「ピンクを塗ると顔色は良いのに、子どもっぽい」「店頭では可愛いのに、家では浮く」「番号が多すぎて何を選べばいいか分からない」——。イエベ春がドラッグストアでピンクリップを選ぶ時につまずくのは、番号表記と色味(黄み/青み)・明るさ・鮮やかさ・質感の読み取りが一致していないからです。
結論はシンプル。黄みに寄った高明度×中〜高彩度を軸に、青みは“赤寄り”で止める、質感はつや〜ほどよい水分感でまとめる。これを番号の規則(桁・末尾・記号)から機械的に読み、店頭ライト/外光/画面映りの三条件で破綻しない面積コントロールに落とし込めば、誰でも血色・白さ・清潔感が安定再現できます。
本稿は、原理→番号の読み方→目的別の番号帯→質感と仕上がり→買い方&塗り方→服色/年齢/肌悩みの微調整→失敗例→Q&A/用語辞典の順で、今日から使える手順を徹底解説します。
イエベ春に“効くピンク”の設計図
肌の特徴と色の相性(光と温度)
イエベ春は黄みのある明るい肌色にやわらかな赤みがのりやすいタイプ。リップは高明度×中〜高彩度が透明感を引き出し、黄み(コーラル〜サーモン)が少量混ざるとくすみを飛ばします。
反対に低明度・青み強すぎ・くすみ強めは唇だけが冷えて見えやすく、顔の中心が沈みます。
ライト別に起こる見え方の差(店頭/屋外/カメラ)
店頭の白色系ライトでは青みが強く、屋外の自然光では黄みが強く出ます。オンライン会議などのカメラでは明度不足が影として映りやすい。ゆえに番号選びは、黄み寄りで明るい色を基準にしつつ、赤寄りピンクで温度を調整すると安定します。
似合う“ピンク”の範囲(色相・明度・彩度・質感)
- 色相:**黄み寄りのピンク(コーラル/サーモン/アプリコット寄り)**が主戦力。
- 明度:高明度。白さを少し感じるくらいが◎。
- 彩度:中〜高。顔色を押し上げる力がある。
- 質感:つや〜ほどよい水分感。マットは半ツヤ寄せが前提。
避けたい要素(沈みの地雷)
- **青みに大きく寄った“冷ピンク”**の暗色。
- **グレイッシュな“くすみピンク”**の低彩度。
- 厚いマットで輪郭がくっきり出る仕上がり。
表:イエベ春×ピンク 似合う/控えたい 早見表
| 観点 | 似合う | 控えたい | 理由 |
|---|---|---|---|
| 色相 | 黄み寄り(コーラル/サーモン) | 青み強め(ブルーピンク) | 肌色と温度差が出る |
| 明度 | 高明度 | 低明度 | 顔の影が強調される |
| 彩度 | 中〜高 | 低 | 顔色が沈む |
| 質感 | つや〜みずみずしさ | 厚マット/粉体強 | 面で沈む |
ドラストで迷わない:番号・記号の読み方
桁と末尾で “色相・明度・彩度” を推測する基本式
多くの売場は、桁(十の位/百の位)や末尾で色相や明度を段階分けしています。一般的な傾向として、
- 末尾1〜3:明るめ×黄み寄りのピンク(例:11/12/13/101/103など)。
- 末尾4〜6:標準明度×黄み〜中間(14/15/16/204/205)。
- 末尾7〜9:深め/青み寄り(17/18/19/307など)。
ブランドにより例外はあるものの、**「末尾が小さい=明るく黄み寄り」**は覚えておいて損なし。
記号・シリーズ名の合図(PK/CR/RS/BE)
- PK/ピンク:基本軸。番号が小さいほど明るい傾向。
- CR/コーラル:黄み強め。イエベ春の第一候補。
- RS/ローズ:青み方向。使うなら明るい番号限定。
- BE/ベージュ:黄みと茶の混合。薄付き×高明度なら血色ベースに有効。
同番号の“仕上がり違い”に注意
同じ番号でも質感がつや/半ツヤ/マットで分かれる場合があります。イエベ春は、つや→半ツヤ→薄マットの順に安全度が上がると考え、マットは量を最小に。
テスターの差を見抜く小技
テスターは酸化でくすむことがあります。キャップ内側の新しい面で色を取り、手の甲→指先→口角の順に温度を確認すると誤差が減ります。
表:番号・記号の読み方 早見
| 表示 | ねらい | イエベ春の選び方 |
|---|---|---|
| PK/11〜15 | 明るいピンク | 本命。黄み寄り中心 |
| CR/20番台 | コーラル系 | 第一候補。顔色が上がる |
| RS/10後半〜30前半 | ローズ | 明るい番号だけ |
| BE/10前半〜20前半 | ベージュ | 薄塗りの血色土台に |
目的別:シーン×印象で選ぶ“番号帯”の戦略
毎日用(清潔・好感・会議カメラ)
番号帯はPK11〜15/CR20〜24。白シャツやベージュの服に馴染む黄み寄りの明るいピンクを、一度塗り+中央だけ重ね。輪郭は指でぼかし、画面での影(低明度)対策を行います。
休日(華やぎ・写真映え・屋外光)
PK13〜16/CR22〜26が目安。ピーチ/サーモン寄りで彩度やや高めを選び、中央グロスで縦じわを消して光を集めます。窓際の外光で白目の濁りがないかを最終確認。
きちんと場(面接・式典・親族行事)
PK12〜14/BE10前半(高明度)。赤寄りピンク+黄みひとさじで清潔感優先。全体薄塗り→ティッシュオフ→中央だけ重ねで、発色は残しつつ厚みを削ります。
夜の集まり(暖色ライト/食事会)
ライトが暖かい場はCR20台前半が安定。中央つやを少し強め、口角の影をコンシーラーで消すと写真で沈みません。
表:シーン別・推奨番号帯と仕上がり
| シーン | 番号帯 | 色相/明度/彩度 | 仕上がりキーワード |
|---|---|---|---|
| 毎日用 | PK11〜15/CR20〜24 | 黄み寄り/高明度/中彩度 | 清潔/好感/画面映え |
| 休日 | PK13〜16/CR22〜26 | 黄み寄り/高明度/やや高彩度 | 華やぎ/写真映え |
| きちんと | PK12〜14/BE10前半 | 赤寄り/高明度/中彩度 | 端正/上品 |
| 夜の集まり | CR20〜23 | 黄み寄り/中〜高明度 | つや/血色/立体感 |
質感×仕上がり:つや・半ツヤ・マットの扱い
つや(春の味方)
水分感のあるつやは、イエベ春の透明感を最大化。PK11/CR20台前半の明るい色に重ねると、白目が澄んで見えます。中央のみ二度塗りが鉄則。
半ツヤ(万能)
厚みが出ない半ツヤは職場でも安心。輪郭をきっちり描かず、上唇山だけ指でぼかすと若々しく自然。乾燥日はリップ下地→一度塗りで縦じわを抑制。
マット(調整のコツ)
粉体強め/厚マットは面で沈みやすい。使うなら、
1)高明度の番号を選ぶ
2)ごく薄く塗って中央だけつやで中和
3)輪郭は綿棒で曖昧に
を徹底します。
表:質感別・見え方の違い
| 質感 | 長所 | 注意点 | イエベ春の使い方 |
|---|---|---|---|
| つや | 透明感・若見え | 色持ちが課題 | 明るい番号で中央重ね |
| 半ツヤ | 万能・清潔 | 乾燥時の縦じわ | 下地→一度塗り |
| マット | 色持ち・輪郭くっきり | 面の重さ/沈み | 薄塗り+中央つや |
ドラストでの買い方&家での微調整
店頭ライトでの見極め(その場でできる)
手の甲→指先→口角の順に色温度を確認し、口角のくすみに勝てれば合格。鏡を斜め45度に傾け、上唇の影が青黒く見えないかもチェック。可能なら窓際の自然光で再確認、難しければスマホ白画面を顔下に置き、反射で白さをチェックします。
お持ち帰り後の“合わなかった”救済
- 青みに転ぶ→CR(コーラル)10〜20%を中央に重ねて温度を戻す。
- 暗く沈む→PK11/12を唇山だけ重ねて明度を上げる。
- マットで重い→無色グロスを中央のみに。全体塗りはNG(面が大きく見える)。
下地・小物でのコントロール
- リップ下地で縦じわを埋め、発色を均一化。
- チップ/筆を使い量を最少に。直塗りは中央のみ。
- コンシーラーで口角の青みを消すと、番号1段暗くても使える。
表:不一致→対処 早見
| 不一致 | 原因 | その場の対処 |
|---|---|---|
| 青みに転ぶ | 色相ズレ | CR少量重ね/頬を黄み寄りに |
| 暗く沈む | 明度不足 | PK11/12を山に重ね |
| 厚ぼったい | 質感が重い | 無色グロスを中央だけ |
服色・年齢・肌悩みで変える“微調整”
服色との相性(上半身の色で選ぶ)
- 白/ベージュ/生成り:PK11〜13/CR20〜22で明度を合わせる。
- ネイビー/黒/グレー:PK12〜15/CR21〜24で中央つやを強めて沈みを防ぐ。
- 花柄/多色トップス:地色に近い明るい番号で口元は引き算。
年齢・雰囲気での選び分け
- 10代後半〜20代:PK11〜15の高明度で清潔に。つや多めが若々しい。
- 30〜40代:PK12〜15/CR20〜23で半ツヤ中心。輪郭は指ぼかし。
- 50代以降:PK12〜14/CR20〜22で中央つや+口角カバー。明度優先が映えます。
肌悩み別のコツ
- 黄ぐすみ:PK11/12で白さを足す。頬はサーモン系に。
- 青みくすみ:CR20〜22を中央重ねで温度を戻す。
- 乾燥/縦じわ:半ツヤ下地→薄塗り→中央つやの三段で解消。
表:服色/年齢/肌悩み×推奨帯
| 観点 | おすすめ番号帯 | 仕上げ |
|---|---|---|
| 服色:白/ベージュ | PK11〜13/CR20〜22 | 明度合わせ/中央つや |
| 服色:濃色 | PK12〜15/CR21〜24 | 半ツヤ/口角カバー |
| 年齢:10–20代 | PK11〜15 | つや多め/指ぼかし |
| 年齢:30–40代 | PK12〜15/CR20〜23 | 半ツヤ/輪郭曖昧 |
| 年齢:50代〜 | PK12〜14/CR20〜22 | 中央つや/明度優先 |
| 肌:黄ぐすみ | PK11/12 | 白さで補正 |
| 肌:青みくすみ | CR20〜22 | 温度で補正 |
| 肌:乾燥 | PK明番+半ツヤ下地 | 三段仕上げ |
失敗例から学ぶ“番号のクセ”
末尾7〜9の“深色”の落とし穴
大人っぽい…けれど沈む。使うなら薄塗り+中央だけつや+眉を一段明るくでバランスを取ります。
RS(ローズ)帯の賢い使い方
完全な青みは苦手でも、赤寄りの明るい番号なら清潔。頬にサーモンをのせ、耳横の髪をすっきりさせると全体が整います。
BE(ベージュ)帯で抜けすぎたとき
血色不足に見えたら、頬サーモン+口角カバーで復活。中央つやを点で足し、面を広げないこと。
表:番号帯×調整のコツ
| 帯 | ありがちなズレ | 直し方 | 仕上がり |
|---|---|---|---|
| 末尾7〜9 | 暗く沈む | 薄塗り+中央つや | 大人/引き締め |
| RS明番 | 冷え見え | 眉明るめ/頬サーモン | 清潔/透明感 |
| BE明番 | 血色不足 | 頬サーモン/口角カバー | 抜け/清潔 |
Q&A(よくある疑問)
Q1. ピンクが似合うのに、夕方くすむのはなぜ? 乾燥と口角の青みが主因。半ツヤ下地→薄塗り→中央重ねにし、口角コンシーラーで持ちを底上げ。
Q2. マスク移りが心配。 ティッシュオフ→中央のみ重ねの二段塗り+無色グロスは点付け。面で塗らないのがコツ。
Q3. 青みピンクをどうしても使いたい。 明るい番号に限定し、頬と目元は黄み寄りで中和。耳横の髪を上げ、首横に光を足す。
Q4. 唇が薄い/厚いで選びは変わる? 薄い唇は半ツヤ+中央グロスでふっくら。厚い唇は外側一度塗り+輪郭ぼかしで面積を抑える。
Q5. とりあえず一本なら? PK11〜13/CR20〜23の高明度×つや〜半ツヤが万能。
Q6. オンライン会議で血色が飛ぶ。 PK11/12の明番を中央重ね。カメラ前に白紙や白画面を置き、顔下に反射させると改善。
Q7. 歯の黄ばみが気になる。 赤寄りピンクで中央つやを小さく置くと、対比で白く見えます。
Q8. ティントで唇が乾く。 保湿下地→薄塗り→中央だけ重ねに変更。色持ちは維持しつつ乾燥を回避。
用語辞典(やさしい言い換え)
明度:色の明るさ。高いほど顔が軽く見える。
彩度:色の鮮やかさ。中〜高が“元気な血色”。
黄み/青み:色の温度。イエベ春は黄みに寄せると安定。
つや/半ツヤ/マット:仕上がりの光の量。つやは水分感、半ツヤはほどよい光、マットは光を抑える。
ティッシュオフ:塗った直後に軽く押さえて余分な油分を取ること。
中央重ね:唇の中央だけ二度目をのせ、立体感を出す技。
口角カバー:口角の青み/影をコンシーラーで消す下準備。
まとめ:番号で読む→明るさでそろえる→中央だけ重ねる
イエベ春のピンクリップは、PK11〜15/CR20〜24を軸に、高明度×中〜高彩度×つや〜半ツヤでそろえれば失敗しません。店頭では末尾の小さい番号から試し、外光とカメラで最終確認。
家では中央だけ二度目で立体感を足す。たったこれだけで、毎日同じ手順でも血色・白さ・清潔感が安定します。今日の一本から、顔全体の明るさを底上げしましょう。

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