「トーンアップ下地なのに白浮きする」「顔だけピンクで首が黄土色に見える」「艶を足すとテカって崩れる」――イエベ秋の“下地迷子”は、たいてい色(黄みの澄み/ニュートラル寄り)・明度(首±0〜半段暗め)・質感(ソフトフォーカスなセミマット)・置き場所(Tは薄/Uは丁寧)のどこかがズレています。
結論は明快。黄み〜ニュートラルのベージュ系を首色に合わせ、赤みやくすみは点だけ補正、全顔は薄膜セミマットで“面(めん)”を整える――これだけで、ファンデ前から夕方の黄土化・白浮き・テカりをまとめて予防できます。
本稿では、共感→結論→再現性の流れで、色選びの手順・型別の選び方(プチプラ/デパコス)・悩み別レシピ・季節/照明/マスク運用・道具の使い分け・朝5分&30秒台本・Q&A・用語辞典まで徹底解説します。
1.まず結論:イエベ秋の“正解下地”は黄み~ニュートラル×首色合わせ×薄膜セミマット
1-1.色は黄み~ニュートラルのベージュに限定
イエベ秋に最適なのは黄みベージュ/オークル寄り。ピンク強/ラベンダー系は白浮きや灰色見えの原因になりやすく、夕方の黄ぐすみも誘発します。赤みが強い日はニュートラル寄りのベージュで土台を作り、**グリーンは“点使いのみ”**に留めると、顔全体が灰色に転ぶのを防げます。
1-2.明度は“首±0〜半段暗め”が黄金比
下地の段階で明るくしすぎると、上から黄みを足しても首との段差が残ります。まず顎下で段差ゼロを作り、必要な明るさはハイライトで後足し。これが白浮きゼロの近道です。
1-3.質感は“ソフトフォーカスなセミマット”、艶は“点と帯”で足す
全顔ツヤはテカりと崩れに直結。毛穴を淡くぼかすセミマットで“面”を整え、目尻C/眉上/唇の山にだけ小さな艶点、輪郭は薄い粉の帯で締めると、上品さと持ちが両立します。
イエベ秋・下地の指針(早見表)
観点 | ベスト | 避けたい | リカバリー |
---|---|---|---|
色味 | 黄み〜ニュートラルベージュ | ピンク強/青み強/白浮き系 | 首基準で色戻し、チークで中心に血色 |
明度 | 首±0〜半段暗め | 強トーンアップ | ハイライト/ブロンザーで微調整 |
質感 | 薄膜セミマット | 厚ツヤ/粉マット | ミストで膜復活/艶は点置き |
置き方 | T薄・U丁寧 | 一様に厚塗り | コンシーラーは点/下地で隠さない |
NG→即リカバリー表
症状 | よくある原因 | その場で直す手順 | 次回の予防 |
---|---|---|---|
白浮き | ピンク下地の全顔/明度上げすぎ | ベージュ下地を米粒で重ね→頬中央にチーク薄 | 明度は首±0固定/色は首で決める |
黄土化 | 黄み過多/厚塗り | ミスト→ティッシュ押さえ→頬中央に血色 | 色はニュートラル寄りも選択肢に |
テカり | 全顔ツヤ/粉を払う動作 | 押さえ粉→ミスト→艶は目尻Cのみ | 粉は“置く”/Tだけ強め |
毛穴落ち | 横にこすって塗布 | 押さえ塗り→ティッシュ越し粉 | スポンジで点→面に変更 |
2.色選び3ステップ:首基準→顎下連続→白壁等倍チェック
2-1.Step1|“手の甲ではなく首”で色を合わせる
フェイスライン〜首に黄み/ニュートラルのベージュ2〜3色を縦置きして比べ、白目・歯・ほうれい線が落ち着く色を採用。首で合う色=顔でも濁りにくいのが鉄則です。
2-2.Step2|顎下で段差ゼロに合わせる
鏡を斜め下から見て、顎下の境目が見えない明度が正解。段差があれば半段暗くするかニュートラル寄りに寄せて、首との連続を優先します。
2-3.Step3|白壁×自然光で等倍確認
窓辺+白壁でスマホ等倍撮影。首と頬の連続、小鼻〜口角の影が濃くないが合格ライン。浮くならベージュ下地を米粒で重ね、色が沈むならチークで中央に血色を足して中和します。
2-4.補足|“番号の読み方”のコツ(一般論)
多くの色番は明るさ(末尾の小さい数字)→暗さ(大きい数字)、**黄み寄り(Y/OC)→中間(N)といった仕様が多め。迷ったら“中明度×ニュートラル寄り”**から試し、首で一致する方向へ微調整するのが堅実です。
色×明度×質感 目安表(イエベ秋の下地)
肌トーン | ベース色 | 明度 | 質感 | 一言メモ |
---|---|---|---|---|
明るめ | ニュートラルベージュ | 首±0 | セミマット | 白浮き回避を最優先 |
標準 | 黄みベージュ | 首−0.5 | セミマット | 夕方の黄土化に強い |
ヘルシー | ゴールデンベージュ | 首−0.5 | セミマット〜ソフトマット | ブロンザーは灰色レス |
3.プチプラ・デパコス別:型で選ぶ/混ぜて最適化する
3-1.プチプラで外さない指標(見るのは3点)
①灰色味が少ないベージュ、②伸びがよく薄膜、③皮脂と乾燥の両立。迷ったら液状(リキッド)かゲル(ジェル)。ラベンダー/ピンクの全顔使用は避けると失敗が減ります。
プチプラ型別・相性表
型 | 強み | 向く肌/生活 | 置き方のコツ |
---|---|---|---|
リキッド下地 | 均一に薄く延びる | 普通/混合 | 手の甲でのばし→額/両頬/顎に点 |
クリーム下地 | 保湿と密着 | 乾燥/空調強め | 米粒→頬外→内へやさしく広げる |
ジェル下地 | みずみずしさ/軽さ | 春夏/皮脂 | T薄/U丁寧で厚み回避 |
スティック/バーム | 部分補正・持ちUP | マスク/長時間 | 小鼻/口角のみ点づけ |
3-2.デパコスで投資する価値(色の澄みと膜の均一)
デパコスは灰色味が少なく、薄膜で層になりにくい処方が多い。セミマットの均一な面をつくりやすく、微細な艶を“点”で足せます。黄みの澄みがはっきりしたベージュ系を選べば、首との連続が自然に作れます。
デパコス型別・相性表
型 | 強み | 向く肌/生活 | 置き方のコツ |
---|---|---|---|
セミマットリキッド | 面の均一/毛穴ぼかし | 混合/普通 | 中心→外へ薄く/目の下は極薄 |
クリーム/バーム | 潤いと密着 | 乾燥/行事 | 点→面、外周だけ粉で囲う |
ソフトフォーカスゲル | 透明感/軽さ | 春夏/移動多 | Tは米粒、Uは豆粒の差配 |
3-3.“2品運用”で崩れと黄ぐすみを同時に抑える
- A:首色合わせのベージュ下地を顔の中心のみ薄く。
- B:毛穴/赤みの部分補正を小鼻/口角/頬内側へ点づけ。
順番はA→B。最後に薄粉で接触帯だけ固定し、艶は目尻Cへ小点で十分。
肌質×最適処方のマトリクス(下地)
肌質 | 下地A(全顔) | 下地B(部分) | 仕上げ | 備考 |
---|---|---|---|---|
乾燥 | クリーム/バーム | 毛穴補正は頬内側のみ | 外周だけ粉 | 艶は点。頬高は避ける |
普通 | セミマット液状 | 赤み抑えを米粒 | T粉/U薄 | 首±0の色で統一 |
脂性 | ソフトマット/ゲル | 小鼻/額に皮脂抑え | Tしっかり粉 | ミストで薄膜復活 |
混合 | セミマット液状 | 部位で使い分け | 粉量を部位調整 | 小鼻は押さえ粉 |
敏感 | 摩擦少なめ処方 | 部分は綿棒で | 柔らか筆で粉 | 香り弱め/防腐低刺激 |
日焼け止め×下地×ファンデの相性表
日焼け止め | 下地 | ファンデ | 注意点 |
---|---|---|---|
乳液タイプ | 液状/ゲル下地 | リキッド | 1分待つ→こすらず点→面 |
ゲルタイプ | セミマット下地 | パウダー/クッション | 叩きすぎない/押さえ粉で面作り |
クリームタイプ | バーム/クリーム下地 | クリーム/リキッド | 量は米粒大/外周だけ粉 |
4.悩み別レシピ:赤み・毛穴・くすみ・テカり・色ムラを一気に整える
4-1.赤み(小鼻/頬)
ニュートラル寄りベージュを全顔の基礎にし、グリーンは米粒以下で赤み部分だけ。広域に塗ると灰色見えに振れます。仕上げに頬中央へ血色を少量足すと、健康的にまとまります。
4-2.毛穴(小鼻/頬内側)
ソフトフォーカス系を押し当て塗り。横に伸ばさず、ティッシュ越しに薄粉で“面”を固定。ミスト→押さえで膜を復活させると、時間が経っても凹凸が出にくくなります。
4-3.くすみ(口角/目の下)
黄みベージュを目の下三角ゾーンへ小さく。ピンクの広域使用はNG、血色はチークで後足し。口角の影にはニュートラル系の部分下地を点で置き、境目だけを温めた指でなじませます。
4-4.テカり(額/Tゾーン)
ゲル/ソフトマット下地を額中央→外へ薄く。粉は“置く”、払い動作は崩れの元。仕上げに微細ミストで膜を均一に。
4-5.色ムラ(頬の赤/口元の影)
全顔はベージュ、ムラはコンシーラー前の点補正で土台から均一に。下地で完結させないのが厚塗り回避のコツです。
4-6.小じわ/乾燥(目尻/口周り)
保湿→1分待つの“待ち”が命。バーム系を米粒より少なめで点置きし、粉は外周だけ。艶は目尻Cに小点で“うるみ”を作ります。
4-7.ニキビ跡/赤みの点在
下地ではなくコンシーラーの役割。ただし土台の色をニュートラル寄りに整えておくと、少ない量で隠せるようになります。
悩み×下地の使い分け表
悩み | 全顔 | 部分 | 一言メモ |
---|---|---|---|
赤み | ニュートラルベージュ | グリーン米粒 | 広げない、点で消す |
毛穴 | セミマット液状 | ソフトフォーカス | 押さえ塗り→ティッシュ粉 |
くすみ | 黄みベージュ | 目の下三角だけ | 血色はチークで足す |
テカり | ソフトマット/ゲル | 皮脂抑え | 粉は置く、払わない |
色ムラ | ベージュ | コンシーラー前に点補正 | 下地で完結させない |
小じわ | バーム少量 | 粉は外周のみ | “待ち”で密着 |
5.運用メソッド:季節/照明/マスク×持ちを最大化+道具・台本・Q&A・用語辞典
5-1.季節・照明・マスクの運用(最短表)
条件 | 下地の選び方 | 粉/艶 | ひと言 |
---|---|---|---|
春 | セミマット液状 | T薄/U薄艶点 | 花粉時は摩擦レス |
夏 | ソフトマット/ゲル | Tしっかり/ミスト | 汗は押さえてから足す |
秋 | 黄みベージュ濃度UP | 外周粉で輪郭 | 黄土化を抑えて均一に |
冬 | クリーム/バーム | 外周粉/中央は無粉 | 乾燥日は艶点を目尻Cへ |
蛍光灯 | 首−0.5寄り | 影を粉で淡く | 白浮き回避 |
電球色 | ニュートラル寄り | 黄ぐすみはチークで | 色の足し算で整える |
マスク | 接触帯だけ粉固定 | 艶は目尻C/眉上 | 外した直後は触らない |
5-2.朝5分の台本(順番だけで仕上がりが変わる)
- 保湿→1分待つ
- ベージュ下地(首色)を額・両頬・顎に点→外へ薄
- 部分補正(赤み/毛穴)を点で
- 薄粉を接触帯に押し当て
- 艶点(目尻C/眉上/唇の山)
- ミストひと押しで膜を整える
5-3.30秒リタッチ台本(外出先)
触る前にオフ→押さえ粉→ミスト→必要ならチーク米粒。下地やファンデは足さないのが軽さを守るコツです。
5-4.道具の最適解:スポンジ/筆/指
スポンジ:ムラが出にくく、押さえ塗りで毛穴に強い。水なしで弾力を残し、点→面へ。端面は小鼻、広面は頬に。
筆(フラット/丸):薄く均一に広げやすい。中心から外へ“掃く”→スポンジで押さえの二刀流が最強。
指:熱で密着。点置きのみに限定し、のばしはツールへ委譲。
5-5.衛生と保管のコツ
ツール洗浄は週1(中性洗剤→よくすすぐ→陰干し)。開封後1年を目安に使い切り、高温/直射日光を避ける。ポーチは紙で仕切り、粉と液を分けると劣化しにくい。
5-6.SPF/PAの現実運用(出社/休日/屋外)
シーン | SPF目安 | 工程 | 備考 |
---|---|---|---|
出社 | 30程度 | 日焼け止め→下地→薄粉 | 屋内中心。塗り直しは頬外周のみ |
休日 | 35〜50 | 日焼け止め→下地→ミスト | 外歩き多めは帽子併用 |
屋外長時間 | 50+ | 日焼け止め→下地→粉→ミスト | 2〜3時間ごとに粉→ミスト更新 |
5-7.Q&A(よくある疑問)
Q1.ピンクやラベンダーが好き。使えない?
A.全顔は非推奨。目の下三角や頬中央に米粒以下で血色足しとして部分使いならOK。
Q2.首と顔の色差が消えない。
A.色は首に合わせるのが基本。顎下と耳下にブロンザー薄帯で“つなぎ”を作ると自然。
Q3.毛穴に落ちる。
A.横にこすらず押さえ塗り。ティッシュ越し粉で面を固定し、ミストで膜を戻す。
Q4.テカりが止まらない。
A.ゲル/ソフトマット下地をTゾーンだけ薄く重ね、粉は“置く”。払い動作は崩れの元。
Q5.日焼け止めとの重ねは?
A.日焼け止め→1分待つ→下地薄膜。こすらず、点→面に広げるとヨレにくい。
Q6.オンライン会議だと顔が白っぽい。
A.蛍光灯寄りの光では白浮きしやすいので、首−0.5へ寄せるか、頬中央の血色で補正。
5-8.用語辞典(やさしい言い換え)
首±0:首と同じ明るさ。顎下の段差が消える設定。
薄膜:重ねても厚塗りに見えないごく薄い層。
面(めん):凹凸を均した平らな見え方。清潔感の鍵。
ソフトフォーカス:光を散らして毛穴や小じわを淡く見せる性質。
白壁等倍:白い壁の前でスマホを等倍にして色と段差を確認する方法。
接触帯:マスクや手が触れやすい場所(頬外/鼻先/口角周り)。
まとめ
イエベ秋の下地は、黄み〜ニュートラルのベージュ×首±0〜半段暗め×薄膜セミマットで“面”を整え、赤み/毛穴は点補正、艶は点と帯で後から足す――これが失敗しない最短ルート。
首で色を決め、顎下で段差ゼロ、白壁等倍で最終確認を習慣化すれば、プチプラでもデパコスでも一日中、清潔に整った質感が再現できます。さらに道具の二刀流(筆→スポンジ)と季節/照明/マスク対策を台本化すれば、場面が変わっても“同じ仕上がり”を安定して再現できます。