パーソナルカラー別×メッシュ/シアーの肌見せ面積で垢抜ける完全ガイド

メッシュやシアーの服は、ほんのりと肌が透けるだけで全身に空気が入ったように軽くなり、女らしさ・今っぽさ・抜け感を一度に足せるのが魅力です。

しかも重い色やスポーティな形の服でも、透けを仕込むだけで柔らかく着られるので、春夏だけでなく秋冬のレイヤードでも十分活躍します。ところが実際に着てみると、「腕が目立ちすぎて太く見える」「黒いシアーにしたら顔色が落ちた」「オフィスで浮いてしまった」「写真ではちょうどよかったのに実物では透けすぎだった」など、思っていた仕上がりにならないことが多いのも事実です。

これは、透けの強さや肌を出す位置を決めるときに、その人自身のパーソナルカラーが本来持っている明るさ・清潔さ・血色の出方・素材との相性を先に計算していないことが原因です。

結論から言えば、メッシュやシアーをおしゃれに見せる順番はとても単純で、①どのパーソナルカラーかで“透けの上限”を決める→②どのパーツなら透けても若く見えるかを決める→③そのうえで似合う色と素材のツヤを選ぶ→④インナー・足元・アクセサリーを同じ温度感でそろえる、この4つを守るだけでほぼ崩れません。

とくに①と②を先に決めておけば、色で遊びたい日でも、場面が変わったときでも、透けの“許される量”が分かっているので、迷いなく服を組めるようになります。

この記事では、まずメッシュ/シアーが老けて見えるメカニズムとその回避、続けて春夏秋冬のシーズン別にどれくらいの肌見せ量までがきれいに見えるか、アイテムごとにどの位置を透かすと大人に見えるか、通勤・休日・旅行・写真日などシーンや季節でのアレンジ、それから失敗しない買い物・お手入れのポイント、最後にQ&Aと用語辞典という流れで、実際の着回しに落とし込めるように説明します。

目次

メッシュ/シアーが似合うときと老けるときの分かれ目

透けの情報量が顔より多くなるときに崩れる理由

メッシュやシアーは肌と布の境目が連続して現れるため、見る人の視線はその輪郭を追うように細かく上下に動きます。本来、パーソナルカラーに沿った服を着たときは、顔の明るさと服の明るさが同じ方向を向き、さらに色味の温度(暖かい/冷たい)も揃うことで、視線がまず顔に集まるようにできています。

ところが胸元・肩・腕に細かな透けがたくさんあると、服のほうが“見てほしい場所”として主張してしまい、顔が一歩後ろに下がるので、くすみ・赤み・シミなど本来なら目立たない部分が急に目につきやすくなります。

特にサマーやスプリングのように、もともと肌が薄くて“清潔さ”で魅せるタイプが、黒・チャコール・ダークネイビーなどコントラストの強いシアーを広い面積で着ると、色の強さに肌が負けてしまい「顔色が吸い取られた」ように感じるのはこのせいです。

この崩れを防ぐ最初のコツは、顔に近い場所の透けを小さく、体から離れる場所ほど透けを大きくするという順番を守ることです。首元は浅めのVやクルーで透けを控えめにして、肩から二の腕は細かく・やや広めに、腰から下は素材に合わせて大きくというふうに段階をつけると、視線が必ず上半身に戻ってくるので若さを保ったまま透けを楽しめます。

さらに、顔のまわりを淡い色で透かして、袖や裾で濃い色を透かす「上淡・下濃」の順にすると、情報量が自然に体の下へ流れていくので、写真や動画でもきれいに写ります。

肌の質感とシアーの質感の差をそろえる考え方

シアーが「急に安っぽく」「なんだか昔っぽく」見えてしまうもう一つの原因は、肌の質感と布の質感がかけ離れていることです。肌がふっくらと水を含んだように見える人が、シャリっとした硬いメッシュを広く着ると、布だけが前に出て肌が後ろに下がります。

逆に、肌がややマットで黄みが強く出る人が、強く光るオーガンジーやつるんとした透明シフォンを顔に近づけると、布のほうが光を多く返すため、肌が沈んで見えます。

ここを解決するには、自分の肌が日中の自然光でどれくらい光を返すかを観察し、その光り方に近いツヤのシアーを選ぶことです。スプリングならふわっと光る柔らかいシフォンや細かなドビーシアー、サマーならマット寄りで落ち感のある楊柳やシフォンジョーゼット、オータムなら透けすぎないコットンボイルやリネン混メッシュ、ウィンターなら張りと透明度のあるオーガンジーや細かいチュールといった具合に、肌と布の“水分量”をそろえると、同じ透けでも急に洗練されて見えます。

さらに一歩進めるなら、肌のツヤを布に寄せるのではなく、布のツヤに肌を寄せるという方法もあります。たとえばウィンターがオーガンジーを着るときは、ファンデーションでややセミマットに仕上げ、頬だけに冷たい光のハイライトをのせると布と顔の光が一体になります。オータムがやや光りすぎるシアーを着る場合は、チークやアイシャドウをマット寄りにしておくと、布の光だけが浮かずに済みます。

インナーとベースメイクで“透ける範囲”を事前に決める

透け素材で起こりやすい三つ目の失敗は、インナーとベースメイクがバラバラで、どこまでを見せるつもりなのか着る本人も決めていないパターンです。

透けの日は、見せたい肌にはツヤと血色を、隠したい肌には透けても気にならない色をあらかじめ仕込んでおくと、どこから見られても安心です。腕まであるシアーブラウスを着るなら、顔〜首〜デコルテは自然光でも白く透明に見えるようワントーン明るくして、肘下の腕はベージュ寄りにしておきます。

タンクトップやキャミを重ねる場合も、パーソナルカラーに沿って色を決めると、透けて見えたときに“肌着感”が出ません。黄み肌のスプリングやオータムならエクリュやコーラルベージュ、青み肌のサマーやウィンターならアイボリーやペールグレーを選んでおくと、どのシアーを上に着ても肌とずれにくくなります。

表:シアーが老ける条件と調整の方向(詳細版)

起きやすい失敗起きる理由調整の方向よく合うタイプ補足で効く小物
黒シアーを肩〜胸で広く取って顔が沈む顔より服のコントラストが強く、視線が服に取られる顔まわりは白や淡色のシアーに、黒は袖・裾・ボトムでサマー・スプリングシルバー/パール、白イヤリング
テラコッタやカーキの透けで重くなる透けでも黄みが前に出て顔の黄みが強調されるインナーを白〜エクリュ、透け面積を腰下へ、首は透かさないオータムくすみゴールド、レザーの細ベルト
張りのあるオーガンジーで固く見える肌のツヤより布の光が強すぎて肌が負けるマット寄りに変更、首元に光る小物で視線を上へサマーシルバー細チェーン、透明感イヤリング
透けの位置が高くて視線がばらける顔の近くに透けが多く“焦点”がなくなるデコルテ控えめ・袖と裾で遊ぶ・髪をまとめる全タイプ低めシニヨン、白い襟元アクセ

パーソナルカラー別に見るメッシュ/シアーの肌見せ面積

スプリングがきれいに見える明るめシアーの配分

スプリングは、黄みを含んだあたたかい光を顔まわりに置くと一気に若々しく見えるタイプです。したがってシアーも、明るく・軽く・肌とのコントラストが弱いものを“上”に、やや透けるものを“下”にという並べ方が基本になります。

全体の透けを上半身に集中させるとポップでかわいい反面、子どもっぽくなりがちなので、顔に一番近い部分は透けを控えめにし、肩〜二の腕は細かく・軽く、ウエストから下で少しだけ大胆に透かす順が一番安全です。

例えば、バニラ色のシアーブラウスに同色のキャミを合わせて、袖口と裾だけを透けさせると、春らしい柔らかさを保ったまま今っぽい軽さになります。ここにアプリコットやコーラルのチークを足すと、シアーの白さと肌の血色が馴染み、顔だけ浮くことがありません。

さらに肌を見せたいときは、トップスの透けを増やすよりも、下半身で透けを広げるほうが大人っぽくなります。ミントやアプリコットのメッシュスカートに、上は不透明な白ブラウスを合わせると、視線が顔に残ったまま脚が軽く見えるので、きれいめにも休日にも使えます。足元を白やベージュの抜けのある靴にしておくと、シアーの軽さが足先までつながります。

サマーが上品に透けさせるときのコントロール

サマーは、青みを含んだやわらかい色で全身をつなぐと透明感が出るタイプなので、シアーも灰みを含んだ淡い色・マット寄りの透け・落ち感のある素材を選んでおくと安心です。上半身を広く透かすと顔色が抜けすぎるため、まずデコルテと肩をほぼ不透明にし、袖や裾にだけ透けを置きます。

ラベンダーグレーやアイシーピンクのシアーブラウスなら、首が詰まっていても袖が透けているだけで十分涼しげに見え、肌が白くても青ざめません。インナーは白かアイシーピンク、もしくはごく淡いグレーにしておくと、透けてもサマーの“冷たい血色”が消えません。

夏場に人気のシアーワンピースも、サマーの場合は透ける面積をひざ下に集中させると上品です。上半身は裏地でしっかりと、スカート部分だけがふんわりと透けるタイプなら、歩くたびに足もとが軽く見えて、写真でもきれいに写ります。足元を白スニーカーやグレージュのパンプスにすれば、全体が淡いままでもぼやけません。

反対に、肩やデコルテを大きく透かすと、肌とシアーの白さがぶつかって首が太く見えることがあるので、耳や首にシルバーを足して視線を整えてください。

オータムが重くならずに透けさせる方法

オータムは、テラコッタ・オリーブ・キャメル・マスタードといった深みと黄みのある色が得意です。そのため同じ“透け”でも、ダークトーンでやると一気に重くなってしまいます。

ここで意識したいのは、上半身は透けを控えめにして、腰から下と袖・裾で質感を出すという配置です。例えばカーキのメッシュニットを選ぶときは、インナーを必ず白〜エクリュの明るい色にし、首から胸にかけて透けを減らしておきます。袖や裾だけが透けていると、同じカーキでもぬくもりが残り、視線が下へ流れるので重心が下がりにくいです。ボトムをキャメルやライトブラウンにすれば、季節感が出ても老けません。

もっと透けを楽しみたい場合は、リネン混やコットンボイルなど、もともとマットでカジュアルなシアー素材を選ぶと、透けても“肌”ではなく“布の風合い”が主役になるので安心です。

テラコッタやマスタードの透けスカートに、上はフルーツベージュやオフ白のリネンシャツを合わせると、オータムらしい温度感を保ちながら夏の涼しさも出せます。足元は茶系のサンダルやレザースニーカーにすると、素材のたっぷり感と肌見せの軽さがバランスよくまとまります。

ウィンターが大人っぽく肌を見せるときの注意点

ウィンターは、黒・白・ネイビー・コバルトなどの強く澄んだ色と高いコントラストが得意です。そのままの調子で黒いシアーやメッシュを広くとると、モードではあっても肌が青白く、痩せて見えてしまうことがあります。

ここでの基本は二つだけで、透ける面積を狭くしてコントラストを落とすか、インナーを白で中和して透けを楽しむかです。黒のメッシュトップスを着るなら、首元と肩をしっかり白いタンクやキャミで埋めて、腕と裾にだけ透けを出すと、黒でも冷たくなりすぎません。

ネイビーのオーガンジーブラウスに白いハイネックを重ねて袖だけを透かすのも、冬の透明感を保ったまま軽さを出せる方法です。

色で遊びたいときは、ウィンターらしいアイシーラベンダーやアイシーブルーのシアーブラウスに、黒やチャコールのボトムを合わせると、透けても品よくまとまります。

金具やアクセサリーはシルバー・ブラックメタル・クリア素材など冷たい光を選ぶと、シアーの透明感がさらに引き立ちます。

シーズン横断で使える“標準肌見せ”の目安

すべてのシーズンに共通する基準として、顔から胸の上までは透けを控えめに、肩〜腕は季節に合わせて少し増やし、腰から下は素材に合わせて自由度を上げるという順番を覚えておくと便利です。上半身の透けは全体の3〜4割、腕と裾を入れても5割までにおさめておくと、カジュアルな場面でも品を保てます。

フェスやリゾートなどで大きく透けさせたいときは、インナーとボトムを同系色で塗りつぶし、顔に白や光る小物を置いて視線を上に戻しておくと、ラフでも年齢が上がって見えません。

表:パーソナルカラー別・メッシュ/シアーの肌見せ面積早見表

タイプ顔まわりの透け腕・袖の透けボトム・裾の透けインナー推奨色素材のおすすめ
スプリング控えめ(同色で1層)細かく軽く中程度〜広く、淡色でエクリュ、コーラルベージュ柔らかシフォン、細メッシュ
サマーほぼ不透明〜ごく薄く中程度、マット寄りひざ下でふんわりアイボリー、アイシーピンク楊柳シアー、マットチュール
オータム控えめ、首は透けなし裾や袖口でポイント素材感で広く、色は明るくエクリュ、ライトキャメルコットンボイル、リネン混
ウィンター白インナーで調整黒やネイビーを細くシアーでも色を強めに白、アイシーグレーオーガンジー、細チュール

アイテム別に見る透けさせ方と色の揃え方

シアーブラウス・メッシュトップスを主役にする場合

トップスを透けさせるときは、いちばん顔に近い場所なので、まずインナーの色をパーソナルカラー側に寄せておきます。スプリングなら肌より少し明るいエクリュ、サマーなら白よりやわらかいアイスグレー、オータムなら黄みを含むオフ白やアーモンド、ウィンターなら真っ白か透明感のあるライトグレーが使いやすいです。

そのうえで、透ける面積は肩から腕に置き、胸とお腹は二重仕立てやタックで透けを弱めると、同じトップスでも日常で着やすくなります。ボトムを同じ明るさでそろえると、透けても肌着っぽくならず、全身で一体感が出ます。さらに、袖だけが透けるタイプを一枚持っておくと、通勤・学校行事・ちょっとした外出などすべての場面に使えて便利です。

シアースカート・メッシュパンツで足もとに軽さを置く場合

ボトムで透けさせるときは、顔から遠くなるぶん色で遊べますが、インナーショートパンツやペチコートの色とパーソナルカラーがずれていると、足だけ黄ばむ・青ざめる・浮くといった違和感が出ます。

イエベ系ならベージュ〜ライトキャメル、ブルベ系なら白〜ライトグレーのペチコートにしておくと、透けても脚が美しく見えます。トップスは透けを控えめにして、足もとに光を置くように白スニーカーやメタリックサンダルを合わせると、素材の軽さと肌見せの量がちょうどよくなります。

メッシュパンツの場合は、パンツ自体の透けの密度を下にいくほど粗くしているデザインを選ぶと、脚だけが急に細く見えたり、逆に太く見えたりするのを防げます。

ワンピース・セットアップで透けを連動させる場合

ワンピースやセットアップでシアーを使うときは、上と下の透け方を変えて「どこを主役にしたいか」をはっきりさせると大人に見えます。たとえば上半身は二重で透けを控えめに、スカート部分は一重にして裾にかけて透けを強めると、歩いたときだけ足もとが軽く見え、座っているときは透けが落ち着いて見えます。

スプリング・サマーなら淡いベージュやミストブルーのシアーワンピースで、ウィンターやオータムならネイビーやダークオリーブのシアーワンピースで同じように透けの強弱をつけると、季節感を崩さずに抜けを足せます。

アウター・羽織でシアーを使う場合

羽織のメッシュやシアーは、下に着るトップスの色で見え方が大きく変わります。白Tと合わせるならどのシーズンでも着やすいですが、スプリングやサマーで黒いインナーの上に黒いシアーを重ねると一気に暗くなるので、どこか一つを淡くしてください。

オータムやウィンターであれば、濃色インナーに濃色シアーでも、顔に光るものや白を足せば成立します。アウターの丈を短くしておくと、透けても重心が下がらずにすみます。スポーティなメッシュパーカーも、インナーをパーソナルカラーに合わせたタンクにしておけば、急に若作りに見えません。

小物・足元で透けを受け止めるときの考え方

メッシュバッグや透けるシューズは、服ほどパーソナルカラーの影響を受けませんが、色を合わないまま足すと全体がちぐはぐに見えます。スプリングとサマーは白・エクリュ・ペールグレーなど明るく柔らかい色で受け、オータムとウィンターは黒・ブラウン・ネイビーなど落ち着いた色で受けると、服の透けが浮きません。

足元が透ける場合は、甲に乗る肌色がそのまま外に出るので、ネイルを透け素材に近い色にしておくと細部まで統一感が出ます。さらに、シアーの色とバッグの素材感をどちらか一方でも揃えておくと、「たまたま透けを着た」ではなく「透けで統一した」という印象にできるので、写真にも強くなります。

シーンと季節で変える透けの量と色の組み合わせ

通勤・きれいめシーンでの安全ライン

仕事場やきちんとした雰囲気が求められる日には、顔に近い部分の透けを最小限に抑えておくのがいちばん安心です。スプリングならエクリュのシアーブラウスに同系色のインナーを入れ、腕だけを軽く透かし、ボトムはベージュやミルクティーでまとめると、明るくて清潔なままです。

サマーならグレージュのマットシアーに白のインナー、ネイビーやグレーのボトムで、シアーでも信頼感のある印象になります。オータムなら透けすぎないカーキやサンドのブラウスにエクリュを差し、ブラウンのパンツで締めると、透けてもきちんとしています。

ウィンターなら白インナーに黒やネイビーのシアーを重ね、下は黒パンツにすると、抜けがありながらもシャープに見えます。ここで大事なのは、インナーとボトムをできるだけ同系色で揃え、透ける場所を“ひとつだけ”にしておくことです。

休日・おでかけでの透けを増やす組み立て方

休日は顔に近いところのシアーを少し増やしても構いません。ただし大人らしく見せたい場合は、必ずインナーとボトムを同系色にしておくことです。スプリングなら白〜バニラ〜アプリコットで統一し、サマーなら白〜ブルーグレーで統一、オータムならエクリュ〜キャメルで、ウィンターなら白〜黒でつなげると、透けていても品が出ます。

特に写真を撮る日やカフェで座って過ごす日には、スカートや袖の透けを強くし、顔は光るイヤリングやネックレスでまとめると、上半身の年齢が上がりません。逆に、透けを上下に分散させるときは、髪をまとめて首に白や光るものを置き、視線が迷わないようにしましょう。

季節ごとの素材差での調整

春は外光が明るく、全体的に淡い色がきれいに見える季節なので、スプリングとサマーは透けの面積をやや増やしても自然です。オータムとウィンターは、春でも色を濃くしすぎると重く見えるので、シアーを増やすときは色を一段明るくしておきます。夏はどのシーズンでも透けが馴染みやすいですが、顔色が赤く出やすい人は首まわりの透けを守っておくと、汗ばむ場面でもすっきり見えます。

秋冬にシアーを着るときは、ウール・レザー・ベロアなど重い素材の中に部分的に透けを入れると、パーソナルカラーに合った季節感を保ったまま軽さを出せます。とくにウィンターが冬に黒シアーを着るときは、インナーを白にしておくだけでぐっと都会的になります。

屋外・写真・画面越しでの見え方を想定する

屋外撮影やオンライン会議では、シアーの透けが実物より控えめに写ります。スプリングとサマーは、写真を撮る日だけ透けを一段強くしても大丈夫です。

オータムとウィンターは、屋外で透けを強くすると肌が思った以上に白く写ることがあるので、首や耳にその季節らしい色や質感の小物を足し、シアーの軽さと季節の重さを両立させておきます。スマホのカメラで試し撮りして、透けの強さを一度確認してから出かけると、室内外でのギャップが少なく済みます。

表:シーン×季節での透け量の目安

シーン/季節スプリングサマーオータムウィンター
通勤・仕事顔まわりごく薄く、腕と裾で軽く顔まわり不透明、袖で透け顔まわり不透明、裾で透け白インナー+袖だけ透け
休日・外出上下で明るく統一して透け多め首は守り、腕とスカートで透け上は控えめ、下は素材で透け黒×白でコントラストを保って透け
写真・画面透けやや強く、光る小物で補正透けやや強く、耳にシルバー透けは中程度、白やエクリュを足す透けはポイントに、白を中心に
リゾート・フェスインナーとボトム同系で大きく透けブルー系で涼しく、裾で透けマット素材で広めに透け白×ビビッドで部分透け

買い物・メンテナンスで失敗を減らす

試着時にチェックしておきたい光とインナー

シアーやメッシュは、店と家の照明で見え方が変わる代表的な素材です。買う前に、店の電球色で透け具合を見たら、白いハンカチや白Tを一緒に鏡に映して、家の昼白色でどう見えるかを想像しておきます。

顔色が黄ばんで見えたら、もう少し冷たい色のシアーか、同じ服でインナーの色が選べるものを探します。通販で買うときは、手持ちのインナーの色を先に決めてから服の色を選ぶと、届いてから「思ったより透ける」「肌がくすんで見える」という失敗が起きにくくなります。

とくにブルベの人がベージュ系シアーを買うときは、インナーを白かライトグレーに寄せておかないと脚や腕が黄ばんで見えるので注意してください。

お手入れで透けの美しさを保つ

シアー素材は、しわやたるみがあると一気にくたびれて見えます。洗ったあとは平干しやハンガー干しで布目を整え、アイロンをかける場合は中温で当て布をして、布の凹凸をつぶさないようにします。透けのある部分だけがのびてしまったときは、スチームをあてて布を戻すときれいに蘇ります。

保管するときは色移りを防ぐために薄いカバーをかけ、日焼けしにくい場所に吊るしておきます。メッシュの場合は、バッグの金具などにひっかかりやすいので、専用の洗濯ネットに入れて洗うと長持ちします。

インナーを買い足してシーズンをまたぐ

パーソナルカラーに合ったインナーを2〜3枚持っておくと、同じシアーでも春夏秋と季節をまたいで使えます。スプリングとオータムはエクリュとベージュ、サマーとウィンターは白とライトグレーをベースにしておくと、どの色のシアーにも合わせやすくなります。

肌が透ける範囲は、インナーの色を一段濃くするだけでぐっと狭く見えるので、場面に合わせてインナーを差し替えてください。たとえば休日は白インナーで軽く、仕事の日は肌よりも一段濃いベージュで透けを弱める、といった運用ができます。

Q&A

Q1. 肌に自信がなくてもシアーは着られますか。
肌の質感よりも、透けさせる位置と色がパーソナルカラーに沿っているかどうかのほうが大事です。顔に近い場所を透けさせすぎなければ、腕や裾で軽く透けさせるだけでも十分今っぽくなります。気になる部分には不透明なインナーを重ね、透けて見えたときにきれいな色になるようにしておくと、どこから見られても安心です。

Q2. 黒のシアーが好きですが、いつも老けて見えます。どうすればいいですか。
黒シアーを顔のそばに持ってくると、サマーとスプリングは特に顔色が沈みやすいので、白やアイボリーのインナーをはさんでください。そのうえで、袖や裾にだけ黒の透けを置き、耳や首に光るアクセサリーを合わせると、黒でも若く見えます。ボトムを白やライトグレーにすると、黒の強さがほどけます。

Q3. 透けるスカートのときに脚が黄ばんで見えます。
ペチコートの色が肌よりも黄み寄りになっているか、逆に透けるスカート自体が黄みのある色で、ブルベの肌とずれている可能性があります。ブルベの人は白やライトグレーのペチコートに、イエベの人はエクリュやベージュにすると脚色が整います。靴を白やメタリックにすると、透けても軽く見えます。

Q4. オフィスでシアーを着るときの最小限のルールはありますか。
あります。顔と胸の間を不透明にしておくこと、インナーとボトムを同系色でまとめること、袖や裾の透けをポイントにすること、この三つだけ守れば、どのパーソナルカラーでも清潔に見えます。さらにできれば、羽織りを一枚持っておき、社外の人と会うときは透けを隠せるようにしておくと安心です。

Q5. オータムですが、夏に黒シアーを着たいです。
オータムが夏に黒シアーを着るときは、インナーをエクリュやきなりにして顔まわりの透けを弱め、アクセサリーをアンティークゴールドやべっこう系にすると夏でも重くなりません。ボトムを白・ライトキャメル・サンドベージュにすると、黒でもオータムのあたたかさが残ります。

Q6. リゾートで大胆に透けさせたいときの注意点は。
インナーとボトムを同じ色で塗ることと、顔に白・光・明るい色を一つ置いておくことです。そうすれば透けの面積を増やしても目線が顔に戻るので、大人でも無理がありません。

用語辞典

シアー:透け感のある薄手の布の総称。肌と布の境目が見えるため、色・素材・インナーの色を揃えるほど上品に見える。

メッシュ:編み目があらかじめ空いている素材。スポーティな印象になるが、色や面積を間違えると安っぽく見える。パーソナルカラー側の明るさで選ぶと失敗が少ない。

透け面積:実際に肌が見えている部分の割合。顔に近いほど少なく、離れるほど多くすると大人っぽく見える。

マットシアー:光を強く反射しない透け布。サマーやオータムのように上品で落ち着いた肌に向く。

オーガンジー/チュール:張りのある華やかな透け素材。ウィンターや行事向きだが、顔に近づけすぎると固く見えるため、袖や裾に使うとバランスが良い。

インナー統一:透ける服の下に着るタンクトップやキャミソールの色を、パーソナルカラーに合わせてそろえておくこと。透けが一段おしゃれに見え、肌見せの上限もコントロールしやすくなる。

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