鏡の前で「大人っぽく見せたいのに、茶色が重い」「やわらかく仕上げたら今度は顔がくすむ」——20代イエベ秋に頻出する悩みです。原因は、黄み寄りで深みのある持ち味に対して、明度・彩度・質感の配分が合っていないこと。
結論は明快。黄み〜赤みを一滴含んだ中明度×中彩度を軸に、面はセミマット・艶は“点”だけ、色はテラコッタ/アプリコットブラウン/キャメル/コッパー/オリーブ/サンドの“秋帯”で目・頬・口を小さく連動させます。これで透明感・大人の温度・清潔感が同時に整います。
本稿は、原理→色選び→パーツ別→シーン/季節別→時短手順→肌悩み/顔型別→Q&A/用語の順に、今日からそのまま再現できる手順で徹底解説。
20代イエベ秋の“透明感”の結論(色・質感・配色比率)
3本柱:色・質感・比率
色は黄み〜赤みを帯びた中明度×中彩度(テラコッタ/アプリコットブラウン/キャメル/サンド/オリーブ)。質感は面=セミマット、点=控えめな艶。配色比率は肌7:目1.5:頬1:口0.5。まず肌の面を均し、色は**同系色で“少量を重ねる”**が鉄則です。
似合う色相帯の“幅”を把握する
- 赤〜橙の温度:テラコッタ、コッパー、アプリコットブラウン、バーントオレンジ。
- 黄〜黄緑の落ち着き:キャメル、サンド、オリーブ、カーキ(灰に寄りすぎないもの)。
- 白・土台:アイボリー/クリームが最適。青白い純白は顔色を薄く見せやすい。
NG→OK変換の型
- 青みピンク→サーモン/アプリコット
- 青白い白→アイボリー/クリーム
- 灰みブラウン→キャメル/テラコッタ
色相×明度×質感 早見表
軸 | 正解帯 | 外しやすい帯 | 理由 |
---|---|---|---|
明度 | 中明度~やや低明度 | 高明度すぎ/低明度すぎ | 白飛び/沈みの振れが大きい |
彩度 | 中彩度 | 高彩度/低彩度の極端 | 派手/くすみのリスク |
質感 | 面はセミマット、点で艶 | 全面艶/全面マット | 毛穴強調/粉っぽさ |
光源別の微調整(屋外/室内/夕景/画面)
- 屋外日陰:頬はアプリコットブラウンを半トーン増、口はテラコッタを一点。
- 室内蛍光灯:下地はクリーム、目はキャメル〜サンドで影をやわらげる。
- 夕景/電球色:頬はサーモン寄り、口はコッパーで温度を残す。
- オンライン:眉を0.5トーン濃く、口はアプリコット>テラコッタ。
頻出の“当たり配色”コンビ
ベース | 差し色 | 効き方 |
---|---|---|
アイボリー | テラコッタ | 血色と清潔を同時に立てる |
サンド | コッパー | 大人の温度を足して写真に強い |
キャメル | アプリコット | 柔らかさと明るさの両立 |
オリーブ | サーモン | くすまず穏やかに締まる |
ベースメイクの失敗しない色選び(下地・ファンデ・コンシーラー・粉)
下地:黄みを一滴、首との段差ゼロ
色はアイボリー/クリーム。赤みは消しすぎず、影をならす目的で。頬高部はうすく一度、小鼻脇だけ重ね、首元まで薄くつなぐと白浮きが消えます。
ファンデ:標準〜やや暗め、黄みは“中庸”
質感はセミマット。色は標準~半トーン暗めのイエローオークル系で、灰みに倒れないもの。量は米粒2つを中心→外へ薄く。手のひら圧着で面を平らに。
コンシーラー:部位別“点置き”
- 目の下の青ぐま:サーモン/アプリコットを米粒1。内眼角~黒目下に三点置き→なじませる。
- 小鼻の赤み:黄みベージュを点で。粉はのせすぎない。
- ニキビ跡:黄みベージュを点置き→指で縁を消し込む。
仕上げの粉:Tゾーンだけで“面を平らに”
微粒子のセミマットを額・鼻・あごへ。頬外側とフェイスラインは粉なしで、若さと艶を残すと写真で生きます。
肌質/悩み×処方 早見表
肌タイプ/悩み | 下地色 | ファンデ質感 | コンシーラー色 | 粉 | 仕上がり |
---|---|---|---|---|---|
赤み・敏感 | クリーム | セミマット | サーモン | Tのみ | 穏やかで均一 |
くすみ | アイボリー | セミマット | 黄みベージュ | 全体うすく | 明るさ回復 |
脂性より | アイボリー | セミマット薄 | 黄みベージュ | 鼻・額中心 | 崩れにくい |
乾燥より | クリーム | やや艶寄りセミマット | サーモン | なし/鼻のみ | しっとり軽い |
下地前の“1分お手入れ”
手のひらで頬を包み→表面の水分だけティッシュオフ。表面温度が整い、下地が薄く均一にのります。
目・頬・口・眉の“秋帯連動”(アイ・チーク・リップ・ブロウ)
アイ:温度を点で足し、線は短く細く
色はキャメル/サンド/オリーブ/テラコッタ薄。まぶたは面で薄く、目尻三角だけ1トーン濃く。ラインはダークブラウンをまつげの隙間のみ。黒は粘膜に小さく。マスカラは毛先だけで重さを避ける。
チーク:頬骨のやや内側で“熱”を楕円に
色はアプリコットブラウン/サーモン/テラコッタ薄。黒目外〜小鼻中間線上に小楕円で置き、外へ薄くぼかす。重ねは2回まで。濃くなったら粉を一刷毛。
リップ:食事後も“温度が残る”色と形
色はテラコッタ/コッパー/アプリコットブラウン。山は丸め、輪郭は指で1mm外へやわらかく。中央だけ透明グロス米粒1で立体感。マスク時は指塗り→ティッシュオフ→中央重ねで色持ち。
眉:髪より半トーン明るい“キャメル眉”
色はキャメル/サンド/黄みブラウン。眉頭は上、眉尻は横にとかし、眉山は高くしすぎない。太さは自眉+0.5mmを目安に直線基調で清潔に。
パーツ連動 早見表
主役 | アイ | チーク | リップ | 眉 | 見え方 |
---|---|---|---|---|---|
目 | サンド+目尻テラコッタ | サーモン薄 | テラコッタ薄 | キャメル細 | 目力×軽さ |
頬 | キャメル極薄 | アプリコット主役 | コッパー薄 | ふわ太すぎない | 温度が自然に上がる |
口 | サンド極薄 | サーモンごく薄 | テラコッタ主役 | 線は細く | 大人のやわらかさ |
ハイライト/影の扱い(“点”だけ光らせる)
- 鼻根に点:米粒1/5を指でちょん。筋にしない。
- 上唇の山に点:口角が上がって見える。
- 目頭に点:黒目が澄んで見える。強いラメは避ける。
シーン別・季節別レシピ(学校・仕事・デート・写真・オンライン・式典)
学校/大学・実習:清潔×持ちの良さ
下地はアイボリー薄塗り→小鼻重ね。目はサンド1色、線は隙間のみ。頬はサーモン薄、口はテラコッタを指塗り。粉はTだけ。着脱が多い日は唇は中央重ねで残します。
仕事・面接・インターン:信頼×温度
下地はクリーム、ファンデは標準~半トーン暗め。目はキャメル+目尻テラコッタ。口はコッパー薄、眉はキャメルで直線補強。証明写真がある日は頬をアプリコットに寄せ、血色を一定に。
休日デート・女子会:写真に強い“面”
下地はアイボリー。フェイスラインは粉なしで艶を温存。目はサンド+毛先だけマスカラ。口はテラコッタ+中央グロス。夜景へ移動ならチークをサーモン→テラコッタ薄へ上げます。
写真の日/証明写真:影と反射の管理
背景が明るい→頬をアプリコット。背景が暗い→目の影を薄く(サンド)。粉はTのみ、**鼻根と上唇の山に“点”**で艶。
オンライン/画面越し:上半身に焦点
首元にアイボリーの面、眉は0.5トーン濃く。アイラインは隙間埋めのみで充分。口はアプリコット>テラコッタで血色を確保。
式典・かしこまった場:落ち着きと透明感の両立
下地はクリーム、ファンデは薄く均一。目はキャメル+目尻テラコッタごく薄、頬はサーモン、口はコッパーを輪郭控えめに。アクセは小粒にして艶を点に限定。
季節×調整 早見表
季節 | 変える所 | 色の動かし方 | 仕上げ |
---|---|---|---|
春 | 花粉・ゆらぎ | 粉はTのみ、頬はクリーム系 | 艶は点 |
夏 | 汗・皮脂 | 下地薄く、粉は小鼻と額中心 | 口は明るいアプリコット |
秋 | 乾燥スタート | 下地クリーム寄り | テラコッタを薄く追加 |
冬 | 乾燥・血色不足 | ピーチ〜サーモン下地 | グロスは中央のみ |
時短で“透明感だけ残す”5分/10分/15分プラン+持ち歩き
5分:最小三手
- アイボリー下地を全体うす塗り→小鼻重ね。
- 目にサンド1色+キワの隙間だけ線。
- サーモン頬とテラコッタ口を指で連動。
10分:持ちと面を整える
- 5分+サーモン系コンシーラーを目の下に点。
- Tだけ粉で面を平らに。
- 眉をキャメルで薄く補強、口の中央に透明グロス米粒1。
15分:写真や人に会う日
- 10分+目尻三角へテラコッタを1段濃く。
- 眉は直線基調で0.5トーン濃く。
- **鼻根・上唇の山に“点”**で艶、フェイスラインは粉なしで若さを残す。
持ち歩き“30秒お直し”
- 薄型あぶら取り紙:Tゾーンのみ。
- 小さな粉:小鼻・額だけ。
- 指でのせられるリップ:テラコッタ/アプリコットを中央へ点置き。
道具と配置 早見表
道具 | サイズ/形 | 使い方 |
---|---|---|
スポンジ | 雫型・小 | 叩かず滑らせて薄く均一に |
ブラシ | 小〜中の楕円 | 目尻三角・頬の境目をぼかす |
指(薬指) | やわらかい指腹 | リップ/コンシーラーの消し込み役 |
肌悩み・顔型・眉骨の形で“微調整”
肌悩み別の色と置き方
- そばかす:隠しすぎず薄いアイボリーを面で均し、頬はサーモン薄。上から粉を重ねすぎない。
- 赤みが出やすい:下地はクリーム、頬はサーモン一度塗り。口はアプリコットで温度を分散。
- くま(青・茶・黒):青→サーモン、茶→黄みベージュ、黒→明るさでなく影を薄く(目頭側だけに点)。
くまの種類×色 早見表
種類 | 見分け方 | 合う色 | 置き場所 |
---|---|---|---|
青 | 透けて青む | サーモン/アプリコット | 目頭〜黒目下 |
茶 | くすみ影 | 黄みベージュ | くすみ部分のみ |
黒 | 段差影 | コンシーラー少量+ハイライト点 | 影の起点だけ |
顔型別・チークの入れ方
- 丸顔:小楕円をやや斜めにして外へ。色はサーモン薄。
- 面長:ほぼ水平の楕円で中心寄りに。色はアプリコット。
- 逆三角:下めの丸で可動域に。色はテラコッタ極薄。
- エラ張り:頬骨内側に集中し外側は色を弱める。境目は粉一刷毛で消す。
眉骨の形×眉の描き方
- 眉骨が張っている:眉山低め・直線基調、色はキャメル。
- 眉骨が平ら:眉山ほんの少し高く、サンドで影を足す。
よくある失敗→すぐ直せる対処表
失敗 | 見え方 | 直し方 |
---|---|---|
茶色が重い | 顔が沈む | アイボリーを顔周りに、アイシャドウはサンド>キャメルへ |
口紅が浮く | 歯だけ白い | アプリコット/テラコッタに差し替え+輪郭を指でぼかす |
目が眠そう | 影が強い | 線を短く、目尻三角だけ濃く、中央は薄く |
白浮き | 首と段差 | アイボリー下地に戻す、粉を減らす |
眉が灰色 | 疲れて見える | キャメル/サンドへ変更、太さは+0.5mmまで |
艶が多い | 毛穴が目立つ | 艶は鼻根・上唇・目頭の“点”のみに限定 |
オリーブでくすむ | 土っぽい | 黄寄りオリーブにし、目尻だけ濃く |
テラコッタが濃い | 大人すぎる | アプリコットブラウンに一段下げる or 中央だけ重ね |
Q&A(よくある疑問)
Q1. テラコッタが強すぎて怖い。
アプリコットブラウンに一段下げるか、中央だけ重ねにすると温度だけ残せます。
Q2. 日中のテカりが心配。
粉を広げるよりTゾーンのみに限定。頬の艶は点で残すと夕方もくすみません。
Q3. マスクで口紅が取れる。
指塗り→ティッシュオフ→中央だけ重ねの三手で色が残ります。
Q4. 眉が赤茶で浮く。
キャメル/サンドの黄みブラウンへ。グレー寄りは青ぐすみの原因になりやすい。
Q5. オリーブ系がくすんで見える。
**黄緑でなく“黄寄りオリーブ”**を選び、まぶたは面薄・目尻だけ濃くで軽さを保ちます。
Q6. まつげが下がる。
毛先だけにマスカラ、ビューラーは根元より中間で軽く。重さを避けます。
Q7. 毛穴が気になる。
艶を面でのせると目立つので、点の艶に切替え、Tゾーンのみ粉で凹凸をならします。
Q8. 顔がすぐ赤くなる体質。
下地はクリームで赤みを整え、チークはサーモン薄。テラコッタ重ねは控えます。
Q9. リップを塗ると老ける。
輪郭を指で1mm外にぼかすと硬さが抜け、アプリコット>テラコッタで若さが戻ります。
Q10. 仕事後にすぐ予定。
鼻根・上唇の山に艶を点、テラコッタを中央だけ重ね、眉0.5トーン加筆で30秒格上げ。
用語辞典(やさしい言い換え)
中明度:明るすぎず暗すぎない、ほどよい明るさ。
中彩度:発色がはっきりしつつ、強すぎない色の濃さ。
セミマット:完全なつや消しでなく、やわらかな光だけ返す質感。
点の艶:鼻根・上唇の山・目頭など、点だけが少し光る状態。
目尻三角:目尻の外側にできる小さな三角地帯。ここを1トーン濃くすると印象が締まる。
キャメル眉:黄み寄りの淡い茶で整えた眉。灰色感を中和し、温度と清潔感を両立。
まとめ
20代イエベ秋の透明感は、中明度×中彩度の“秋帯”カラー、面はセミマット・艶は点、目・頬・口の小連動の3原則で安定します。迷った朝は、アイボリー下地→サンドの目→サーモン頬→テラコッタ口→キャメル眉の順に三〜五手で完了。
光源や距離が変わっても、落ち着きとやわらかさが同時に残ります。色は“たっぷり”ではなく**“同じ帯を少量ずつ”重ねる——それだけで、今日から澄んだ大人の透明感**が手に入ります。