青みピンク。
- ブルベ冬:ボルドー/ワインを点置きで薄塗り。
髪(量とツヤの配分)
表面は軽く、ツヤ出しは点(毛先/前髪端)で十分。重いオイルは少量。分け目をややジグザグにすると影がやわらぐ。
金具色(統一すると整う)
イエベは淡金/アンティーク金、ブルベはシルバー/ガンメタで統一すると配色が締まる。眼鏡はべっ甲薄め/銀ふちがなじむ。
お手入れ(色を長持ち)
- 洗い:色物は短時間・単独。陰干しで直射日光を避ける。
- 保管:通気カバー+肩幅に合うハンガー。白や生成は紙の防黄ばみを挟む。
- 出先:小さなしわ戻しミストと糸くず取りで写真前に整える。
よくある失敗→すぐ効く修正
- 重く老けた:上をくすみライトに入れ替え、深色は点へ移動。
- 季節外れに軽い:温かニュートラルを面で追加。
- 顔がくすむ:明度を1段上げるか黄み/青みを半歩寄せる。
- 地味:パール/控えめ金具を一点だけ“点灯”。
- 強すぎる:彩度を1段下げ、白/生成を間に挟む。
Q&A(よくある疑問)
Q1. 深い色が似合わないのですが、秋らしさは出せますか?
A. 面はくすみライト、深い色は小物の点で。ベルト/靴/バッグに1点入れるだけで季節感が出ます。
Q2. イエベ/ブルベが分かりません。
A. 白/生成/ライトグレーのトップスで鏡チェック。顔色がにごらない布をベースに採用し、差し色は小物から試しましょう。
Q3. オフィスで浮かない差し色は?
A. セージ/ライラック/ミスト紺を細ベルト・パンプスのふち・名札紐などの“線”で少量投入します。
Q4. 黒を秋らしく見せたい。
A. 生成/サンドを増やし、ボルドーかインク紺を点で。素材はマットが安心です。
Q5. 柄はどのくらいが安全?
A. 細い線・小さめの散り柄まで。色の段差を1段以内にすると上品にまとまります。
Q6. 年齢的に彩度が不安です。
A. 服は淡色の面、彩度は小物へ移動。口紅は服より半トーン濃く/淡くで微調整。
用語辞典(やさしい言い換え)
明度:色の明るさ。高いほど軽く見える。
彩度:色のあざやかさ。高いほど目立つ。
黄み/青み:色に含まれるあたたかさ/ひんやり感。肌との調和に直結。
くすみ:灰色をひとさじ混ぜた落ち着いた色調。
面/点:面=服の広い部分、点=小物の小面積。
受け皿:強い色を受け止めてなじませるベース色。
線で締める:細ベルトやふちで輪郭を作り、全体を整えること。
まとめ:2025秋は“くすみライトを面、深色は点”で更新
上をくすみライト、土台を温かニュートラル、締めは深みアクセントを点で。これをイエベ/ブルベ別に1段調整すれば、誰でも品よく今季顔に。今日の一色から、秋支度を完成させましょう。