導入(共感→結論→再現性)
朝はなめらかなのに、昼には頬の毛穴が浮く、小鼻はてかりとヨレ、マスクを外したら粉の筋、夕方は黄ぐすみ。原因の多くは、色(黄みの度合い)×質感(つや/マット)×順番×量が肌と合っていないことに尽きます。
結論は明快。イエベは黄みの澄んだ中立〜やや黄寄り(バニラ/オークル/蜂蜜色)を薄く均一に重ね、面=半艶で平らに、毛穴ゾーン=薄マットで締める。さらに下地は“埋めずにならす”、ファンデは“頬7:他3”の薄膜、粉は“面=半艶・点=控えめ”の分業。待ち時間(20〜40秒)と筆・スポンジは一往復ルールまで守れば、誰でも毛穴ぼかし×崩れにくい艶が再現できます。
本稿は、原理→下地→ファンデ→仕上げ粉→実務(場面/季節/肌質/時間帯)→上達トレーニング→応急処置→Q&A→用語でまとめ、最短で結果が出る手順を最大限詳しく解説します。
1. イエベの毛穴が目立つ理由と“色×質感”の原理
1-1. 毛穴タイプ別に起きやすいこと(原因→見え方→要点)
- 開き毛穴:皮脂と強い光で白飛び→穴が拡大して見える。→皮脂コントロール+乱反射を抑える半艶。
- たるみ毛穴:斜め下方向に流れる影の線。→線の“外側”を明るく、線上には粉を置かない。
- 黒ずみ毛穴:酸化や色ムラで灰影。→杏/コーラルで温度を足し、色の凹凸を均す。
毛穴タイプ別・即対応表
| タイプ | 主因 | 失敗サイン | 正解アプローチ | 追加の一手 |
|---|---|---|---|---|
| 開き | 皮脂/乱反射 | 粉が団子、テカり早い | 下地薄→半艶で面整え→小鼻は控えめ粉を点 | 粉は筆先だけで一押し |
| たるみ | 乾き/重力 | 口元〜頬に線 | 下地で面ならし→頬に薄膜→線“外側”だけ粉 | 練りは米粒で境目ぼかし |
| 黒ずみ | 酸化/色ムラ | くすみ・灰影 | 杏系下地を点→蜂蜜色を薄く→無色粉 | 鼻頭は粉前に油取り紙 |
1-2. イエベの正解トーンと補正色(数値のめやす)
- 明るさ:首の明るさ±0.5段にそろえる(顔だけ明るくしない)。
- 色み:黄み〜黄み中立。ピンク過多は黄ぐすみの呼び水。
- 補正色:赤み→黄緑/ミント、くすみ→コーラル/杏を点で。
1-3. 光の当たり方を操る(面・点・線の地図)
- 面(頬・額中央・あご)=半艶でなめらかに整地。広げる回数は一往復。
- 点(小鼻・口角・目尻)=薄マットでにじみ止め。押すだけ、こすらない。
- 線(鼻すじ・頬の稜線)=粉は最小。線上に重ねると筋が強調。
1-4. 自己診断10秒チェック(洗面所でOK)
1)首と頬の明るさ差は**±0.5段以内か。
2)頬の高い所に白い粉だまりは無いか。
3)小鼻横に粉の筋が出ていないか。→出ていれば点粉が多すぎ**。
2. 下地:毛穴は“埋めずに、ならす”
2-1. 手順と置き方(全顔で小豆1粒+待ち時間)
1)保湿:化粧水→乳液(頬多め・小鼻少なめ)。30秒なじませ。
2)仕込み油:乾く所に米粒1〜2、10秒プレス。
3)下地:全顔で小豆1粒、5点置き→内→外へ指の腹で薄く。鼻と額は半量。
4)定着待ち:20〜40秒触れずに置くとムラ激減。
2-2. 部位別ミニテク(毛穴ゾーンの塗り増し禁止)
- 小鼻:余りだけをスタンプ。こすると穴が出る。
- 頬の毛穴帯:横に広げず、下から上へ押し上げ。
- 口角:縦2回で影消し→粉は最後に点。
2-3. 季節・肌質で変える下地処方
| 肌質/季節 | 保湿配分 | 下地 | 量 | ひと言 |
|---|---|---|---|---|
| 乾き | 水分多→乳液→油点 | うるおい | 小豆1.2粒 | 粉ふき回避 |
| 脂多 | 水分→乳液控えめ | 皮脂抑え | 小豆0.8粒 | 毛穴落ち防止 |
| 春夏 | さらり | 皮脂抑え | 少なめ | 汗・湿気対策 |
| 秋冬 | しっとり | うるおい | 標準〜多め | 割れ防止 |
2-4. 色補正の置き場所(“点だけ”で効かせる)
- 赤み:小鼻横/頬中心のみミント。
- くすみ:目頭横/口角上に杏を米粒。
- 黄ぐすみ:頬高めにコーラルを指先で1往復。
2-5. 照明と鏡での見え方テスト
| 環境 | 起きやすいこと | 確認ポイント | 調整 |
|---|---|---|---|
| 電球色 | 黄ぐすみ/白飛び | 首との色差 | 下地を杏→ミントへ置換 |
| 昼光色 | 粉っぽさ | 小鼻〜目下の粉感 | ミスト→粉を点 |
| 曇天屋外 | 顔色沈み | 頬の明るさ | コーラルを頬高めに米粒 |
3. ファンデ:面は半艶、毛穴は“点で消す”
3-1. 種類別の使い分け(薄さが最優先)
- 液状:薄く広く。指で置き→スポンジで密着。
- 練り:気になる所だけ。頬中心に米粒で十分。
- 固形:持ち直し用。小鼻・口角に点で。
3-2. 配分と数値(頬7:他3)
- 分量:全顔パール粒×1が上限。
- 置き順:頬高め→額中央→鼻→あご。
- ぼかし:頬は面で内→外、鼻は点たたき。首境は余りで1回。
3-3. 道具の当て方(毛穴をならす角度)
| 道具 | 当て方 | 使う場所 | 失敗回避 |
|---|---|---|---|
| 指 | 面で押し広げる | 頬/額 | 温度で密着、こすらない |
| 乾スポンジ | 置いて→軽く引く | 境目/小鼻 | 厚みの段差を消す |
| 先端スポンジ | 先で点押し | 小鼻/目まわり | 毛穴に線を作らない |
3-4. 首・耳・うなじまで一体化(写真で差が出る)
- 首:ファンデの余りで1回だけなでる。
- 耳:赤みが強い人は粉を一押しで色差を均す。
- うなじ:まとめ髪の日は粉を薄くでテカり抑え。
毛穴カバー 置き場早見表
| 悩み | 形状 | 置き場 | 仕上げ | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 開き毛穴 | 液状 | 頬中心 | スポンジ押さえ | 面を平らに |
| たるみ毛穴 | 練り | 線の“外側” | 粉は外側だけ | 影を切る |
| 黒ずみ | 液状+練り点 | 鼻頭/口角 | 無色粉 | 色ムラを均す |
4. 仕上げ粉:粒度とつけ方で“ぼかすフタ”
4-1. 粒度/色/質感の選び方(イエベ相性)
- 粒度:毛穴の深さ≒粉の細かさ。深いほど細かく。
- 色:黄み中立〜無色。白すぎは灰見えの原因。
- 質感:半艶が基本、小鼻・口角は控えめを点で。
4-2. つけ方(面=大筆、点=小筆、線=触れない)
- 面:大筆で頬→額→鼻横→あごを各1往復。
- 点:小筆で小鼻・口角・目尻を一押し。
- 仕上げ:清いスポンジで余分オフ、粉の筋ゼロへ。
4-3. 直しの三段階&10秒テスト
1)油:あぶら取り紙3秒、こすらない。
2)線:指の温度でならす。
3)粉:点で一押し。
4-4. 粒度セルフチェック(合う/合わないの見分け)
| 見え方 | 合っているサイン | 合っていないサイン | 変更案 |
|---|---|---|---|
| 直後 | すべすべ、毛穴が浅く見える | 表面がざらつく | より細かい粉へ |
| 1時間後 | 半艶が続く | 毛穴に白い粒が溜まる | 控えめ粉を点に切替 |
シーン別・粉の使い分け
| 場面 | 粉の質感 | 量 | 道具 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 日常 | 半艶 | 薄 | 大筆 | 面を整える |
| 写真 | 控えめ+半艶の薄×2 | 薄×2 | 小筆+大筆 | 白飛び防止 |
| 長時間 | 半艶+鼻先控えめ | 標準 | 大筆+スポンジ | 持ちを延ばす |
| 屋外湿気 | 半艶 | 薄 | 大筆→小筆 | にじみ防止 |
5. 実務テンプレ:場面/季節/肌質/時間帯×時短
5-1. 場面・季節テンプレ(そのまま使える)
- 通勤:黄緑下地→液状薄膜→半艶粉、鼻は粉一押し。
- 会食:杏下地を頬中心→練りを点→半艶粉+目尻だけ控えめ粉。
- 夏:保湿軽め→皮脂抑え下地→液状極薄→小鼻は粉先行も可。
- 冬:水分多め→うるおい下地→練りを頬中心→半艶粉を面一往復。
- 梅雨/屋外:粉は面を薄く+点を増やすで耐湿度。
季節×毛穴タイプ 早見表
| 季節 | 開き | たるみ | 黒ずみ |
|---|---|---|---|
| 春夏 | 皮脂抑え下地薄→液状極薄→控えめ粉点 | うるおい下地→液状薄→線の外に粉 | 杏下地点→蜂蜜色薄→無色粉 |
| 秋冬 | うるおい下地→液状薄→半艶粉面 | 仕込み油→練り米粒→外側粉 | 杏下地点→液状薄→半艶粉 |
5-2. 肌質別ミニ処方&直し動線
| 肌質 | 下地 | ファンデ | 粉 | 直し |
|---|---|---|---|---|
| 乾き | うるおい | 練り少量 | 半艶 | ミスト→粉点 |
| 普通 | 標準 | 液状薄膜 | 半艶 | 皮脂紙→粉一押し |
| 脂多 | 皮脂抑え | 液状極薄 | 控えめ | 鼻先だけ粉足し |
| 敏感 | 低刺激 | 液状薄膜 | 無色 | 触る回数を減らす |
5-3. 朝・昼・夕の時間割(目安)
| 時間帯 | 所要 | やること | 注意 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 5〜7分 | 保湿→下地→ファンデ→粉 | 待ち時間と一往復 |
| 昼 | 30秒 | 皮脂紙→線を温度でならす→粉点 | こすらない |
| 夕 | 40秒 | 口角・小鼻のみ整える | 粉の重ねすぎ禁止 |
6. 上達トレーニング:圧・角度・回数を体に入れる
6-1. 3つの「圧」を覚える
- 面圧:頬は手のひらの重さ程度で面を均一化。
- 点圧:小鼻・口角は米粒をそっと押す強さ。
- 無圧:線上は触らない勇気。粉は周囲だけ。
6-2. 角度のコツ
- スポンジは45度で置き→15度で引くと段差が消える。
- 筆は寝かせて面、立てて点。先端だけで押す。
6-3. 回数ルール(超重要)
- 面は一往復、点は一押しまで。増やすほど崩れやすい。
7. 応急処置(現場で30秒)
7-1. マスク移り
- 粉前に鼻先だけ控えめ粉を増やす。外出先は口角を温度でならす→粉点。
7-2. 毛穴落ち/ヨレ
- 上から下へ小筆で粉を一押し。スポンジで境目だけならす。
7-3. 乾燥割れ
- 指先で温めてならす→霧吹き1プッシュ→粉を点。こすらない。
7-4. 眼鏡あと/鼻のつけ根
- 何も足さず温度でならし、最後に控えめ粉を点。
7-5. 黄ぐすみ・白飛び
- 黄ぐすみ:頬高めに杏/コーラルを米粒で上から点置き。
- 白飛び:粉を控えめ→半艶の薄×2に分割。
8. Q&A(よくある疑問)
Q1. 首と顔の色差で毛穴が強調される。
A. 首色に合わせた明るさを基準に、頬だけ0.3段明るい下地で調整。境目は余りで薄く。
Q2. 粉が毛穴に落ちる。
A. 粒が粗い可能性。より細かい半艶粉へ。塗布は大筆一往復+小筆一押しまで。
Q3. 厚塗り感なく隠したい。
A. 頬7:他3の薄膜と、小鼻・口角は余りで。線の上に粉を置かない。
Q4. 写真で毛穴が強く写る。
A. 線上の粉をゼロにし、控えめ粉→半艶粉の順で薄×2。耳の赤みには粉一押し。
Q5. 時短したい。
A. 頬だけ丁寧に。小鼻と口角は余りで点、昼は皮脂紙→粉一押しで十分。
9. 用語辞典(やさしい言い換え)
半艶:光りすぎず、しっとり見える質感。
薄膜:肌の動きに沿う、ごく薄い層。
控えめ粉:つやを抑える粉。点使い向き。
面/点/線:塗る範囲の考え方。面=広い部分、点=細部、線=高い稜線。
一往復ルール:筆やスポンジで同じ場所を行って帰るまでで止めること。
まとめ:面は半艶、毛穴は点で薄マット——色は“黄みの澄んだ中立”に
イエベの毛穴カバーは、下地で面をならし、ファンデは頬7:他3の薄膜、粉は面=半艶・点=控えめの分業。分量は下地小豆1粒/ファンデパール1/粉は一回り。
待ち時間と一往復ルールを守れば、毛穴ぼかし×崩れにくい艶が一日中続きます。季節・湿度・照明に合わせて、表の微調整をそのまま実行するだけで安定します。

