パーソナルカラー別×フード付きアウターの顔映り最適化ガイド|顔周りに“布の影”が来てもくすまない法則・完全版

フード付きアウターは、パーカ・マウンテンパーカ・中綿コート・ダウン・きれいめフードコートなど形が豊富で、雨・風・冷え・荷物の多い日など実用シーンでとても頼りになります。

一方で、多くの人が一度は感じるのが「着た瞬間に顔だけくすむ」「写真を撮ると首が短く太く見える」「コート自体はかわいいのに自分が着ると重たい」という違和感です。これは単に色が似合っていないからではなく、フードという“立ち上がる布のパーツ”が、顔のすぐ後ろと横に影をつくる構造になっていること、さらにその布の色が自分のパーソナルカラーの温度や明るさとずれていると、肌よりも布の色が先に目に入ってしまうことが原因です。

つまり、フード付きアウターは「暖かいから着る」「防水だから着る」という実用目線だけで選んでしまうと、色の理屈と立体の理屈が抜け落ち、結果的に顔だけが損をするのです。

そこで押さえておきたい結論は三つです。

一つ目は、顔に一番近いところ(フードの縁・内側・前立て・首元)ほど明るく・軽く・自分のベースに寄せること

二つ目は、フードがつくる影をインナーやストール・マフラーなど“自分で選べる小さな布”でゆるめて、アウターの色と肌のあいだに緩衝層をつくること

三つ目は、どうしても季節に合わない色のフードを着る日は、そもそもフードをかぶらない・背に倒す・取り外す前提でコーデを組むこと。この三つを守れば、真冬の厚手ダウンでも雨の日の撥水パーカでも、オフの日のスウェットパーカでも、「今日は顔色が悪い」と感じる日がぐっと減ります。

以下では、まずフード付きアウターがなぜ顔映りを左右するのかという原理を押さえ、次にパーソナルカラー4タイプ別に似合いやすい色・素材・立ち上がりの高さを細かく見ていきます。

さらにアイテム別(スウェットパーカ・マウンテンパーカ・ダウン・フード一体型コート・取り外しフード)での調整、通勤や学校行事・休日・雨の日・写真の日などシーン/季節での見せ方、最後に買い物とお直し・手元にあるアウターを今より似合わせる調整方法、そしてよくある質問と用語辞典までをひとつの流れでまとめました。

これを一度作っておけば、今後どんな色・どんな素材・どんなブランドのフード付きアウターに出会っても、同じ手順で「自分に合うかどうか」を判断できるようになります。

目次

フード付きアウターが顔映りを左右する理由と観察ポイント

フードが「光をさえぎる壁」になる仕組みを知る

フードは、後頭部から首の後ろ、耳の後ろあたりをなぞるように、半円形に布が立ち上がる構造です。この“立ち上がり”があるだけで、普段なら上から・斜め前から・横から差し込んでくる室内光や屋外の光が、頬・フェイスライン・あご先に届きにくくなります。

特に、濃い色・光を吸い込むマットな素材・ナイロンでも撥水で少し硬いもの・中綿で厚みを持たせたものは、光を反射するよりも抱え込むので、**「鏡を見ると急に目の下が影っぽくなった」「同じリップなのに青ざめて見える」**と感じやすくなります。

ここで大事なのは、肌が本当にくすんでいるのではなく、フードがつくった“人工的な影”が肌の上に落ちているだけという点です。つまり、影を軽くしてあげればたちまち顔色は戻ります。

やり方は簡単で、①フードを少し後ろに引いて顔から1〜2cm離す、②前立てやファスナーを開けてVラインをつくり、首元に光の通り道をつくる、③フードの内側や首元に白・アイボリー・ライトグレーなど明るくて反射する色をはさむ。この3手を加えるだけで、同じアウターでも見え方が変わるのがわかるはずです。

首の詰まり・フードのボリュームとパーソナルカラーの相性

首周りが詰まっている服は、顔に近い場所に布の面積が多くなり、ただでさえ自分のカラー診断の結果が出やすいゾーンです。この“詰まり”に対してさらにフードのボリュームが加わると、ほぼアウターの色だけで顔が囲まれてしまい、肌→アウター→背景という色の順番が崩れるため、似合う・似合わないがはっきり表に出ます。

サマーやウィンターのように青みが得意なタイプが、黄みの強いベージュやキャメル・オリーブの大きなフードを被ると一気に黄ばみが増すのはこのためです。

逆に、スプリングやオータムのように黄みが得意なタイプが、真っ白やアイシーグレー・青みの強いライトグレーで大きなフードを顔に近づけると、今度は血色が抜けてクマが目立ちやすくなります。

したがって、**「顔をぐるっと囲う大きめフード」「フードの内側も表と同じ色で暗い」「首元のファスナーを上まで閉めるとほとんど肌が出ない」**といった条件が重なる日は、必ず自分の季節のベースカラーに寄せた色を選ぶのが安全です。

スプリングならミルクティーベージュやアイボリー、サマーなら薄いブルーグレーやミストグレー、オータムならキャメル・オリーブ・マスタードベージュ、ウィンターなら黒・ネイビー・チャコール・アイシーホワイトといった色が、それぞれの肌の光の方向とぶつからずに済みます。

フードを「かぶる日」と「背に倒す日」で色の選び方を変える

フード付きアウターを買うときに忘れがちなのが、「今日は本当にかぶるのか、それとも飾りとして付いているだけなのか」を先に決める視点です。

雨・風・雪・アウトドア・自転車・子どもの送迎などで実際にフードをかぶる日は、顔に最も近い場所にフードがくるので、その色も素材も自分にとって一番有利なものを選びます。サマーならアイシーグレーやスモーキーブルー、スプリングならアイボリーやライトベージュ、オータムならキャメルやオリーブ、ウィンターならネイビーや青みのあるチャコールといった具合です。

一方で、街できれいめに着る日・フードはデザインとして付いているだけの日・オフィスで着る日などかぶらずに背に倒しておく日は、顔から距離がとれるので、やや強い色やトレンドカラーを選んでも問題ありません。

この「かぶる日=顔に寄せる/かぶらない日=全体の配色に寄せる」を先に決めておけば、店頭にある色数が少ないアウトドアブランドでも迷わず選べますし、ワードローブの色の統一感も崩れません。

表:フードが顔映りを悪くしやすい条件と対処

起きやすい状態理由対処の方向推奨インナー色
ダークカラーで大きいフードが顔を囲う光が入らず影が強くなる前を開けてVを作る、内側に明るい布を足す白・アイボリー・ライトグレー
黄みベージュのフードを青みタイプが着る肌より布の黄みが強く見えるストールを青み寄りに、リップを冷たくラベンダー・青みピンク
白いフードを黄みタイプが着る白の冷たさに肌の黄みが目立つベージュ系インナーを首元に見せるエクリュ・ライトベージュ
厚手で立ち上がるフードをかぶる顔周りの布量が急増する髪をまとめて顔まわりを開ける肌色に近いもの全般
フードとマフラーが同じ暗さ首回りが一色で沈むどちらかを明るくする季節に合う明るめ

パーソナルカラー別に見るフード付きアウターの似合わせ軸

スプリングが得意な“軽さ優先”のフードと色

スプリングは、顔周りに空気を含んだような明るさとあたたかい黄みがあると、一気に若々しく見えるタイプです。したがってフードも、明るい・黄み寄り・軽い素材・立ち上がりがやわらかいものを選ぶと安定します。

具体的には、アイボリー、ミルクティーベージュ、ライトキャメル、コーラルをほんのり感じる明るいオレンジベージュ、明るいサンドベージュなどが鉄板です。裏地が生成りや白になっていると、顔の縁に明るさが一段足されるので、アウターの色と肌の色の境目がふわっとつながって見えます。

スプリングがやってしまいがちな失敗は、秋冬に多いこげ茶・モカ・黒・濃いカーキ・ネイビーのような“重さの塊”を顔に近づけることです。

これらをどうしても着たいときは、①フードを背に倒す、②前を開けてVラインを作る、③首元に白やバニラ色を足す、の三段階ですぐに軽くできます。特に、パーカの中に白いTシャツを仕込む・オフ白のタートルを入れるといった「首に明るさをひとつ置く」だけで、スプリングらしい血色が戻ります。

サマーがきれいに見える“薄色・マット・首まわりに余白”のフード

サマーは、やわらかい青みとほどよい明度があるときに、肌が一番なめらかに見えるタイプです。フードも同じく、青みを感じる薄色・マット寄り・硬すぎない・首周りに少し空気が通るものが似合います。

スモーキーブルー、ラベンダーグレー、ブルーグレー、ミストグレー、ローズベージュ寄りのごく薄いグレージュ……こうした色は、フードが顔を囲っても影が強く出にくく、チークやリップもそのままの色で見えやすくなります。

サマーが黄みの強いベージュやオリーブ系のフードを着ると、肌の透明感が一気に落ち、くすみが前に出ます。その場合は、フードの縁を少し折って内側の明るい布を見せ、首元には白・アイシーなブルー・ごく薄いラベンダーなどのインナーを忍ばせて、肌とフードのあいだに青みを戻しておきます。

フードのコードをきつく締めるのは最小限にとどめ、できるだけ首元に余白を残しておくことも重要です。

オータムが大人っぽく見える“深みと質感”のあるフード

オータムは、秋の実りを思わせるような深い黄み・こっくりしたトーン・マットな質感が得意なタイプで、フードもキャメル・マスタードベージュ・オリーブ・カーキブラウン・テラコッタ・レンガ・マロンといったあたたかみのある色を選ぶと、顔周りがふっくらとなめらかに見えます。

このタイプは、多少フードが大きくても・中綿や微起毛で重くても、色さえ合っていれば“着られている感”が出にくいのが強みです。

気をつけたいのは、顔の縦の長さがそれほどない人が、ボリュームのあるフードを立てたまま着るケースです。この場合、首から下に重さが溜まり、視線が下がってしまいます。

前を開けて縦の線をつくる・髪をまとめて首を出す・イヤリングやピアスで視線を上に戻すなどして、重さを分散させてください。また、オータムが冬に黒やチャコールといった冷たい色のフードを着たいときは、首元にキャメルやテラコッタのマフラーを巻いて温度を戻すと、老け見えを防げます。

ウィンターが映える“コントラストと直線的なフード”

ウィンターは、白・黒・ネイビー・ボルドー・コバルトなど、はっきりした色と強いコントラストが似合うタイプです。フード付きアウターでも、形がシャープで直線的・色がくっきり・表面に適度な光沢があると一番きれいに映ります。

たとえば、黒のマウンテンパーカに白のジップや白のドローコードが付いているもの、ネイビーで金属パーツがシルバーのもの、チャコールで内側がライトグレーのものなどは、顔を引き締めつつも光を届けてくれます。

一方で、ベージュや黄みの強いアイボリーなど、やわらかくてあたたかい色で大きなフードを顔に近づけると、目元の強さだけが浮き、チークやリップがにごって見えることがあります。

この場合は、フードを背に倒す・前を開けてインナーに白を入れる・リップを青み寄りにする、といった方法でウィンターらしいコントラストを取り戻してください。寒い日はファスナーを上まで上げて襟を立て、フードの内側に白やライトグレーがのぞくように着ると、画面映えも良くなります。

ミックス気味の人がとるべき“首元のワンクッション”

一つの季節にぴたりと収まらない人、たとえばスプリングだけれど少し青みも欲しい人、サマーだけれど少しだけ黄みも似合う人、オータムだけれど黒も全くダメではない人などは、フードそのものを完全に季節に合わせようとするより、首元に自分で選んだ明るさと温度の布を一枚はさむほうが安定します。

白・エクリュ・ライトグレー・ラベンダーグレー・薄いサンドベージュなど、どの季節にもなじみやすい中間色を細めタートルやスカーフで仕込み、その上にどんな色のフードを乗せても、肌に直接触れているのは自分が選んだ色だけ、という状態をつくるわけです。

これなら、家族と兼用するアウトドアブランドのアウター、職場で支給されるパーカ、旅先で急に買ったレインコートなど、色が選べない場面でも顔映りを崩さずに済みます。

表:パーソナルカラー別・フードに向く色と避けたい色

タイプ向く色(第一候補)向く色(第二候補)避けたい色ポイント
スプリングアイボリー・ライトベージュ・ミルクティーライトキャメル・コーラルベージュ黒・こげ茶・沈んだカーキ明るさと軽さを最優先する
サマーライトグレー・スモーキーブルー・ラベンダーグレーミストグレー・パウダーピンク黄みの強いベージュ・カーキマットで淡い色を顔近くに
オータムキャメル・オリーブ・テラコッタ・マスタードベージュカーキブラウン・パンプキン冷たい白・青みの強いグレー深さとあたたかさをそろえる
ウィンター黒・ネイビー・チャコール・アイシーホワイトコバルト・ボルドー黄みベージュ・くすみブラウンコントラストをはっきり出す

アイテム別に見るフード付きアウターの顔映えテクニック

パーカー・スウェットパーカを大人に見せるとき

最も日常的で、同時に最も顔を囲いやすいのがスウェットパーカです。フードの裏がよく見え、フードの色がそのまま顔の縁になります。ここで季節を外した色を選ぶと、一瞬で“部屋着っぽい”“疲れて見える”“肌が黄ばんで見える”となりやすいので、まずは色を自分のシーズンに寄せてください。

そのうえで、前をやや大きめに開けて縦の抜けをつくり、首に光を通すのが鉄則です。スプリングなら生成りやエクリュのパーカ+コーラルリップ、サマーならブルーグレーのパーカ+白インナー、オータムならキャメルのパーカ+同系チェックストール、ウィンターなら黒パーカ+白シャツといった具合に、インナーとの明暗をはっきりさせると大人っぽくなります。袖をたくし上げて手首を出すと、フードのボリュームとバランスが取れて、全身が軽く見えます。

マウンテンパーカ・撥水系をきれいめに着るとき

マウンテンパーカや撥水パーカは、素材にハリがあり、フードの立ち上がりも高めなので、顔とのあいだに何か一枚はさんでおかないと、アウターの色に肌が引っ張られやすくなります。

サマーとウィンターなら白・ライトグレー・淡いブルーのカットソーやハイネックを、スプリングとオータムならアイボリーやベージュのニットを首元にのぞかせ、フードと肌が直接ぶつからないようにしておきましょう。

ファスナーを胸のあたりまで下げて三角の空きをつくれば、首が長く見え、フードの重さも飛びます。濃い色のマウンテンパーカを着るときは、ピアス・イヤリング・細めのネックレスなど、顔に光を返すパーツを足すと、アウトドア素材でも都会的に見えます。

ダウン・中綿アウターでボリュームを着るとき

冬のダウンや中綿アウターは、フードの内側までふくらんでいることが多く、どうしても顔が埋もれがちです。こうしたときは、「前を閉めても顔が明るいか」で色を選ぶようにします。

スプリングならクリームベージュや明るいサンド、サマーなら杢グレーやブルーグレー、オータムならキャメル〜カーキ、ウィンターなら黒やネイビーにして、顔とフードの色差をできるだけなくします。

髪をまとめて首を出し、頬に光を当てるメイクをしておくと、厚手でも顔が負けません。フードにファーが付くタイプは、ファーの色も自分の季節に寄せておくと、よりふんわりと映ります。

フード一体型コート・きれいめアウターの場合

通勤・学校行事・きちんと感のあるお出かけで使うフード付きコートは、カジュアルに寄りやすいのが悩みですが、多くは「コート本体よりフードが濃い」「フードの内側が暗い」というのが原因です。

コートとフードの色を近づけるか、顔側に白・ベージュ・グレーを差し込んで顔の縁を明るくすれば、きれいめに振れます。

サマーならブルーグレーのフードコートに白ハイネック、オータムならキャメルのフードコートにテラコッタのストール、スプリングならアイボリーのフードコートにバニラ色のインナー、ウィンターならネイビーのフードコートに白タートル、といった組み合わせが分かりやすいです。

フードを背に倒す・取り外す・結ぶなどの微調整

どうしてもフードが重く見える日や、写真に写る日・人に会う日などは、フードを背中側に倒して顔周りの布量を物理的に減らします。ボタンで留めて小さくする、コードをゆるく結んで立ち上がりを抑える、取り外し可能なフードならきちんとしたい日は外しておく、こうした微調整だけでも顔映りはぐっと良くなります。

特にオータムやウィンターで暗色を多用するときは、布を倒して顔の外側の影を取るだけで印象が軽くなります。

シーン・季節で変える色とフードの見せ方

通勤・学校行事など信頼感が欲しいとき

信頼感を求められる場面では、フードは“あるけれど目立たない”程度の存在に抑えます。色は自分のパーソナルカラーに近い無彩色やベーシックカラーに寄せ、フードは背に倒すか、顔から1〜2cmほど離して立てて、おでこや頬に光が当たるように着ます。

スプリングならライトベージュのフードコートに白ブラウス、サマーならグレーのフードコートに水色のニット、オータムならキャメルのフードコートに生成りのタートル、ウィンターならネイビーのフードコートに白シャツを合わせると、フードがあってもきちんとして見えます。

休日・アウトドア・雨の日など動きやすさ重視のとき

休日やアウトドアの日は、実際にフードをかぶることが多いので、顔に合う色を最優先します。サマーとウィンターは白やグレー、スプリングとオータムはアイボリーやベージュをフードの内側に持っておくと、突然の雨でかぶっても顔色が落ちません。

雨の日は空の色がグレーで全体に青白く見えやすいので、オータムはあたたかいキャメルやテラコッタを、サマーはやや明るいブルーやラベンダーを、ウィンターはきっぱりしたネイビーや黒を、スプリングはコーラルやサーモンなど血色の良い色を合わせると、写真に写ったときもきれいです。

冬の厚着・マフラーとの重ね方

冬はマフラーやストールも首に巻くため、フードとマフラーと髪で顔が埋もれやすくなります。ここでは、フードとマフラーを同じ明るさ・同じ暗さで重ねないのがコツです。フードが暗いならマフラーを明るく、フードが明るいならマフラーを同系色でなじませます。

サマーならライトグレーのフードに白のマフラー、オータムならカーキのフードにキャメルのマフラー、ウィンターなら黒いフードに白のマフラー、スプリングならベージュのフードにアイボリーのマフラーというように、必ずどちらかで光を返すようにしてください。

写真・オンライン・画面越しでの見せ方

オンラインや写真では、実物よりもフードの形が小さく・色がやや暗く映ります。サマーやスプリングのように淡い色を選んでいるタイプは、画面越しだとフードの内側が影になって首が短く見えることがあるので、首元に白やシルバーのアクセサリーを足しておきます。

オータムやウィンターは逆に、実物よりも立体的でシャープに写ることが多いので、リップをほんの少しだけやわらげておくと怖くなりません。写真を撮るときは、フードをほんの少し後ろに引いて顔の輪郭を出すだけでも、写りが大きく変わります。

季節で素材と光の量を変える

春夏は、薄手のコットン・ナイロン・シャカ素材など、そもそもフードの立ち上がりが弱く、光も透けるものが多いため、多少季節から外れた色でも顔が沈みにくいです。

秋冬はウール混・中綿入り・ファー付きなど重いものが増えるので、必ず自分のパーソナルカラーに寄せた色を選び、首元に光を返してください。素材と光の量を季節で切り替えるだけで、顔映りの安定感は大きく変わります。

表:シーン×季節でのフードの見せ方

シーン/季節春夏秋冬
通勤・学校行事顔に合う薄色でフードは倒す顔に合うベーシックで前を開ける
休日・アウトドアかぶる前提で顔に寄せるかぶる前提でマフラーは明るく
雨の日・防寒内側を白〜ベージュにするフードとマフラーで明暗をずらす
オンライン・写真首に光る小物を足すフードの影をインナーで抜く

買い物・調整ガイドと失敗しない段取り

買う前に見るべきポイント

試着のときは、必ず①フードを立てた状態、②背に倒した状態、③前を閉めた状態、④前を開けた状態、この4パターンを鏡で見てください。立てたときに顔が一段暗く見えるなら、その色や素材はあなたのパーソナルカラーよりも重いということです。

前を開けたときに首元がほとんど見えないなら、インナーで調整する余地が少ないので、もう少し前が開くデザインを探したほうが実用的です。フードの内側が外側より明るい、あるいは同じくらいの明るさになっているものなら、顔に光が回りやすく、どの季節の人でも扱いやすいです。

自宅でできる簡単な調整

手持ちのアウターが「なんとなく顔に合わない」と感じるときは、アウターを諦める前に、インナー・ストール・フードのコード・ファーの色で中和してみてください。

首元に白・エクリュ・ベージュを1枚入れる、ストールを顔に合う色にする、フードのコードを内側にしまってフードの縁をすっきりさせる、ファーを取り外す──これだけでも顔映りはかなり改善します。特にサマーとスプリングは白を足すだけで別物になるので、まずは白で試すのがおすすめです。

服とコスメの色を合わせるときの注意

フード付きアウターの日は、顔のすぐ後ろと横に布があるため、リップやチークもそれに合わせておくと全体がまとまります。スプリングはコーラル・サーモン・アプリコット、サマーはローズ・青みピンク、オータムはテラコッタ・オレンジベージュ、ウィンターは青みレッド・ローズレッドを選ぶと、フードの色と喧嘩しません。

もしフードが自分の季節と真逆の色だったとしても、メイクだけでも自分の季節に戻しておくと、顔だけが浮くことを防げます。

よくある買い替えの判断基準

何度調整しても顔が暗く見える・影が濃くなる・どのインナーを合わせても黄ばんで見える、というアウターは、色や素材・フードの形が根本的に自分の季節と合っていない可能性が高いです。

そうした場合は、フードの色を今の季節に合うものに変える、フードを外してストールで代用する、あるいは同じ形で色だけ変える買い替えを検討すると、ワードローブ全体が整います。

Q&A

Q1. 顔が大きく見えるのはフードのせいですか。
フードの立ち上がりが顔の幅より外に出ていると、顔まで大きく見えます。フードを背に倒す、コートの前を開けて縦ラインを作る、髪を耳にかけて顔の輪郭を出す、のいずれかを行うとすっきりします。イヤリングやピアスで光を足すのも有効です。

Q2. 黒のフードパーカが便利ですが、顔がきつく見えます。
黒はウィンター以外には強いことが多いので、首元に白やベージュを足してコントラストをやわらげると良いです。リップを一段明るく・青み寄りにする、チークを広めに入れると、黒の強さに負けません。

Q3. 旅行で一着だけ持っていきたいときは何色が無難ですか。
自分のパーソナルカラーに最も近いベーシックカラーを選んでください。スプリングはエクリュ〜ライトベージュ、サマーはライトグレー〜スモーキーブルー、オータムはキャメル〜カーキ、ウィンターはネイビーが安心です。フードの内側が明るいものを選んでおくと、写真でも失敗が少なくなります。

Q4. フードをかぶると頬が影になって老けます。
フードのつばを少し後ろに引き、頬の横に白や明るいストールを持ってくると光が回ります。チークを横に広く・高めに入れておくと、影に負けません。髪をまとめて首を出すだけでも若々しくなります。

Q5. 子どもの送り迎えでだけ着るので、そこまでこだわらなくてもいいですか。
毎日のことであれば、顔に合う一枚を用意しておくと、写真・急な来客・園や学校の先生と会うときにも安心です。色だけでも自分の季節に寄せておきましょう。

Q6. メンズっぽいフード付きアウターを着ると顔が負けます。
フードの厚み・色が重すぎることが多いので、前を開けて女性らしいインナーを見せるか、スカーフで首元に明るさを足してください。レディース向けのライトな素材のものに買い替えるのも手です。

Q7. フードにファーがついているときの色はどう選びますか。
ファーは顔に近づくほど、パーソナルカラーに寄せたほうが無難です。サマーとウィンターはグレーや白、スプリングは生成り、オータムはキャメルやブラウン寄りを選ぶと、肌に映えます。

用語辞典

フードの立ち上がり:首の後ろから頭に向かって布が立つ部分。ここが高いと顔に影が落ちやすく、顔幅も広く見えやすい。

Vラインを作る:ファスナーやボタンを開け、首〜胸に向かってV字の抜けをつくること。光が入りやすくなり、首が長く見える。

緩衝色:アウターの色と肌の色がぶつからないように、間にはさむ明るい中間色。白・エクリュ・ライトグレーなど、どの季節でも使いやすい。

内側配色:フードの内側や見返し部分に使われる色。ここが明るいと顔に光が回りやすく、写真でもきれいに写る。

背に倒す:フードをかぶらず背中側に倒して着ること。顔周りの布量が減り、影が軽くなる。

立て襟にする:ファスナーを上まで上げて襟を立てること。ウィンタータイプに似合いやすく、冷たい日でも顔に光を呼び込みやすくなる。

まとめ

フード付きアウターは、実用性が高いぶん、色や立体の理屈を後回しにしがちなアイテムです。しかし、顔のすぐ後ろと横に立ち上がる布があるというだけで、光の入り方がいつもと変わり、パーソナルカラーの差がいっそう表に出ます。

だからこそ、顔に近い部分は明るく・軽く・自分のベースに寄せるフードがつくる影はインナーやストールで中和するかぶる日とかぶらない日で見せる色の強さを変える──この三つを習慣にしてください。

そうすれば、真冬のボリュームダウンでも、梅雨どきの撥水パーカでも、秋のきれいめフードコートでも、同じ基準で「自分に似合うかどうか」を判断できるようになります。実用アイテムこそ色の軸を通して、毎日の「なんとなく似合わない」「今日は顔が暗い」を一つずつ減らし、どのシーンでも安心して羽織れる一枚を増やしていきましょう。

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