導入(共感→結論→再現性)
朝は整っているのに、昼にはほほが粉っぽい、小鼻まわりは皮がめくれ、夕方は黄ぐすみ。鏡の前でため息が出るのは、水分・油分・色・質感・塗る順番のどこかがイエベ肌と噛み合っていないからです。
結論は簡潔。水分は面で満たす、油分は点でふたをする、色は“黄みの澄んだ中立”で統一、質感は“面=しっとり半艶・点=つや控えめ”に分ける。さらに待ち時間(20〜40秒)と一往復ルールを守れば、誰でもしっとり・長持ち・くすまないが再現できます。
本稿は、原理→下地→ファンデ→仕上げ粉→実務(季節/肌質/場面)→直しと保湿→Q&A→用語の順に最短ルートを最大限詳しく解説します。
0. この記事の使い方(最短で成果を出す読み順)
- 今すぐ整えたい:5章の「季節/肌質/場面テンプレ」→6章「直し動線」の順に実行。
- 色に迷う:1-2「トーン基準」→3-2「色合わせ」→4-1「粉色」の順で確認。
- 時間がない朝:2-1(手順)を小豆1粒と待ち時間だけ死守。仕上げは面=半艶一往復/点=一押し。
1. 乾燥しない肌づくりの原理(イエベ×色と質感の相性)
1-1. 乾燥が起きる5大原因(原因→症状→初動)
- 水分不足→粉ふき・毛穴の縁が白く立つ→化粧水を“頬多め・小鼻少なめ”で面補給。
- 油分の偏り→Tゾーンてかり・頬つっぱり→油は“点”でふた(目尻・口角・粉ふき部)。
- 温度/湿度差→室内暖房で表面だけ乾く→ミスト→20秒待ち→半艶粉で膜を整える。
- こすりすぎ→粉が筋になる→回数を一往復に制限し、温度でならす。
- 色・質感のミスマッチ→黄ぐすみ・灰見え→黄み中立(バニラ/オークル)×半艶に戻す。
乾燥サインと即対処 早見表
| サイン | 原因 | 即対処 | 次回の工夫 |
|---|---|---|---|
| 粉ふき | 水分不足 | ミスト1プッシュ→指で温度→粉を点 | 朝の化粧水量+20% |
| つっぱり | 油足りない | 仕込み油を米粒1 | 乳液を頬多めに配分 |
| 黄ぐすみ | 色ミスマッチ | 杏下地を頬高めに点 | ファンデを黄み中立へ戻す |
| 白浮き | 明るさ過多 | 首±0.5段へ下げる | 粉は無色〜中立に |
| 線割れ | 厚み/回数過多 | 温度でならす→粉は周囲だけ | 一往復を徹底 |
1-2. イエベの正解トーンと補正色(数値めやす)
- 明るさ:首の明るさを0基準、顔は**±0.5段**まで。
- 色み:黄み中立〜やや黄寄り。ピンク過多は黄ぐすみを招く。
- 補正色:くすみ→杏/コーラル、赤み→黄緑を点で。
- 首・耳・うなじ:余りで1回なで、色差を消す。
1-3. 面・点・線の保湿設計
- 面(頬・額中央・あご):水分を広く→半艶で封。
- 点(目尻・口角・小鼻わき):油を米粒でふた。
- 線(ほうれい線・目尻のシワ):線上に厚みを置かない。周囲を温度でならす。
1-4. 気温・湿度・場所の影響(把握すると崩れが減る)
| 環境 | 起きやすい変化 | 先回り対策 |
|---|---|---|
| 暖房の効いた室内 | 表面乾燥→粉ふき | ミスト→20秒→半艶粉で膜を作る |
| 風の強い屋外 | 乾燥と赤み | 黄緑の点補正+小鼻に控えめ粉 |
| 湿気の多い日 | テカりと毛穴落ち | 粉は面薄/点多めに配分 |
2. 下地:水分は“面”で、油分は“点”でふたをする
2-1. 手順(全顔で小豆1粒+待ち時間)
1)化粧水→乳液:頬に2:1で配分し30秒なじませ。
2)仕込み油:粉ふきやすい所へ米粒1〜2を10秒プレス。
3)下地:全顔小豆1粒、5点置き→内→外に指の腹で薄く。額・鼻は半量。
4)20〜40秒待って定着。
2-2. 色補正の置き方(“点”で効かせる)
- くすみ:頬高めと口角上に杏/コーラルを米粒。
- 赤み:小鼻わき・頬中心に黄緑を綿棒の先で点。
- 影:目頭横は明るさ0.3段アップの下地で線の外を明るく。
2-3. 季節・肌質で変える処方
| 肌質/季節 | 水分/油分 | 下地 | 量 | ひと言 |
|---|---|---|---|---|
| 乾きが強い | 水分多・油点足し | うるおい系 | 小豆1.2粒 | 粉ふき防止 |
| 普通 | 標準 | うるおい〜標準 | 小豆1粒 | 万能 |
| 脂が多い | 水分多・油控え | 皮脂抑え | 小豆0.8粒 | テカり抑制 |
| 春夏 | さらり | 皮脂抑え寄り | 少なめ | 汗・湿気対策 |
| 秋冬 | しっとり | うるおい寄り | 標準〜多め | 乾燥割れ回避 |
2-4. 成分と肌あたり(やさしい目安)
- うるおい系:グリセリン/ヒアルロン酸など。触るとぺた→つるに変わるのが合図。
- 皮脂抑え系:皮脂吸着粉末入り。小鼻だけに点で使うと乾燥を防げます。
- 香り:刺激になりやすい人は無香を選ぶと安全。
3. ファンデ:薄膜で面を整え、境目だけを消す
3-1. 種類別の使い分け
- 液状:薄く広く。指で置き→スポンジで面をならす。
- 練り:頬中心に米粒。カバーは点で足す。
- 固形:直し用。小鼻・口角にだけ点置き。
3-2. 配分と色(頬7:他3/首±0.5段)
- 分量:全顔パール粒×1が上限。
- 置き順:頬→額→鼻→あご。
- 色:黄みの澄んだ中立を首±0.5段で合わせ、頬だけ0.3段明るい下地で立体感を補う。
3-3. 境目処理と道具の角度
| 道具 | 当て方 | 使う場所 | コツ |
|---|---|---|---|
| 指 | 面で押し広げる | 頬/額 | こすらず温度で密着 |
| 乾スポンジ | 置いて→15度で引く | 小鼻/境目 | 厚みの段差を消す |
| 先端スポンジ | 先で点押し | 目尻/口角 | 線の上は触らない |
3-4. 首・耳・うなじの一体化(写真で差が出る)
- 首:ファンデの余りで1回なでる。
- 耳:赤みが出やすい人は粉を一押しで色差を整える。
- うなじ:まとめ髪の日は粉を薄くでテカり抑え。
3-5. 仕上がりの自己チェック(30秒)
1)横顔の頬高めに粉の筋が無いか。
2)小鼻のまわりに厚みの段差が無いか。
3)首との色差が**±0.5段**に収まっているか。
4. 仕上げ粉:保湿感を消さずに固定する
4-1. 粒度/色/質感の選び方(イエベ相性)
- 粒度:乾きやすい人ほど細かい粉ですべすべに。
- 色:無色〜黄み中立。白すぎは灰見えの原因。
- 質感:半艶が基本、小鼻・口角はつや控えめを点で重ねる。
4-2. つけ方(面=大筆、点=小筆)
- 面:大筆で頬→額→鼻横→あごを各1往復。
- 点:小筆で小鼻・口角・目尻に一押し。
- 仕上げ:清いスポンジで余分をふき取る。
4-3. ミストと粉の順序(うるおいを逃がさない)
- 乾燥日:ミスト→20秒待つ→半艶粉を面で。
- 湿気日:半艶粉を面→小鼻のみ控えめ粉→ミストは遠くから1回。
4-4. 粉の粒度セルフ診断
| 見え方 | 合っているサイン | 合っていないサイン | 変更案 |
|---|---|---|---|
| 直後 | すべすべ、しっとり半艶 | 表面がざらつく | より細かい粉へ |
| 1時間後 | 半艶が続く | 毛穴に白い粒が溜まる | 点の控えめ粉に切替 |
粉の使い分け 早見表
| 場面 | 粉の質感 | 量 | 道具 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 日常 | 半艶 | 薄 | 大筆 | 面を整える |
| 写真 | つや控えめ+半艶の薄×2 | 薄×2 | 小筆+大筆 | 白飛び防止 |
| 長時間 | 半艶+鼻先控えめ | 標準 | 大筆+スポンジ | 持ちを延ばす |
| 乾燥の強い日 | 半艶のみ | 薄 | 大筆 | 保湿感を残す |
5. 実務テンプレ:季節/肌質/場面×時短
5-1. 季節テンプレ(そのまま実行)
- 春:うるおい下地→液状薄膜→半艶粉。花粉日は目尻の粉を減らす。
- 夏:水分多→皮脂抑え下地少量→液状極薄→小鼻につや控えめ粉。
- 秋:仕込み油を米粒→練りを頬中心→半艶粉を面。
- 冬:乳液多め→うるおい下地→練りを米粒×2→半艶粉は一往復のみ。
5-2. 肌質別テンプレ&直し動線
| 肌質 | 下地 | ファンデ | 粉 | 直し |
|---|---|---|---|---|
| 乾き | うるおい | 練り少量 | 半艶 | ミスト→粉点 |
| 普通 | 標準 | 液状薄膜 | 半艶 | 皮脂紙→粉一押し |
| 混合 | うるおい+皮脂抑えを部位で使い分け | 液状 | 半艶+小鼻控えめ | 小鼻のみ粉足し |
| 敏感 | 低刺激 | 液状薄膜 | 無色〜半艶 | 触る回数を減らす |
5-3. 場面別テンプレ(通勤・会食・屋外・在宅)
- 通勤:杏下地→液状薄膜→半艶粉、鼻は粉一押し。
- 会食:頬高めにコーラル下地点→練り米粒→目尻だけ控えめ粉。
- 屋外/長時間:ミスト→半艶粉→口角は温度でならす→控えめ粉を点。
- 在宅/画面:頬の半艶を薄×2、鼻筋には粉を置かない。
5-4. マスク/移動/天候の微調整
| 条件 | 変えるポイント | 具体策 |
|---|---|---|
| 不織布マスク | 乾燥対策 | 頬の粉は薄く、ミストは粉前に1回 |
| 布マスク | 擦れ対策 | 鼻先に控えめ粉を先置き、口角は温度→粉点 |
| 電車移動 | 擦れ/蒸れ | 鼻先と頬外側に粉を点、頬中央は半艶のみ |
| 雨/湿気 | にじみ対策 | 面の粉を薄く、点を多めに配分 |
6. 直しと保湿の正解動線(30秒で復活)
6-1. 三段直し
1)水分:ミストを1プッシュ、手のひらで5秒包む。
2)ならし:指の温度で線の外側だけ整える。
3)固定:小筆で粉を点。小鼻・口角・目尻で完了。
6-2. メイク前後のスキンケア配分
| タイミング | 水分 | 乳液 | 油 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| メイク前 | 多め | 標準 | 点 | 頬に多め、鼻は控えめ |
| 就寝前 | 多め | 多め | 点〜少量 | 首まで塗って色差防止 |
6-3. 持ち歩きセット(軽量で十分)
| アイテム | 役割 | 使い方の合図 |
|---|---|---|
| あぶら取り紙 | 余分な油を取る | テカりを見つけたら3秒押す |
| 小筆+少量の粉 | 点で固定 | 小鼻・口角・目尻に一押し |
| 小さなミスト | 水分補給 | 乾きを感じたら1プッシュ遠くから |
6-4. 道具の清潔管理(仕上がりが変わる)
- スポンジ:2〜3日で洗い、1〜2か月で交換。
- 筆(大/小):週1で洗い、毛先を整えて陰干し。
- パフ:週1で洗浄、粉だまりは拭ってから使用。
7. Q&A(よくある疑問)
Q1. 夕方に粉ふきが必ず出る。
A. ミスト→20秒→半艶粉の順を採用。朝の化粧水は頬多め、下地は小豆1.2粒に増量。
Q2. 黄ぐすみが出る。
A. ファンデを黄み中立に戻し、杏/コーラル下地を頬高めに“点”。粉は無色〜中立へ。
Q3. 時短したい。
A. 頬だけ丁寧に。小鼻と口角は余りで点、昼は皮脂紙→粉一押しで十分。
Q4. マスクでよれる。
A. 鼻先に控えめ粉を先置き、口角は温度でならす→粉を点。頬の粉は薄く保つ。
Q5. 写真で白く飛ぶ。
A. 粉をつや控えめ→半艶の薄×2へ分け、鼻筋には粉を置かない。
Q6. 肌あれの日は?
A. 下地+粉のみで面を整え、赤みは黄緑を点で。上から練りを米粒だけ足す。
Q7. ほほは乾くのに鼻だけテカる。
A. 面=うるおい、点=皮脂抑えの使い分けへ。粉は鼻先だけ控えめを増やす。
8. 用語辞典(やさしい言い換え)
半艶:光りすぎず、しっとり見える質感。
薄膜:肌の動きに沿う、ごく薄い層。
控えめ粉:つやを抑える粉。点使い向き。
面/点/線:塗る範囲の考え方。面=広い部分、点=細部、線=高い筋。
待ち時間:下地やファンデが落ち着く20〜40秒のこと。
境目処理:首・耳・うなじとの色のつながりを作ること。
仕込み油:保湿の後に米粒だけ足す油分。乾く所にだけ点置きする。
まとめ:水分は面、油分は点——色は“黄みの澄んだ中立”、質感は“半艶ベース”
イエベの乾燥対策は、面で水分を満たし、点で油分をふた、黄み中立の色×半艶の質感で頬7:他3の薄膜に整えること。分量は下地小豆1粒/ファンデパール1/粉は一回り。
待ち時間と一往復ルールを守れば、しっとり・長持ち・くすまないが一日中つづきます。季節・湿度・移動手段・マスク素材に合わせ、表のテンプレをそのまま実行してください。

