導入(共感→結論→再現性)
朝は整っていたのに、昼にはおでこが光る、小鼻はヨレて毛穴が目立つ、夕方はくすみで元気がない——。ブルベの“テカり問題”は、水分と油分の配分、青み/黄みのバランス、粉の置き方、そして塗る回数が噛み合っていないのが主因です。
結論はシンプル。水分は“面”で満たし、油は“点”でふた、色は青み中立(ラベンダー〜薄ローズ)で統一、質感は面=半艶・点=つや控えめ。さらに待ち時間(20〜40秒)と一往復ルールを守れば、誰でもテカらず・ヨレず・透明感キープが再現できます。
このガイドは、原理→下地→ファンデ→仕上げ粉→実務テンプレ(季節/肌質/場面/時間帯)→Q&A→用語の順で**“迷ったらそのまま真似できる手順”**まで落とし込みます。数値めやす・表・チェック項目を多めに入れ、今日から失敗なく実装できるように設計しました。
1. テカりを止める原理(ブルベ×色と質感の相性)
1-1. テカりが起きる5大原因(原因→症状→初動)
- 水分不足→表面が乾いて皮脂が早く出る→早テカり。⇒ 化粧水を“頬多め”で面補給、小鼻は控えめ。
- 油の置きすぎ→Tゾーンがヨレる/崩れる。⇒ 油は目尻・口角など“点”に米粒。
- 色の不一致→黄ぐすみや白浮き→反射が汚く見える。⇒ ラベンダー/薄ローズで青み中立へ。
- 質感ミスマッチ→全顔マットで粉感→皮脂反射でギラつく。⇒ 面は半艶/点だけつや控えめ。
- 回数過多→こすれで皮脂誘発→小鼻が割れる。⇒ 一往復ルールで止める。
テカりサインと即対処 早見表(ブルベ)
| サイン | 原因 | 即対処 | 次回の工夫 |
|---|---|---|---|
| 鼻先ギラつき | 粉不足/油過多 | つや控えめ粉を点で一押し | 鼻は下地半量に |
| 額の面光り | 水分不足 | ミスト→20秒→半艶粉 | 朝の化粧水**+20%** |
| 小鼻ヨレ | 回数過多 | 温度でならす→粉点 | スポンジは置いて引く |
| 夕方くすみ | 黄み寄り/酸化 | 薄ローズを頬高めに点 | 粉は無色〜青み中立 |
| 眉間テカり | 触りぐせ/前髪 | 触らず粉ひと押し | 前髪が当たる帯に粉先置き |
1-2. ブルベの正解トーンと質感(数値めやす)
- 明るさ:首の明るさ**±0.5段**以内。明るすぎは白浮き→ギラつきの原因。
- 色み:青み中立〜やや青寄り。黄み粉はくすみの呼び水。
- 質感:面=半艶で清潔感、点(小鼻・眉間・口角)=つや控えめで光を制御。線(鼻筋・頬の稜線)は粉を通しすぎない。
1-3. 面・点・線の“皮脂マップ”と触りぐせ矯正
- 面(頬・額中央・あご):水分で整地→半艶粉で均一。
- 点(小鼻・眉間・口角):つや控えめ粉を点でストッパー。
- 線(鼻筋/頬の稜線):粉は通さず、反射を拾わせない。
- 触りぐせ対策:頬杖/前髪が当たる帯には粉の先置き。無意識の接触がテカりを呼びます。
1-4. 環境(照明・湿度・気温)での見え方の差
| 環境 | 起きやすい崩れ | 確認ポイント | 先回り対策 |
|---|---|---|---|
| 電球色の室内 | 黄ぐすみ強調 | 首との色差 | 薄ローズを頬高めに点 |
| 昼光色の室内 | 粉っぽく反射 | 小鼻〜目下の粉筋 | ミスト→20秒→半艶粉 |
| 曇天の屋外 | 顔色沈み | 頬の明るさ | ラベンダーを点、鼻筋は粉なし |
| 炎天下/強照明 | ギラつき | 鼻筋の反射 | 線を通さない+控えめ粉を点 |
2. 下地:テカりを決めるのは“置き方”と“範囲”
2-1. 手順(全顔で小豆1粒+待ち時間)
1)化粧水→乳液:頬に2:1で配分し30秒なじませ。
2)仕込み油:乾く所へ米粒1〜2を点。Tゾーンはなし。
3)下地:全顔小豆1粒を5点置き→内→外に指の腹で薄く。額・鼻は半量。
4)20〜40秒待って定着。待ち時間が皮脂暴発のブレーキです。
2-2. 色補正は“点”で効かせる(青み中立の作り方)
- 赤み:小鼻横/頬中心にラベンダーを米粒。
- くすみ:頬高め/口角上に薄ローズを米粒。
- 影:目頭横と口角下は明るさ0.3段アップの下地で線の外を明るく。
2-3. 季節・肌質の切り替え(量・範囲・質感)
| 肌質/季節 | 水分/油分 | 下地 | 量 | ひと言 |
|---|---|---|---|---|
| 乾き×テカり | 水分多・油点だけ | うるおい+部分皮脂抑え | 小豆1〜1.2粒 | 乾燥→皮脂暴発を抑える |
| 普通 | 標準 | うるおい〜標準 | 小豆1粒 | 万能 |
| 脂多め | 水分多・油控え | 皮脂抑え | 小豆0.8粒 | 置きすぎ注意 |
| 夏 | さらり | 皮脂抑え寄り | 少なめ | 汗・湿気対策 |
| 冬 | しっとり | うるおい寄り | 標準 | 乾燥崩れ→テカり防止 |
2-4. 成分と触感の見分け(やさしい辞典)
うるおい系はグリセリン/ヒアルロン酸など。つけた直後ぺた→30秒後つるに変われば合格。皮脂抑え系は皮脂吸着粉末入り。ザラつくなら量を半分に、範囲は点に縮小します。香りが強いものは敏感肌には不向き。
2-5. 量の定規(指先スケール)
| 指の面積 | 下地の目安 | 適用部位 | オーバーのサイン |
|---|---|---|---|
| 人差し指第一関節 | 顔全体(小豆1粒) | 全顔 | べたつきが残る |
| 小指の爪先 | 皮脂抑え | 小鼻/眉間 | 白く筋になる |
| 米粒半分 | 色補正 | 頬高め/口角上 | 地肌色が消える |
3. ファンデ:薄膜で“面を均し、点で止める”
3-1. 種類別の使い分け(利き手感覚で選ぶ)
- 液状:薄く広く。指で置き→スポンジで置いて引く。時短と均一に強い。
- 練り:頬中心に米粒。カバーは点で足す。乾く季節や会食向き。
- 固形:直し用。小鼻・口角に点置き。重ねず欠けを埋める感覚。
3-2. 配分と色(頬7:他3/首±0.5段)
- 分量:全顔パール粒×1が上限。
- 置き順:頬→額→鼻→あご。
- 色:青み中立〜中立を首±0.5段で合わせ、頬だけ0.3段明るい下地で立体を補う。迷ったら暗い方が薄く見える。
3-3. 角度と回数(皮脂を誘発しない塗り方)
| 道具 | 当て方 | 使う場所 | コツ |
|---|---|---|---|
| 指 | 面で押し広げる | 頬/額 | こすらず温度で密着 |
| 乾スポンジ | 置いて→15度で引く | 小鼻/境目 | 厚みの段差を消す |
| 先端スポンジ | 先で点押し | 目尻/口角 | 線の上は触らない |
3-4. 首・耳・うなじの一体化(写真で差が出る)
- 首:ファンデの余りで1回なでる。
- 耳:赤みが出る人は粉を一押しで色差を整える。
- うなじ:まとめ髪の日は粉を薄くでテカり防止。境目が整うほど、皮脂の反射は目立たない光に変わる。
3-5. 仕上がりセルフ点検(30秒チェック)
1)横顔の頬高めに粉の筋が無いか。2)小鼻のまわりに厚みの段差が無いか。3)首との明るさ差が±0.5段か。3つが揃えば、皮脂が出ても汚く見えません。
4. 仕上げ粉:つける“順番と範囲”が持ちを決める
4-1. 粒度/色/質感の選び方(ブルベ相性)
- 粒度:テカりやすいほど細かい粉で凹凸を均一に。
- 色:無色〜青み中立。黄み粉はくすみの原因。
- 質感:面=半艶、点=つや控えめ。線(鼻筋/頬の稜線)は通らない。
4-2. つけ方(面=大筆、点=小筆)
- 面:大筆で頬→額→鼻横→あごを各1往復。
- 点:小筆で小鼻・眉間・口角に一押し。
- 仕上げ:清いスポンジで余分オフ、粉の筋ゼロへ。
4-3. ミストとの合わせ技(順番が命)
- 乾燥×テカり:ミスト→20秒待つ→半艶粉を面→小鼻に控えめ粉を点。
- 湿気×テカり:半艶粉を面→控えめ粉を点→ミストは遠くから1回。順番が逆だと膜が崩れます。
4-4. 粉の粒度セルフ診断と“薄×2”手法
| 見え方 | 合っているサイン | 合っていないサイン | 変更案 |
|---|---|---|---|
| 直後 | すべすべ、しっとり半艶 | 表面がざらつく | より細かい粉へ |
| 1時間後 | 半艶が続く | 毛穴に白い粒が溜まる | 点のつや控えめ粉に切替 |
| 夕方 | くすみなし | 白浮き/灰見え | 無色〜青み中立へ色を戻す |
薄×2=半艶粉を面にごく薄く→つや控えめ粉を点に極薄。厚く一回より薄く二回が反射をきれいに整えます。
4-5. シーン別・粉の使い分け
| 場面 | 粉の質感 | 量 | 道具 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 日常 | 半艶 | 薄 | 大筆 | 面を整える |
| 写真 | つや控えめ+半艶の薄×2 | 薄×2 | 小筆+大筆 | 白飛び防止 |
| 長時間 | 半艶+鼻先つや控えめ | 標準 | 大筆+スポンジ | 持ちを延ばす |
| 強照明 | 半艶の薄×2 | 薄×2 | 大筆 | 均一な面でギラつき防止 |
| 屋外風強め | 半艶→控えめ点増 | 薄 | 小筆 | 風での乾燥テカり予防 |
5. 実務テンプレ(季節/肌質/場面/時間帯)+Q&A・用語
5-1. 季節テンプレ(そのまま実行)
- 春:うるおい下地→液状薄膜→半艶粉。花粉日は目尻の粉を減らす+触らない。
- 夏:水分多→皮脂抑え下地少量→液状極薄→小鼻につや控えめ粉。汗を拭く時は押す。
- 秋:仕込み油米粒→練りを頬中心→半艶粉を面。空調の風は顔から外す。
- 冬:乳液多め→うるおい下地→練り米粒×2→半艶粉は一往復のみ。ミストは粉前に。
5-2. 肌質テンプレ&直し動線(30秒で復活)
| 肌質 | 下地 | ファンデ | 粉 | 直し |
|---|---|---|---|---|
| 乾き×テカり | うるおい+部分皮脂抑え | 練り少量 | 半艶+小鼻だけ控えめ | ミスト→粉点 |
| 普通 | 標準 | 液状薄膜 | 半艶 | 皮脂紙→粉一押し |
| 脂多め | 皮脂抑え | 液状極薄 | 控えめ点多め | 鼻先/眉間中心 |
| 敏感 | 低刺激 | 液状薄膜 | 無色〜半艶 | 触る回数を減らす |
5-3. 場面テンプレ(通勤・会食・屋外・在宅・撮影)
- 通勤:ラベンダー下地→液状薄膜→半艶粉、鼻は粉一押し。
- 会食:薄ローズを頬高め→練り米粒→目尻だけ控えめ粉。
- 屋外/長時間:ミスト→半艶粉→口角は温度でならす→控えめ粉を点。
- 在宅/画面:頬の半艶を薄×2、鼻筋は粉を置かない。
- 撮影/照明強め:粉を控えめ→半艶の薄×2でギラつきと白飛び回避。
5-4. 朝・昼・夕の時間割(目安と合図)
| 時間帯 | 所要 | やること | 合図/注意 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 5〜7分 | 保湿→下地→ファンデ→粉 | 待ち時間と一往復 |
| 昼 | 30秒 | 皮脂紙→線を温度でならす→粉点 | こすらない/線上は触らない |
| 夕 | 40秒 | 口角・小鼻のみ整える | 重ねすぎ禁止/粉は点だけ |
5-5. Q&A(よくある疑問)
Q1. 昼にどうしてもテカる。
A. 皮脂紙→粉一押しの30秒直し。朝は鼻だけ下地半量に変更。
Q2. 粉を増やすと老ける。
A. 面は半艶一往復、点で控えめ粉へ。線(鼻筋/頬の稜線)は通さない。
Q3. マスクで鼻がよれる。
A. 鼻先に控えめ粉を先置き→外す前に温度でならす→粉を点。
Q4. 青みが強すぎて白浮きする。
A. ファンデは中立よりに戻し、薄ローズは点で。粉は無色へ。
Q5. 皮脂抑え下地で乾く。
A. 頬=うるおい/小鼻=皮脂抑えの二刀流。範囲を点へ縮小。
Q6. ミストの量が分からない。
A. 顔から30cm離して1回が基本。水滴が残るなら近すぎ/多すぎです。
5-6. 用語辞典(やさしい言い換え)
半艶:光りすぎず、しっとり見える質感。
つや控えめ粉:つやを抑える粉。点使い向き。
薄膜:肌の動きに沿う、ごく薄い層。
面/点/線:塗る範囲の考え方。面=広い部分、点=細部、線=高い筋。
待ち時間:下地やファンデが落ち着く20〜40秒。
青み中立:青み寄りだが強すぎない中間の色調。白浮きしにくい。
仕込み油:保湿の後に米粒だけ足す油分。乾く所にだけ点置きする。
まとめ:面は半艶、点は控えめ——色は“青み中立”、回数は“一往復”
テカらないブルベのベースメイクは、水分を面で、油は点で。青み中立で色ぶれを消し、面=半艶・点=控えめの分業に変えるだけ。待ち時間と一往復ルールを守れば、テカり/ヨレ/くすみが一気に減ります。
季節・照明・湿度・髪型・触りぐせまで含めて微調整し、表のテンプレをそのまま実行してください。“つけたての透明感”を一日キープできます。

