パーソナルカラー別でマスク移りしにくいリップ質感完全ガイド|色・層・塗る順番で落ちない口元を作る

マスクを外した瞬間に上唇だけが消えている、外側のマスクに口紅の形がはっきり付いていて人前で外せなくなる、マットに変えたら今度は顔色が落ちて「今日は体調悪い?」と聞かれた——ここ数年で増えたこうした困りごとは、実はリップの色選びだけの問題ではありません。

多くの場合は、その人が本来持っている肌の明るさ・あたたかさ・透明感に対して、リップの質感・厚み・塗る位置がほんの少しだけ過剰だったことが原因で、マスクに触れた瞬間に色ごと動いてしまっています。マスクは内側が繊維状で、しかも呼吸で湿気が出るので、本来は「リップの一番弱いところ」に触る構造になっています。つまりそこを最初から強くしておけば、色はほとんど動きません。


結論から言うと、マスク移りを最小限にして、なおかつ血色もきれいに見せるための条件は3つだけです。

自分のパーソナルカラーと同じ方向を向いた色を、厚くではなく“薄く・密に”乗せること。色が合っていれば薄づきでも顔色が出るので、そもそも重ね塗りの回数を減らせます。

上から重ねる層をできるだけ軽くし、マスクに付く油分の量を先に減らしておくこと。ツヤが欲しいのは中央だけでよく、口角やマスクが最初に触る位置はマット寄せにしておくと移りません。

よく動く場所(口角・上唇の山・マスクが触れる口のサイド)を、あらかじめ“にじまない場所”として用意しておくこと。この3つを同じ順番でやると、肌質や唇の厚さが違っても再現できます。

この記事では、まず「なぜ移るのか」という原理を詳しくほどき、次にスプリング・サマー・オータム・ウィンターの4タイプ別に、色・質感・層の重ね順・止め位置を細かく割り当てます。

さらに通勤・移動・オンライン・行事・季節ごとの環境差に合わせた調整、唇が乾きやすい人・口角が下がる人・グロスが好きでどうしても使いたい人への処方箋、買い物と手持ちリップの活かし方、最後にQ&Aと用語辞典まで一気に載せておきます。上から順に真似すれば、「今日はほぼマスクが汚れていない」状態を毎回つくれるようになります。

目次

マスクにリップが移る仕組みと色選びの原則

マスク移りが起きる三つのタイミングをもう少し詳しく

マスクにリップが移る瞬間はおおむね三つに分けられますが、どのタイミングで起きているかが分かると対策もしやすくなります。

一つ目は、塗ってすぐ・油分や水分がまだ肌の上に浮いている段階でマスクをつけたときです。とくに保湿リップの上にすぐ口紅を塗っていると、下の油分と上の色が一体化して動きやすい膜になっており、そのままマスクの繊維に吸い取られてしまいます。

二つ目は、会話や呼吸でマスクの内側が湿度を帯びたときです。湿気でリップの表面がふやけると、ふやけたぶんだけマスクとの接着面積が増え、動きやすくなります。

三つ目は、マスクをずらす・直すときに上下の布が口の側面をこすったときです。意外と多いのがこの三つ目で、最初は付いていなかったのに昼前にマスクを直した瞬間ににじむ、というのはたいていここです。

口角のあたりに油分やツヤが残っていると、ここが最も強くマスクに移ります。逆に言えば、この三つの瞬間で色が動かないようにしておけば、移りはぐっと減らせます。

パーソナルカラーを使うと移りにくくなる理由を掘り下げる

マスクに付いた色が目立つかどうかは、その色がマスクの白・ベージュ・グレーとどれだけコントラストを持つかで決まります。自分に似合っていない色、つまりその人の肌より暗すぎる・くすみすぎている・黄みや青みに偏りすぎている色は、マスクの白や淡い色とのあいだで差が大きくなり、わずかに触れただけでも「ついた」と分かります。

しかも似合わない色は、顔色が出るまでに重ね塗りが必要になるので、そのぶんマスクに付きやすくなります。これに対して、パーソナルカラーで選んだ色は、肌と同じ方向を向いているので、1〜2回の薄づきでも血色が出て、しかも付いた色がマスクの色とあまりケンカしないため、にじみが目立ちません。

さらに、似合う色は肌となじんでいるので、バームやティントのように薄くなっても「まだ血色がある」ように見え、塗り直しの頻度も下げられます。塗り直しが減れば、そのぶんマスクを汚す回数も減っていきます。

移りにくい基本レシピの手順を分解する

移りにくくする日の基本レシピは、①乾いた唇に直塗りせず、一度なじませてから塗ること、②リップ本体はシーズンに合った色を薄く二度塗りしてティッシュオフすること、③上から重ねる層(グロス・保湿リップ・オイル)を中央にだけすることの三段階ですが、これをもう少し細かく書いておきます。

まず①では、保湿後すぐに色をのせるのではなく、指先かティッシュでいったん油分をなじませます。ここを省くと、マスクに付くのは色だけでなく油分も一緒なので、跡が大きくなります。

次に②で、リップを一度塗ったら必ずティッシュで軽く押さえ、二度目をまた薄く塗って、もう一度押さえます。こうすると、唇の凹凸に色が入り込んで膜が安定するので、マスクに触れても表面が動きにくくなります。

最後の③で、必要な人だけ中央にだけツヤを足します。唇全体を同じツヤ・同じ厚みで覆ってしまうと、マスクが触れたときに一度に全部が動きます。中央はツヤがあっても、口角や上唇の山はあえてマット気味にしておくと、マスクが擦れたときにそこで動きが止まり、色が外に広がりません。

表:マスク移りが起こる条件と対策

観点移りやすい例移りにくい例対策のポイント補足でやると良いこと
塗りたて保湿リップの上にすぐ口紅一度なじませてから薄く二度塗り油分を吸わせてから色をのせる保湿はマスク着用の5〜10分前に済ませる
質感全面グロス・オイル多め中央だけツヤ・端はセミマット厚みを均一にしない口角にだけフェイスパウダーを乗せる
肌と逆方向の濃色・くすみ濃色シーズンに沿った中明度薄づきでも発色する色にするマスクの色に合わせてやや明るめを選ぶ
ライン口角までぎっしり塗る口角1〜2mm手前で止めるマスクが当たる部分を無色に口角をコンシーラーで整えて境界を固定

パーソナルカラー別・マスク移りしにくいリップ設計

イエベ春(スプリング):軽い色を“薄く重ねる”でにじませない

スプリングはもともと肌に明るい黄みがあり、透明感が出やすく、血色が乗りやすいタイプです。このタイプがマスク移りで失敗するシーンは二つあって、ひとつは「ちょっと薄い」と感じてコーラルを3回以上重ねたとき、もうひとつは「ツヤが好きだから」とグロスを端まで塗ったときです。

どちらもマスクに最初に触るのは口角なので、そこに余分なツヤや油分があると、内側に全部写ります。そこで春タイプの日は、コーラルピンク・アプリコット・ピーチベージュなど肌と同じ温度で明るさのある色を、薄く二度塗りしてティッシュオフするのを基本にします。

1回目でベースを作り、ティッシュで押さえ、2回目を乗せてまた押さえ、最後に中央だけ軽いグロスを置く。この3動作なら、マスクをしても動くのは中央だけです。


質感は、見た目が軽いセミマット〜クリーミーがもっとも扱いやすいです。水分が多すぎるツヤタイプは、呼吸の湿気を吸ってマスクに移りやすくなります。春タイプはもともと顔色が明るいので、完全マットにしてしまうとせっかくの明るさが消えてしまいます。

中央だけ光らせて端を乾かすくらいのバランスにすると、マスクをつけたり外したりをくり返しても崩れにくくなります。休日で色を強めたいときは、コーラルに1滴だけ青みピンクを足し、口角はパウダーで留めると、春らしさとマスク耐性の両方が取れます。

ブルベ夏(サマー):潤いは残して、表面だけをサラッとさせる

サマーは、青みを含んだ肌とやわらかい質感が似合うタイプなので、マットに振りすぎると一気に血色がなくなり、「マスク焼けしている?」と見えやすくなります。そこでサマーの日は、ローズピンク・青みピンク・ラズベリーピンクなどの透明感のある色を、指でぽんぽんとのせて一度なじませ、上から“表面をサラッとさせる”仕上げをします。

仕上げに使うのは、色のつかないルース状のパウダーや、リップ用のフィクサー。量はごく少量でよく、口角周辺とマスクが触れる上唇の山の部分にだけ入れれば十分です。こうすると表面だけがさらっと乾いたような状態になるので、マスクに触れても色が浮きません。


サマーがとくに避けたいのは、くすみローズやモーブを端まで厚く塗ることです。これらの色は顔にはとてもなじみますが、白マスクの内側では半透明の影になって見え、付着がわかりやすくなります。

ベースはなじませ、見えるところだけクリアに光らせるようにすると、端がマスクに触れても跡が残りません。オンラインの日は、中央だけいつもより明るい青みローズを足してからマスクを戻すと、画面越しに血色が見えて、マスクには付着しにくい状態を保てます。

イエベ秋(オータム):こっくり色は“面”で持たず、中央のみに集中させる

オータムは、テラコッタ・オレンジブラウン・コーラルブラウンといったこっくりした色が表情に深みを出してくれますが、これを唇全体に均一に塗ると、そのままマスクに触れたときに一番目立ちます。マスクの繊維にブラウンやテラコッタが付くと、わずかでも「汚れた」と感じやすいからです。

そこで秋タイプがマスク移りを防ぎたい日は、ローズブラウン・赤みコーラルブラウン・サーモンローズなどのやや軽さのある色をベースに薄く全体に広げ、中央だけにこっくり色を重ねるという二段構成にします。これなら、マスクが触れやすい口角や上唇の山には軽い色しか乗っておらず、濃い色は内側で守られているので、にじんでも外からは分かりません。


質感は、完全マットにしてしまうと秋タイプ特有のあたたかさが消えるので、なめらかに伸びて表面だけさらっと乾くタイプが理想です。リキッドでつやつやのものを使いたいときは、ティッシュで油分をとってから、口角にだけパウダーを重ねてください。秋タイプはマスクを外す機会が多いお仕事でも「内側で濃く、外は軽く」にしておくと乱れません。

ブルベ冬(ウィンター):高発色は“薄い膜”にしてから固定する

ウィンターは発色のいい青みレッド・ベリー・ワインなどがとてもよく似合いますが、そのままの濃度で塗ると1回でマスクに写ります。しかもウィンターの色はマスクの白とのコントラストが強いので、にじみが一番目立ちます。

そこで大事なのは、色を一度“薄い膜”にしてから固定することです。リップを直塗りしたらすぐにティッシュで全体を押さえ、もう一度同じ色を指で広げるようにして乗せ、最後に透明なリップコートかフェイスパウダーをごく少量ブラシで乗せる。これで色が動きにくくなり、マスクに付いても「淡いピンクの跡」にしか見えません。


ウィンターでもう一つ気をつけたいのは、リップラインを口角までくっきり描きすぎないことです。口角まで濃度を保ったまま描くと、マスクの繊維に引っかかって線のまま移ります。口角1〜2mm手前でラインをとめ、そこを指でぼかすと、境界がやわらかくなって移りが目立ちません。

ウィンターでどうしてもビビッドな赤を使いたい日は、口角を先にコンシーラーで整えて“無色のガードレール”を作ってから塗ると、マスクに触れにくくなります。

表:パーソナルカラー別マスク耐性のある色と質感(詳細版)

タイプ合う色の方向合う質感移りにくくするコツ追加でやると安定すること
スプリングコーラル・アプリコット・ピーチセミマット〜クリーミー二度塗り+中央だけツヤ口角をパウダーで乾かす
サマー明るいローズ・青みピンクうるおい保持+表面サラッと指づけ→パウダーで口角固定マスク前に一度ティッシュオフ
オータムローズブラウン・赤みコーラルブラウンなめらかで薄膜になるタイプ外は軽く・中央だけ濃くリキッドは必ずティッシュで押さえる
ウィンター青みレッド・ベリー・ワイン高発色セミマットティッシュオフ→口角はぼかすコンシーラーでリップ枠を先に描く

シーン別・季節別に落ちない口元を作る

通勤・オフィスで長時間マスクをつける日

朝の通勤から夕方までマスクを外せない日は、まず保湿を済ませてから3分ほど時間を置き、表面の油分をティッシュでやさしく取ります。次にリップを薄くのせ、ティッシュで軽く押さえてからもう一度薄くのせる。

ここまでで色は定着します。オフィスでは飲み物を飲むたびにマスクをずらすので、ずらしたときにこすれる口角にだけフェイスパウダーをのせ、あとは触らないでおきます。

色は、スプリングならコーラルベージュ、サマーならローズベージュ、オータムならコーラルブラウン、ウィンターなら落ち着いた青みローズがなじみやすく、マスクに付いても目立ちません。デスクでの会話が多い人は、上唇の山の左右にも軽くパウダーを入れておくと、マスクが上下に動いても付着が増えません。

外回り・長時間移動の日

電車や車で長時間移動する日は、マスクの内側がどうしても湿りやすくなります。ここでは、最初からツヤを控えめにしておき、内側ではなく外側の中央だけにツヤを重ねるようにすると、湿気がマスクに触れたときでもリップの表面がふやけません。

スプリングは軽いピーチに中央だけ透明グロス、サマーは青みピンクに中央だけパールのないグロス、オータムはローズブラウンに中央だけ同系のツヤ、ウィンターはベリーに中央だけ無色コートを使います。移動中にマスクを外すたびに塗り直すとマスクが汚れてしまうので、塗り直しは中央だけ・指で叩き込むだけにしておくと安定します。

写真・オンラインで口元を見せる日

写真やオンラインでは、マスクを外す一瞬のために色を持たせたいので、その場でさっと重ねてもにじみにくい構造にしておきます。あらかじめティッシュオフまでを済ませてから出かけ、撮影の直前に中央だけ色を足す。

このときにグロスを広げず、指でぽんと重ねるだけにすると、再びマスクをしても外側には付きません。顔色を上げたい日は、サマーは明るいローズを、ウィンターは鮮やかなベリーを中央だけに重ねると、画面上の血色と実物のマスク耐性を両立できます。

オンライン会議でカメラをやや上に置けるなら、上唇の山を少し明るくしておくと、マスクを外したときでも色が残って見えます。

季節の湿気・乾燥への対応をさらに具体化

夏場はマスク内が湿ってリップがふやけやすいので、油分の多いリップバームを下地に使うのは避け、保湿は軽めのものにしておきます。色をのせたら必ず一度ティッシュで押さえ、口角にはパウダーを。汗をかいたときは、マスクを戻す前に口角の汗と皮脂を一度拭き取ってから戻すと、にじみがぐっと減ります。

冬場は逆に乾燥で唇の表面がめくれやすく、そこにリップがたまってマスクに移るので、塗る前に余分な皮をオフし、保湿→なじませ→薄く塗る→ティッシュ→もう一度、の順で厚みを均一にします。暖房の効いた室内では、マスク内で水分が抜けてリップがひび割れ、そのひびに色がたまって移るので、口角だけ二度塗りせず一度で止めるときれいです。

表:シーン・季節別のマスク移り対策

シーン/季節使う色の目安質感の目安追加ケア注意しておくと良いこと
通勤・オフィスシーズンの中で中明度セミマット+口角だけパウダー飲食後に口角を軽く押さえるマスクを外す直前にグロスを足さない
長時間移動いつもより明るめ表面サラッと・中央だけツヤマスクをずらす前にティッシュマスクのワイヤーを口に当てない
写真・オンライン顔色が上がるクリア色時間差で上から重ねる直前に中央だけツヤ足しカメラ前で塗ったらすぐにマスクを戻さない
夏の湿気明るく軽い色マット寄せ・油分少なめ口角の汗を拭いてから装着マスク内の湿度でふやける前提で一段薄く
冬の乾燥なじむ温かい色うるおい保持後に薄膜めくれをとってから塗るひび割れた場所にはマットを重ねすぎない

悩み別の微調整テクニック

マスクの外側にまで色がにじむ

マスクの外側にまで色が出てしまうときは、口角から1〜2mmの範囲に色が乗っていることがほとんどです。先に口角をコンシーラーで明るく整え、そこへ色を乗せずに仕上げると、マスクが触れてもそこから外へは広がりません。

リップを塗るときは、口を少し開けた状態で上下のラインをとり、笑って歯が見えたときに色が見えないところまでで止めます。どうしても口角まで色を入れたい日は、口角だけマットな同系色を使い、中央はツヤというふうに質感で区切るとにじみが外へ出ません。

リップの色がすぐ薄くなり、塗り直すたびにマスクに付く

色がすぐ薄くなってしまうと、外出先で塗り直す回数が増え、そのたびにマスクを汚してしまいます。この場合は、最初から唇の色そのものを整えておき、塗り直しは中央にだけすると決めておきます。

コンシーラーやリップ下地で唇のトーンを整え、シーズンに合った色をティッシュオフまで済ませておき、外出先では中央にだけ同系色を重ねる。これなら、口角まで新しい油分を足さないので、マスクに色が移りません。

とくにオータムやウィンターのように濃い色を使う日は、この「中央だけ塗り直す」を守るとマスクの消費が減ります。

グロスをどうしても使いたい

グロスが好きな人は、グロス=マスク移りと感じてしまいがちですが、中央にだけのせる・色のつかないタイプを選ぶ・マスクをつける直前にはのせない、という三つを守れば使えます。

とくにサマーとスプリングは、中央に光がないと顔色が寂しく見えるので、マスクを外すタイミングでだけグロスを足す運用にすると、見た目と機能の両方を保てます。グロスを持ち歩くときは、色付きよりも無色・透明タイプを選び、指先でちょんと置く塗り方にすれば、マスクに付く量はさらに減ります。

唇が乾燥していてリップが均一にならない

唇が乾いていて表面がめくれていると、そこに色がたまり、マスクに触れたときにその部分だけがごそっと落ちます。出かける前にリップスクラブや濡れたタオルでやさしく表面を整え、保湿をしてから油分をしっかりティッシュで取っておくと、上に塗る色が一枚で密着するので落ちにくくなります。乾燥しやすい人は、口角だけは一度塗りで止めると、そこがよれずに済みます。

表:悩み別処方箋

悩み先にやること色の調整質感の調整追加でできること
外側ににじむ口角を無色で整える口角手前で止める口角だけパウダーマスクが触る位置をコンシーラーでガード
すぐ薄くなる下地でトーンを整える中央だけ塗り直す表面サラッとさせる外出先で指塗りにして量を増やさない
グロスを使いたいマスク前には塗らない中央だけ同系色無色グロスで層を軽くマスクを外す直前にだけ塗る
唇が乾燥する先にめくれをとる明るめ・清らかな色を選ぶ端はマット・中央はクリーム飲食前に一度ティッシュでならす

買い物のポイント・一週間設計・Q&A・用語辞典

買い物で見るべきポイントを実務的に

店頭やオンラインで「マスクに付きにくい」「色が長持ち」と書かれたリップでも、自分のシーズンとずれていると、付いたときにとても目立ちます。購入前に確認したいのは、①その色が自分の肌と同じ温度(黄み寄りか青み寄りか)かどうか、②仕上がりがセミマットか薄膜になるかどうか、③中央だけに光を置けるかどうか、の三つです。

とくに②は重要で、完全なマットでないと落ちないように見えて、実は「薄くて均一な膜」のほうがマスクには強いことが多いです。色が合っていれば、多少移ってもマスクの内側で目立ちません。

色を迷ったら、スプリングは明るいコーラル、サマーは明るいローズ、オータムは赤みを含んだブラウン、ウィンターは青みを感じるレッドを一本持っておくと、どのシーンでも応用できます。

一週間のマスク対応リップ例を増やす

月曜は通勤でスプリングならコーラルベージュをセミマットで、サマーならローズベージュを表面サラッと、オータムならコーラルブラウンを軽めに、ウィンターなら青みローズを薄膜で。火曜はオンラインが多いと想定して中央だけ明るい色を足し、口角はパウダーで固定。水曜は長時間移動で油分を控えめにし、ティッシュオフを確実に。

木曜は会食がある前提で内側をしっかりめにしてから出かけ、外では中央だけ塗り直す。金曜は写真やSNS用に中央を光らせ、夜にマスクを外す予定があるなら、その直前にだけグロスを足す。

土日はマスクを外す時間が長いので好きな質感を、といったように、**「口角はいつもセミマット」「中央だけ変える」「塗り直すときは中央だけ」**をルールにしておくと、どの曜日もマスクの汚れ方が大きく変わらなくなります。

Q&A(よくある質問)

Q1. 完全にマスクに付かないリップはありますか?
A. まったく付かない、は現実的には難しいです。呼吸の湿気・話すときの摩擦・マスクの素材など外的な要因があるからです。ただし、色をティッシュオフしてから中央だけツヤを足す方法なら、付着量はかなり減らせます。マスクに付くのを0にするのではなく、「付いても目立たない色と付いても広がらない質感」にしておくことが大切です。

Q2. マットリップは全部マスク向きですか?
A. 乾ききらないマットや、油分が多いマットは移ります。マットでも層が厚いとマスクに触れたときに表面だけめくれてしまうので、薄く伸びて表面だけサラッとするタイプを選んでください。マットを使うときも、口角は一度で止め、中央だけ二度塗りすると動きません。

Q3. マスクの色によっても目立ちますか?
A. はい。白いマスクはどの色でも目立ちやすく、ベージュやグレーはくすみ色が目立ちます。自分のリップが黄みなら白マスク、青みならベージュマスクのほうが汚れが気になりにくいです。仕事で白マスクしか使えないなら、シーズンの中でも明るめ・清らかめの色を選んでおくといいです。

Q4. 塗り直しのたびにマスクを捨てないといけませんか?
A. 口角にだけ色が付く場合は、そこだけティッシュで軽く拭ってから再装着すれば問題ありません。付着を最小にしておけば、マスクの交換頻度も減らせます。マスク外側にまで色が出た場合は衛生面を考えて交換がおすすめですが、この記事の手順で「口角を無色」「端はマット」を続けるとその頻度も下がります。

Q5. マスクを外したときに縦じわが目立ちます
A. 塗る前に保湿してから油分を取る、という前準備を丁寧にすると縦じわに色がたまらず、マスクへの移りも同時に減らせます。縦じわが深い人は、中央にだけクリーム質感を残し、口角は完全にサラッとさせるときれいです。

Q6. ティントに変えれば解決しますか?
A. ティントは色持ちは良いですが、塗ったあとにオイル分をきちんと取らないと、やはりマスクに付きます。ティントを使うときも、最後にティッシュで押さえ、口角にだけパウダーをなじませるひと手間を入れてください。

用語辞典

セミマット:完全なマットよりはうるおいがあるが、表面がサラッとしている質感。マスクの日に最も使いやすい。
薄膜(うすまく):色を厚く重ねず、肌の上に一枚だけ均一にのせた状態。動きにくく、マスクにも移りにくい。
ティッシュオフ:塗ったリップをティッシュで軽く押さえて余分な油分や色を取ること。マスク前には必ず行うとよい。
口角マット:口角だけをパウダーやマット質感で仕上げること。ここで色を止めることで外へのにじみを防ぐ。
フィクサー:リップやメイクの表面を固定するために使う仕上げアイテム。中央だけに使うと、マスクに色が付くのを抑えられる。
清らかな色:くすみが少なく、肌の透明感を邪魔しない色。マスクに付いてもにじみが目立ちにくい。


まとめ:
マスク移りを防ぐ基本は、自分のパーソナルカラーに沿った色を薄く・密に重ね、中央だけを光らせ、口角をマットで締めることです。色が合っていれば薄づきでも顔色は落ちず、そのぶん重ね塗りの必要がなくなるので、そもそもマスクに移る量が減ります。

さらに、シーズン別の質感ルールと、シーン別・季節別の小さな手直しを覚えておけば、長時間マスクでも「ほとんど付かなかった」を毎日再現できます。

今日は、まず口角を無色にするところから始めてみてください。そこに色を乗せないだけで、マスクの汚れ方が見違えますし、外したときの見た目の清潔感も一段上がります。

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