やわらかくて女性らしく、どの年代でも取り入れやすいパステルなのに、いざ着ると「思っていたより存在感がなくて安っぽく見える」「写真だとただの白い服に見えてしまう」「オンライン会議だと背景と一体化して顔色まで飛ぶ」「子どもや周囲の人のほうが色が残って、自分だけぼやける」といったずれが起こることがあります。
これはパステルという色自体が悪いのではなく、光を受けやすい明るさ・肌の明るさ・背景の明るさ・カメラ(スマホ)の自動補正・服の素材の光り方が同じ方向を向いてしまい、服と肌の境い目がカメラにとって見えにくくなっているからです。
パステルは「白に色をひとさじ」足した色なので、もともと白に寄りやすく、そこに白壁・白天井・白机・やわらかい自然光が重なると、カメラや人の目にはすぐに一色の白い面として映ってしまいます。
それでもパステルを着たいのは、優しく見える・若々しく見える・春夏の季節感が出る・写真を撮ると柔らかく見える・子どもやパートナーとのトーンを合わせやすいという強いメリットがあるからです。
ではどうすればよいか。答えはシンプルで、パーソナルカラー別に「白に寄せてよいパステル」「一段だけ濃くして使うパステル」「顔から離すパステル」を整理し、さらに①顔のすぐ下にだけ影になる色や素材を入れる ②上下・背景のどこかに境い目の色を差す ③光の強い場面ではパステルの面積をひとつ減らすという3つの操作をセットにしてしまうことです。これだけで、いままで「ぼやけた」と感じた場面の多くは解消できます。
この記事では、まずパステルが白飛びする理屈を整理し、次に春夏秋冬(スプリング・サマー・オータム・ウィンター)ごとの“白に寄せていい幅”と“必ず一段濃くするポイント”を示し、その後、トップス・ボトム・ワンピース・小物・背景といった場所ごとの回避テクニック、通勤・休日・行事・オンライン・写真撮影・家の中などシーン別の実例、さらに「太って見える」「40代以降で甘すぎる」「子どもと並ぶと負ける」といった悩み別の微調整まで広げていきます。
最後に買い物とオンライン用の色の選び方・よくある質問・用語辞典をまとめるので、この一記事をもとに自分の手持ち服を見直せば、パステルを“失敗する色”から“いつでも使える色”に変えられます。
パステルが白飛びしやすい理由と基本の直し方をもう一度整理する
パステルは「明度が高い=明るさが強い」ことが特徴です。明るさが強い色は、光が当たるとより明るく見え、影が当たるとより白く見えます。とくに春〜初夏の日中、午前中の南向きの部屋、LEDの真下、スマホのインカメラで自動補正が効いているときは、**白に近いところだけカメラが拾いやすく、色の情報を削って“白のほうに寄せる”**動きをします。
さらに、人の肌も明るめ・黄みめの方だと、服と肌の明るさが競合し、「どこまでが服でどこからが肌か」が画面上で判断しづらくなります。これが「白飛び」「のっぺり」「ぼやける」の正体です。
ここで重要なのは、白飛びの原因が“パステルという色の属性”よりも“撮る・着る環境の明るさの集中”で起きているという点です。ですから、同じパステルでも、①顔の近くにだけ一段濃い色(または影を作る素材)を入れる ②画面内・鏡内に必ず境い目の色を1色入れる ③背景を白以外にするか、白の量を減らすという3つをやると、ほぼ解決します。
たとえば、パステルの丸首ニットをそのまま着ると飛ぶなら、襟ぐりからベージュやライトグレーのインナーを5mmだけのぞかせる。パステルワンピースで白壁をバックに撮るなら、椅子にダークグレーのひざ掛けをかけておく。オンライン会議で顔も服も飛ぶなら、カメラに近い位置にだけ濃いめのノートを置く──といった小さな工夫で、服と肌のラインが見えてきます。
もう一つ、白飛びは「面積が大きすぎる」ときに起きやすいので、面積を途中で区切るのも有効です。袖口を1回だけ折る、ベルトでウエストをくびらせる、カーディガンの前を開けてインナーを見せる、パールや金具のネックレスで光を一カ所に集める、といった操作をすると、同じ明るさの面がずっと続く状態がなくなり、カメラが境い目を認識できます。以降は、この理屈をパーソナルカラー別に落としていきます。
パーソナルカラー別のパステル選びと“白に寄せていい幅”の見極め
スプリングタイプのパステルをもっと細かく見る
スプリングは肌につやがあり、黄みがある人が多く、明るい色や軽い色を着ても“血色”が残るタイプです。だからこそ、アイボリーピンクやミルキーグリーンのような白に近いパステルも本来は得意なのですが、顔にまったく影がない状態で白い背景に立つと、肌の黄みと服の明るさが一緒に飛ぶことがあります。
この場合は、スプリングらしさを殺さずに少しだけ濃くしてあげればOKです。たとえば、クリームピンクなら一滴だけサーモンを足した「コーラル寄り」のほうを選ぶ、ペールグリーンならミントではなくピスタチオに一歩寄せる、ミルキーイエローならカスタードに寄せる、という具合です。
「果物・花・春夏の朝」のイメージを保ったまま、ほんの半歩だけ色を感じる方向に寄せると、写真でも肉眼でも飛びません。
面積の目安としては、スプリングは顔に近い場所のパステルを上半身の6〜7割まで使っても大丈夫です。ブラウス全体をパステルにしても、さらにジャケットをライトベージュにしても、肌に光が乗っていればふやけません。その代わり、首元には必ず境い目を用意します。
細い金のネックレス、ベージュのキャミやタンクを5〜10mmのぞかせる、アイボリーのジャケットを羽織って前を少し開ける──どれも境い目になります。反対に、青みが強いラベンダー・ソーダブルー・すっきりしたアイシー系は、顔から30cm以上離してスカート・パンツ・バッグに回したほうが、黄み肌とのぶつかりが気になりません。
また、スプリングでも年齢を重ねてくると、白に寄りすぎたパステルが「かわいらしすぎる」「若作りに見える」と感じることがあります。このときは、同じ色名でも素材を大人寄せにしてください。
とろみのあるブラウス、マットな質感のサテン、やや厚みのある天竺、麻混など、光を一方向に返さないものにすると、色が白く抜けません。明るい色+大人っぽい素材という掛け算が、スプリングの白飛び回避のポイントです。
サマータイプのパステルをさらに安定させる
サマーは「水彩絵の具をたっぷり白で溶いたような色」が最も得意で、ラベンダー、ライラック、ベビーブルー、ローズピンクといった“冷たくて柔らかいパステル”を顔に近づけると、肌の赤みがやわらぎ上品に見えます。もともとパステルが得意なぶん、白飛びもしやすいというのがサマーの特徴です。
とくに、白壁・白机・白いカーテンの前でラベンダーのブラウスを着ると、輪郭が消えて顔がふっくら見えたり、首が短く見えたりします。ここで効くのが、サマーパステル+グレー(もしくは青みを含んだニュートラル)+一滴の白という三段階構成です。
たとえば、ライラックのブラウスならジャケットはライトグレー、パンツはブルーグレー、アクセサリーはシルバー。ベビーブルーのニットなら、首もとにパールをひとつ、ボトムはオフ白よりもライトグレー。こうすると、カメラが「ここが服」「ここが肌」「ここが背景」と読み分けやすく、パステルだけが白く抜けることがありません。
サマーのトップス面積は5〜6割にしておき、残りを影役に渡すと、背景が何色でも安定します。
また、サマーが苦手なのは、黄みを強く感じるシャーベットオレンジや、ミルク多めのレモンパステルです。これらをどうしても使いたいときは、顔から離したボトムやスカーフ、あるいは靴やバッグで“線”として使い、首もとをサマーらしい色で囲ってください。
オンライン会議で「顔が白くなりすぎる」ときは、メイクでほんの少しだけローズ寄りのチークやリップを足し、耳のあたりに光らないピアスをつけて境い目を作ると、服のパステルと肌が分かれます。
オータムタイプのパステルを自然に見せる工夫
オータムは黄みがあって深みのある色、土・木・スパイス・焼き色を感じるような色が一番映えるタイプなので、パステルを着ると「自分だけ色が浮く」感覚になりやすいです。とくに白に近いミント・ラベンダー・青みピンクは、肌の黄みや深みを受け止められず、結果的に服だけが白く・軽く・薄く見えてしまいます。
ここでの考え方はシンプルで、パステルを“生成りに寄った淡色”に翻訳してから着ることです。杏ミルク、アーモンドミルク、薄いサーモンミルク、パステルカーキ、セージをさらに白くした色など、どこかに「粉」「土」「木」「穀物」のようなあたたかさが感じられるパステルを選ぶと、肌の奥行きとつながって白飛びが起きにくくなります。
さらにオータムは、表情のある素材を選ぶとぐっとよくなります。麻混やワッシャー、マットなサテン、スエード調、綿×レーヨンのしなやかさなど、光が一カ所に集まらない素材は、パステルでも画面に陰影がつき、白飛びを防いでくれます。
トップスのパステル面積は4〜5割程度にし、残りはキャメル・こげ茶・オリーブグレー・モカなどで調整すると、顔色が落ちずに大人っぽい雰囲気が保てます。どうしても白に近いパステルを着たい日は、ネックレスやブローチで影を足す、ジャケットで縁取りをする、ベルトでウエストに一本線を入れる、といった「線で区切る」テクニックを必ず一つ足してください。
ウィンタータイプのパステルを都会的に見せる
ウィンターはもともと、クリアで青みが強く、コントラストのはっきりした色が得意です。そのため淡い色を着ると「薄くなりすぎる」「いつもの迫力が消える」と感じやすいのですが、実は青みに寄ったアイシーなパステルなら、とてもよく映えます。
アイシーラベンダー、アイシーブルー、スノーピンク、アイシーミントなどは、ウィンターの肌の白さ・髪や瞳の黒さと対比して、きれいな透明感を作ってくれます。
問題はここからで、ウィンターがパステルを広く着ると、カメラが「全体を明るくしよう」としてさらに白を足してしまうため、パステルが“真っ白な服”に見えてしまうことです。
これを避けるには、必ず黒・チャコール・ネイビー・シルバーグレーなどの濃色直線をどこか一カ所に入れると決めてください。アイシーブルーのブラウスなら黒の細ベルトと黒のボトム、ラベンダーのカーディガンならチャコールのパンツと黒のバッグ、スノーピンクのニットならネイビーのジャケットとシルバーのピアス、というように、淡い色のそばに“芯になる濃色”を寄せると、ウィンターらしい都会的な緊張感が残って白飛びしません。
ウィンターのパステル面積は、トップスなら6割前後、ワンピースなら5割前後が目安です。残りはモノトーンで支えてください。濃色を足せないときは、金具やアクセサリーをシルバーにして、顔の回りに細い影を作るだけでもかなり違います。
次の表は、タイプ別に「そのまま白寄せしてよいパステル」「一段だけ濃くして使うパステル」「顔から離すパステル」の例と、補足のポイントをまとめたものです。スマホに保存しておくと買い物が速くなります。
| タイプ | 白寄せしてよいパステル | 一段だけ濃くするパステル | 顔から離すパステル | 補足のポイント |
|---|---|---|---|---|
| スプリング | クリームピンク、ミルキーコーラル、ペールグリーン | ライトアプリコット、薄サーモン、ペールターコイズ | 青みラベンダー、ソーダブルー | 必ずどこかにあたたかさを残す |
| サマー | ライラック、ベビーブルー、ローズピンク、ブルーグレー寄りパープル | ほんのり濃いラベンダー、ミストブルー | 黄みシャーベット、レモン | グレー・シルバーで境い目を作る |
| オータム | 杏ミルク、アーモンドミルク、パステルカーキ、セージ | サーモンミルク、モカ寄りピンク | 白に近いミント、青みパステル | 素材で陰影を足すと飛ばない |
| ウィンター | アイシーラベンダー、アイシーブルー、スノーピンク | クリアなチェリーミルク、薄ライラック | 黄みミルキー、くすみペール | 黒・ネイビー・シルバーで輪郭を描く |
面積と位置で決める白飛び回避の実践テクニックを詳細化する
トップスにパステルを持ってくるときの工夫
トップスは顔に最も近いので、ここが白く飛ぶと「今日は顔色が悪い」「ふくよかに見える」という印象につながりやすくなります。トップスをパステルにするなら、襟ぐり・肩・胸もと・カメラに近い前身ごろのどこか一カ所に影を作ると決めてください。
Vネックや浅めのスクエアネックにして首もとに影を落とす、丸首の場合はインナーを1段濃くして5mmだけ見せる、ギャザーやタックのあるデザインで光を散らす、レースではなくマットな生地を重ねる、細いネックレスをのせて一筋影を作る──これらはすべて白飛び防止として機能します。
サマー・スプリングは襟ぐりをやや広くするとやさしくまとまり、オータム・ウィンターは襟ぐりを少し詰めて直線を出すと、大人っぽくて画面でも崩れません。
体型的に肩がなだらかな人・肩の厚みがない人は、肩にほんの少しだけ構築感のあるジャケットやカーディガンを重ねると、光が分散してのっぺりを防ぎます。袖の折り返しを1回だけするのも、面積を分割するのでおすすめです。
ボトム・ワンピースで使うときの細かいコツ
ボトムにパステルを使うときは、顔から離れるぶん白飛び自体は少ないのですが、今度は「膨張して見える」「太ももに光が集まって見える」という違う困りごとが出やすくなります。これを抑えるには、パステルのボトムを全身の2〜3割程度の面積にとどめ、トップスやアウターを自分のタイプに合うニュートラルで包むと、下だけが浮きません。
スプリングならベージュやライトキャメル、サマーならライトグレーやブルーグレー、オータムならカーキやキャメル、ウィンターなら黒・チャコール・ネイビーです。
ワンピースでパステルを着る日は、どこか一カ所で分割しましょう。ウエストに細ベルトを入れる、肩にカーディガンをかける、パールやコサージュで視線を集める、バッグだけ濃くする──どれでも構いません。
広い一枚パステルのままだと、どうしてもカメラが明るさに引っ張られます。とくに学校行事・式典・発表会のように「白い背景+明るい照明+大勢で写る」場面では、パステル+オフ白+一段濃いニュートラルという三分割を徹底したほうが安全です。
小物と背景で色を残す方法をさらに掘り下げる
パステルの白飛びを左右するのは、実は服そのものより「背景と手前に何があるか」です。白い壁・白い机・白いカーテン・白いソファの前で白寄りのパステルを着れば、どれだけ理想的な色でも飛びます。
ここで手っ取り早いのは、背景を一段暗くするか、手前にだけ濃い色を置くことです。オンライン会議なら、椅子にダークグレーやネイビーのひざ掛けを常備しておき、写る範囲に入るようにかける。
ベージュのバッグをひざに置く。ブラウンの手帳をカメラの見える位置におく。これだけで画面に「ここは白くない部分」ができ、パステルが存在感を持ちます。
小物は、パステルと相性の良い中間色が便利です。スプリングならベージュ・キャメル・ミルクティー。サマーならグレー・スモーキーブルー・シルバー。オータムならこげ茶・オリーブ・モカ。ウィンターなら黒・チャコール・シルバー。どのタイプでも、パステルとまったく同じ明るさのバッグ・靴を合わせるとぼやけるので、どちらか一方は必ず一段暗くしてください。
シーン別・季節別に使えるパステルの白飛び回避パターン
通勤・職場・リモートワークの日
職場は白い壁・白い蛍光灯・白いデスクという「白が多い三重苦」になりやすく、パステルが最も飛びやすい環境です。ここでは、パステルを“服のメイン”にしすぎず、パステル1:ニュートラル2くらいの配分にしておくと安心です。
サマーなら、ラベンダーのブラウスにライトグレーのジャケットを羽織り、首もとにパールを一粒。スプリングなら、ミルキーコーラルのニットにベージュのパンツ、細いゴールドのネックレスで影を足す。
オータムなら、アーモンドミルク色のブラウスにキャメルのジャケット、バッグはこげ茶。ウィンターなら、アイシーブルーのトップスに黒のテーパードパンツ、ベルトと靴も黒にして直線を強調。これだけでオンライン会議のときも輪郭が保てます。
休日・おでかけ・写真を撮る日
休日は背景が自然や街並みになり、白壁ほどは飛びません。そのぶん、パステルの面積を大きくしても大丈夫です。スプリングならミルキーピンクのワンピースに白スニーカーとベージュのショルダー。
サマーならベビーブルーのニットにオフ白のワイドパンツ、グレーのバッグ。オータムならサーモンミルクのブラウスにリネンのベージュスカート、ブラウンのサンダル。
ウィンターならスノーピンクのブラウスにネイビーのスカート、白の靴。日差しが強い日は帽子をかぶって影を作るか、濃色の羽織を肩にかけると、パステルが飛びません。
行事・式典・学校関連・集合写真の日
行事や式典は、体育館やホールの白い壁、白い床、白い天井で撮られることが多いので、パステルが飛びやすい代表的なシーンです。ここでの基本は、**パステル+オフ白+一段濃いニュートラル(ベージュ・グレー・キャメル・黒)**です。
サマーならライラックのワンピースに白のカーディガン、グレーのバッグ。スプリングならライトアプリコットのブラウスにアイボリーのジャケット、ベージュのパンプス。
オータムならパステルカーキのワンピにキャメルのベルトとこげ茶のバッグ。ウィンターならアイシーブルーのセットアップに黒いバッグとシルバーのピアス。これなら、どんな光でもパステルが消えずに残ります。
オンライン・配信・自撮りが多い人向け
オンラインや配信では、アプリ側が自動的に顔を明るくしようとするため、パステルは実際の色よりさらに白く映ります。配信が多い人は、一度だけでいいので、自分が一番白くなりやすいパステル(ミルキーピンク・ライラック・ミントなど)を着て録画し、どう補正されるかを確認しておいてください。
そのうえで、ふだんは首もとに濃色を置く・背景をグレーにする・カメラの下に濃いノートを置くの三つのどれかを毎回やると、安定して色が出ます。ライトを強く当てるときは、パステル自体を一段だけ濃くしたほうが写りがいいです。
季節ごとの足し算・引き算
春は背景も服も明るくなりがちなので、パステルの中にほんの少しだけ彩度のある色(スプリングならアプリコット、サマーならラズベリー寄りピンク、オータムなら薄テラコッタ、ウィンターならチェリーミルク)を足します。夏は日差しが強くて色が飛びやすいので、帽子や日傘で影を作る・サンダルを濃色にする・かごバッグで面積を分割するなど、光を分散させます。
秋はパステルが季節から浮きやすいので、スエード調・コーデュロイ・マットサテンなどの質感で季節感を足し、トップスかボトムのどちらかを一段沈めます。冬は背景が白(雪・イルミ・室内照明)が多くなるので、顔の近くにだけ黒・ネイビー・グレーのどれかを足してください。
シーン別におすすめの組み合わせをもう一段だけ詳しくすると、次のようになります。
| シーン | スプリング | サマー | オータム | ウィンター |
|---|---|---|---|---|
| 通勤 | ミルキーコーラルTOP+ベージュBOTTOM+細ゴールド+ベージュBAG | ラベンダーTOP+ライトグレーJK+パール+グレーBAG | アーモンドミルクTOP+キャメルJK+こげ茶BAG+ブラウンSHOES | アイシーブルーTOP+黒BOTTOM+黒BAG+シルバーACC |
| 休日 | ペールグリーンKNIT+白DENIM+ベージュBAG+白SNEAKER | ベビーブルーKNIT+オフ白WIDE+グレーBAG+シルバーFLAT | サーモンミルクBLOUSE+リネンBEIGE+ブラウンSANDAL+ラタンBAG | スノーピンクBLOUSE+ネイビーSKIRT+白SHOES+黒BAG |
| 行事 | アプリコットBLOUSE+アイボリーJK+ベージュPUMP+ゴールドJEWELRY | ライラックONEPI+白CARDI+グレーBAG+パール | パステルKHAKIONEPI+キャメルBELT+こげ茶BAG+メタルACC | アイシーSETUP+黒BAG+シルバーJEWELRY+黒SHOES |
買い物・写真撮影・オンラインで失敗しない段取り
パステルは、店頭の強いスポットライトの下と、自宅の夕方の蛍光灯の下と、屋外の自然光の下とで、まったく違う顔を見せます。失敗を減らすには、①白い壁の前とやや暗い場所の両方で色を確認する ②顔のすぐ近くでスマホ自撮りしてみる ③手持ちのニュートラル(ベージュ・グレー・黒・ネイビー)と合わせてみるの三つをセットにしてください。
オンラインで購入するときは、商品説明に「アイシー」「ミルキー」「ペール」「スモーキー」「ヌード」などの言葉があるかをチェックし、自分のタイプに合う言い方を覚えておくと大きく外しません。
スプリング=ミルキー・クリーム・ヌード、サマー=アイシー・ミスト・スモーキー、オータム=サンド・エクリュ・ペールアーモンド、ウィンター=アイシー・スノー・フロスト、といったように対応させると迷いません。
さらに、撮影やオンラインが多い人は、よく使うアプリで一度テスト撮影をして「どの色が一番飛ぶか」「どの色なら残るか」を自分専用で把握しておくと、以降の服選びが一気に楽になります。
アプリによっては青みを強く出すもの、全体を一段明るくしてしまうもの、顔だけを明るくしてしまうものなど癖があるので、その環境ではパステルを一段だけ濃く・一段だけ暗く、といった微調整をすればOKです。
Q&A(よくある疑問)
Q1. パステル同士を上下で着ると必ず膨張しますか。
A. 何も区切りがなければ膨張して見えますが、首もと・ウエスト・足元のどこか一カ所に濃いめのニュートラルを足せばまとまります。上下どちらかをニットや麻混など表情ある素材にしておくと、光が分散してさらに膨張しにくくなります。
Q2. 白い背景で撮るときの一番簡単な対策は?
A. 顔のすぐ下にだけ濃い色のストールかネックレスを足すことです。次に簡単なのは、バッグや手帳など手前に見えるものだけを濃くすることです。それでも飛ぶときは、背景そのものを一段落とす(木目の前で撮る・カーテンをグレーにする)と改善します。
Q3. パーソナルカラーがあいまいです。どのタイプのやり方を試せばいいですか。
A. まずはサマーのやり方(パステル+グレー+少しの白)を試してください。それで顔が沈むようならスプリングのやり方(パステル+ベージュ)に切り替えます。どちらでもないと感じたらオータムのやり方(パステル+キャメル+表情素材)で落ち着かせると、多くの人には合います。
Q4. 40代以降でもパステルは使えますか。
A. 使えます。むしろパステルは光を集めるので、顔まわりがいきいきして見えます。年齢を重ねたら、白に寄せすぎず、やや彩度を残したパステル・素材に表情のあるパステル・小物で影を作るパステルに寄せてください。
Q5. 子どもと並ぶと自分だけ色が飛びます。
A. 子どもの服のほうが彩度が高く、素材も光を反射しにくいため、大人のパステルが負けて見えます。自分の服に一段濃いベージュ・グレー・ネイビーを足して境い目を作るか、アクセサリーを重ねて影を作ってください。
Q6. オンライン会議で毎回飛ぶのを直したいです。
A. カメラのすぐ近くに濃い色を置く(濃色のノートやひざ掛け)、背景を白から木目やグレーに変える、パステルの中でも一段だけ濃い色を選ぶ──この三つのどれかを毎回やると改善します。
用語辞典
白飛び:光を多く拾いすぎて、服や肌の細部が白く抜けてしまう現象。明るい服・白背景・自動補正で起きやすい。境い目の色や影を作ると防げる。
パステル:白に色を混ぜたような明るくやわらかい色の総称。パーソナルカラーごとに得意な温度(あたたかい・冷たい)と明るさの幅がある。
明度:色の明るさを表す性質。パステルは明度が高いため、周囲の明るさと重なると飛びやすい。
境い目の色:淡い色と肌の間、淡い色と背景の間に置いて輪郭を作るための色。グレー・ベージュ・キャメル・黒・ネイビーなどが該当する。
影になる素材:光を一方向に返さず、細かな凹凸で陰影を作る素材。麻混、ワッシャー、スエード調、編み目のはっきりしたニット、マットなサテンなど。

