「ブラウンやベージュを着ると“無難”で終わる」「仕事服が落ち着きすぎて老け見えする」――イエベ秋(オータム)のあるある悩みは、センス不足ではなく色の“濃淡・質感・面積”の配分が少しズレているだけ。
結論から言うと、深み色を主役に据え、あたたかい中間色でつなぎ、小さな光で引き締める。この三手順を一定の比率で繰り返せば、同じワードローブでも上品さと華やぎを両立できる。しかも再現は簡単。
この記事は共感→結論→再現性の流れで、ベース色選定→配色ルール→季節/シーン別レシピ→小物/メイクの整え方→Q&A/用語辞典まで徹底解説する。
1.まず結論:イエベ秋の“地味見え回避”は「濃淡・質感・面積」
1-1.濃淡の核:主役の深み色+つなぎの中間色+抜けの明るさ
イエベ秋は低〜中彩度×深みのある色が最も得意。まずは主役(濃色)1:つなぎ(中間)1:抜け(明るめ)0.5の比率で組むと失敗しない。主役候補はディープグリーン/テラコッタ/ビターショコラ。つなぎはキャメル/カーキベージュ/オリーブグレー、抜け役はエクリュ/アイボリーが鉄板。
拡張比率:会議・年上多め→1.5:1:0.5で落ち着き寄り/社内イベント→1:0.7:0.7で明るさ寄り。
1-2.質感の核:マット基調に“小さく光”を点でのせる
仕事場ではマット生地が知的に映る。そこへ時計の金具・小粒ピアス・細ベルトなど点の光を一滴。面の強光沢は浮きやすいので、布は艶ひかえめ・金具はつや控えめが上品。ニットはハイゲージ、シャツは微起毛コットンが顔映りを底上げ。
1-3.面積の核:色は三階建てで配置する
上半身・下半身・小物を**三層(大・中・小)**で計画。大=主役色/中=つなぎ色/小=抜け色or金具。この三階建てを守るだけで、濃色の重さが分散し、地味に寄らない。
三要素の早見表
観点 | 正解 | 避けたい | 理由 |
---|---|---|---|
濃淡 | 深み色+中間+明るめの抜け | 濃色ワントーン/明る色のみ | 平板/ぼやける |
質感 | マット基調+点の光 | 面で強光沢 | 浮く/品が落ちる |
面積 | 大(主役)中(つなぎ)小(抜け) | 3色ほぼ同面積 | ごちゃつく |
1-4.「3mルール」で客観チェック
鏡の前から3m離れてスマホで撮影。主役色が第一印象で見え、首元に白〜明るさが点在しているか、金具が点で光るかを確認。曖昧なら抜け色の面積を+5%。
2.イエベ秋の“使える色”完全リスト(職場向けに最適化)
2-1.ベース(軸)にする色:毎日着ても疲れない土台
- キャメル/ココア/ビスケット:ベージュ系の中でも黄みと深みがある。羽織・ボトム・ベルト・靴の土台に。
- オリーブ/セージ/カーキ:中間の渋みで他色とつながる。パンツやジャケット、カーゴ見えしないきれいめ素材が◎。
- チョコレート/ビターブラウン:黒の代わりに締め色として使い、硬さを和らげる。スーツの墨黒も代替可。
2-2.アクセント(主役)にする色:一滴で高見え
- ディープ/ボトルグリーン:一気に高見え。ジャケット・ワンピ・ニットに。
- テラコッタ/カッパー/煉瓦色:温度感を足し、血色の良さを引き出す。トップスやチーク・口紅と連動させやすい。
- マスタード/カリー:小物やニットで生き生き。暗い会議室でも顔が沈みにくい。
2-3.抜け(明るさ)を作る色:軽さと清潔感の要
- エクリュ/アイボリー/バニラ:顔周りのくすみ飛ばし。ブラウス・インナー・スカーフに最適。
- ライトキャメル/サンド:ボトムに入れても安っぽくならない明度。
オフィスでの色選び表(役割別)
役割 | 安定する色 | 置きどころ | 効果 | 代替案 |
---|---|---|---|---|
主役 | ディープグリーン/テラコッタ/ビターブラウン | ジャケット/ワンピ/ニット | 高見え/印象づけ | 墨黒/深ネイビー(黄み寄り) |
つなぎ | キャメル/オリーブ/カーキベージュ | ボトム/カーデ/ベルト | 全体をまとめる | グレージュ(黄み寄り) |
抜け | エクリュ/アイボリー | インナー/スカーフ/パンプス | 顔色UP/軽さ | ごく薄い蜂蜜色 |
2-4.NG→OKの置換早見表
苦手に転びやすい選択 | 賢い置換 | 理由 |
---|---|---|
真っ黒スーツ+真っ白シャツ | 墨黒orビターブラウン+アイボリー | コントラストをやわらげ血色UP |
青みローズの口紅 | ブラウンレッド/カッパー | 黄み肌に溶け込む温度感 |
鏡面ゴールドの大ぶり金具 | つや控えめブロンズ/小粒ゴールド | 職場で悪目立ちしない光 |
3.職場で即使える配色レシピ(春夏秋冬×シーン)
3-1.春:軽さは“明るめ抜け”で足す
- 打合せ:ボトルグリーンのジャケット×アイボリーブラウス×キャメルのテーパード。小物はつや控えめ金具で一点だけ光。
- カジュアルデー:テラコッタのハイゲージニット×サンドベージュのワイド×ベージュパンプス。口元はコーラル寄りで統一。
- 新歓/外部挨拶:ココアのセットアップ×エクリュのカットソー×カリー色スカーフ少量。
3-2.夏:濃色は“面積小さめ”に切り替え
- プレゼン:アイボリーのシャツ×オリーブのストレート×カッパーの細ベルト。足元はキャメルのローファーで品よく。
- 在宅→外出:ライトキャメルのノースリ×ディープグリーンのスカート。時計の革ベルトで色リンク。
- 出張移動日:サンドのセットアップ×テラコッタT×白すぎないスニーカー。
3-3.秋:深み色を主役に「つなぎ」で調整
- 重要会議:チョコレートのセットアップ×エクリュのインナー×小粒ゴールド。
- 社内研修:マスタードのカーデ×カーキベージュのスラックス×ココアのパンプス。
- 打上げ:ビターブラウンのワンピ×ダークオリーブのジャケット×ブロンズ金具。
3-4.冬:重たさは“白と金具”で逃がす
- 年末挨拶:テラコッタのニット×ダークオリーブのタイト×アイボリーコート。金具は控えめな艶で締める。
- 社内パーティ:ボトルグリーンのワンピ×チョコレートのベルト×バニラのパンプス。耳に小さな光を一点。
- 寒冷地出張:ココアのウールセットアップ×エクリュタートル×ブロンズの腕時計。
季節別・配色運用表
季節 | 主役 | つなぎ | 抜け | 質感のコツ | 靴/バッグ |
---|---|---|---|---|---|
春 | グリーン/テラコッタ | キャメル/オリーブ | アイボリー | マット+小さな金具 | ベージュパンプス/キャメルトート |
夏 | アイボリー/サンド | オリーブ/薄カーキ | バニラ | 薄手でも艶控えめ | 甲見せローファー/薄キャメル |
秋 | ビター/マスタード | キャメル/カーキ | エクリュ | ハイゲージニット | ココアパンプス/ボストン |
冬 | ボトル/チョコ | ココア/オリーブ | アイボリー | コートはマット、小物一点光 | ダークチョコ/ブロンズ金具 |
3-5.一週間テンプレ(色だけ差し替えれば回る)
曜日 | 主役 | つなぎ | 抜け | ひと工夫 |
---|---|---|---|---|
月 | ディープグリーン | キャメル | アイボリー | 時計の革ベルトをキャメルに |
火 | テラコッタ | オリーブ | エクリュ | スカーフにカリーを少量 |
水 | ビターブラウン | カーキ | アイボリー | ピアスは小粒ゴールド |
木 | ボトルグリーン | グレージュ | バニラ | 靴を明るめベージュで軽さ |
金 | マスタード | ココア | アイボリー | 退勤後を見越し口紅をカッパーに |
4.配色を“崩さない”小物・柄・メイクのルール
4-1.小物:革は黄み寄り、金具はつや控えめ
- 革色:キャメル/コニャック/チョコが顔写りを下げない。真っ黒は強すぎる日はダークチョコに置換。
- 金具:イエローゴールド/ブロンズが肌になじむ。鏡面すぎる光沢はオフィスで浮くのでつや控えめを。
4-2.柄:線は細く、面は小さく
- **細ストライプ/小紋/千鳥(小)**は会議でも安心。大花/白黒くっきり強コントラストは面積小で。
- スカーフはオレンジ/グリーン/マスタードを少量混ぜた柄が万能。首元の白を作ると顔が明るい。
4-3.メイク:血色と影を“温かく”足す
- ベース:黄みベージュの自然な明るさ。
- チーク:アプリコット/テラコッタで体温感。
- 口紅:ブラウンレッド/カッパー。強い青みは避け、温かい深みで統一。
- 眉:黄みブラウンで輪郭をやわらげる。
- メガネ:べっこう/ブロンズ系が肌と調和。
小物・柄・メイクの整え方表
カテゴリ | OK | NG | ポイント |
---|---|---|---|
革・金具 | キャメル/ブロンズ/つや控えめ | 真っ黒/鏡面ゴールド | 温かい艶で上品に |
柄 | 細ストライプ/小紋/小千鳥 | 大花/白黒強コントラスト | 面積は小さく縦要素多め |
メイク | テラコッタ/カッパー/黄み眉 | 青みローズ/灰色眉 | 温度感で統一 |
4-4.ドレスコード別の配色ガイド
コード | 主役/つなぎ/抜け | 金具 | 素材 |
---|---|---|---|
ビジネスフォーマル | 1.5:1:0.3 | つや極控えめ | マットウール/ハイゲージ |
スマートカジュアル | 1:1:0.5 | 控えめ | コットン/ニット/レザー |
カジュアルフライデー | 0.8:0.8:0.8 | やや自由 | デニムは濃色/艶控えめ |
5.失敗別リカバリー/Q&A/用語辞典
5-1.よくある失敗→即リカバリー
- 地味に沈む:主役色を一段濃く、抜けを白寄りに。金具一点で光を足す。
- 老け見え:マット一辺倒が原因。ニットの目を細かく、微光沢の革を一点足す。
- 強すぎて悪目立ち:主役と抜けの面積が同程度。主役を大、抜けを小へ比率調整。
- 黄ばみ見え:アイボリーが濃すぎ。エクリュ→より白寄りに置換し、口紅をブラウンレッドへ。
トラブル→原因→処方の表
トラブル | 主因 | 処方 |
---|---|---|
地味に沈む | 濃淡の差不足 | 主役を濃く/抜けを白寄りに |
老け見え | マット過多 | 微光沢の革or金具を一点 |
ちぐはぐ | 面積配分ミス | 大中小の三階建てに戻す |
黄ばみ見え | 抜けの黄み過多 | 白寄りに/口紅で赤みを補う |
5-2.買う前チェックリスト(店頭2分/朝の時短にも)
- 主役色は顔から3mで見えるか。
- 抜け色は首元・手首・足のどこかに入っているか。
- 金具は面でなく点で光っているか。
- 素材はマット基調か(鏡面は小物のみ)。
- 面積は大・中・小の三階建てになっているか。
5-3.Q&A(よくある疑問)
Q1.黒が好きでやめられません。
A.真っ黒→ダークチョコ/墨黒へ置換し、白ではなくアイボリーで抜く。口紅はブラウンレッドにすると馴染む。
Q2.社内規定でスーツ必須。変化を付けにくいです。
A.インナーと小物で調整。アイボリーのブラウス+ブロンズ金具のベルト/時計+キャメル靴で温度を統一。
Q3.明るい色が苦手で顔がくすみます。
A.顔周りはエクリュ〜アイボリーを固定。色は耳より下(スカーフの端)に置くと馴染む。チークはアプリコット薄塗り。
Q4.パーソナルカラーがミックス気味かも。
A.質感はイエベ秋(マット)に合わせ、色は中彩度のニュートラルへ寄せる。金具は黄色みで統一。
Q5.ネイビーは似合いますか?
A.黄み寄りの深ネイビーなら馴染む。純ネイビー×真っ白はコントラストが強く顔が青ざめる場合があるので、アイボリーに置換。
5-4.用語辞典(やさしい言い換え)
濃淡:色の濃さと明るさの差。差があるほど立体的に見える。
中間色:はっきりしすぎない落ち着いた色。つなぎ役。
抜け:白〜明るめの面積。重さを逃がして顔を明るくする。
マット:てかりの少ない質感。仕事服が上品に見える。
点の光:小さな金具や艶。全体を引き締める。
低〜中彩度:色の強さが控えめ。職場で馴染みやすい。
ニュートラル:黄みにも青みにも寄りすぎない色。
まとめ
イエベ秋×オフィスカジュアルは、主役の深み色/つなぎの中間色/抜けの明るさを大・中・小で配置し、マット基調+点の光で締めれば地味見えゼロで上品に整う。
季節の変化には面積と質感で応え、同じ色でも濃淡と置き場所を動かすだけで印象は自在。3mルールで客観チェックを習慣化し、明日のコーデから落ち着きと華やぎの両立を。