「目だけが強くなりすぎる」「夕方のくすみで疲れて見える」「にじみ・ヨレが止まらない」――マスク前提の毎日で、目元は清潔感・印象・持ちの三拍子が問われます。
結論はシンプルで、**①土台(皮脂・湿気に強い“薄い面”を作る)②色温度(肌に響く清潔色を“半歩内側”で選ぶ)③陰影(線ではなく面+短線で上向き)**という三段を、パーソナルカラー(イエベ春/イエベ秋/ブルベ夏/ブルベ冬)に合わせて微調整すること。
これだけで清潔・印象的・崩れにくい目元は、手持ちの色でも再現できます。この記事は共感→結論→再現性の流れで、色の地図・塗り順・道具・TPO/照明/マスク別の補正・失敗リカバリー・Q&Aと用語辞典まで徹底解説します。
1.まず結論:マスク時代のアイメイクは“薄い面×清潔色×上向きの影”
1-1.薄い面づくり:にじませない土台(皮脂/湿気/摩擦に勝つ)
- 下準備:スキンケアの油分はまぶた避け。余りはティッシュで一押し。
- 面づくり:まぶたに色なし下地→無色パウダーでサラッとした面を作る。下地は米粒1/3。
- 層の作り方:クリーム(薄膜)→パウダーの順で色を重ねると密着が上がる。リキッド一発は線ヨレの原因。
- 下まぶた:粉先行が鉄則。涙袋は光より影で丸みを出すと上品で持ちも良い。
1-2.清潔色:肌に響く“半歩内側の色温度”
- イエベ:黄み寄りの澄んだ色を半歩内側(黄をひとかけ減らす)。
- ブルベ:青み/灰みの上品色を半歩内側(青を一しずく控える)。
- 広い面は明るめ/影は冷たく。くすみ色を広く置くと疲れ見え。
1-3.上向きの影:線で描かず“面+短線”
- 二重の溝は**“太めの面”で影**を入れ、境目を必ずぼかす。
- 締め色は目尻5mmの短線とまつげ根元のみ。太いアイラインは古く・にじむ。
- 眉は鼻筋と平行の縦ラインを意識し、尻尾をやや上向きに。眉が上向けば目も上向きに見える。
1-4.“持ち”を伸ばす小ワザ(30秒)
- 目頭/目尻を綿棒で油分オフ→色。
- 仕上げに無色パウダーを米粒1/8、目尻と下まぶた外側へ点で置く。
- マスク着用前に鼻梁〜頬の摩擦部へ無色パウダーを薄く一はけ。
三段メソッド・早見表
観点 | 正解 | 避けたい | 理由 |
---|---|---|---|
土台 | 下地→粉→薄膜クリーム→粉 | リキッド一発 | にじみ・線ヨレの原因 |
色温度 | 半歩内側の清潔色 | 広い面のくすみ色 | 疲れ見え・黄ぐすみ増幅 |
影 | 面+短線 | 太いアイライン | にじむ/古い印象 |
2.パーソナルカラー別 色設計の正解(イエベ春/秋・ブルベ夏/冬)
2-1.イエベ春(スプリング)|明るく澄んだ“光の粒”でぱっと華やぐ
- メイン:ピーチベージュ/コーラルサンド/はちみつベージュ。
- 影:**ライトブラウン(灰寄り)**を薄く広く。
- 差し色:アプリコット/ミントのごく薄を黒目上か目頭に点。
- ライン色:焦げ茶で柔らかく。黒は目尻短線のみ。
- リップ/チーク:ピーチ系で温度をそろえる。
塗り順テンプレ(春)
- ピーチベージュを上まぶた全体
- ライトブラウンを二重幅に“面”で
- 目尻に短線(焦げ茶)
- 下まぶた中央に灰桃で丸み
避けたい落とし穴(春)
- オレンジ強すぎ→くすみと混ざる。ピーチ寄りに置換。
- ゴールド大量→にじみが目立つ。点光に限定。
2-2.イエベ秋(オータム)|深みは“水で薄めて”クリーンに
- メイン:キャメル/アンバー/カーキベージュ。
- 影:赤みの少ないブラウンを面で。
- 差し色:カッパーの点光を黒目上。
- ライン色:こげ茶〜こげ黒。幅は細く短く。
- リップ/チーク:カシスティー/レンガ蜜で締める。
塗り順テンプレ(秋)
- キャメルを広く
- 二重幅に赤み少ブラウン
- 目尻短線+下中央に灰桃
- 黒目上にカッパー点
避けたい落とし穴(秋)
- 暗色を広く→重く老ける。面は明るく/影は冷たくの比率を守る。
- 赤茶の線→充血に見える。赤み少の影へ置換。
2-3.ブルベ夏(サマー)|灰を一粒、清潔で涼やかに透ける
- メイン:モーヴグレー/ローズグレージュ/灰桃。
- 影:梅紫/グレーブラウンをやわらかく。
- 差し色:ラベンダーの薄膜を目頭〜黒目上に。
- ライン色:グレーブラウン。黒はまつげの根元だけ。
- リップ/チーク:ローズ/ラズベリーで透明感。
塗り順テンプレ(夏)
- 灰桃を広く
- 溝に梅紫(面→ぼかす)
- 目尻短線
- 下中央灰桃で丸み
避けたい落とし穴(夏)
- ベージュ黄み強→黄ぐすみが出る。灰を一粒足した色へ。
- 黒ライン長すぎ→線が主役に。短線に置換。
2-4.ブルベ冬(ウィンター)|強色は“輪郭を水で研ぐ”
- メイン:スチールグレー/クールブラウン/アイシーラベンダー。
- 影:ダークブラウン/プラムを面で薄く。
- 差し色:ベリーレッド/ボルドーの点を目尻に控えめ。
- ライン色:黒は根元詰め+目尻短線限定。
- リップ/チーク:青みレッドを薄膜で。
塗り順テンプレ(冬)
- スチールグレーを広く
- 溝にクールブラウン
- 目尻短線(黒)
- 下中央に灰桃で柔らげる
避けたい落とし穴(冬)
- 濃色を線で長く→古く強い。面+短線で現代的に。
- 白光ハイライト広すぎ→粉っぽい。点光に限定。
タイプ別・色と質感 早見表
タイプ | メイン | 影 | 差し色 | ライン色 | リップ/チーク |
---|---|---|---|---|---|
春 | ピーチ/コーラル | ライトブラウン(灰寄り) | アプリコット/ミント点 | 焦げ茶 | ピーチ系 |
秋 | キャメル/アンバー | 赤み少ブラウン | カッパー点 | こげ茶〜こげ黒 | カシス/レンガ |
夏 | モーヴ/ローズグレージュ | 梅紫/グレーブラウン | 薄ラベンダー | グレーブラウン | ローズ/ラズベリー |
冬 | スチール/クールブラウン | ダークブラウン/プラム | ベリーレッド点 | 黒(短線) | 青みレッド薄 |
3.崩れない塗り順と道具:5分/10分/15分レシピ(目の形・まつげ・眉まで)
3-1.共通下地(30秒)
- まぶたに色なし下地を米粒1/3
- 無色パウダーをブラシで一はけ
- 眉下までさらりと整える(眉も持ちUP)
道具の最小セット
用途 | ツール | 使い方のコツ |
---|---|---|
面の色 | 平ブラシ or 指腹 | 外→内へ“面で置く” |
溝の影 | 細めブラシ | 境目を往復して溶かす |
目尻短線 | 極細筆 or 綿棒 | 5mm以内・上向き |
仕上げ粉 | 小ブラシ | 目尻/下外側に点で |
3-2.5分(平日)
- 上:メインを広く→溝に影→目尻短線。
- 下:中央に灰桃で丸み。
- まつげ:根元だけ上げる(毛先はまっすぐ)。
- 眉:隙間埋め+尻尾やや上向き。
3-3.10分(会食/打合せ)
- 黒目上に点光を追加。
- 目尻短線を2mm長く。
- 眉は毛流れを上→外へ整え、中央は薄く端はくっきり。
3-4.15分(写真/イベント)
- 二重の上にも薄い影を足し、下まぶた外側にグレーブラウンを細く。
- ハイライトは眉下の骨の最も高い点に米粒1/8。
- まつげは扇形に整え、根元だけ濃く。
3-5.目の形別の微調整(再現しやすいコツ)
- 一重:面の影>線。二重の代わりに上まぶた上側へ広く薄影。締めは根元と短線のみ。
- 奥二重:影をやや上にずらし、溝を太めに。
- 加齢まぶた:目頭〜黒目上の面を明るく、目尻は短線。上だけに濃色を広げない。
時間別レシピ・早見表
所要 | 上まぶた | 下まぶた | まつげ/眉 | 仕上がり |
---|---|---|---|---|
5分 | メイン→溝影→短線 | 中央に灰桃 | 根元だけ上げる/隙間埋め | きちんと清潔 |
10分 | +黒目上点光 | 中央灰桃 | 短線+2mm/毛流れ整え | 華やか控えめ |
15分 | +上に薄影/外側細影 | 外側に細影 | 扇形/根元濃 | 写真で映える |
4.TPO・照明・マスクで変わる“見え方”の補正(眼鏡・涙対策も)
4-1.TPO別テンプレ(色×影×線)
- オフィス:面重視。太ライン禁止、短線と面の影で信頼感。
- 会食:黒目上点光+目尻短線で視線を集める。
- オンライン:眉と下まぶた中央を丁寧に。カメラは目線の高さに固定。
4-2.照明の落とし穴(電球/蛍光/自然)
- 電球色(黄):青みが飛ぶ→影は冷たく、差し色は点でやや強め。
- 蛍光灯(白):黄みが強く出る→メインに灰を一粒。
- 自然光:窓から2mで発色チェック(スマホは無加工)。
4-3.マスクの湿気・擦れ対策(形別)
- 不織布:鼻梁と頬の摩擦部に粉→目尻粉で止め。
- 立体型:内側の湿気が上がりにくいが、目頭の油分オフは必須。
- 布:湿気がこもる→粉先行→クリーム薄→粉の三層が効果的。
4-4.眼鏡・マスクの同時対策
- レンズで発色が沈む→メインを半段明るく、黒目上の点光を忘れずに。
- フレームが太い→短線はさらに短く、眉尻を2mm上げる。
- くもり防止剤は目頭に付けない(にじみの元)。
4-5.涙・花粉・湿度のトラブル
- 涙目:目尻の線をやめ、根元詰め+短線。下まぶたは影のみ。
- 花粉時期:目をこする前提で、面の影>線。無香料を選ぶ。
- 汗/湿度高:粉で止める点を増やし、黒目上点光は極小に。
TPO×照明×補正 表
条件 | メイン/影 | 追加 | 注意 |
---|---|---|---|
オフィス/蛍光 | メインに灰一粒/影は冷たく | 短線+2mm | 太ライン禁止 |
会食/電球 | 影は冷たく | 黒目上点光 | 差し色は点で |
オンライン/自然 | 面を広く明るく | 下中央灰桃/眉の立体 | カメラ位置固定 |
眼鏡/蛍光 | メイン半段明るく | 点光を強めに | くもり止めは目頭避け |
花粉/湿度高 | 面の影重視 | 粉で止める点を追加 | 下は影のみ |
5.よくある失敗→即リカバリー/Q&A/用語辞典(保存版)
5-1.よくある失敗→即リカバリー
- にじむ:粉先行→クリーム薄→粉に戻す。目頭・目尻は油分オフしてから。
- くすむ:メインに灰を一粒足し、差し色は点に限定。
- 強すぎる:境目を綿棒でぼかす。下まぶたは影だけに切り替え。
- 弱すぎる:黒目上点光+目尻短線+2mm。眉は尻尾を2mm上げる。
- 粉っぽい:保湿はまぶた避け→下地極薄へ調整。ハイライトは点光のみ。
トラブル→原因→処方 表
トラブル | 主因 | 即処方 |
---|---|---|
にじむ | 油分/リキッド一発 | 粉→クリーム→粉/目頭・尻オフ |
くすむ | 暗色面が広い/温度ミス | メインに灰一粒/差し色は点 |
強すぎ | 線が主役 | 面でぼかす/短線に置換 |
弱すぎ | 面だけで締まりなし | 点光/短線+2mm/眉尻上げ |
粉っぽい | 乾き/塗りすぎ粉 | 下地見直し/ハイライトは点 |
5-2.簡易セルフ診断(色温度/崩れタイプ)
質問 | A | B | C |
---|---|---|---|
手首の血管色 | 緑寄り | 青寄り | 混在 |
似合う金具色 | 金 | 銀 | どちらも |
夕方の崩れ | にじむ | くすむ | 乾く |
多い列 | イエベ傾向 | ブルベ傾向 | 混在→半歩内側 |
5-3.Q&A(よくある疑問)
Q1.一重/奥二重はどうする?
A.面の影>線が基本。二重の代わりに“上まぶた上側”へ広く薄影。締めは根元と目尻の短線のみ。
Q2.下まぶたの光はなし?
A.マスク環境では光より影が安定。灰桃の影で涙の丸みを作ると清潔に見える。
Q3.カラーものは浮きませんか?
A.差し色は点/線は短く。広く塗らなければ清潔に収まる。
Q4.まつげパーマの日は?
A.根元は触らず毛先をとかすだけ。影の面を丁寧に作れば十分。
Q5.眉を描くときのコツは?
A.鼻筋と平行の縦ラインを意識。中央は薄、眉尻やや上向き。毛流れを上→外へ整える。
Q6.アイラインが苦手
A.短線+根元詰めに切り替え。面の影ができていれば“線”は最小で映える。
Q7.落とすときの正解
A.ポイントリムーバーを綿棒で目尻→根元→下まぶたの順に。こすらず置いて拭うだけ。
5-4.用語辞典(やさしい言い換え)
半歩内側:肌の傾向に少し寄せた色。真逆に振らない。
点光:黒目の上など一点だけにのせる小さな光。
短線:目尻5mmの短い線。にじみにくく上品。
灰桃(はいもも):灰をひと粒混ぜた薄い桃色。影として使うと清潔。
面の影:広く薄い陰影。線を主役にしない立体づくり。
根元詰め:まつげの生え際の隙間を点で埋める描き方。
まとめ
マスク時代の正解は、薄い面の土台→肌に響く清潔色→上向きの影。この三段をパーソナルカラーに合わせて“半歩内側”に調整し、面+短線を守れば、清潔・印象的・崩れにくい目元が毎日再現できます。出る前に目頭と目尻の油分オフ→点光→短線の3手を確認。今日から、**“線より面”**を合言葉に。