パーソナルカラー別で叶える口角上がり見えリップライン完全ガイド|色・形・質感を変えるだけで“微笑み顔”にする方法

口紅をきちんと塗っているのに、鏡を見ると口角だけがほんの少し下がって見えたり、写真に写ると笑っているはずなのに口元だけが疲れて見えたり、オンライン会議で画面に映るときになぜか口元が暗く見えたりすることがあります。

多くの人はここで「自分は口角が下がっているのかも」「口角を上げる筋トレをしないと」と考え始めますが、実際には筋肉が下がっているというより、唇の外周をどの角度でとったか・どんな色で塗りつぶしたか・唇のどの部分に光を残したかによって、口角の印象が大きく変わっているだけのことがほとんどです。

特に日本人に多い、上唇がやや薄くて下唇がふっくらしているタイプ、口角がわずかに水平〜下がり気味につきやすいタイプ、年齢とともに口角周りにくすみや影が出やすいタイプは、1mm〜2mmのラインのとり方と、肌と同じ方向を向いた色を選ぶことで、まるで表情そのものが上向きになったように見せることができます。

結論を先にまとめると、口角上がり見えを安定して再現するには、①自分の肌の明るさ・あたたかさ・透明感に沿ったリップ色をベースにすること、②上唇の山を高く・細く・軽くとること、③下唇の口角側を外上方に0.5〜1mmだけ描き足すこと、④中央には明るさとツヤを残して上下の端に行くほど細くすること、この4つをいつでも同じ順番で行うことが大切です。

そしてこの「ベースの色」を決めるときに、パーソナルカラーの考え方を使うと、塗った瞬間から顔色となじみ、口角に描いた細いラインが不自然に浮くこともありません。

この記事では、原理→四季別の具体ライン→シーン別・季節別の使い分け→悩み別の微調整→買い物と練習・一週間運用→Q&Aと用語辞典という順番で、今日から同じ角度で描けて、どの写真でも口角がふわっと上がって見える方法を解説します。

途中で「今はここまででいい」というところで止めても使えるように、数値と工程を細かく書いておきます。


目次

口角上がり見えの原理とパーソナルカラーの関係

口角が下がって見えるときに起きていることを細かく見る

口角が下がって見えるとき、実際の筋肉の位置が大きく下がっていることはそれほど多くありません。多くの場合は、①上唇の山が横に広く、平らにとられている、②下唇の端が内側にすぼめられているか、色がのっておらず影になっている、③唇の外周の色が肌色とずれて口元だけ沈んで見えている、この3つが同時に起きています。

特に下唇の端は、塗るとにじみやすかったり、マスクで取れてしまったりするので「ここは塗らなくていいか」と削ってしまいがちですが、ここを削るとそのまま口角の形が削られてしまいます。先に下唇の端を外側に少し持ち上げるように描き、上から色をかぶせるようにすると、本来よりも1mmほど上に口角があるように錯覚させることができます。

さらに、年齢を重ねると口の両端にわずかな影が生まれます。これはたるみだけが原因ではなく、顔全体の血色が落ちているのに、口紅の色だけが肌と温度差のある色になっていることでも起きます。例えば、顔のトーンが青み寄りで透明感がある日に、黄みの強いベージュを広く塗ると、唇の外周と頬のトーンがずれて、口元の影が濃く見えます。

逆に、肌に黄みがありあたたかいトーンの日に、青みの強いローズを唇いっぱいに入れると、唇の縁だけが冷たく見え、やはり口角が沈んで見えます。つまり「口角が下がっているように見える」現象の半分は、色の温度が顔と合っていないせいで影が強く見えているだけなのです。

パーソナルカラーを使うと線が浮かない理由

ここでパーソナルカラーの考え方を使うと便利なのは、もともとの肌や瞳や髪が持っている明るさ・温度・清濁に近い色を唇にもってくることで、影を目立たせずに輪郭線だけを見せられるからです。

スプリングは高明度・高彩度・あたたかい、サマーはやや高明度・やわらかく少し青み、オータムは中〜低明度・黄みを含み・落ち着きがある、ウィンターは高明度または低明度でコントラストが強く・青みが冴える、という大きな軸を持っています。

ここから外れた色を口元に置くと、唇だけが主張してしまい、せっかく描いた「上に向かうライン」よりも「なじんでいない色」のほうが目立ってしまいます。逆に、肌や目や髪と方向が揃った色を使えば、どれだけ細いラインを描いても“もともとそういう口の形でした”という顔に見せることができます。

角度と光でつくる基本レシピをさらに詳しく

口角を上げて見せたい日の手順はこうです。①唇全体を保湿し、端の縦じわをならす。②肌色に合わせたコンシーラーを、口角の外側にはみ出さないように薄く置き、輪郭をいったんまっさらな状態にする。③上唇の山を、普段のリップラインより1〜2mmだけ高く、かつ細く描く。

ここを太くとると強く見えるので、「高くて細い」がセットです。④下唇の口角側を、外上方に0.5〜1mmだけ描き足す。太く描きすぎると線だけが浮くので、できるだけ細い筆で、外へ行くほど薄くなるグラデーションを意識します。⑤中央だけツヤや明るい色を重ね、端には重ねすぎない。

こうすることで、中央がふっくら・端は細く上向きという「笑っているときの形」を、表情を動かさなくても作ることができます。

表:口角上がり見えの原理早見表

観点することしないことポイント補足練習
上唇山を1〜2mm高く・細く・軽い色で描く山を平らに塗りつぶす・濃色で山を太くする山が高いと口角と対になって笑い口に見えるはじめは片側ずつ描き、写真で高さをそろえる
下唇端を外上方に0.5〜1mm足す端を内側に削る・端だけ色を抜く端を削ると影が強調され下がって見える口角だけティッシュで油分をとってから描く
肌と同温度・同明度を選ぶ顔色と違う強色を広範囲に塗る色が合うと影が目立たず線が自然になる口角にだけ明るい同系色を重ねて持ち上げる
質感ツヤまたはなめらかマットで面を作る粉っぽいマットで全体を覆う光の面で口角を持ち上げる端だけマット・中央だけツヤの二層にしてもよい

パーソナルカラー別の口角上がりリップライン設計

スプリング(イエベ春):明るく・ふっくら・光で上げる

スプリングタイプの肌は、もともと明るく血色がよく、頬やまぶたにやわらかい光がのりやすいので、口角も同じように**「光でふっくらさせる」**方向に寄せるときれいです。色はサーモンピンク、アプリコット、コーラルピーチ、ピーチベージュなど、黄みを含んだ高明度系が基本です。

輪郭のとり方は、上唇の山を小さくはっきりさせ、山のすぐ横でほんの少しすぼめると、そこから口角に向かって上に行きやすくなります。下唇は中央を厚くしすぎると幼くなるので、中央はなめらかにぼかし、口角側にだけ上向きの細い線を入れます。最後にツヤ系のリップやグロスを中央にだけのせ、口角の手前で止めると、光は中央に集まり、角度だけが上へ行くという理想的な形になります。


スプリングの中でも大人っぽく見せたい人、オフィスで落ち着きを出したい日は、同じコーラルでもくすみがほんの少し入ったサーモンベージュに変え、輪郭をリップブラシで丁寧にとると、子どもっぽくならずに済みます。逆に若々しさや可愛らしさを出したい日は、上唇の山を気持ち高めにとり、口角の上げ幅も1mmくらいまで許容して、にこっとした角度を強めてください。

サマー(ブルベ夏):やわらかく・横に流し・影を消す

サマータイプは、肌がやわらかく、頬や目元にふんわりとした青みがある人が多いので、リップラインも強くとがらせるより、横にすっと流すようにして最後だけ上げると、顔全体の空気感を壊さずにすみます。

使う色はローズピンク、青みピンク、ライラックピンク、くすみローズなど。まずリップライナーか細いブラシで上唇の山を描きますが、スプリングよりもまるく、角を立てすぎないようにしてください。山の高さも1mm程度で十分です。そこから口角に向かって、横方向に真っすぐ進む時間を長くとり、最後の0.5mm〜1mmだけ斜め上にすると、自然な口角上がりに見えます。


サマーは質感選びも大切で、完全なマットだと縦じわが目立ち、ツヤツヤすぎると青み部分が光ってしまうので、セミマット〜クリーミーで、表面がなめらかに光る程度が口角上がりとの相性が良いです。

口角の上側には、ベースより明るい青みピンクを点で置いてぼかすと、下がって見えやすい端の影が消えます。やわらかい色調なのでにじみやすいときは、口角だけティッシュで軽くおさえてから描き、描いたあとはごく薄くフェイスパウダーをのせておくと持ちが良くなります。

オータム(イエベ秋):細く締めて大人っぽく、でも上げる

オータムタイプは、肌や髪や目に深みがあり、口元も広く見えやすいので、ここが重くなるとそのまま口角が下がったように見えてしまいます。そこで、テラコッタ、オレンジブラウン、レンガ、キャラメルピンク、カッパーピンクなどのまろやかな色を使い、上唇の山をややとんがらせて高く→口角に向かって細くなる三角形をつくります。

線が太いまま端まで行くと「大きい口」に見えるので、端に行くほど細く・薄くするのがコツです。下唇は中央はそのままにしておき、口角側にだけ外上へ細いラインを1本足す。最後に口角の上側、つまり肌との境目に、同系色で明るい色か、肌なじみのいいコンシーラーを点で置いてぼかすと、口角の位置そのものが上にあるように見えるようになります。


オータムの場合、ツヤが強すぎると下に光が溜まって重く見えるので、なめらかな薄膜マットをベースにして、中央だけほんのりツヤを足すくらいがバランスがいいです。秋色リップは大人っぽさが出る一方で、口角が下がると一気に不機嫌そうに見えることがあるので、この「端を細く上げる」手順だけは忘れないようにしてください。

ウィンター(ブルベ冬):コントラストと輪郭で“ここが口角”と決める

ウィンタータイプは、白と黒、明るい肌と濃い髪、といったコントラストが映えるタイプなので、唇も**「ここが口角です」とはっきり決めてから塗ると、顔全体の印象が整理されます。

ワイン、ベリー、バーガンディ、フューシャ、青みのあるレッドなど、発色が高くて青みのある色がよく似合いますが、そのままの線で端まで行くと口が大きく見えすぎるので、最初にライナーで口角の位置を外上方に決めておきます。

そこに向かって上唇の山から細い線を引き、最後の1mmで斜め上に跳ね上げる。下唇も、中央は厚くせず、端に向かって細くしていき、最後の1mmだけ斜め上に。強い色は外に広げないほうがエレガントに収まるので、輪郭は外に足しても、色は中央寄せにしておきましょう。


高発色リップは落ちたときに口角だけ残ってしまうことがあるので、ウィンターの人は
口角だけあらかじめコンシーラーで土台を作り、にじみどめをしてから描く**と、途中で形が崩れません。画面越しでも「口角がくいっと上がって見える」ので、オンラインでの印象にも効きます。

共通の塗り分けパターンをもう一段階細かく

四季の違いにかかわらず、中心を明るく・端を細く上げるという構造は共通です。ベースのリップを全体に塗ったらティッシュで一度押さえ、中央だけもう一度リップを重ねてツヤを戻す。ここまでが第一段階です。

第二段階で、口角の上側に同系色で明るい色か、透明感のある色を細筆で足し、斜め上に吸い上げるようにぼかす。

第三段階で、必要なら口角のすぐ外側にハイライトやコンシーラーを細く入れて、そこではじめて「ここが口角です」と明示します。これを順番通りに行うと、どのタイプの人でも同じ角度で再現できます。

表:パーソナルカラー別おすすめ色とラインの方向(詳細版)

タイプ色の方向ラインの形質感のおすすめ一言でいうと相性のいいハイライト
スプリングコーラル・アプリコット・明るいピーチ山を小さく高く→端は外へ・線は細くツヤ〜クリーミー光で上げるアイボリー〜シャンパン
サマーローズ・青みピンク・ライラックピンク山は丸く→端は横→最後だけ上へセミマット〜クリーミー横に流して上げるピンク味のある明るいベージュ
オータムテラコッタ・レンガ・オレンジブラウン山を高めに→端は細く外上へ薄膜マット〜なめらかツヤ線で引き締めて上げる黄みベージュ〜ライトキャメル
ウィンターベリー・ワイン・バーガンディ・クールレッド口角を先に決めてからつなぐ高発色マット〜セミマットコントラストで上げる白寄せのハイライト・明るいローズ

シーン別・季節別の口角上がり見えパターン

通勤・オフィスで自然に見せる

仕事の日は、リップラインをがっつり上げると「今日はメイクが強い」という印象になります。そこで、自分の唇より0.5mmだけ外に出す・口角は影を消す程度に上げるという控えめな設計にしておくと、清潔で信頼感のある口元に見えます。

スプリングならコーラルベージュ、サマーならローズベージュ、オータムならキャメルピンク、ウィンターならプラムベージュやローズブラウンなど、ベージュに自分のシーズンの色を一滴混ぜたような色を選んでください。上唇の山だけリップブラシで細くとがらせ、下唇の口角を外上に短くつなぐ。これだけで、話すとき・笑うとき・飲み物を飲むときも形が大きく崩れません。

休日・写真・動画撮影の日

写真や動画では実物よりも口角が下がって写りやすいので、実物より1mm多く上げるつもりで描きます。このとき、中央まで同じ濃さにすると厚ぼったく見えてしまうため、中央は中明度・口角の上側にだけ高明度を点で置くと、光の差で上に引っ張られたように写ります。

スプリングなら明るいコーラルをベースに口角上側へアイボリーを、サマーならローズをベースに口角に青みピンクを、オータムならテラコッタをベースに口角に黄みベージュを、ウィンターなら青みレッドをベースに口角に淡い青みピンクを重ねます。

スマホで自撮りをするときは顔を少しだけ上げ気味にし、光が正面から当たる場所で撮ると、リップラインの角度がそのまま映ります。

行事・フォーマル・写真に必ず残る日

式典や七五三、入卒、集合写真がある日などは、線をしっかり出す代わりに色をなじませると、きちんとしているのにやわらかい口元になります。先にライナーで口角の位置を決め、そこに向かって上唇の山を細く描いたら、全体には口紅をぽんぽんと置いて指でなじませ、最後に中央だけにツヤを乗せます。

こうすると、角度は上向きなのに色はふわっとしている、いかにも「機嫌がいい」「品がいい」口元になります。パールが強いものより、細かな光沢のあるクリームのほうが写真に向きます。

季節の乾燥・暑さへの対応

冬場は口角が割れやすく、上げラインが描きにくくなるので、先にバームや薬用リップで端をなめらかにして、余分な油分だけティッシュでとってから描きます。夏場は汗や飲み物でにじみやすいため、口角に描いた上げラインだけはティッシュオフ後にペンシルで再度描き、そこだけパウダーで軽く押さえると消えません。マスクをつける日は、中央はツヤ・口角はマットというふうに、質感をわけておくと、こすれても角度が残ります。

表:シーン別おすすめ設計

シーンベース色上げ幅質感ねらい注意点
通勤ベージュ寄せのシーズンカラー0.5mmセミマット自然で信頼感飲食が多い日は口角だけパウダー
休日・写真日シーズンの代表色1mmツヤ+中央だけ光写真で上に見せる光を口角に乗せすぎない
行事なじみローズ/テラコッタ0.5〜1mmクリーミー上品で崩れにくいライナーで先に位置決め
季節対策シーズンに近い薄色0.5mm保湿重視+部分マット割れ防止端だけオフしてから描く
オンライン会議明るめで顔色が上がる色0.5〜1mmツヤを中央にだけ画面越しで口角を示すカメラの位置をやや高く

悩み別の微調整テクニック

唇が薄くて上に上げるスペースがない場合

唇が薄い人は、上側にだけ描き足すとラインがすぐに分かってしまいます。そこで、先に下唇の中央をふっくらさせておき、中央→端に行くに従って薄くする中で口角だけ上げると自然です。具体的には、下唇中央に自分のシーズンでもっとも血色がよく見える色を広めに置き、口の横幅をほんの少し狭めるようにぼかします。

そのあとで、下唇の口角側にだけ0.5mm外上へ線をつなぐと、唇の大きさを変えないまま口角だけが上がって見えます。上唇には無理に足さず、山を高く・細くすることに集中します。

唇が大きくてこれ以上広げたくない場合

もともと唇が大きく厚い人は、横へのオーバーラインをやめて、縦の傾斜で上に見せるのが有効です。上唇の山をやや高めに描き、山から口角に向かって降りる線を短く、やや急な角度にします。色も周囲にぼかさず、中央だけ高発色・口角ラインは同系のやや薄い色を選ぶと、輪郭がきゅっと締まり、口角だけが上がって見えます。

グロスを全体にのせると広がって見えるので、グロスは中央にだけ。

口角にくすみ・色ムラがある場合

口角にくすみや色ムラがあると、上げラインを描いても影が勝ってしまいます。この場合は、ファンデーションやコンシーラーでまず口角を一度消して平らなキャンバスを作ることが先です。肌より半トーン明るいコンシーラーを口角に点で置き、指でたたき込んで境目をならしたら、そこに上げたい方向へリップライナーを描きます。

描いた線は太くせず、コンシーラーで明るくした部分の中で完結させると、くすみが出ず、自然に上を向きます。最後に、唇の色となじむように中央の色を少しだけ重ねて境目をなじませると、より自然です。

ほうれい線・たるみで口角が巻き込まれる場合

口角がたるみで内側に巻き込まれるタイプは、色だけでなく光も使います。口角の真上に肌なじみの良い明るいコンシーラーを細く差し、そこから斜め上に向かってリップラインを描きます。

さらに、仕上げに中央のツヤを口角の一歩手前で止めると、光が下に落ちず、たるみが目立ちません。時間がある日は、口角の外側にごく薄くシェーディングを入れておくと、光と影の差でより上がって見えます。

表:悩み別処方箋(詳細版)

悩み優先すること補足すること避けたいこと
唇が薄い下をふっくら→端を上げる中央に光を置く・上は細く端を大きくオーバーにする
唇が大きい横を増やさず縦傾斜を強める口角は同系薄色で描く全体にグロスを引く
くすみ・色ムラ先に消してから描く明るい色で内側を埋めるくすんだ端に直接濃色をのせる
たるみ・巻き込みコンシーラーで上の面を作るツヤを口角手前で止める口角にパールを直のせする

買い物と練習のガイド・一週間パターン・Q&A・用語辞典

どんなアイテムを揃えると迷わないか

口角上がり見え用に揃えておくと便利なのは、①自分のパーソナルカラーで最も使いやすい中明度の口紅、②それよりすこし明るい同系色のリップ、③肌なじみの良いコンシーラー、④先端の細いリップブラシ、の4つです。ここに余力があれば、⑤口角の外側をさらっと整えるフェイスパウダー、⑥写真の日に使う明るめのハイライトも加えておきます。

中明度の口紅で全体を塗り、明るいほうで口角の上側を描き、コンシーラーで不要な影を消し、ブラシで角度を整える。この4アクションがワンセットになります。色を2本持つことで、中央は中明度・端は明度高めという「上がって見える配色」がいつでもできます。

練習のしかたを段階分けする

練習は1日で完璧にしようとせず、段階を分けたほうが形が安定しやすいです。1日目は上唇の山だけを1〜2mm高く取る練習。2日目は下唇の端を外上に0.5mmだけ描き足す練習。3日目以降で、色をシーズンに合わせて差し替える練習をします。鏡を正面と斜め45度に置き、正面で高さを、斜めで上がり方を確認します。

はじめのうちは、左右でまったく同じ角度にならなくても構いません。口角より上でラインが終わっているかどうかだけを確認できれば十分です。写真を撮るときは、正面よりもやや上から撮るとリップラインの上がりが分かりやすく、どの角度が自分の口元に合うか判断できます。

一週間の口角上がり見えリップ例

月曜は通勤用にベージュ寄せ、火曜はオンラインで明るめピンク、水曜は在宅でセミマット、木曜は会食で中央にだけツヤ、金曜は写真を意識した高めの上げ幅、土日は季節色で遊ぶというように、上げ幅を0.5mm→1mm→0.5mm→1mm→1mm→0.5mm→0.5mmと日ごとに変えると、自分の口元が一番きれいに見える角度が見つかります。

オータム・ウィンターの人は金曜を深い色にしても良いですし、スプリング・サマーの人は土日を透明感のある色にしても構いません。大事なのは、どの日も「口角だけは外上に描いている」ことを変えないことです。

Q&A(よくある疑問)

Q1. リップライナーは必ず必要ですか?
A. 絶対ではありませんが、口角だけはライナーや細筆を使ったほうが角度が出て、時間がたっても崩れにくくなります。普段は口角のところにだけ使い、全体は口紅で仕上げる形でも十分です。

Q2. 上唇を高くするとケバくなりませんか?
A. 山を高くしすぎるとそう見えますが、1〜2mmにとどめ、色を自分のパーソナルカラーに合わせれば上品にまとまります。山を高くした日は、目元やチークを控えめにすると全体のバランスが取れます。

Q3. マットリップでもできますか?
A. できますが、粉っぽいマットは角度が割れやすいので、なめらかに伸びるタイプか、口角だけツヤ系でなぞるときれいです。マットの日は、口角の上げ幅を0.5mmにとどめると割れが目立ちにくくなります。

Q4. 口角の色だけ取れてしまいます
A. 口角を塗る前にティッシュで水分・油分をおさえ、描いたあとにごく薄くフェイスパウダーを重ねると持ちが良くなります。飲み物を飲む前に口角だけ指で軽く押さえるのも有効です。

Q5. どのシーズンにも当てはまらない気がします
A. 黄みと青みがどちらもほどよい中間の人は、明度と質感を優先して選んでください。肌が明るければスプリング・サマー寄せ、落ち着いていればオータム・ウィンター寄せで考えると、なじむ色が見つかりやすくなります。

Q6. 唇の縦じわが多くてラインがガタガタになります
A. 描く前に保湿して縦じわをならし、口角を描くところだけ軽くティッシュオフしておくと、線がまっすぐ出ます。縦じわが深い場合は、線を一気に描くのではなく、点で置いてから細筆でつなぐときれいです。

Q7. 年齢が上がると似合う色が変わりますか?
A. 完全に変わるわけではありませんが、明度を一段階上げると口角の影が目立たなくなります。同じコーラルでも少し明るめ、同じローズでも少しミルキーなものを選ぶと、上がりやすくなります。

用語辞典

上唇の山:上唇の中央にある2つの山。ここを高く・細くすると口角が上がったように見えやすい。
オーバーライン:本来の唇よりも外に輪郭を描くこと。口角上がりの場合は外に描きすぎないのがポイント。
明度:色の明るさ。明るいほど口角の影が目立ちにくい。
清濁:色の澄んでいる・くすんでいるの差。肌と同じ清濁を選ぶと唇だけ浮かない。
セミマット:完全なツヤでもマットでもない中間の質感。口角を描いた線が割れにくく自然に見える。
ハイライトリップ:口角の上側や中央だけに明るい色や光沢を重ね、立体を強調する方法。
コンシーラーで消す:元の口角やくすみを一度なかったことにし、好きな位置に新しい口角を描けるようにする下準備。


まとめ:
口角上がり見えは、特別なメイク道具やパーツの整形がなくても、パーソナルカラーに沿った色で・上唇の山を1〜2mm高く・下唇の口角側を0.5〜1mm外上に・中央には明るさとツヤを残すという4つを守れば、毎日同じように再現できます。色を肌と同じ方向に寄せることで線が浮かず、角度を小さく積み上げることで表情を動かしても崩れません。

唇が薄い人も大きい人も、くすみがある人も、年齢で縦じわが増えた人も、この「1mmの設計」を続けていけば、写真でも実物でも「いつも機嫌がよさそう」「優しそう」「話しかけやすい」という口元を手に入れられます。今日のメイクにほんの少しだけ角度を足して、あなたらしい笑顔のラインを固定していきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次