虹のようにたくさんの色が並んだレインボーカラーは、見ているだけで気分が上がります。でも実際に身につけようとすると、
「かわいいけれど、自分が着ると子どもっぽい」「派手で浮いて見える」「顔色がくすんでしまう」
と感じて、そっと棚に戻した経験はないでしょうか。とくにパーソナルカラー診断を受けてからは、似合う色の範囲を意識するぶん、赤・オレンジ・黄・緑・青・紫と温度も明るさも違う色が一列に並んだレインボーは、どう合わせれば良いのか迷いやすい配色です。
結論から言うと、レインボーカラーは**「全部を同じ強さで着ようとしないこと」と、「自分のパーソナルカラーに合う帯を主役にして、苦手な帯は小さく・遠くに・透けさせて使うこと」**さえ守れば、どのタイプでも取り入れられます。色を我慢するのではなく、得意な色を一番目立つ場所に、苦手な色はそっと添え役として散らすイメージです。
このガイドでは、まずレインボーカラーがなぜ難しく感じられるのかをやさしく整理し、そのうえで春・夏・秋・冬タイプ別に「どの色を太く、どの色を細く見せるか」「顔に近い場所にはどの帯を置くか」を具体的に解説します。
さらに、通勤・休日・推し活・行事などシーン別の使い分けも表でまとめました。最後にQ＆Aと用語辞典をつけているので、読み返しながら何度でも使える内容になっています。
パーソナルカラー別レインボーカラーの考え方の基本
レインボーカラーが難しいと感じる本当の理由
レインボーカラーが難しく感じられる一番の理由は、一枚の中に「得意な色」と「苦手な色」が必ず混ざるからです。パーソナルカラーでは、
- イエベ春・イエベ秋……あたたかい色が得意
- ブルベ夏・ブルベ冬……冷たい色が得意
という大きな違いがあります。ところが虹は、あたたかい赤・オレンジ・黄から始まり、真ん中で中立的な緑を通って、最後は青・紫という冷たい帯に変わっていきます。
つまり、どのタイプでも
- 「この辺りは得意」「この辺りは苦手」
という部分が一本の中に混ざっているのです。それを全部同じ太さ・同じ面積で顔の近くに持ってくると、得意と苦手が打ち消し合い、
- 顔がなんとなくぼやける
- 服だけが浮いて見える
という状態になりやすくなります。
似合うレインボーカラーの三つの条件
レインボーカラーを「似合う側」に寄せるには、次の三つを意識すると分かりやすくなります。
1つめは、主役にする帯をパーソナルカラーの得意ゾーンから選ぶことです。たとえば春タイプなら赤〜オレンジ〜黄寄り、夏タイプなら青〜紫寄りというように、「この辺りを大きく見せる」と最初に決めます。
2つめは、苦手な帯を小さく・遠くに・透けさせて使うことです。面積を細くする、顔から離れた位置（スカートや靴）に移す、透ける素材の上にのせるなど、少しずつ存在感を弱めてあげれば、苦手色でも十分楽しめます。
3つめは、全部を“はっきりくっきり”見せようとしないことです。水彩絵の具のようなにじみ柄や、ふんわりした糸で編んだニットなど、境目がやわらかくなっているものを選ぶと、色どうしが自然につながり、顔色もなじみやすくなります。
パーソナルカラー別「得意ゾーン」と「苦手ゾーン」早見表
下の表は、四つのタイプ別に、レインボーカラーの中で得意な帯と苦手な帯をまとめたものです。コーディネートを考えるときは、得意ゾーンを太く、大きく、顔の近くに。苦手ゾーンは細く、小さく、顔から離して使うと覚えておくと応用しやすくなります。
| タイプ | 得意な帯の目安 | 少し注意したい帯 | 顔周りに置くと安定する色 |
|---|---|---|---|
| イエベ春 | 赤〜オレンジ〜明るい黄〜黄みのある黄緑 | 深い青、濃い紫 | コーラル、アプリコット、レモン、ミント |
| ブルベ夏 | 薄い青〜水色〜ラベンダー〜ローズ寄りのピンク | くっきりしたオレンジ、濃い黄 | スカイブルー、ラベンダー、ライラックピンク |
| イエベ秋 | 深い赤〜赤茶〜マスタード〜オリーブに近い緑 | 真っ白に近い白、冷たい青紫 | テラコッタ、マスタード、モスグリーン |
| ブルベ冬 | はっきりした赤〜青〜紫〜マゼンタ | にごりのある黄緑、くすんだ紫 | レッド、ロイヤルブルー、マゼンタ |
イエベ春タイプ×レインボーカラーの取り入れ方
顔周りは「春の花」のような明るい帯を主役に
イエベ春タイプは、明るくあたたかい色を顔の近くにもってくると、一気に血色がよく見えるタイプです。そのため、レインボーカラーの中でも
- 赤みのあるピンク
- コーラル、サーモン
- オレンジ、アプリコット
- レモンイエロー
といった「春の花」や「熟しかけの果物」を思わせる帯を、いちばん太く見せるのがおすすめです。
たとえば、レインボーボーダーのニットなら、顔の近くに来る部分がコーラル〜アプリコット〜レモンになるような配色のものを選び、その下にミントグリーンやごく薄い水色が細めに入っているデザインだと、とてもなじみやすくなります。首元に巻くストールやスカーフなら、全ての色が同じ太さで連なっているものより、赤〜オレンジ〜黄の帯が太く、青〜紫の帯が細く入っているものを選ぶと、顔の映りがぐっと良くなります。
レインボーを使った春タイプのおすすめ配色例
イエベ春が使いやすい、レインボーカラーを取り入れた配色を、トップス・ボトム・小物の組み合わせで例にしてみます。
- 上：レモンイエロー〜ミントの淡いグラデーションニット
- 下：白のフレアスカート
- 小物：コーラルのショルダーバッグ＋ヌーディーなベージュパンプス
このように、顔まわりに明るい黄〜黄緑を置き、青や紫はあえて使わない、または小物の柄にほんの少しだけ入れる程度にすると、春タイプらしい軽さが出ます。どうしても青や紫も楽しみたいときは、髪飾りや靴下、ブレスレットなど、顔から距離がある場所に置くとバランスが取りやすくなります。
春タイプが避けたい使い方と工夫
春タイプが気をつけたいのは、
- 深いロイヤルブルーを太く入れる
- 濃い紫を顔まわりに大きく使う
という二つです。これをすると、一気に肌が黄ばんで見えたり、目の下の影が強く見えたりしやすくなります。同じ青系でも、明るい水色・ターコイズ寄りの青なら、細い線として入れるぶんには十分楽しめます。手持ちのレインボーアイテムが「青や紫が目立つ配色」のときは、上から白やベージュのカーディガンを羽織って見える面積を減らす、スカートやパンツとして下半身にもっていく、といった工夫をしてみてください。
ブルベ夏タイプ×レインボーカラーの取り入れ方
「水彩レインボー」でやわらかく取り入れる
ブルベ夏タイプは、やわらかい青系・紫系・バラ色のピンクを身につけたときに、一番肌がなめらかに見えるタイプです。レインボーカラーを取り入れるときは、原色そのままのくっきりした配色より、
- スカイブルー
- ブルーグレー
- ラベンダー
- ライラックピンク
- ローズグレー
といった、水彩絵の具で薄くのばしたような「水彩レインボー」を意識すると、顔になじみやすくなります。
たとえば、レインボー柄のストールなら、赤・オレンジ・黄色はごく少なく、青〜紫〜ローズ系の帯が多いものを選ぶのがコツです。もし七色すべてがしっかり入っているデザインでも、水彩風に境目がにじんでいるもの、シフォンやオーガンジーなど薄くて透ける素材のものなら、黄やオレンジが入っていても意外となじみます。
顔周りに向くレインボーの帯と位置
夏タイプが顔の近くに置くときは、次のような順番で選ぶと安定します。
- 首元……ラベンダー〜ライラックピンク中心のレインボースカーフ
- 耳元……淡い紫・ローズ系のグラデーションイヤリング
- 胸元……スカイブルー〜ブルーグレーの細いボーダーや柄
このように、青と紫の間のやわらかい帯を主役にして、オレンジや黄色は少し離れた位置（スカートや靴、カバンの柄など）に移動させると、顔色が均一に見えます。全身でレインボーを使うのではなく、「上半身は水彩レインボー、下半身は無地のネイビーやグレー」といった組み合わせも、とても使いやすいです。
夏タイプが気をつけたいポイント
ブルベ夏タイプが注意したいのは、
- 真っ赤や濃いオレンジを太く使う
- 鮮やかな黄を首元に大きく入れる
という二つです。これをすると、肌が黄ばんで見えたり、赤みが強く出てしまうことがあります。同じ暖色でも、ソルベのように白を多めに含んだやさしいオレンジや淡い黄なら、小さな面積でなら取り入れ可能です。どうしてもビビッドなレインボーTシャツを着たい日には、上から青みのあるカーディガンやジャケットを羽織り、首元近くに見える色をラベンダーやスカイブルーに寄せると、顔色のくすみを抑えられます。
イエベ秋タイプ×レインボーカラーの取り入れ方
「秋の虹」に変換して考える
イエベ秋タイプは、深みと落ち着きのあるあたたかい色で、顔立ちが引き締まり、全体が上質に見えるタイプです。レインボーカラーをそのまま着ると、鮮やかすぎて落ち着きがなく見えることがあります。そこで、秋タイプは虹をそのまま着ようとせず、
- レッドオレンジ
- 焦がしたようなオレンジ
- マスタード
- 枯葉のような黄土色
- モスグリーン、オリーブ
- ブロンズ、カッパー
といった、「秋の夕焼け」や「森の景色」を思わせる帯をつなげた**“秋の虹”**に置き換えて考えると、とたんに扱いやすくなります。
顔まわりはテラコッタ・マスタード・モスグリーンで
秋タイプが顔の近くでレインボーを取り入れるときは、
- テラコッタ（赤茶）
- マスタード（からし色）
- モスグリーン（深い黄緑）
を中心にすると安定します。たとえば、テラコッタ〜マスタード〜オリーブのグラデーションスカーフを首元に巻き、トップスとボトムは黒・チャコールグレー・エクリュなどモノトーンでまとめるだけでも、「大人のレインボー」になります。七色がすべて入ったニットでも、顔のそばに来る部分だけが秋色寄りなら、全体になじみます。
素材は、リネン、ウール混、スエード風、マットなレザーなど、光を吸うものを選ぶと、色数が多くても落ち着いて見えます。ツヤツヤしたサテンなどで七色がはっきり入ると、どうしても衣装っぽく見えやすいので、使うとしても面積を小さく、バッグや靴などにとどめておくと安心です。
秋タイプが避けたい使い方と調整のコツ
秋タイプが避けたいのは、
- 真っ白×原色レインボーのTシャツ一枚で着る
- 鮮やかな青紫を首元に広く使う
といった使い方です。こうすると、せっかくの肌や髪の深さが薄れて見えます。同じレインボー柄でも、上からキャメルやカーキのカーディガンを羽織って顔まわりの色を秋色で囲むと、印象が大きく変わります。ボトムでレインボーを使うときは、トップスをテラコッタやマスタードにして、「上は秋色、下に少しだけ虹」というバランスにすると、無理なく楽しめます。
ブルベ冬タイプ×レインボーカラーの取り入れ方
強い色はそのまま活かして「くっきりレインボー」に
ブルベ冬タイプは、もともと鮮やかで濃い色をそのまま顔のそばに持ってきても負けないタイプです。そのため、レインボーカラーも比較的「そのまま」楽しめます。ただし、にごりのある色や黄みに寄りすぎた色はやや苦手なので、選ぶときは
- くっきりした赤
- クリアなオレンジ寄りレッド
- はっきりした黄（くすみが少ないもの）
- エメラルドグリーン
- ロイヤルブルー
- マゼンタ、パープル
といった、写真で見ても色名が分かるような澄んだ色が多い配色を選ぶと良いでしょう。
黒のワンピースに、七色の太ボーダーのストールを巻く。白シャツ×黒パンツに、レインボーのニットベストを重ねる。黒タートルにレインボー配色のネックレスを合わせる。こういった組み合わせは、冬タイプだからこそ着こなせる華やかさです。
顔周りは黒・白と組み合わせて輪郭をくっきり見せる
冬タイプがレインボーを使うときのポイントは、必ずどこかに黒か白を入れて輪郭をはっきりさせることです。レインボーだけが大きな面積で見えると、たとえ色自体は得意でも、どこか落ち着かない印象になることがあります。レインボーのトップスを着るなら、ボトムは黒一色にする。レインボーのスカートをはくなら、トップスは白か黒のシンプルなものにする。このように、「虹＋無地一色」という形にすると、全体がすっきりまとまります。
冬タイプが気をつけたいポイント
冬タイプが意外と注意したいのは、
- グレーがかった黄緑
- くすんだ水色
- にごりのある紫
といった、ぼんやりした中間色です。これらの色がレインボーの中で太く入っていると、せっかくの透明感が少し弱く見えることがあります。そういう配色のアイテムをすでに持っている場合は、黒ジャケットや白シャツを重ねて、にごり色を「見せたい色の外側にだけ細く残す」と、ぐっと着やすくなります。
シーン別レインボーカラーの使い分けと小物の選び方
通勤・日常：ちらりと見えるレインボーで気分を上げる
毎日の通勤や日常でレインボーカラーを使うときは、**「面積は小さく」「顔から少し離した位置に」「ベースは無地」**を意識すると、派手になりすぎず取り入れやすくなります。
たとえば、
- 黒や紺のジャケットの袖口から、レインボーのニットの袖を少しだけ見せる
- 白シャツ×無地のパンツに、虹色の細いベルトを通す
- シンプルなワンピースに、レインボー配色のシュシュやヘアピンを合わせる
といった「ちら見せ」なら、職場でも使いやすく、気分転換にもなります。このとき、顔の近くに来る部分だけはパーソナルカラーに合う帯を選ぶと、さりげなく「似合っている」印象になります。
推し活・イベント：写真映えを意識して面積を増やす
ライブやイベント、テーマパークなど「今日はとことん楽しみたい」という日には、レインボーカラーの面積をあえて増やしてみるのも良いでしょう。その代わり、ベースの色を一色に決めるのがコツです。
- 春タイプ……白や明るいベージュをベースに、春色寄りのレインボートップス
- 夏タイプ……グレーやスモーキーネイビーをベースに、水彩レインボーのストール
- 秋タイプ……黒やキャメルをベースに、秋色レインボーのスカート
- 冬タイプ……黒や真っ白をベースに、原色レインボーのニット
このように、ベースとレインボーの役割分担をはっきりさせると、写真映えもしつつ、本人にもなじみます。
小物だけで楽しむレインボーカラー
服でレインボーを取り入れるのが難しいと感じる場合は、まず小物から始めてみてください。おすすめは、
- 靴下・タイツ
- シュシュ・ヘアゴム
- スマホストラップ
- トートバッグの持ち手
など、日常でよく目に入るけれど、面積は大きすぎない場所です。ここで慣れてから、ストールやトップスなど少しずつ面積を広げていくと、自分に似合う帯の感覚もつかみやすくなります。
シーン別のおすすめを、簡単な表にまとめておきます。
| シーン | ベースの色 | レインボーを置く場所 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 通勤・日常 | 黒・紺・グレー・白 | ベルト、靴下、ヘアゴム、スカーフの端 | 面積小さめ、ちらっと見える程度に |
| 推し活・イベント | 白、黒、ベージュ、ネイビー | トップス、ワンピース、ストール | ベースは無地一色にして虹を主役に |
| 行事・きちんと服 | ネイビー、グレー、黒 | バッグの持ち手、ポーチ、内側の裏地 | 服は落ち着かせて、小物で遊ぶ |
| 旅行・レジャー | デニム、ベージュ、カーキ | 帽子、サコッシュ、靴紐 | 写真に写る位置に入れる |
Q＆Aと用語辞典
Q＆A：よくある疑問とこたえ
Q1. レインボーの中にどうしても似合わない色があります。その色だけ避けたほうが良いですか。
無理に避けなくても大丈夫です。その色を太く・大きく使うのではなく、細く・小さく・顔から離して使えば、全体で見たときに違和感はぐっと減ります。たとえば苦手な青があるなら、靴下やバッグの端、髪飾りなどに少しだけ入れるところから試してみてください。
Q2. 七色全部を入れないと“レインボーっぽく”見えませんか。
そんなことはありません。三〜四色でも、順番や明るさを工夫すれば十分レインボーらしさは出ます。自分のパーソナルカラーの得意ゾーンから三色、そこに反対側の帯を一色だけ足す、という考え方が扱いやすくおすすめです。
Q3. 子どもとおそろいでレインボーを着たいです。大人が気をつけることはありますか。
おそろいにするときは、子どもは原色レインボー、大人はパーソナルカラーに寄せたレインボーにして、小物だけ同じものにすると、ほどよい統一感が出ます。たとえば子どもは七色のTシャツ、大人は水彩レインボーのストールにして、同じ柄のハンカチだけをおそろいにする、などです。
Q4. 仕事で使えるレインボーはありますか。
あります。ストールの端だけレインボーになっているものや、靴下・ペンケース・名札ストラップのような小物なら、落ち着いた服装と合わせても浮きにくく、さりげなく心の余裕を感じさせてくれます。顔に近い部分だけはパーソナルカラーに合う帯を選びましょう。
用語辞典：この記事でよく出てくることば
レインボーカラー
赤・オレンジ・黄・緑・青・藍・紫など、虹のように色が続いて並んでいる配色のこと。必ずしも七色すべてを同じ幅で使う必要はない。
パーソナルカラー
肌・髪・目の色と調和しやすい色のグループのこと。ここでは「春・夏・秋・冬」の四つに分けて説明している。
得意ゾーン・苦手ゾーン
レインボーの帯の中で、その人のパーソナルカラーと調和しやすい部分を「得意ゾーン」、顔色がくすんだり黄ばんで見えやすい部分を「苦手ゾーン」と呼んだもの。得意ゾーンを太く・大きく、苦手ゾーンを細く・小さく使うとバランスが取りやすい。
水彩レインボー
原色のようなくっきりした虹ではなく、水彩絵の具を水でのばしたようなやさしい虹配色のこと。ブルベ夏タイプに特になじみやすい。
秋の虹
レッドオレンジやマスタード、モスグリーンなど、秋の景色にある色だけで組んだ虹配色のこと。イエベ秋タイプがレインボーカラーを取り入れるときの考え方として使うと分かりやすい。