「暖房の前にいるだけで粉をふく」「ツヤ下地を塗ったのに午後はくすむ」「マスクを外すと鼻横だけヨレている」——冬のベースが難しいのは、乾燥(油分不足)・温度差(汗→冷え)・摩擦(マスク接触)が同時進行するから。
結論は明快。水分7:油分3の土台→パーソナルカラーに合う“微色ツヤ下地”→粉は点で固定の三段で、光を中央に集めて影を薄くすれば、誰でも一日じゅうしっとり・つるんを再現できます。本稿は原理→パーソナルカラー別→肌質別→置き方と量→お直し→Q&A/用語辞典の順で詳しく解説します。
冬に“崩れない・乾かない”ベースの原理(まず結論)
ツヤ下地の役割(反射・色・保湿)
- 反射:細かな光を額中央・鼻筋・頬の高い位置・顎先に集め、面の凹凸をならす。
- 色:パーソナルカラーに沿う微色で血色不足/青ぐすみ/黄ぐすみを補う。
- 保湿:水分と油分の薄い膜を作り、粉ふきとヨレを予防。
配合の目安(数値で管理)
- 保湿土台:水分:油分=7:3(乾燥が強い日は6:4)。
- 下地量(全顔):パール粒大×1。厚塗りは毛穴にたまる。
- 粉量(固定):0.2〜0.3gを目の下三角を避けて“点で”。
温度差シナリオ別レイヤー順(屋外寒風/室内暖房/乗り物)
- 屋外寒風→室内暖房:油分を+1割→ツヤ下地は面を小さく→粉は眉間/小鼻/顎先のみ。
- 満員電車で一時的に汗:首の後ろを10秒さすって冷却→ティッシュ押さえ→粉ごく少量。
- オフィス乾燥:霧1プッシュを30cmから→頬高にツヤを米粒1/6で足す。
表:冬のベース設計 早見表
| 項目 | 基準 | 置き場 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 水分/油分 | 7/3(乾燥日は6/4) | 全顔 | 手のひら密着10秒 |
| ツヤ下地 | パール粒大×1 | 額・鼻筋・頬高・顎 | 広げすぎない |
| 固定粉 | 0.2–0.3g | 眉間/小鼻/顎 | 目の下三角は薄く |
| 霧 | 2プッシュ/30cm | 全顔 | 10秒扇ぎで定着 |
朝5分タイムライン(秒単位)
1)水分→薄油分で7:3(60秒)
2)下地点置き→面で伸ばす(60秒)
3)ベース薄膜(120秒)
4)ツヤ下地(面小さく)→粉(点)→霧→扇ぎ(60秒)
パーソナルカラー別:ツヤ下地の色と質感の“正解”
イエベ春(明るくあたたかい肌に)
- 色:アプリコット/ピーチの薄色で血色感を即時UP。
- 質感:微細パールのやわらかツヤ。ぎらつかずフレッシュ見え。
- 置き方:頬の高い位置→額中央→鼻筋の上半分に米粒1/3ずつ。
- 避けたい:白すぎる透明感系は青白く見えやすい。
イエベ秋(深みのある肌をつやんと見せる)
- 色:ベージュ/ハニーの薄色で黄ぐすみを整える。
- 質感:しっとり薄膜。面で薄く広げて厚みを出さない。
- 置き方:頬外側→額の生えぎわに米粒1/3ずつ、鼻筋は上1/3だけ。
- 避けたい:強い銀白パールは粉っぽく見える。
ブルベ夏(透明感を保ちながら血色プラス)
- 色:ローズ/ライラックのごく薄で青ぐすみをやわらげる。
- 質感:ミルキーな拡散ツヤ。しっとり見えでテカりに見えない。
- 置き方:目の下三角の上辺→頬高→顎先に米粒1/3ずつ。鼻先は無処置。
- 避けたい:黄みの強いベージュはくすみに見える。
ブルベ冬(白浮きせずに光を通す)
- 色:無色透明〜ごく薄いピンクで温度を少しだけ足す。
- 質感:微光沢の薄膜が最適。鏡面は控えめに。
- 置き方:額中央→鼻筋上半分→頬高に米粒1/3ずつ。口角は避ける。
- 避けたい:黄み強めの粉は灰色っぽく見える。
表:パーソナルカラー×色×質感×置き場
| タイプ | 推し色 | 質感 | 重点エリア | 避ける場所 |
|---|---|---|---|---|
| 春 | アプリコット/ピーチ薄 | 微細パール | 頬高/額中央/鼻筋上 | 小鼻脇の毛穴帯 |
| 秋 | ベージュ/ハニー薄 | しっとり薄膜 | 頬外側/生えぎわ | 鼻先・口角直上 |
| 夏 | ローズ/ライラック薄 | ミルキー拡散 | 目の下上辺/頬高/顎先 | 鼻先・眉上広範囲 |
| 冬 | 無色〜薄ピンク | 微光沢薄膜 | 額中央/鼻筋上/頬高 | 口角・小鼻の境目 |
悩み別の微調整(色の“ひとさじ”)
- 赤みが強い:黄み寄りを米粒1/6だけ小鼻と頬中央へ。
- 青ぐすみ:ローズ系を目尻下に点。境目は触らない。
- 黄ぐすみ:ライラック系を額中央に米粒1/6。
肌質別:乾燥・混合・脂性の冬レシピ
乾燥/敏感(粉ふき・皮むけを防ぐ)
- 土台:水分:油分=6:4。手のひらで10秒密着。
- 下地:しっとり系を頬→額→鼻→顎の順に面で薄く。
- 固定:粉はTゾーンのみ。目の下三角は粉なしが基本。
- 追加ケア:霧を1プッシュ→5秒扇ぎで落ち着かせる。
混合(Tゾーンテカり・頬は乾く)
- 土台:7:3を守り、Tゾーンは油分少なめに塗り分け。
- 下地:T=クリア系、頬=色つき保湿で二刀流。
- 固定:小鼻→眉間→顎先を点で粉、頬は筆の残りで一往復。
- 追加ケア:昼は首後ろ冷却→押さえ→点粉の順。
脂性/皮脂多め(夕方のテカりを抑える)
- 土台:7:3。油分は少量を均一に。
- 下地:皮脂に強い薄膜を眉間・鼻根・顎先に点置き。
- 固定:0.3gまで許容。二段締め(パフ→筆)で長持ち。
- 追加ケア:眉上1cmに粉を点で汗止めの堤を作る。
表:肌質×土台×固定の目安
| 肌質 | 水分/油分 | 下地の質感 | 粉量/置き方 | 補助ワンポイント |
|---|---|---|---|---|
| 乾燥/敏感 | 6/4 | しっとり色つき | Tのみ点粉/目の下なし | 霧1→5秒扇ぎ |
| 混合 | 7/3 | Tクリア×頬保湿 | T点粉/頬は残り粉 | 首後ろ冷却→点粉 |
| 脂性 | 7/3 | 皮脂に強い薄膜 | 0.3g・二段締め | 眉上1cmに点粉 |
置き方と量:光を集める“面”と崩れを止める“点”
面で整える(広い場所は薄く)
- 額中央・頬の高い位置:各 米粒1/3を指の腹でのばす→スポンジ余りで境目ぼかし。
- 鼻筋上半分:米粒1/6を縦に筋。鼻先は無処置で立体を残す。
点で締める(動く場所は最小限)
- 小鼻/口角/眉間:スポンジ角で押さえ入れ。粉は米粒1/10を点で。
- 顎先:話す前に点粉で口元の崩れを予防。
顔型別・光の通し方(丸顔/面長/四角)
- 丸顔:額中央→鼻筋の線を細く。頬横は明るくしない。
- 面長:額中央の量を減らす。頬横にごく薄く明るさを添える。
- 四角:頬の高い位置を丸く光らせ、顎角は触らない。
表:部位×量×道具×注意点
| 部位 | 量 | 道具 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 頬高 | 米粒1/3 | 指→スポンジ | 境目は外へ薄く |
| 額中央 | 米粒1/3 | 指→スポンジ | 生えぎわは量を減らす |
| 鼻筋上 | 米粒1/6 | 指 | 鼻先は乗せない |
| 小鼻/眉間/顎 | 粉米粒1/10 | パフ/筆/スポンジ角 | 点で締める |
お直し:屋外→室内、会食前、写真前の三つの手順
屋外→室内(乾燥・暖房)
1)手のひらで頬を10秒包む(油分を戻す)。
2)小鼻と眉間を押さえる。
3)粉を米粒1/10だけ点で。
会食前(口元の動き対策)
1)口角〜ほうれい線をスポンジの余りでならす。
2)顎先だけ粉を点。
3)霧1プッシュ→5秒扇ぎ。
写真前(光の通り道を整える)
1)額中央→頬高に薄ツヤを指先でひと撫で。
2)鼻先は触らない。
3)首境目を一往復して色差を消す。
表:場面別・直しの要点
| 場面 | ねらい | 一手目 | 二手目 | 三手目 |
|---|---|---|---|---|
| 屋外→室内 | 乾燥対策 | 手のひら密着 | 小鼻/眉間押さえ | 点で粉 |
| 会食前 | 口元キープ | スポンジならし | 顎に点粉 | 霧1→扇ぎ |
| 写真前 | 立体維持 | 額/頬に薄ツヤ | 鼻先無処置 | 首境目なじませ |
よくある質問(Q&A)
Q1. ツヤがテカりに見えます。 → 置き場の問題。鼻先・小鼻・眉間はツヤ禁止、頬高と額中央のみに絞る。
Q2. 乾燥しすぎて粉がのりません。 → 水分:油分=6:4に寄せ、手のひら密着10秒。粉はTゾーンのみに減らす。
Q3. マスクで頬のツヤが消えます。 → ツヤ下地を“面→薄”で再配置し、粉は外側から内へ一往復だけ。こすらない。
Q4. 首との色差が気になります。 → 首境目にベージュ(イエベ)/薄ピンク(ブルベ)をひと撫で。霧でなじませる。
Q5. 夕方のくすみが強い。 → 頬高に微色ツヤを米粒1/6、口角横の影をスポンジでならす。粉は増やさない。
Q6. 乾燥小じわが目立つ。 → 目の下三角は粉なし、頬高のツヤを最少に。霧1プッシュで整える。
Q7. 皮脂で崩れる。 → 眉間・鼻根・顎先に点粉、眉上1cmにも薄く。こすらず押さえる。
用語辞典(やさしい言い換え)
- 目の下三角:目頭・目尻・頬の高い所を結ぶ明るい三角地帯。粉は最少。
- 首境目:顔と首の色が切り替わる線。ここをならすと自然。
- 点で締める:眉間・小鼻・顎先など光る点に少量の粉を置いて崩れを止める方法。
- 面で整える:額中央・頬高・鼻筋上に薄く広げ、光を均一にすること。
まとめ:
冬の乾燥には、水分7:油分3の土台→色と質感を合わせたツヤ下地→粉は点で固定の三段が最短コース。イエベ/ブルベ/肌質別に色と置き場を微調整し、鼻先は無処置・頬高は薄ツヤを守れば、暖房下でもつるんとした光が続きます。
温度差のある一日も、朝5分の仕込みと場面別の一手で、崩れ知らずへ。明日の朝から、量を数値で管理して“しっとり・きれい”を更新しましょう。

