導入(共感→結論→再現性)
「朝のコーラルは可愛いのに、昼には顔色が抜ける」「頬は残るのに口紅だけ消える」「夏はベタつき、冬は粉をふいてムラ」——その“崩れ方の差”は、センス不足ではなく、イエベ肌×コーラルに必要な明度・赤み・艶と面積・層・固定の噛み合わせが少しずれているだけです。
結論は3行。①頬=面で仕込み→線で輪郭→粉で薄く固定 ②唇=土台→色→膜の三層サンド ③季節とTPOで艶と粉の比率を微調整。この順番を守るだけで、誰でも朝から夜まで血色が続くようになります。
この記事は春/秋タイプ別の安全コーラルと崩れ型に応じたレシピを、数値・面積・ミリで解説。今日から実践できます。
1. 原理と結論:イエベ×コーラルが長持ちする三層設計(色×面×固定)
1-1. 色の基準(明度・赤み・艶)
春タイプは明度7〜9/赤みは中−/艶は微光、秋タイプは明度4〜6/赤みは中+/艶は半つや〜セミマットが安定。頬と口は**同温度(黄寄り)**で合わせ、濁り防止に青み要素は最小にします。服や小物が寒色でも、頬と口の温度は揃えると色が長持ちに見えます。
1-2. 面積の配分(頬<口=小物)
頬は直径2.5〜3.0cmの小面積×左右1、口は上下の内側を中心に一往復。マスクや食器と触れる縁は意図的に薄く保つのがコツ。アクセやスカーフの**点の赤(小粒の金/オレンジ寄り)**で温度を補強すると、夕方の“抜け”を防げます。
1-3. 固定の順序(湿→乾→湿)
湿(練り)→乾(粉)→湿(ミスト)のサンドが基本。脂性肌は乾→湿→乾、乾燥肌は湿→湿→乾に調整。粉は境界だけ、ミストは1プッシュで粒を寝かせるのが長持ちの鍵です。
表:長持ち三層の基本値(基準)
| パーツ | 出発点の質感 | 面積/量 | 固定の順序 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 頬 | 練り(微光) | 直径2.5〜3.0cm | 練り→粉→ミスト | 面で血色→薄膜固定 |
| 唇 | 下地(保湿) | 一往復 | 下地→色→膜→粉→膜 | にじみ防止と艶持続 |
| 目 | コーラル点少 | まぶた中央小面 | 灰(影)→点の光 | 血色の温度連動 |
表:艶×粉×持続の相関(体感)
| 艶 | 粉 | 持続 | 印象 |
|---|---|---|---|
| 高 | 少 | 中 | 華やかだが崩れやすい |
| 中 | 中 | 高 | 最も安定・場面を選ばない |
| 低 | 多 | 中〜高 | 落ちは遅いが乾きやすい |
三層設計チェック:鏡で頬=面/口=内側/粉=境界のみが守れていれば、崩れ方が均一になります。
2. 仕込み:下地・土台・固定(朝5分で変わる)
2-1. 肌の下地(色ムラを先に整える)
まず赤み・くすみ・毛穴の順で対処。頬中央の赤みが強い日は黄ベージュを米粒大、小鼻脇は薄く点置き。首との段差を抑えるとコーラルが濁りません。艶の置き場は、頬外側と上唇山の内側だけに点で足し、額中央・目下三角・鼻先は避けると崩れにくい艶に。
2-2. 頬の下地(練り→粉で薄く固定)
練りチークは頬骨のやや内側から外上へ2.5cmの半月。指の腹で3タップ、縁1cmだけ小扇ブラシで払って境界を消す。続けて同系の粉を米粒2つ分、練りより外側0.5cmに重ね、面積を広げず密度だけ上げるのがポイント。
2-3. 口の土台(縦じわ対策→色の定着)
保湿は薄く、厚いと色が滑ります。下地は内側1/3のみにトントン。色は内側から外へ一往復し、口角は乗せない。その後ティッシュオフ→薄膜(コート/オイル膜)→中央に粉少量→再び薄膜でサンド。縁は粉だけで触れず、飲食前に薄膜を一度重ねると持ちが倍化します。
表:肌タイプ別の固定プリセット(詳細)
| 肌 | 下地 | 頬 | 唇 | ミスト | 追加メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 乾燥 | 保湿厚→薄色補整 | 練り多→粉少 | 膜厚→粉少 | 多め1〜2プッシュ | 粉は境界のみ |
| 普通 | 保湿中→薄色補整 | 練り中→粉中 | 膜中→粉中 | 1プッシュ | 標準比率が最適 |
| 脂性 | 皮脂下地→薄色補整 | 練り少→粉多 | 膜薄→粉多 | 少なめ0.5プッシュ | ミスト多はにじむ |
表:道具サイズ早見(目安)
| 道具 | 推奨サイズ | 使い所 |
|---|---|---|
| 小扇ブラシ | 幅20〜30mm | 頬の境界1cmだけを払う |
| スポンジ | 一辺40〜50mm | 下地の均し・口のオフ |
| 綿棒 | 先端3〜4mm | 口の輪郭ぼかし・粉点置き |
NG→OK変換:頬がムラ→練りを1タップ減+粉を境界だけ/口がにじむ→縁は塗らず粉点→膜に変更。
3. パーツ別レシピ:頬・唇・目(イエベ春/秋対応)
3-1. 頬(場所・形・濃淡の決め方)
場所は黒目の外側下の指2本外から外上へ。鼻寄りは禁止。形は半月〜雫で、縁は1cmだけぼかす。濃淡は春=明度8/赤み中−、秋=明度5/赤み中+。夕方に抜ける日は練り:粉=6:4にし、境界の粉を+1タッチだけ増やすと復活が早いです。
3-2. 唇(にじまない三層サンド)
春はコーラルピーチを内側濃/外側薄、輪郭は細く。上唇山の内側に艶点を置くと立体が持続。秋はコーラルキャメルを一往復→オフ→一往復し、粉は中央のみ。共通で、飲食前は粉→薄膜、再塗りは内側だけに限定します。
3-3. 目(温度の連動と“点の赤”)
上まぶた中央に小面積のコーラルを置き、目尻は茶で締めて温度を合わせます。下まぶたは無彩色(影色)で充血と競合させない。涙袋の艶は微光の点で、粉は置かないとよれにくいです。
表:春/秋タイプ×安全コーラル(拡張)
| タイプ | 安全色名(イメージ) | 明度 | 赤み | 艶 | 使いどころ | 失敗回避 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 春 | コーラルピーチ/アプリコット | 7〜9 | 中− | 微光 | 頬・唇の同温度連動 | 口は縁を塗らない |
| 秋 | コーラルキャメル/煉瓦ピーチ | 4〜6 | 中+ | 半つや | 唇主役/頬は面小 | 粉は中央だけ |
表:頬の“形”で起きる錯視(目安)
| 形 | 見え方 | 向く顔型 |
|---|---|---|
| 半月 | やわらか・若々しい | 面長/四角 |
| 雫 | 引き上がり・小顔 | 丸/逆三角 |
4. 季節・TPO別プリセット(通勤・会食・写真日・在宅)
4-1. 季節(春夏秋冬)
春は艶+0.5/粉既定。花粉時は頬=練り比率+10%で粉を減らし密着を優先。夏は粉+10%/艶−0.5/ミスト多→少。汗が出る部位だけ皮脂下地で点管理。秋は赤み+0.5/艶既定、照明が落ちる場では口を一往復追加。冬は保湿+10%/粉−10%/ミスト先行。マフラーの日は頬位置を+2mm上げ、擦れを回避。
4-2. TPO(通勤・会食・写真日・在宅)
通勤は頬=直径2.5cm/口=一往復/艶=微光。再塗りは昼食後に内側のみ。会食は口=二往復→オフ→一往復、上唇山に艶点で写真映え。写真日は頬=練り6:粉4/口=内側濃/艶=点、白飛び防止に粉を境界だけ。在宅は頬=直径2.0cm/口=色薄/眉=一本線を細く、画面では艶は点が安全です。
表:季節×TPO×比率早見(拡張)
| 軸 | 練り:粉(頬) | 口の回数 | 艶 | ミスト | 追い粉 |
|---|---|---|---|---|---|
| 春・通勤 | 5:5 | 1 | 微光 | 1回 | 境界のみ |
| 夏・会食 | 4:6 | 2→オフ→1 | 少 | 0.5回 | 中央点のみ |
| 秋・写真 | 6:4 | 1(内濃) | 点 | 1回 | なし〜極少 |
| 冬・在宅 | 6:4(保湿厚) | 1薄 | 微光 | 1〜2回 | なし |
4-3. 時刻別リタッチ計画(3分で復活)
- 10:30:口の内側だけ一往復→オフ→薄膜。頬は触らない。
- 15:00:頬の境界1cmに粉を1タッチ。口は粉点→薄膜で再密着。
- 帰宅前:上唇山に艶点を足し、口の中央を+0.5段。写真に強くなります。
表:湿度・温度×崩れ方チャート
| 環境 | 主な崩れ | 対策 |
|---|---|---|
| 高湿・高温 | にじみ/テカり | 粉+10%・ミスト少・皮脂下地を点で |
| 低湿・低温 | 粉ふき/割れ | 保湿+10%・粉−10%・ミスト先行 |
| 風強 | 面のムラ | 練り比率+10%・粉は境界のみ |
5. Q&Aと用語辞典(よくある疑問を先回り)
5-1. Q&A(詳しく)
Q1. 夕方に頬が消える。 練りの比率を**+10%、粉は境界だけ**。場所が内寄りだと消えやすいので外上へ2mmずらす。
Q2. 口紅がコップにつく。 一往復→オフ→一往復→粉点→薄膜。縁は塗らない。
Q3. コーラルが黄ばんで見える。 頬の艶を−0.5、目元は無彩色で温度差を整える。
Q4. マスクで色が取れる。 ミスト→粉→ミストの三段固定。頬は直径を−0.3cm。
Q5. 春タイプで濃い口がしたい。 面積小さく、上唇山の艶点で立体を稼ぐ。
Q6. 秋タイプで明るい頬は? アプリコット寄りを直径2.0cmで小面積。唇はキャメル寄りで締める。
Q7. 皮むけが目立つ。 保湿→薄オフ→練り薄→粉極少。艶は点のみに。
Q8. 口角が下がって見える。 色は内側のみ、上唇山の艶点を強調し、下唇の中央だけ+0.5段。
Q9. 写真で白飛び。 頬の艶を点化し、粉を境界1cmへ。口は中央濃→縁薄で輪郭を細く。
Q10. 汗ばむ屋外イベント。 粉+10%/ミスト少、口は粉点→膜。紙で押さえる→塗るの順を徹底。
緊急レスキュー(30秒):ティッシュで押さえる→口の内側だけ一往復→上唇山に艶点→頬の境界に粉を一撫で。これで“顔色が戻る”最短ルートです。
5-2. 用語辞典(やさしい言い換え)
微光:ぎらつかない、うっすら光る艶。
半つや/セミマット:完全なマットではないが、強い反射がない仕上がり。
一往復:中心から左右へ塗って戻る最小の塗布回数。
小扇ブラシ:扇形の小ブラシ。境界1cmだけを払うのに便利。
点の赤:小さな赤の反射。上唇山の艶点や耳の小粒アクセなど。
境界だけ粉:色の輪郭1cmだけに粉を置き、面の密度は変えず持ちを上げる技法。
まとめ イエベ×コーラルは、色(春=明るめ/秋=深め)×面(頬は小面積・口は内側)×固定(湿→乾→湿)を守るだけで長持ちします。頬は練り→粉→ミスト、唇は下地→色→膜→粉→膜。季節とTPOで艶と粉の比率を微調整し、点の赤で温度を補強すれば、朝の血色を夜まで保てます。
最後に、粉は境界だけ/縁は塗らない/艶は点で——この三つを合言葉に、日々の仕上がりの上限を更新しましょう。

