パーソナルカラー別×ニキビ跡・赤み黄みの補正色ガイド

ニキビ跡が小さな点で残っているだけなのに、写真を撮るとそこだけ赤く浮いて見える。ほおや小鼻の横に赤みがじわっと広がっているせいで、チークをきれいに入れたつもりでもにじんだように見える。

そんなときに「ファンデーションを厚くすれば隠れる」と考えて上から重ねると、たしかに一瞬は隠れますが、時間がたつと油分や汗でまた赤が戻り、今度は毛穴・凹凸・乾燥の線まで一緒に前に出てしまいます。

これは、赤・ピンク・黄・茶といった“跡の色”と、その人本来のパーソナルカラーの温度・明るさ・清濁が合っていないままベージュをのせているから起こる現象です。色が合っていない上に厚みだけ増やすと、肌はかえって重たく、そして不自然になります。

結論から言うと、ニキビ跡・赤み・黄ぐすみをきれいに消すには順番があります。①まず「いま見えている色」を冷静に見て、青み寄りなのか黄み寄りなのか、くすみがあるのかを判断し、②その色を打ち消す補正色をほんの少量“点で”置き、③そのうえで自分のシーズンにふさわしい温度のベースを“面で”かぶせ、④最後に明るさとツヤを足してなじませる。この4工程を守れば、イエベでもブルベでも、春でも冬でも、厚塗りに見えないのに色ムラがない肌がつくれます。

この記事では、この手順をパーソナルカラー4シーズン別に細かく分け、さらに「点で消すときの力加減」「面でのばすときの質感」「直しが必要になったときの応急処置」まで落とし込みます。

ポイントは一つ、補正は色でやって、明るさや質感の統一は自分のシーズンでやるという役割分担です。ここがズレなければ、難しいテクニックがなくても再現できます。

目次

ニキビ跡・赤み・黄みを色で見る前提をつくる

ニキビ跡・赤み・黄みと、ひとことで言っても色の質がすこしずつ違います。まずは「なぜその色が出ているのか」「どこに出やすいのか」「面で塗るのか点で塗るのか」を決める前提をそろえておきましょう。ここをあいまいなままにすると、どんなに高品質なコンシーラーを買ってきても“隠れたり隠れなかったり”が続きます。

赤は、時間の経過とともにトーンが変わります。できたばかりのニキビ跡は、血がとどまっているので青みがやや強く、赤紫〜ワインの入口のような色をしています。

時間がたって炎症が落ち着いてくると、今度はサーモン〜コーラルのような黄みが混ざった赤になります。さらに肌がターンオーバーを繰り返すと、表面がうっすら茶色くなって“ニキビ跡が茶シミになったように見える”段階に移ります。どの段階の赤・茶なのかで補正色は変わるので、鏡の前で1回深呼吸してから色を見てください。

ニキビ跡の赤は“青み寄りか黄み寄りか”を最初に決める

同じ赤でも、青みが多いときはオレンジやコーラルで打ち消すと一気に薄くなります。逆に黄みが多いときにそれをオレンジで消そうとすると、赤は和らぐのにくすみが残ってしまいます。

黄み寄りの赤には、ペールグリーン・ミント系・イエローベージュ・グリーンを混ぜたベージュが効きます。ここを見誤ると、いくら上から肌色を重ねても“うっすらピンクで浮いたまま”になります。点で消すときは、指先に米粒の半分より少ない量をとって中心に置き、ほぼ動かさないのがコツです。

赤みの面積は“頬全体”か“点在”かで塗り方を変える

頬全体が常に赤く、季節や気温で色の濃さだけが変わる人は「面の赤みタイプ」です。この場合は、点のコンシーラーだけでどうにかしようとすると、そこだけ厚くなりムラが出ます。面には粘度の低いコントロールカラー、点には粘度の高いコンシーラーと、質感を分けてあげるときれいです。

面の赤みにはスポンジやブラシでごく薄く、T字に広げるくらいにしておき、そのうえで小鼻横やニキビ跡など“とくに目立つところ”だけを点で重ねます。

パーソナルカラーで許される“色幅”を知る

イエベ寄りの人は、もともと肌に黄みがあるので、多少オレンジやコーラルが乗っても一体化しやすく、補正色も黄みを含んだものが選びやすいです。反対にブルベ寄りの人は、黄みを足しすぎると顔全体の透明感が一気に落ちるので、青みを崩さないラベンダー・ピンクベージュ・ローズピーチなどに寄せると安定します。

つまり「何色で打ち消すか」ではなく、「自分はどこまで黄みを足しても大丈夫か」「どのくらいの白さでとどめると血色が保てるか」をセットで見ておくと、ベースの仕上がりが毎回そろいます。

表:肌トラブルの色×補正色×シーズン早見表

トラブルの色イエベ春ブルベ夏イエベ秋ブルベ冬
鮮やかな赤ニキビ跡コーラルオレンジ薄めローズピーチ+ベージュオレンジベージュブライトオレンジ+ライトローズ
少し黄みがまじった赤跡アプリコットピンクベージュオレンジベージュより薄くローズベージュ
茶色く残った跡黄みベージュピンクベージュキャメルベージュモーヴベージュ
小鼻・ほおの広い赤みグリーンベージュ少量ラベンダー+ピンクベージュオリーブ寄りベージュブルー寄りベージュ薄く
黄ぐすみ・くすみクリームベージュラベンダーキャラメル〜ゴールドピンクパールベージュ

イエベ春(スプリング)は“明るさを落とさずに赤だけ抜く”

スプリングは肌の透明感が高く、ほんの少しの赤でも“そこだけ温度が高く見える”のが特徴です。だからといってグリーンで強く打ち消すと、せっかくの軽やかさまで下がってしまい、春らしさが消えます。春は**「赤はやわらげる」「肌は明るく保つ」**を同時に叶える色を選びます。

点の赤みはコーラルでやわらげる

ニキビ跡の中心に、コーラル〜サーモン寄りのオレンジをほんの点で置きます。置いたらすぐに指の腹で外側だけを短くぼかし、中心の色を動かさないようにします。ここで一緒にのばしてしまうと、赤を消すはずが周囲までオレンジになり、あとからベージュを乗せたときに色が重たくなります。

なじませたら、スプリングに合う明るめのリキッドを軽くかぶせ、パウダーでとめます。これで“赤だけが引いて、明るさはそのまま”という春らしい肌になります。

面で出るほおの赤みはクリームベージュでトーンを上げてから

頬全体が熱を持ったように赤いときは、いきなりコーラルを面で塗るのではなく、黄色すぎないクリームベージュまたはアイボリー寄りのコントロールカラーを先に広げます。

スポンジで頬の内側から外側に向けてごく薄くすべらせ、赤の強いところは重ね塗り、という二段構えにするとムラになりません。小鼻や口角など部分的に赤いところだけグリーンを点で足せば、春でも冷たくならずに赤を抑えられます。

黄ぐすみはライトアプリコットで光を戻す

春タイプでも、日焼けや寝不足でくすむ日はあります。そういう日は、頬骨の高い位置と鼻筋の根元にライトアプリコットをのせ、光を戻しておきます。アプリコットには黄ぐすみをやわらげる効果と、春が得意な“あたたかい血色”を復活させる力があります。

あとはチークを薄く、リップもオレンジ〜コーラルでまとめれば、ベースだけで顔が沈むことはありません。

ブルベ夏(サマー)は“黄ばませずに青みを保つ”

サマーはもともと肌がやわらかく、赤みもほんのり滲むように出ます。このやわらかさを残したまま赤だけを下げるには、黄みをほとんど含まない補正色を選ぶことが重要です。とくに小鼻・頬の内側・目まわりのくすみは、黄みを乗せると一気にくたびれて見えます。青みを壊さずに血色だけを整える、これが夏の補正の軸です。

赤紫に近いニキビ跡はローズピーチで温度を保つ

青紫っぽく残っているニキビ跡には、ローズピーチやピンクベージュを中心に点で置きます。オレンジで打ち消すより、青みを残したまま赤だけを弱められるので、周囲の肌との温度差が出ません。

指でポンポンと外へぼかし、境目だけスポンジでたたいてください。上に重ねるファンデは、黄みの少ないピンクオークルや標準色よりやや明るめのブルベ向きにしておけば、元の透明感が戻ります。

小鼻の赤や頬の赤を消すときはラベンダーをうすく

小鼻や頬の内側にじわっと赤が出るときは、ラベンダーを米粒より少ない量とって、点で置き、スポンジで横に広げます。広げるといっても顔全体には使わず、赤いところ+その周囲1〜2cmにとどめるイメージです。ラベンダーだけだと白浮きするので、その上にピンクベージュのファンデをごく薄く重ね、粉は透明かピンク寄りを選びます。これで黄ばみが抜け、夏らしいやさしい明るさが戻ります。

黄ぐすみにはラベンダー+ピンクベージュの二段構え

夕方になって黄ぐすみしてきたら、まずラベンダーの下地でくすみを一度引き上げ、そのうえで気になるところにピンクベージュのコンシーラーをのせます。順番を逆にすると、ピンクベージュが黄みを拾ってしまうので注意してください。最後に目の下だけやや明るめのハイライトを入れると、くすみが出やすい日でも青みが崩れません。

イエベ秋(オータム)は“濃さを味方にして一体化させる”

オータムは肌の色そのものに深みがあるので、明るい補正色をそのまま乗せると“そこだけ浮いたベージュ”になります。赤や茶が残っているときも、一度オレンジベージュやテラコッタ寄りで沈めてから、自分のファンデで包むと、急に自然になります。

濃い赤ニキビ跡はオレンジベージュで一度沈める

できて間もない強い赤ニキビ跡は、オレンジベージュを指先でちいさく置き、まわりを軽くたたきます。ここで完全に消そうとせず、“赤と肌の中間色をつくる”イメージでとどめると、そのあとのファンデーションで一気になじみます。明るすぎるオレンジだと浮くので、少し茶が入ったものを選ぶとオータムらしい深さが保てます。

広く出る赤みはオリーブ寄りベージュでやわらげる

頬やあごに面で赤みが出るときは、オリーブ寄りのベージュをごく薄く広げます。これはグリーンで赤を消しつつ、黄みを足して肌になじませることができる色で、オータムの肌と非常に相性がいいです。広げたあとで、頬骨の高いところだけ明るいベージュを重ねて立体感を戻すと、面で塗ったのにのっぺりしません。

黄ぐすみ・茶ぐすみにはキャラメル〜ゴールドでツヤを足す

夕方になると顔全体が黄ばんで見える、くすんで見えるときは、キャラメルやゴールド寄りの下地を頬の外側・こめかみ・フェイスラインにのせておきます。オータムは顔全体を明るくしすぎると立体感がなくなるので、外側にこうした色を足して“奥行きのある温度”を出し、中心部だけ明るいコンシーラーで整えると、赤もくすみも気になりにくくなります。

ブルベ冬(ウィンター)は“クリアさを残して赤だけ切り取る”

ウィンターは肌が澄んでいる分、1か所の赤がとても目立ちます。ここで黄みの強い補正をしてしまうと、肌がくすんで見えて「なんとなく老けた?」と感じやすくなります。赤を切り取るときだけオレンジを使い、すぐさま青みのあるローズで自分の肌に戻すという二段階で考えるときれいです。

パンとした赤ニキビ跡はブライトオレンジ+ローズで消す

まず赤ニキビ跡そのものにだけ、ごく少量のブライトオレンジを置きます。広げずに、その部分だけを薄く覆うイメージです。すぐにローズベージュか青みのあるベージュをとり、オレンジの境目をまたぐようにしてたたき込むと、赤だけが消えて肌のクリアさは保てます。最後に透明なパウダーで押さえておくと、時間がたっても赤が戻りにくくなります。

小鼻やあご先の赤みはブルー寄りベージュでトーンを揃える

部分的に出た赤みは、ブルー寄りのベージュを小さく置いてトーンをそろえます。ウィンターの肌に黄みが乗るとすぐにくすむので、色をのせたら指ではなくスポンジで軽く押さえ、ベースメイク全体の青みを壊さないようにします。

黄みが出たときはピンクパールベージュで光を足す

日焼けや酸化で黄みが出た日は、ピンクパールベージュを頬骨・目の下・鼻筋にごく薄くのせて、光の色で青みを戻します。赤を消した部分にも同じ光を重ねれば、部分だけ質感が変わることがありません。

仕上げの順番と直しのコツ

塗る順番は必ず「補正→肌色→パウダー」

補正色は色だけを動かす役割なので、いきなり上からファンデをこすると混ざってしまいます。必ず、1)赤・黄・くすみを補正色で“ならす”、2)自分の肌色のファンデーションやコンシーラーで“面を作る”、3)無色または近い色味のパウダーで“動かないようにとめる”の順でやってください。パウダーをのせるときはブラシでさっとではなく、パフで押さえて色をロックすると長持ちします。

マスクで赤みが復活したときの直し方

マスクを外したら小鼻だけまた赤くなっていた、というときは、まずティッシュで水分と皮脂をとり、そのあと補正色を米粒より少ない量とって点で置きます。指で1〜2回トントンしたらすぐにプレストパウダーを押さえます。液体ファンデをそこで足すとヨレるので、外出先では粉でとどめるのがおすすめです。

オンライン・写真の日の微調整

カメラ越しでは赤がはっきり写るので、いつもより補正色をわずかに濃くし、代わりにファンデーションは薄くします。照明が電球色ならグリーンやオリーブ寄り、昼白色ならピンク・ラベンダー寄りを選ぶと、顔色が実物に近くなります。

Q&A

Q1. 緑のコントロールカラーを塗ると顔色が悪くなります。どうすればいいですか。
A. 面でグリーンを塗りすぎているか、グリーンそのものが冷たすぎる可能性があります。部分だけにとどめ、頬の広い部分は自分のシーズンに合うベージュでならしてください。グリーンのあとにピンクやアプリコットを少量足すと、冷たさがやわらぎます。

Q2. 赤みは消えたのに時間がたつとまた出てきます。
A. 補正色をパウダーでとどめていないか、ファンデーションの油分が赤みを溶かしているかです。補正→肌色→パウダーの順を崩さず、粉は色のないものを使うと持ちがよくなります。マスクの日は特にパウダーを多めに。

Q3. 頬の赤みとニキビ跡を一度に隠したいです。
A. 面の赤みはラベンダーまたはベージュで、ニキビ跡はコーラルやピンクベージュで、と役割を分けてください。全部同じ色で隠そうとすると厚くなります。どうしても1色で済ませたいときは、肌の温度に近いベージュ1色を極薄で2回重ねるとましになります。

Q4. メンズでもこのやり方は使えますか。
A. 使えます。肌の温度に合うベージュをほんの少し赤い部分にたたき込み、最後に無色の粉でおさえると、メイクしている感じを出さずに赤みだけ取れます。ヒゲの青みが気になるときは、オレンジ系をほんの少し混ぜると自然です。

Q5. 市販のコンシーラーパレットではどの順に使えばいいですか。
A. 一番左(赤・オレンジ・コーラル系)で赤みを打ち消し、真ん中(自分の肌に近いベージュ)で面に広げ、一番右(明るめ)で光を足す、の順に使うと自然です。パウダーは最後に必ずおさえてください。

用語辞典

補正色:肌にある赤・青・黄などの色ムラを一時的に打ち消すために使う色。グリーン・オレンジ・ラベンダー・ピンクなどがある。

コントロールカラー:顔全体のトーンをそろえるために広範囲にのせる下地の色。面で使うことが多い。

点置き:気になる部分にだけ小さく色をのせること。ニキビ跡やシミなどに使うと厚塗りになりにくい。

トーンアップ:肌の明るさを上げること。補正色のあとに肌色をかぶせることで行う。

酸化くすみ:ファンデーションの油分が時間の経過で変化し、黄みや茶色が強く見えてくること。夕方の黄ぐすみの一因。

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