導入（共感→結論→再現性）
温泉旅は、部屋着・浴衣・館内スリッパ・外湯めぐり・食事処・露天の風……と場面が次々変わるうえ、荷物は最小限で軽やかに行きたい旅。ラクを優先するとゆるみ過ぎてだらしなく見え、きちんと寄せると湯上がりの体温と照明に浮く——そんな“温泉あるある”を、イエベ（黄みが似合う人）視点で丸ごと解決します。
結論は明快。顔まわり＝中明度の黄み寄り（バニラ/生成り/アプリコット/コーラル）でやさしい血色を固定し、外縁＝中低明度（キャメル/トープ/ブロンズ/チョコ）で輪郭を細く。素材はとろみ×マットを基本に、肌側は吸汗・表はシワ戻りが良いものを重ね、前開きで温度を刻む。小物は金色を“点”で効かせ、籐/布など柔らかい質感を選べば、誰でもしっとり艶見え・清潔感・移動ラクが再現できます。
ここから、原理→配色→アイテム→シーン→実務→Q&A/用語の順で徹底解説。着回し表・帯色テンプレ・汚れ/香りの即応まで網羅します。
1. 温泉旅で“艶×清潔感×ラク”を両立する原理
1-1. 灯りと背景（客室/廊下/食事処/街並み/湯屋）
客室は電球色が中心で黄味が強く、黒は重く沈む傾向。生成り/バニラを顔まわりに置くと肌がふっくら見えます。廊下や食事処は赤みの木目が多いので、コーラル/ブロンズがなじみ良し。外湯の白壁・石畳にはキャメル/トープで輪郭を保つと写真で面が整います。湯屋の曇りガラスと湿気は光が拡散するため、光沢控えめの面で“てかり”を抑えると上品。
1-2. 湯上がり体温と服の層（薄→薄→中の三層）
湯上がり直後は発汗→急な冷えが起こりやすい。肌側＝吸汗、中間＝薄ニット/カーデ、外側＝とろみ羽織の薄→薄→中で、前開き一手で温度調整。肩とお腹を温め、足首の風よけを意識すると体が早く落ち着きます。
1-3. 旅の動線（部屋→湯→食→街）に合う設計
部屋から湯、湯から食事、外湯、売店、街歩き……と脱ぎ着が多いのが温泉旅。縦長バッグ（出し入れ早い）＋薄手羽織（前開き）＋滑りの良い裏地の三点でストレスは激減。**小物は“上段即出し”**で、手間を最小に。
環境別 似合わせ早見表（イエベ）
| 場所/灯り | 顔まわり | 外縁 | 小物 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 客室（電球色） | 生成り/バニラ | キャメル | 金の小粒 | しっとり血色 |
| 廊下・食事処 | コーラル/アプリコット | トープ/ブロンズ | つや控えめ金 | 木目に調和 |
| 外湯・街並み | 生成り/麦色 | キャメル/チョコ | 籐/布 | 清潔感と輪郭 |
| 露天・庭 | バニラ/杏 | ブロンズ/チョコ | 布ひも/木玉 | ぬれ光を上品に |
2. イエベ向け・艶見えカラーパレット（季節/天候/肌温/泉質）
2-1. 季節別の軸色と素材感
- 春：バニラ/アプリコット/ピスタチオ薄。素材は薄ニット/とろみツイル、花粉時は表面なめらかで付着を抑える。
- 夏：生成り/コーラル/マンゴー。薄シアー/汗抜け重視、冷房対策に薄はおりを常備。
- 秋：キャメル/テラコッタ/ブロンズ。マットサテン/細番手ウールで面を均一に。
- 冬：トープ/チョコ/深ブロンズ。薄ウール/裏微起毛＋首元一点の暖色で湯冷め対策。
2-2. 天候×レイヤー処方（決定表）
| 天候 | 肌側 | 中間 | 外側 | 仕上げ | 理由 |
|---|---|---|---|---|---|
| 快晴・乾燥 | 吸汗半袖 | とろみカーデ | 薄羽織 | 金の点/細スカーフ | まぶしさに負けず血色維持 |
| 曇り・風 | 吸汗長袖 | 薄ニット/ベスト | ミディ丈羽織 | 首に薄ストール | 面が平らに写りやすい日 |
| 雨/雪 | 吸汗長袖 | 薄中綿ベスト | 撥水コート短め | 撥水巾着/替え靴下 | 濡れ→冷えを遮断 |
2-3. 肌温タイプ別（冷えやすい/暑がり）
| 体質 | 重点保温 | 避けたいこと | ワンポイント |
|---|---|---|---|
| 冷えやすい | 肩/みぞおち/足首 | 厚×厚の重ね | 薄×薄×中＋前開きで加減 |
| 暑がり | 首後ろ/背中 | 高密度で密閉 | 脇と背の通気の道＋吸汗肌側 |
2-4. 泉質×香りの映え色（写真の白飛び/黄ぐすみ回避）
| 泉質の見た目 | 推し配色（顔まわり/外縁/差し） | ねらい |
|---|---|---|
| 乳白色 | 生成り/キャメル/杏 | 白壁＋湯気に負けない血色 |
| 透明（青み） | バニラ/トープ/コーラル | 肌に温度を足す |
| 黒湯/鉄分 | 杏/ブロンズ/麦色 | 重さに対抗しつつ落ち着き |
3. アイテム別・しっとり艶の設計（色×素材×形×数値）
3-1. 羽織（外側の枠）
色：キャメル/トープ/ブロンズ。丈：腰骨〜ヒップで上品、座布団でも裾が邪魔にならない。前立ては細め/比翼風で面が整い、とろみツイル/マットサテンが“湯上がりの肌”と最相性。肩幅＝自分±1cm、袖丈＝手首の骨が少し覗くが細見えの上限。
3-2. ワンピ・セットアップ（面で艶）
色：アプリコット/コーラル/生成り。首元は広U/浅Vで抜けを作り、落ち感のある生地で“からだの線を拾い過ぎない”が鍵。着丈＝身長×0.38〜0.42が安心。座礼でも膝が出にくい長さに。
3-3. ニット・インナー（芯の温度）
肌側：吸汗/消臭。中間：薄ニット/カーデで体温を微調整。袖口は手首骨が少し見える長さにして、手の甲に光を落とすと艶が増します。
3-4. ボトム（外縁で輪郭）
色：キャメル/トープ/チョコ。形：落ち感テーパード/セミフレア。裏地は滑り良しで座布団との摩擦を軽減。股上は深めが安心、裾幅＝肩幅×0.9〜1.0が広がり過ぎない目安。
3-5. 靴・バッグ・小物（旅館仕様）
靴：甲深フラット/低めヒール、ぬれ対応だと外湯に強い。バッグ：縦長小さめ＋巾着で手が空く。金具は小さな点に留める。扇子/折りたたみ袋を忍ばせると湯上がり汗と濡れ物に即応。
アイテム別 色×素材×機能 早見表
| アイテム | 推し色 | 素材 | 機能 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 羽織 | キャメル/トープ | とろみ/サテン | 体温調整/品 | 枠取りと艶 |
| ワンピ | アプリコット/生成り | 落ち感 | 直線＋柔らか | 写真映え |
| ニット | コーラル/麦色 | 薄ニット | 汗戻り抑制 | 湯上がり快適 |
| ボトム | チョコ/トープ | ツイル/裏地滑り | 座っても楽 | 輪郭維持 |
| 靴 | 茶/ベージュ | 撥水/柔らか | 外湯OK | 歩行安定 |
| バッグ | 麦色/キャメル | 籐/布 | 出し入れ速い | 手ぶら感 |
| 巾着 | 麦色/杏 | 布/撥水内袋 | 濡れ物分離 | 清潔 |
4. シーン別・温泉旅コーデ（館内/外湯/食事/街歩き/就寝/移動）
4-1. 館内（部屋〜廊下）
生成りタンク＋とろみカーデ＋キャメルテーパード。耳に金の小粒。移動は巾着＋薄羽織で温度を刻む。袖は一折りで手首を見せると清潔感が増します。
4-2. 外湯めぐり（ぬれ/風/段差）
コーラル薄ニット＋撥水ショート羽織＋トープパンツ。甲深フラットで石畳も安心。タオルと替え靴下は防水巾着へ。階段や段差は裾を脇で軽くつまむと所作がきれい。
4-3. 夕食・会席（座礼・写真）
アプリコットのワンピ＋ブロンズの細ベルト。羽織はマットサテン。唇はコーラルで血色固定、指先はつや控えめ金。座礼では裾を整えて腰で座ると皺が残りにくい。
4-4. 朝の散歩（冷え/朝日）
バニラのニット＋キャメル羽織＋チョコのボトム。首に薄ストールで朝の冷えをカット。写真は逆光気味に立ち、露出−0.3で艶を残す。
4-5. 就寝前後（湯冷め対策）
吸汗長袖＋薄ニットベスト。足首ソックスで末端保温。ドライヤー前に前開きへ着替え、汗戻りを防ぐ。髪は低い位置でまとめると首の熱が抜けて寝つきが良い。
4-6. 交通手段別の工夫（電車/車/飛行機）
- 電車：ひざ上でまとめやすい縦長バッグ、羽織はひざ掛け代わりにも。
- 車：背中が蒸れやすいので前開きで調整。座面に滑りの良い裏地が快適。
- 飛行機：空調差が大きいので薄中綿ベストを“中間”に入れると安心。
動線×配色テンプレ
| 動線 | 顔まわり | 外縁 | 小物 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 館内移動 | 生成り | キャメル | 金の点 | 柔らかい艶 |
| 外湯 | コーラル | トープ | 撥水巾着 | 濡れ対応 |
| 夕食 | アプリコット | ブロンズ | 細ベルト | 写真で華やか |
| 朝散歩 | バニラ | チョコ | 薄ストール | ひんやり対策 |
| 帰路 | 生成り/杏 | トープ | 折り袋 | 荷物増も整然 |
5. 実務セット（荷造り/髪・肌/所作・写真/チェック・浴衣/帯テンプレ・Q&A/用語）
5-1. 荷造り（上段即出し＋濡れ対策）
上段：タオル・薄羽織・巾着・替え靴下・折り袋。中段：充電器・基礎化粧・ナイトソックス・常備薬。下段：替え下着・ランドリーバッグ。濡れ袋を1枚、香り袋を小さく入れると気分が整います。
5-2. 髪と肌（湯上がり艶の底上げ）
髪は低い位置でまとめ、耳小粒の金で艶を足す。肌は保水→油分少しで“しっとり”を固定。唇はコーラル/杏を点で。首はベビーパウダー少量で汗ばみを抑えると衣擦れが軽く。
5-3. 所作と写真（誰でもきれいに写る）
座布団では羽織の前を整えて腰で座る。写真は露出−0.3、壁や障子に対し斜めに立つと面が細く見えます。集合は背後に濃い物を置かない位置に立つのがコツ。
5-4. 浴衣/帯/羽織の色合わせテンプレ（迷ったらコレ）
| 浴衣の地色 | 帯 | 羽織/小物 | 仕上がり |
|---|---|---|---|
| 紺/藍 | 杏/麦色 | キャメル/金の点 | 端正＋あたたかみ |
| 生成り/白地 | ブロンズ/チョコ | トープ/籐 | 清潔＋深み |
| えんじ/からし模様 | 生成り/杏 | キャメル/麦色 | 華やか＋品 |
5-5. 出発前チェック表（90秒）
| 項目 | OKサイン | NGサイン | 手直し |
|---|---|---|---|
| 顔色 | 生成り/コーラルで血色 | 黒/純白で沈む | トップ置換 |
| 体温 | 薄→薄→中の三層 | 厚×厚で汗戻り | 前開きに変更 |
| 足元 | 甲深/滑りにくい | つるつる底 | 別靴へ |
| 荷物 | 即出しは上段 | ごちゃ混ぜ | 仕切り袋 |
| 写真 | 露出−0.3/背景が明るすぎない | 白飛び/逆光真っ黒 | 立ち位置を調整 |
5-6. Q＆A（よくある疑問）
Q1. 浴衣に合わせるなら何色？
A. 生成り/バニラの羽織＋ブロンズの帯風ベルトが万能。金の点を耳へ。
Q2. 館内スリッパで足が冷える。
A. 薄ソックスを常に巾着へ。足首を温めると全身が楽。
Q3. 露天が寒い季節、上は何を足す？
A. 薄中綿ベストを“中間”に。外はとろみ羽織で艶を保つ。
Q4. 一色だけ選ぶなら？
A. アプリコット。電球色でも自然光でも肌が潤って見える。
Q5. 食事処でのにおい移りが心配。
A. 羽織は椅子の背もたれに掛けないで膝上へ。帰室後は風通しへ。
Q6. 雨雪で裾が濡れた。
A. 乾いたタオルで押し取り→風通し。摩擦でこすらない。撥水は低温当て布で回復。
Q7. 体型が気になる。
A. 首元に抜け＋外縁を濃くで輪郭が締まる。細い金の点で視線を上へ。
5-7. 用語辞典（やさしい言い換え）
外縁：輪郭に近い部分（ボトム/靴/羽織）。
比翼：前ボタンが隠れる作り。面が整って上品。
とろみ：落ち感があり、光を柔らかく返す質感。
汗戻り：汗が冷えて体温を奪う現象。
金の点：金属の小さな光。面ではなく点で上品に。
麦色：穀物のような黄みの淡色。
杏（あんず）色：やわらかな橙。肌映りが良い。
まとめ：顔まわりに“やわらかい黄み”、外縁に“落ち着きの影”
イエベの温泉旅は、顔まわり＝生成り/バニラ/アプリコット/コーラル、外縁＝キャメル/トープ/ブロンズ/チョコ、素材＝とろみ×マット、重ね＝薄→薄→中が鉄則。
金の点と巾着を添えれば、湯上がりの艶を保ったまま、館内でも外湯でもしっとり上品・写真映え・移動ラクが叶います。持ち物と所作を最小限の動作で整え、旅の一枚をやさしい光で残しましょう。