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パーソナルカラー別×ワードローブ色の偏り可視化法|似合う色を着回しに落とし込む保存版ガイド

クローゼットを開けるたびに「また同じ色を着ている」「顔色がさえない」「診断で聞いた色が一枚もない」という小さな違和感が積み重なると、だんだんおしゃれが面倒になります。

黒・グレー・ネイビー・ベージュといった無難な色ばかりが並ぶのは、センスがないからでも、年齢が上がったからでもなく、“買いやすい色”と“似合う色”が一致していないことに気づくきっかけがなかっただけです。パーソナルカラー診断で分かるのは「あなたに光を当ててくれる色の帯」です。

しかし実際のワードローブは、会社の規定、天候、価格、当時の流行、家事育児で動きやすいかどうかなど、様々な条件で選んだ結果の“寄せ集め”になっています。だからこそ、一度も整理しなければ、診断結果と現物のあいだにズレが出るのは当然です。

ここでの結論はとてもシンプルです。**一度、今ある服をすべて色で言語化して並べ、パーソナルカラーの色表に重ね、足りない色と多すぎる色を目で見て分かる形にする。それを季節ごとに繰り返す。**この流れさえ作ってしまえば、これから買うものが自動的に“似合う色側”に寄っていきます。

特別なアプリを使わなくても、紙とペンとスマホの写真だけで実現できますし、家族とクローゼットを共有している人でも、自分の分だけを切り分けて管理できます。以下では原理→棚卸し→シーズン別補正→日常運用→Q&A/用語辞典の順で、今日クローゼットを開いてその場でできるレベルまで細かく書き下ろします。

目次

パーソナルカラーとワードローブの関係を理解する

似合う色と持っている色がズレる構造を先に知っておく

パーソナルカラーでスプリング・サマー・オータム・ウィンターのどれかと言われても、実際の生活では「今日は保育園の送迎があるから汚れてもいい色」「今日はプレゼンで落ち着いて見える色」「今日は雨で職場が暗いから濃い色」と、その日の用件で色を決めます。

すると、どうしても黒・ネイビー・グレー・ベージュといった中立色が増えていきます。さらに、日本の店頭でよく見かける色数はそれほど多くありません。いかにもサマーらしいラベンダーや、スプリングらしいアプリコット、オータムらしいサンドベージュ、ウィンターらしいビビッドな青は、シーズンやブランドによってはほとんど見つからないこともあります。結果として、「診断書には書いてあるけれど、自分のクローゼットには存在しない色」が生まれます。

この“存在しない色”こそが可視化で探り当てたいポイントです。そこをあいまいにしたまま「似合う色を買おう」と思っても、実際の売場では手ぶらで帰ることになりますし、また黒やネイビーを買い足してしまいます。先に「今のクローゼットにはないけれど、本当は欲しい色」を特定しておくと、ネットで見つけたときにすぐ購入でき、季節のスキマも埋められます。

骨格や顔タイプよりも色の整備を先にやると効率がいい理由

体型の理論や顔タイプの知識もとても有効ですが、**第一印象を一番早く変えられるのは色です。**特に顔に近いトップス・ストール・ジャケットの色さえ整えれば、ボトムスが多少カジュアルでも、シルエットが少しずれていても、全体が「きちんと整えた人」に見えます。

逆に、色が合っていないと、どれだけ丈やウエスト位置が完璧でも「なんとなく惜しい」「今日は疲れてる?」という見え方をされやすくなります。忙しくて一度に全部は見直せない人ほど、色→形→素材→小物の順で整えると、途中で止めても最低限の効果が出るので、やり切りやすくなります。

ワードローブは“似合う色6〜7割+中立色2〜3割”が最も回る

1シーズン分のクローゼットを客観的に見たとき、似合う色(=パーソナルカラーの色帯)を約6〜7割、中立色を2〜3割にしておくと、顔映えとコーデのしやすさが両立します。似合う色が5割より下がると、せっかくの診断のメリットが見えづらくなりますし、中立色が4割を超えると、どのコーデも同じような写真になっていきます。

人によっては「仕事は暗い色でないと浮く」という環境もあるので、そうした場合は“表に出るアイテム(ジャケット・ブラウス・スカーフ)だけは似合う色帯でそろえる”という運用に切り替えます。いずれにしても、比例配分を数字として意識しておくことが、後の買い物のブレーキになります。

可視化の最終イメージを先に共有しておく

ここで目指す可視化は、最終的に次の3つが1枚にまとまっている状態です。

1つ目は「今持っているアイテムを色名で書き出したリスト」、

2つ目は「その色をパーソナルカラーの色表に当てはめたマップ」、

3つ目は「足りない色・多すぎる色を一覧にしたメモ」です。これが揃っていると、買い物に行く前に“今日はこの2色を探す”と決められますし、セールで迷ったときにも「黒はもう7枚あるから今日は買わない」と判断できます。

つまり、クローゼットを色の面で見える化することは、無駄買いを止める経済的な作業でもあるということです。

色の棚卸しステップで偏りをあぶり出す

ステップ1:手持ち服を“色名と明るさで”書き出す

最初に行うのは、とても地味ですがもっとも効果の高い作業です。クローゼットにある服を、トップス・羽織り・ボトムス・ワンピース・小物(ストール・バッグ)に大きく分け、それぞれを色+明るさ+やや彩度で表現します。

たとえば「白ブラウス」ではなく「アイボリー寄りの白」「やや青みがかった白」「クリーム寄りの白」と書きます。「黒パンツ」も「真っ黒」「黒に近いネイビー」「やや褪せた黒」など、実物に近いほうへ寄せます。これは面倒に見えますが、似合うパーソナルカラーは“ほんの少しの明るさや青み・黄み”で見え方が変わるため、その差を言葉にしておかないと後でマッピングできないからです。

書き出しは紙でもスマホのメモでもいいのですが、できればシーズンごとにページを分けると、春夏だけ暗くなっている、秋冬にだけ濃い色が集まっている、といった季節偏りがすぐ見抜けます。家族と服を混ぜてしまう人は、ここで“自分のものだけ色名を付ける”と決めてしまえば、後の撮影や振り返りが簡単になります。

ステップ2:シーズン色の表に1枚ずつ置きにいく

次に、診断士さんからもらった色見本や、市販されているシーズンの色表を横に置き、書き出した色を1枚ずつ当てはめていきます。たとえばブルベ夏なら、ラベンダー・ローズピンク・アイシーブルー・スモーキーグレー・やわらかいネイビーといった領域に、手持ちの「くすみピンク」「青みのある薄グレー」「白に近い水色」などを入れていきます。

1枚も入らない領域があれば、そこが補強ポイントです。逆に、ラベンダーに似た色が3枚、スモーキーグレーが4枚といったように、同じ枠に複数入るところがあれば「ここは増やさない」とメモします。ここまでできると、“買い足す・買い足さない”を色表が勝手に教えてくれる状態になります。

ステップ3:割合を出して数値で偏りを確認する

色名を並べただけでは「なんとなく黒が多い」程度の実感で終わってしまいます。そこで、トップス・羽織り・ワンピース・ボトムスなどを合計して総数を出し、その中で①パーソナルカラー領域に入ったもの、②どのシーズンでも使える中立色、③明らかに似合いにくい色に分け、数と割合を計算します。

たとえば40枚中、似合う色が18枚、中立色が15枚、似合わない色が7枚なら、似合わない色の割合は約17.5%です。ここをまず10%にまで落とす、次に7%まで落とす、といったふうに小さな数値目標を決めると、クローゼットの入れ替えがゲームのように進みます。数字にしておけば、翌シーズンにまた黒を2枚買ってしまっても、「いま似合わない色が12%に戻っているから、次は明るい色を買う」とすぐに軌道修正できます。

ステップ4:写真で“面”としての偏りを見る

書き出しと同じくらい大切なのが撮影です。床やベッドに色別に服を並べ、スマホで真上から撮ると、どの色が大きな面積を占めているかが一発で分かります。黒・チャコール・濃紺といった重めの色が下半分を埋めている写真なら、実際の着こなしも下に重さが出やすく、春夏に顔色が沈みます。

反対に、ラベンダー・水色・コーラルといった明るい色が1着ずつしかない写真は、毎日同じ差し色になり、すぐに飽きがきます。撮った写真に「春夏の明るいトップスをあと2枚」「黒ボトムはここから1枚減らす」と直接書き込んでおけば、次に写真を撮ったときに進捗が見えて楽しくなります。

ステップ5:診断結果があいまいな人のための暫定マップ

「サマー寄りのスプリングです」「オータムとウィンターのミックスです」と言われた人は、どちらに寄せるかで迷いやすいです。その場合は、まず今の生活で一番よく着る季節・場所・ドレスコードに合わせて主軸のシーズンを決めます。

たとえば職場が涼しげな印象を求めるならサマーを主軸に、反対に温かみのある接客が多いならスプリングを主軸にする、といった具合です。主軸が決まったら、もう一方のシーズンは“補色”として少量だけ持ち、可視化のときも「主軸の表にまず載せる。載らなかったものをサブ表に載せる」という順番にすると混乱しません。

表:色の棚卸し例(40枚クローゼット)

カテゴリ枚数パーソナルカラー枠中立色枠似合わない枠コメント
トップス156(ラベンダー2・水色1・ローズ1・淡グレー2)5(白2・ネイビー2・ベージュ1)4(黒3・カーキ1)黒がやや多いので1枚明るくする
羽織り62(明るいネイビー・くすみライラック)3(黒・白・グレー)1(ブラウン)春向けの明るい羽織りを追加
ボトムス103(くすみブルー・ラベンダーグレー・ライトベージュ)5(黒2・ネイビー2・グレー1)2(深カーキ・濃ブラウン)ボトムは中立色がメインでOK
ワンピ52(ローズ・アイシーブルー)2(黒・ネイビー)1(黄み強ベージュ)黄みが強いものは顔から遠ざける
小物42(ラベンダーストール・ローズピアス)2(黒バッグ・白バッグ)0小物は色で遊んでいい

シーズン別に見る不足色と過多色の補正

イエベ春(スプリング)の偏りと補正ポイント

イエベ春の人は本来、肌が温かく、明るく澄んだ色で一気に血色が上がります。ところが実際のクローゼットは、仕事や子育てで「汚れが目立たない色」「通年使える色」を優先するために、黒・ネイビー・チャコール・ダークグレーが増え、春らしい明るさが消えます。

ここで行う補正はとても単純で、暗い色を1枚抜いて、同じカテゴリに明るい黄み色を1枚足すだけです。黒テーパードを1枚減らしてライトベージュを1枚、ネイビーカーデを1枚減らしてコーラル寄りのカーデを1枚、といった具合に、1対1で差し替えます。トップスだけでもコーラル・アプリコット・明るいオフ白を3枚揃えると、顔色が一気に春らしくなりますし、ベージュのトレンチや白のカーディガンとも自然につながります。

ブルベ夏(サマー)の偏りと補正ポイント

ブルベ夏の人はやわらかく青みのある色が最も得意です。しかし日本の量販・きれいめブランドは、黒・白・ベージュ・カーキの品揃えが圧倒的に多く、気づくと「黒とベージュしかない」状態になります。この場合は、冷たい色をトップスに3枚連続で投入するのが早道です。

スモーキーラベンダー、ダスティローズ、アイシーブルー、やわらかいネイビーなど、どれも濁りすぎていないものを選び、既存の黒パンツ・グレースカート・白デニムと合わせます。こうするとボトムスが中立色でも顔だけはきれいに映ります。同時に、黒ボトムが3枚以上あるなら1〜2枚を“とっておき”に回し、日常ではネイビーやラベンダーグレーのボトムを優先すると、全身が一段明るくなります。

イエベ秋(オータム)の偏りと補正ポイント

イエベ秋の人は、キャメル・テラコッタ・マスタード・オリーブといった深みのある黄み色で洗練されますが、すべてを濃い秋色で固めると、春夏の写真で重く見えます。また、職場で黒・ネイビーを着ることが多いと、せっかくのオータムの柔らかさや温かさが隠れてしまいます。

ここでの補正は、**秋色を“淡くする”か“面積を小さくする”かの2択です。**キャメルをサンドベージュに、マスタードをライトオーカーに、オリーブをライトカーキに寄せると、同じ秋グループでも春夏に着られる空気感が出ます。

あるいは深いテラコッタのワンピースに、小さめの明るいストールやアイボリーのカーディガンを合わせ、重い色の面積を小さくします。秋の人は「濃い色が似合う」と言われがちですが、淡い秋色を混ぜることで年間を通して使えるワードローブに変わることを忘れないようにします。

ブルベ冬(ウィンター)の偏りと補正ポイント

ブルベ冬の人は鮮やかでコントラストの強い色が映えますが、現実のクローゼットでは黒・純白・ロイヤルブルーなど“強い色”だけで埋まりやすく、日常使いにはややハードに見えます。ここで有効なのは、同系色で少しトーンを落とした色を追加して、階段状のグラデーションを作ることです。

チャコールグレー・ミッドナイトネイビー・ボルドー・ディープパープルなどを足すと、黒一色ほど強くはないけれど、冬らしい深みは保てます。特に冬の人にありがちな「黒のパンツが4本ある」という状態では、1本をチャコールに置き換え、1本をネイビーに置き換えるだけでも印象がやわらぎます。

顔周りには純白やフューシャを、ボトムやアウターには少し落とした色を持ってくる、という上下差を付けるのも効果的です。

シーズン別・不足しやすい色と代わりになる色の表

シーズン別不足しやすい色代わりに足していい色コメント
イエベ春コーラル、明るいベージュ、アプリコット、ライトグリーンオフ白、ライトキャメル、サーモン、ミントベージュ黒・ネイビーが多いときはまず明るさを足す。彩度は少し低めでも構わない。
ブルベ夏ラベンダー、ローズ、アイシーブルー、スモーキーミントスモーキーグレー、くすみネイビー、やわらかい白青みとやわらかさがあればOK。白は真っ白よりも少しグレイッシュなほうが肌に合う。
イエベ秋ライトカーキ、エクリュ、サンドベージュ、淡いテラコッタオフベージュ、モカの明るめ、ライトオリーブ濃いキャメル・マスタードを一度止めて、淡い秋色で季節またぎしやすくする。
ブルベ冬ボルドー、ディープパープル、ミッドナイト、やや青みのあるチャコールチャコール、ロイヤルブルー、深めネイビー、ブルーグリーン黒が多すぎるときの緩衝色。強い色どうしをつなぐ“橋渡しの色”として使うと上手くいく。

日常コーデへの落とし込みと運用のしかた

顔まわりを似合う色で固定する“上から決める”方式

可視化で「自分のクローゼットには明るいサマー色が少ない」「春色のトップスが不足している」と分かったら、毎朝のコーディネートは**顔に一番近いアイテムから決めます。

**トップス・ストール・ジャケット・カーディガンなど、写真で最初に目に入る部分を似合う色にしてしまえば、ボトムスが黒でもグレーでも、靴が中立色でも、顔色は沈みません。

クローゼットの中でも、これら“顔まわりに使う色”だけを同じハンガーにまとめたり、同じ段にたたんだりしておくと、忙しい朝でも必ず目に入ります。これは生活導線の工夫でもあり、色の可視化を毎日の習慣に落とす最短ルートです。

週1回・月1回の“色点検日”を作る

ワードローブは、新しい服を1枚買っただけでもバランスが変わります。そこで、洗濯がひと段落して服がそろっている週末に、3分だけ時間を作り、写真を撮る→色表と見比べる→買い足す色をメモするという点検を行います。

月に1回はさらに時間を取り、季節の入れ替えも兼ねて「この夏はくすみピンクをよく使ったから、秋はダスティローズを1枚足す」「冬の黒が増えたから、春は白とラベンダーを増やす」といった中期的な計画も書き込みます。こうしておくと、セールや旅行先で衝動買いをしそうになったときも、“今の自分のクローゼットに必要な色”を思い出せます。

行事・季節・ライフイベントの前に差し色だけを追加する

卒入学、七五三、入社式、同窓会、発表会など、写真に残るイベントの前には、すでにあるスーツやワンピースに乗せるだけで顔映えする差し色アイテムを1〜2点だけ買います。

たとえばサマーならラベンダーのブラウスと同系の小ぶりイヤリング、スプリングならコーラルのカットソーとスカーフ、オータムならライトテラコッタのニットとベージュのベルト、ウィンターならフューシャのブラウスとチャコールのジャケット、といった具合です。ベースの服を買い替えなくても、差し色を可視化で特定しておけば、行事のたびに迷わずに済むようになります。

デジタル管理と紙管理を組み合わせると続きやすい

スマホで撮ったクローゼット写真をアルバムにまとめ、「春」「夏」「秋」「冬」「仕事」「休日」といったタグを付けておくと、季節の変わり目に一気に振り返れます。

紙のノートには、その写真を見て感じたことを文章で残します。「黒パンツは2本で十分」「夏の明るい羽織りがない」「秋に使える柔らかいベージュを買う」など、**感じたことを言葉で残すことで、翌シーズンにまた同じ失敗をするのを防げます。**紙とスマホの両方に残っていると、どちらかが面倒になったときにも続けやすいです。

ライフスタイル別の優先ルールを決める

通勤が多い人は「職場で浮かない中立色を守りつつ、インナーとスカーフだけは似合う色にする」、在宅が多い人は「画面に映る上半身だけ似合う色で固めて、ボトムは中立色で量を持つ」、子どもと公園に行く人は「汚れが目立たない中立色の上に、取り外せる似合う色カーデを羽織る」といったふうに、生活に合わせて色の使いどころを決めます。可視化をしておけば、どのシーンで何色が不足しているかがすぐ分かるので、次の買い足しが迷子になりません。

Q&Aと用語辞典

Q&A

Q1. 職場が暗い色ばかりで、似合う色を着ると浮きます。どうすればいいですか。

A. 顔から離れたところで職場の色に合わせ、顔に近いところでパーソナルカラーを使います。具体的には、黒・ネイビー・グレーのジャケットやワンピースの中に、ラベンダー・コーラル・サンドベージュなど診断で勧められた色のインナーを着ます。ストール・小ぶりのイヤリング・ネックレスも同じ色系統で揃えれば、職場の空気は壊さず、肌色だけは明るくなります。

Q2. 似合わない色の服がたくさんあって捨てられません。全部処分すべきですか。

A. 必要ありません。似合わない色でも、顔から遠い位置であれば十分使えます。たとえばボトムス・コート・バッグなどは、トップスをしっかり似合う色にすれば成立します。優先して手放すのは、顔に一番近くてくすませてしまうトップスやタートル、Vが浅くて光が入らないブラウスだけで大丈夫です。

Q3. パーソナルカラーが2シーズンにまたがると言われ、整理が難しいです。

A. よく着る季節・よく行く場所・職場のルールに一番沿うシーズンを“主”に、もう一方を“副”にします。サマー寄りのスプリングと診断されたなら、サマーの淡く青みのある色を先に揃え、春の黄みは差し色としてスカーフ・トップス1〜2枚にとどめます。2つの表を同じ量で持とうとすると、買う色が分散してしまうので、主を6〜7割、副を3〜4割と目安を決めておきます。

Q4. 小物はどの順番で揃えると失敗しませんか。

A. まずはシーズンの中で一番顔映えする色を1色決め、その色のストール・イヤリング・スカーフを揃えます。これだけで黒・白・ネイビーの服の印象が変わります。次に中立色のバッグと靴を1セットずつ用意します。最後に、季節の写真映え用としてもう1色の差し色を足すと、1年を通してバランスが取れます。

Q5. 家族とクローゼットを共有していて、色の棚卸しが混ざってしまいます。

A. 自分の服だけに決めた色のハンガーやタグを付けておき、撮影・書き出しのときはそのハンガー分だけを対象にします。家族の服まで一緒に可視化しようとすると、他の人の好みやサイズが混ざり、偏りが正しく見えません。自分の分を切り離すことが、正しい可視化の第一歩です。

Q6. 写真で撮ると色が実物と違って見えます。どうすればいいですか。

A. 日中の自然光が入る窓際で、同じ場所・同じ条件で撮ることを習慣にします。人工照明の下だと黄みや青みが強く出てしまうので、別日に撮った写真どうしを比べるのが難しくなります。どうしても色がずれる場合は、写真は面積確認用と割り切り、色の細部は紙のメモで管理します。

用語辞典

中立色:どのシーズンでも比較的使いやすく、顔から遠い位置に使えばほぼ誰でもなじむ色。白・黒・グレー・ネイビー・ベージュなど。ワードローブの2〜3割までなら増えてもよい。

差し色:全体の印象を変えたり、顔色を明るく見せたりするために部分的に使う色。パーソナルカラーの中でも、自分が一番きれいに見える色を選ぶと効果が高い。

色表(シーズンカラーチャート):診断で渡される、似合う色をまとめた見本。可視化ではこれをマップとして使い、手持ちの服をどこに置くかを決める。

可視化:頭の中でなんとなく分かっている状態を、書き出し・撮影・表やリストにすることで誰が見ても分かるようにすること。色の整理ではこの工程が一番重要で、ここを省くと改善が長続きしない。

中和させる:似合わない色や重い色を、似合う色・明るい色・光を返す素材などでやわらげてバランスを取ること。黒や濃いブラウンが多いクローゼットほど中和が大事になる。

主シーズン/副シーズン:2シーズンにまたがる診断を受けたときに、日常で一番使うほうを主に、もう一方を補助的に使う考え方。主6〜7割、副3〜4割が目安。

まとめ

パーソナルカラーを本当に活かすには、「似合う色を知る」だけでは足りず、いま持っている服を色の面で客観的に見られるようにすることが欠かせません。手持ちを色名と明るさで書き出し、シーズンの色表に1枚ずつ置き、足りない色と多すぎる色を1対1で交換する。

この単純な循環を、季節の変わり目や行事の前に繰り返すことで、黒・グレー・ネイビーばかりだったクローゼットが、あなたの肌や目に合った色で少しずつ満たされていきます。さらに、顔まわりだけでも似合う色に固定しておけば、職場の制約があっても、家事や育児で忙しくても、写真に映る日だけはきちんと“似合う人”として残せます。

色の可視化は一度やって終わりではなく、買い足しのたびに更新していく動的な作業です。今日クローゼットを撮って1枚の表に落としたら、次の買い物で迷わずに済みます。これが、パーソナルカラーをワードローブに落とし込む、もっとも再現性の高い方法です。

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