ゴルフウェアは、ただ「動きやすい」「伸びる」「UVカットが付いている」だけでは十分ではありません。行くコースの雰囲気やメンバーの年齢層、同行者との関係性、企業としての招待なのか家族とのレジャーなのか、さらに撮影するのが屋外か室内かによって、似合う“濃さ”と“温度”が変わります。
しかもゴルフ場は芝の明るいグリーン、バンカーのベージュ、木々の深いグリーンやブラウン、空のブルー、クラブハウスの白や生成り、石造りのテラスやレンガ色の外壁など、背景の色が絶えず切り替わっていく場所です。この背景の情報量にくらべて、自分の肌から浮く色をトップに持ってくると、どんなに高価なブランドでも一瞬で「今日の服だけはなんとなく違う」と分かってしまいます。
逆に、顔のすぐ近くを自分のパーソナルカラーに寄せておくだけで、スポーティでもきちんと・きれい・上質という三つの印象が同時に成立します。つまりゴルフにおける色合わせは、ふだんの通勤コーデよりも**“自分の色を最初に決めてから季節・場の格・同行者とのバランスを足す”**という順番を厳密にしたほうが、手持ちが少なくても毎回違う表情を出せるのです。
よくあるつまずきは三つです。ひとつ目は、機能が良くて買ったスポーツブランドの鮮やかな色をそのまま着たら、コースの芝や木よりも青く・赤く見えて自分だけ目立ってしまったパターン。
二つ目は、無難なつもりでグレーやベージュを選んだのに、クラブハウスの室内照明に入った瞬間だけ急に顔が黄ばんだり青白くなったりして「今日は疲れてる?」と聞かれてしまうパターン。
三つ目は、コンペのテーマカラーに合わせて季節色を大面積で入れたら、他のメンバーと並んだときに自分だけ顔がくすんで、せっかくのスコア写真で浮いたパターンです。
これらはどれも、先にパーソナルカラーでえり元を固める→ボトムと小物の温度をそろえる→季節色は小面積で離して入れる、という順を守れば防げます。
本ガイドではこの順番を土台に、4シーズンそれぞれの「一番似合うトップス色」「屋外で沈まないボトム色」「クラブハウスで老けない素材感」「社用接待・コンペ・家族ラウンド・リゾート・悪天候」の5シーンでの配色を細かく示し、最後に買い物のチェックポイント、よくある質問、色や素材の用語を付けておきます。この1本をベースにすれば、時期・コース・メンバーが変わっても大崩れしません。
ゴルフウェアで“格”が問われる理由とパーソナルカラーで整える意味
ゴルフは屋外スポーツでありながら、実態は「スポーツ」だけでなく「社交」「軽いドレスコード」「写真に残る行事」の4つが同時に存在する場所です。練習場では多少派手でも構いませんが、クラブハウスやレストラン、表彰式や集合写真、ホールアウト後のティーブレイクでは、周囲の人はウェアの色や素材をとてもよく見ています。
ここで肌から浮いた色を着ていると、ブランドロゴやシルエットよりも先に「今日はいつもより派手」「今日は顔が白い」「今日は疲れている」というような肌の変化が伝わってしまい、結果としてウェアの“格”が下がって見えます。
ゴルフ場という場所は、背景の色がすでにとても強いのが特徴です。緑のフェアウェイは黄みのあるグリーン、ラフは深いグリーン、木々はブラウンやカーキ、日陰はグレー寄りのグリーン、空は青、バンカーはベージュ、建物は白や生成り、テラスはレンガ色。
ここにパーソナルカラーから外れた色、たとえば青みが強すぎるネイビーや、黄みが強すぎるベージュ、くすみすぎたダスティカラー、テカテカの白ポリエステルなどを大面積で持ってくると、背景のほうが肌よりも健康に見えてしまい、本人だけがくたびれて見えるという逆転が起きます。特に夏の強い日差しや、冬の低い日差しの中ではこの逆転がはっきり出るため、写真や動画に残る日はなおさらパーソナルカラーを使ったほうが安全です。
これを防ぐ一番簡単な手順は三つだけです。**第一に、顔に最も近い部分(ポロシャツ・モックネック・ニットベスト・ウインドブレーカーのえり・肩の切り替え・ボタンの並び)を自分のパーソナルカラーで統一すること。第二に、ボトム・ベルト・キャップ・サンバイザー・グローブ・シューズを同じ“色の温度”でそろえること。第三に、テーマカラーや季節色は少量を上半身から少し離れた位置(キャップ・ベルト・ソックス・バッグ)に入れること。**この順番を守れば、トップスがやや派手でも、パンツの色がややくすんでいても、全体としては「似合うほうが勝つ」のでまとまって見えます。
順番を逆にして、先に季節色やチームの色で全身を固めてしまうと、あとからパーソナルカラーを足しても浮きやすくなり、結果として「明るいのに安っぽい」「ブランドを着ているのに借り物っぽい」という印象になります。
さらに、パーソナルカラーで整えておくと得られるメリットがもう一つあります。それはコースによる雰囲気の違いに対応しやすくなることです。白い建物・青いプール・椰子の木があるリゾートコースでは明るい色が映えますが、山間のコースや歴史のある名門コースでは落ち着いた色のほうがふさわしいとされます。
どちらのコースに行く場合でも、顔まわりが自分のPCであれば、その日のコースの空気に合わせて上から色を足すだけで済み、全部を着替えなくてもよくなります。
表:ゴルフ場で起きやすい色トラブルとPCでの回避例(詳細版)
| 起きやすいトラブル | 原因になりやすい色・素材 | PCでの回避の方向 | 見た目の効果 | 補足の小技 |
|---|---|---|---|---|
| 顔が芝に負けてくすむ | くすみベージュ・冷たいグレー・黒の大面積・透け感のないポリ | PC色のポロ+ボトムを同じ温度のベージュに | 顔が起きて小綺麗に見える | キャップをPCに寄せるとさらに安定 |
| クラブハウスでだけ老ける | 光沢の強い白・青みの強いネイビー・青白く写る表面ツル素材 | PC色のニットベスト/モック/スカーフをかませる | 室内光での黄ばみや青白さを防ぐ | えり元にPCを1色でも入れておく |
| 写真で自分だけ浮く | 他メンバーが季節色でそろえているのに自分だけ無彩色or温度違い | 先にPC色でトップを決めてから季節色をキャップに入れる | 集合写真で顔色がそろう | 口紅をPCに寄せるとより馴染む |
| 汗で首が赤く見える | 顔色と温度が逆の色を首回りに当てている・蛍光色のえり | 首回りだけPC色に置き換える | 赤みが色に吸収される | 汗をかく日は白よりPCの中明度を |
| 雨の日にくすむ | レインウェアが青すぎる・黄すぎる・グレーすぎる | 外を生成り・PC寄りベージュ・白に、中をPC色に | 濡れても顔が沈まない | ファスナーだけPC色にしてもOK |
イエベ春が選ぶべきゴルフウェアの色・素材・シルエット・シーン別運用
イエベ春は、明るさ・あたたかさ・少しの光をふくんだ色を着たときに一番若々しく見えます。ゴルフ場でもこの3点をそのまま使えば、軽やか・親しみやすい・元気・でも子どもっぽくない、という好バランスになります。
基本になるのはコーラルピンク、アプリコット、ミルキーなオレンジ、明るいライム~若草、ミルクティーベージュ、バターイエロー、明るいウォームネイビーです。芝や樹木の緑と並んでも沈まず、リゾートの青い空や白い建物とも相性が良く、写真にしたときにも顔に光がのりやすい色ばかりです。
トップをこれらの色にしておけば、ボトムはオフ白・生成り・明るいキャメル・黄み寄りベージュ・ライトカーキのどれでも整いますし、シューズを白にしても浮きにくくなります。
素材は、ややハリのある鹿の子、細かいピケ、さらっとしたストレッチツイルのように、光りすぎず・でもマットすぎない中間質感が最適です。春タイプが避けたいのは、蛍光に寄りすぎたスポーツピンク、青白い水色、青に寄りすぎたクールネイビー、灰色に寄りすぎたライトグレーです。
これらは屋外では一見きれいに見えても、クラブハウスに入ると顔が冷たく・薄く見えやすくなります。どうしても着たい場合は、えりの内側・前立て・袖口などにコーラルやアプリコットを見せて、肌に近いところだけでもPCに寄せておきます。
シーン別に見ると、社用接待で年上のゲストが多い日は、アプリコットのポロ+オフ白パンツ+キャメルベルト+白キャップ+ごく小ぶりのゴールド金具にすると、あたたかく礼儀正しい装いになります。友人とのカジュアルラウンドなら、コーラルポロ+白ショートパンツ+若草色のサンバイザーという“春の庭”のような配色にすると、プレー中も写真でも明るく映えます。
風や小雨が心配な日は、外側を生成りやアイボリーのウインドブレーカーにし、内側にPC色のポロを着ておけば、濡れても顔色が落ちません。リゾートコースでとにかく写真を撮る日は、ミルクティーベージュのトップにターコイズ寄りのボトムを合わせ、キャップでまた春色に戻す、と三段階で動かすと、どの向きから撮られても色がバラけません。
もう一段階“格”を上げたいときは、えりの見返し・前立て・袖口などの細部にだけ春らしい明るい色を差し、外から見える面はオフ白や生成りを選びます。クラブハウスで上着を脱いだ瞬間にPC色がふっと現れるので、「似合う色を理解している人」という印象になります。
年齢が上がってから春色が強く感じられる場合は、同じ色味で明度を一段上げる(ミルキー寄りにする)か、くすみをほんの少しだけ足したハニー系を選ぶと、無理なく続けられます。
ブルベ夏が選ぶべきゴルフウェアの色・素材・シルエット・シーン別運用
ブルベ夏は、白を一滴落としたようなやわらかく冷たい色で一番きれいに見えます。ゴルフ場は黄み・緑みが強い背景なので、夏タイプがそこで透明に見えるには、ラベンダー、スモーキーピンク、ローズベージュ、ブルーグレー、くすみライラック、冷たいミント、ソフトネイビーなど、ややくすみをふくんだクールトーンが最適です。
これらをトップに持ってくると、芝の黄みを中和して肌が白く見え、日焼け止めで少し白っぽくなっていても“塗りました感”が出ません。真っ青なロイヤルブルーや鮮やかなターコイズは、夏タイプにはやや強すぎて芝とぶつかるので、ほんの少し白を混ぜてクールダウンさせると上品です。
素材は光沢を抑えた鹿の子、すべすべしたハイゲージニット、マット寄りのマイクロツイルなど、落ち着きのある表面が向きます。黄みがかったポリエステルやテカテカしたストレッチ素材は、夏タイプを一気に黄ばませるので、どうしてもそれを選ぶ場合は衿元にラベンダーやスモーキーピンクをのぞかせてください。
シーンで分けると、接待やコンペで“信頼できる”“きちんとしている”を優先したい日は、ラベンダーのポロ+グレーがかったホワイトパンツ+シルバー金具のベルト+白キャップが鉄板です。写真が多い日は、スモーキーピンクのトップ+ネイビーのスカート・パンツで黄みの背景とコントラストをとり、キャップやグローブを淡ライラックにしておくと、全身が涼しく見えます。
真夏の強い日差しの日は、ソフトネイビーのトップにラベンダーのニットベストを重ね、ボトムをグレー寄りの白にすることで、汗をかいても上半身が地味になりません。秋でコースの色がくすんできたら、ローズベージュやスモーキーモーブのトップに白のボトムを合わせれば、季節感と女性らしさを両立できます。
冬場の練習場で寒色が冷たすぎると感じたら、ラベンダーにごく薄いグレーを足した色を選ぶと、落ち着きは保ったままやわらぎます。
また夏タイプは、小物で“冷たさ”を重ねると仕上がりが一段上がります。真っ白のキャップではなく、ほんのり青みを含むオフ白・グレイッシュホワイト・淡いブルーグレーを選ぶ、グローブを白×シルバーにする、サンバイザーをラベンダーやダスティミントにする、シューズのロゴや紐をシルバー寄りにするなど、細部で青みをつなげると、クラブハウスの室内灯でも黄ばみません。
イエベ秋が選ぶべきゴルフウェアの色・素材・シルエット・シーン別運用
イエベ秋は、深み・あたたかさ・ほんの少しの土っぽさが似合うタイプです。ゴルフ場の自然と非常に相性がよく、ここをまっすぐに使うと「この人はいいものを選んでいる」「落ち着いている」「信頼できる」という印象になります。
選ぶべきはキャメル、カフェオレ、オリーブ、カーキ、テラコッタ、パンプキン、コッパー、濃いめのベージュ、モスグリーン、レンガなど、秋の森を思わせる色たちです。これらをトップに持ってくると、芝の緑とも木々の影ともなじみ、どこから写真を撮られても「場に溶け込んでいる」ように見えます。
ボトムは真っ白よりもエクリュ・サンドベージュ・ブラウン寄りカーキ・カーキベージュにしておくと、泥はねや芝の汁がついても目立たず、全体が落ち着きます。
素材は目の詰まった鹿の子、表情のあるストレッチコットン、マットなナイロン混、スエード調の軽アウターなど、光を拾いすぎないものを選びます。アイスブルー・真っ白・蛍光イエロー・冷たいライトグレーはどうしても肌の黄みと喧嘩するので、どうしても使いたいときはキャップ・ベルト・グローブなど小物だけにとどめます。
社用や年長ゲストが多い場では、キャメルのポロ+サンドベージュのパンツ+ブラウンベルト+オリーブのバイザーという“アースカラー三段階”でまとめるのが最も安全です。秋のコースで紅葉・ススキ・黄葉がきれいな日に写真を撮るなら、テラコッタのトップ+カーキのボトム+白系シューズで季節感を出し、キャップをベージュにして顔まわりを明るくしておきます。
リゾートで少しリッチに見せたい日は、カフェオレ色のトップにゴールド寄りのアクセントを少し足すと、秋タイプの肌に自然なツヤが出ます。柄物を入れるなら、ネイビー×オレンジ、グリーン×ブラウン、ボルドー×キャメル、ダークグリーン×マスタードといった“自然界にある二色”に寄せることで、一気に高見えします。
秋タイプはレインウェアや防風アウターも自分の色でそろえると、雨・風・曇天の日でも「きちんとした人」に見えます。外側を生成り~キャメルのナイロンにし、中をオリーブやテラコッタにしておけば、濡れてもくすまず、室内で脱いだときにも秋らしさが保たれます。
ブルベ冬が選ぶべきゴルフウェアの色・素材・シルエット・シーン別運用
ブルベ冬は、はっきりした色・コントラストの高い色・冷たく深い色で最も格が出ます。ゴルフ場でも真っ白に近いホワイト、ディープネイビー、ブラック、ボルドー、ワイン、コバルト、冷たいグレー、プラム、アイシーパープルなどをトップに持ってくると、芝や空の色に負けず、“この人がメイン”という見え方になります。
特に白いトップスは、冬タイプが着ると日差しやテラスの光をつやっと反射して非常にきれいです。ボトムは黒・チャコール・ネイビー・白が基本で、黄みの強いベージュやキャメルは一枚で着ると急にくすむので、差し色にするならベルトやサンバイザー・グローブなど小物にとどめます。
素材は、やや光沢のある高密度鹿の子、ハイゲージのサマーニット、つるりとしたマイクロファイバー、ほんのりシアーな防風ナイロンなど、輪郭がすぱっと出るものが最適です。シルバーやクロームの金具、白×黒のバイカラー、ディープネイビー×白の細いラインなど、強めのコントラストを一点入れると一気に高見えします。
フォーマル寄りに見せたい、あるいは初めて行く名門コースで絶対に外したくない日は、白のポロ+黒またはディープネイビーのパンツ+白キャップ+シルバー金具でまとめてください。これだけでどの年代・どの役職の人と並んでも十分に通用します。色で遊びたい日・リゾートコースの日は、ディープネイビーのトップ+コバルトのベルト+ボルドーのグローブのように、すべて冷たい色で統一すると、青空や海を背景にしてもくっきり写ります。
冬タイプはサングラスのフレームを黒やネイビーにしておくと、日差しの強いコースでも目元がぼやけず、顔が締まって見えます。寒冷地や冬季のラウンドで白が強すぎると感じたら、白にうっすらグレーを混ぜた色にすると、雪景色の中でも浮きません。
表:PC別 ゴルフウェアで格が上がる色合い
| PCタイプ | トップでまず買う色 | ボトムで安全な色 | 小物で遊べる色 | 避けたい色 | 相性のよい素材感 | 雨・防風で選ぶ外側 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 春 | コーラル・アプリコット・明るいベージュ・バターイエロー・明るいウォームネイビー | オフ白・明るいキャメル・生成り・ライトカーキ | 若草・ミルキーグリーン・明るい水色 | 冷たいグレー・青白いアイスブルー・くすみすぎ | ハリのある鹿の子・軽いピケ・さらっとツイル | アイボリー・生成り・ライトベージュ |
| 夏 | ラベンダー・ローズベージュ・ブルーグレー・スモーキーピンク・ダスティミント | ソフトネイビー・グレー寄りホワイト・ライトグレー | 淡ライラック・青みピンク・青みミント | 濃いキャメル・黄みベージュ・蛍光色 | マットな鹿の子・ハイゲージニット・控えめツイル | グレー寄り白・ブルーグレー |
| 秋 | キャメル・オリーブ・テラコッタ・カフェオレ・モスグリーン・レンガ | サンドベージュ・カーキ・カフェオレ・カーキベージュ | ブラウン・マスタード・ダークオレンジ | 真っ白・アイスブルー・冷グレー・蛍光黄緑 | 目の詰まった鹿の子・マットツイル・スエード調軽アウター | 生成り~キャメル・オリーブ |
| 冬 | ホワイト・ディープネイビー・ボルドー・コバルト・ブラック・アイシーパープル | 黒・ネイビー・白・チャコール | コバルト・プラム・シルバー・ボルドー | 黄みベージュ・強いオレンジ・黄緑 | 光沢のある鹿の子・高密度マイクロファイバー・ハイゲージ | ホワイト・ネイビー・グレー寄り黒 |
シーン別・季節別の配色と“上に見せる”小技
ゴルフは同じ人でも、行く目的によって求められる“格”が変わります。コンペで遠目からも認識されたい日、社用で控えめにまとめたい日、家族と休日に楽しむ日、旅先のリゾートコースで撮影を優先したい日、雨や風でどうしてもアウターを着なければならない日。
それぞれでウェアを買い直すのは現実的ではないので、①PC色のトップスを1〜2枚決める ②同じ温度のボトムを1本決める ③季節と格に合わせた差しアイテム(ニットベスト・ウインド・サンバイザー・ベルト・グローブ)を足すという三層構造にしておきます。これなら季節がずれても、コースの雰囲気が変わっても、PCで決めた“芯”は動きません。
春タイプは、コーラルのポロ+オフ白パンツをベースにして、春先はミルキーグリーンのニットベスト、真夏は白サンバイザー、秋口はキャメルの薄手ウインドを足すと、どの季節でもまとまります。夏タイプは、ラベンダーのポロ+グレー寄り白パンツをベースにして、初夏はソフトネイビーの肩掛けニット、真夏は白キャップ、秋はローズベージュのウインドを足します。
秋タイプは、キャメルのポロ+サンドベージュのパンツをベースにして、春先はオリーブのニット、秋本番はテラコッタのアウター、冬場の練習場はブラウンのベストを重ねます。冬タイプは、白ポロ+ネイビーパンツか、ネイビーポロ+白パンツのどちらかをベースに決め、そこにボルドーのグローブ・コバルトのベルト・シルバーのアクセントを季節に応じて足していきます。
季節で変えるべきは「白の量」と「濃色の比率」です。春・初夏の強い日差しの日は白を多めにして、顔まわりだけPC色を差します。秋・冬・曇天の日は濃色を多めにし、えりの見返しやインナーにPC色を仕込んでおきます。
PCに合わない白(黄ばむ白・青すぎる白)を着なければならないドレスコードの日は、えりの内側・袖口・前立てからPCをのぞかせるだけでも、室内での顔色が一気に変わります。
買い物チェック・Q&A・用語辞典(拡張)
買い物をするときは、まず手持ちのゴルフウェアを色順に並べ、「パーソナルカラーに合っている色」「合っていないが着る場面がある色」に分けます。合っていない色でも、顔に近いところにPC色のインナーやニットベストを差し込めばそのまま使えますし、ベルト・キャップ・グローブをPCの温度にそろえれば、外では浮かなくなります。
次に、よく行くコースの背景色を思い出します。白い建物が多い洋風コースなら、濁りの少ない・明るいPCを。樹木が多く落ち着いた和風コースなら、少しだけ深いPCを。リンクス風の風が強いコースなら、風でめくれても内側にPCが見えるレイヤーにしておくと安心です。最後に、キャップ・サンバイザー・ベルト・グローブ・ソックスをトップスと同じ温度でそろえれば、急なラウンドでもきれいに整って見えます。
Q1. 白いポロがドレスコードで指定されていても、顔が沈みます。
A. 真っ白が本当に得意なのは主にブルベ冬です。春・夏・秋は、白ポロの下にPC色のアンダーウェアや薄手ニットを着て、えり元・袖口・前立てから少しだけ見せてください。顔の一番近くにあなたの色があるだけで、白でも老けません。さらに口紅をPCに合わせれば、全体がなじみます。
Q2. くすみグレーのパンツを持っていますが、何を合わせても地味です。
A. グレーが地味に見えるのは、あなたのPCと温度がずれているからです。春・秋なら黄みを含んだグレージュやトープに、夏・冬なら青みを含んだブルーグレーに寄せると、一気に洗練されます。トップは必ずPC色を選び、ベルトとキャップも同じ温度でそろえてください。
Q3. カラーパンツを履きたいのですが、悪目立ちしませんか。
A. トップがPC色で落ち着いていれば、パンツが季節色でも悪目立ちしません。春ならミルキーグリーンやコーラル寄りピンク、夏ならスモーキーミントやラベンダーグレー、秋ならオリーブやテラコッタ、冬ならコバルトやワインなど、PCと同じ温度の色を選んでください。トップスがくすみすぎているときは、ベルトをPCにして中和します。
Q4. 接待で年上の男性が多いときはどうすればいいですか。
A. PC色の中でも一番落ち着いたトーン(春ならミルクティーや淡キャメル、夏ならブルーグレーやローズベージュ、秋ならカフェオレやオリーブ、冬ならディープネイビーやチャコール)を選び、白・ベージュ・ネイビーと組み合わせます。明るすぎる色は控え、ベルト・キャップ・グローブで季節をほんの少しだけ出すと、きちんと見えるのに地味すぎないバランスになります。
Q5. 雨の日や風の強い日は色がくすみます。
A. レインウェアやウインドブレーカーの表地があなたのPCから外れていると、外側だけがくすんで見えます。外を生成り・白寄り・PCに近いベージュ・グレー寄りホワイトにし、中をPC色にしておくと解決します。外を濃色にするときは、中を必ずPC色にして、えりやファスナーのすき間から見えるようにしてください。
Q6. 練習場とコースでは同じ色でいいですか。
A. 練習場は白い照明で芝の反射も少ないので、やや派手な色でも問題ありませんが、コースでは自然光と芝の反射が強くなるため、練習場で「少し派手かな」と感じた色は、コースでは小さい面積で使うか、PC色のインナーを足してから着ると安全です。
Q7. 年を重ねてから急に似合う色が減った気がします。
A. 肌の透明感や首の赤み、目元のコントラストが変化すると、若い頃と同じ強さの色が硬く見えることがあります。その場合でもPCの“温度”はほとんど変わらないので、同じ温度の中で明度を一段上げる、彩度を一段落とすという調整で続けて着られます。白がきつく感じたら生成りに、ネイビーがきつく感じたらソフトネイビーに、オリーブが重く感じたらセージに変えると続けやすいです。
用語辞典
鹿の子(かのこ):ポロシャツに多い凹凸のある編み方。光が乱反射するので、顔の影がやわらぎ、クラブハウスの室内灯でもくすみにくい。
温度(色のあたたかさ・冷たさ):黄みを感じるか、青みを感じるかという違い。同じ温度でそろえると高見えし、違う温度を混ぜるとカジュアルに寄る。
差し色:ベースの色に対して少量だけ入れる目立つ色。PCで土台を作ってから使うと、華やかさだけを足せる。
見返し:えりや前立ての内側に見える部分。ここをPC色にしておくと、白ポロやドレスコードの色を着ても顔色がよく見える。
マイクロツイル/マイクロファイバー:細い糸を高密度に織った機能素材。適度な光沢があり、冬タイプや秋タイプのように“しっかり見せたい”人に向く。
色温度をそろえる:同じ黄み寄り・青み寄りでまとめること。スポーツブランド同士でも温度が違うと急に安っぽく見えるので、PCを基準に温度を見極めると失敗しない。
中明度でまとめる:明るすぎず暗すぎない中くらいの明るさで統一すること。屋外でも室内でも顔が沈まず、写真にも強い。

