「ベージュをのせるとまぶたが灰色っぽく沈む」「ブラウンで急に老けて見える」「くすまない色を選んだつもりが時間とともに土色」——。イエベ春の目元が沈む最大の理由は、黄みの方向と明るさ(明度)、あざやかさ(彩度)、質感の三つが肌とズレているからです。
結論は明快。黄みは“軽く明るい黄み”に限定し、明度は高め×彩度は中に寄せ、質感は薄膜のつやで光を通す。さらにまぶた全体=ピーチベージュ、陰影=はちみつブラウン、締め=ミルクティーブラウンの三段で組み、黒を使わず茶の明るめで整えれば、誰でも**くすみ回避の“晴れアイ”**が再現できます。
本稿は原理→数値/見分け→配色レシピ→シーン/季節→顔/目の形別応用→買い物&作法→一週間レシピ→Q&A/用語辞典の順に、表と手順で徹底解説します。
イエベ春が“くすむ”理由と、ベージュ選びの骨子(原理)
肌の見え方と起きやすいこと
イエベ春は明るさと透明感が強い肌質。粉の灰みや暗さが重なると、光が肌に透過せず吸収され、すぐ影色になります。特に赤茶・灰茶・黒に近い締めは、時間とともに土色に寄りやすく、目の下の影を増幅させます。また、油分が少ない/乾きやすいまぶたは、粉だけだと乾燥くすみが起こりやすいのも特徴です。
解決の骨子(明るい黄み×薄膜つや×三段設計)
対処は三点セットで再現可能です。第一に明るい黄み(ピーチ/アプリコット方向)。第二に高明度×中彩度で濁りを避ける。第三に薄膜のつやで光の通り道を確保します。配色設計はベース→影→締めの三段。黒は不使用、締めはミルクティーでやさしく締めます。
避けたい要素(くすみの地雷)
灰みの強いグレージュ/トープ、赤黒いブラウン、黒に近い締め色、大粒ラメ、厚塗りマットは、影・ムラ・乾燥を招きやすく回避推奨です。
表:イエベ春×ベージュの原則早見表
| 観点 | 〇(選ぶ) | ×(避ける) | 理由 |
|---|---|---|---|
| 明度 | 高め | 低め | 面が沈む/影が増える |
| 彩度 | 中〜やや低 | 高すぎ/低すぎ | 派手/土色化 |
| 色相 | ピーチ/アプリコット寄りの黄み | 赤黒/灰茶 | くすみ・老け見え |
| 質感 | 薄膜つや/微細パール | 厚塗りマット/大粒 | にごり・粉感が出る |
数字で失敗しない:色み・明るさ・質感を“見分ける”基準(店頭・自宅共通)
明度と彩度の即判別(白紙チェック)
テスターを白い紙の上に二色並べ、より白く透けて見える方を選べば高明度。同明度で濁りが少ない方が中彩度です。迷ったら明るい方を採用するのがイエベ春の鉄板です。
黄みの方向(黄みは“軽い黄み”が鍵)
OKはピーチ/アプリコット/はちみつ。NGはレンガ/赤茶/ココアの重い赤み。重い赤みは時間で影色化しやすく、下まぶたのくすみに見えます。
質感(粉体と油分の比率)
粉の密度は薄めが理想。微細パールかつやクリームを極薄で仕込み、粉で面を整えると長持ちします。油分が少ない人は、目周りだけ明るい下地を米粒量仕込むと、夕方の乾燥くすみを避けられます。
表:見分けチェックリスト
| 項目 | OKサイン | NGサイン |
|---|---|---|
| 明度 | 紙上で明るく透ける | 置くと影が増える |
| 黄み | 肌が元気に見える | 土色/灰味が出る |
| 質感 | 指でのばすと薄膜 | 粉感が残る/ムラ |
配色レシピ:くすみ回避の三段グラデと応用(塗布量・面積まで)
基本の三段(晴れアイの定番)
- 全体(ベース):ピーチベージュを上まぶた全体にうすく一往復。まぶたの色ムラを消し、明度を底上げ。量は片目で米粒の半分。
- 影(中間色):はちみつブラウンを二重幅と目尻1/3へ細く。骨格の影だけを描く気持ちで。境目は何もついていないブラシで一撫で。
- 締め:ミルクティーブラウンをまつげ際へ極細線。黒は使わない。
下まぶたの整え(くすみ防止)
目頭〜中央にピーチをさらり、目尻1/4にはちみつを点。入れすぎは影の増幅になるので、線にしないのがコツです。
仕上げの光(にごりを飛ばす)
黒目上だけに微細パールを米粒以下で点。目頭Cゾーンは明るいアイボリーを小指の腹で軽く。広げすぎないことで、つやが膜のように見えます。
表:配色早見表(場面別)
| 場面 | ベース | 影 | 締め | つや |
|---|---|---|---|---|
| 通勤 | ピーチ | はちみつ | ミルクティー | 黒目上のみ |
| デート | ピーチ+アプリコット | はちみつ多め | キャメル細 | 目頭も少し |
| 写真日 | 明るめピーチ | キャラメル | ミルクティー | 黒目上+下中央 |
シーン/季節別の塗り分け(通勤・休日・行事・在宅・夏冬)
通勤:信頼感×明るさ
ベースは明るいピーチでくすみ一掃、影ははちみつを目尻1/3まで、締めはミルクティーでまつげ際のみ。上まぶたの面を整えることで、近距離でも清潔感が伝わります。
休日:抜けと可愛げ
アプリコットを一滴ベースに足し血色をプラス。下まぶた中央にピーチで涙袋を淡く描き、締めはキャメル細線で柔らかく。チークと唇を同じピーチ系で揃えると一体感が出ます。
行事:写真映えと上品さ
ベースは明るいピーチで面を均一に、影はキャラメルで二重の線をほんのり強調。つやは黒目上+目頭に点。フラッシュでも白飛びせず、澄んだ立体が残ります。
在宅:画面越しの照明対策
ベースを広めにし、目頭側の明るさを確保。影は短く、締め無しでもOK。パソコンの青白い光下では、ピーチの面が映えます。
季節での微調整
夏はクリーム→粉の二層の薄膜で密着、冬は保湿下地を最初に米粒量。どの季節も重ねすぎないのが鉄則です。
表:季節×質感の組み方
| 季節 | ベース | 中間色 | 締め |
|---|---|---|---|
| 春 | つやクリーム薄膜 | はちみつ粉 | ミルクティー線細 |
| 夏 | クリーム→粉重ね | キャメル控えめ | 締め極細 |
| 秋 | 粉+微細パール | キャラメルやや強 | 締め普通幅 |
| 冬 | しっとり粉/半クリーム | はちみつ短め | 締め少し太く |
顔立ち・目の形別の微調整(奥二重/一重/丸目/切れ長/加齢のまぶた)
奥二重(線が隠れやすい)
影の面積を半分に。二重の線上ではなく線の少し上にはちみつを置くと、線が消えません。締めはミルクティーを極細で。
一重(広い面をどう扱うか)
ベースの明度を最優先。ピーチで全面の面を作り、影は目尻1/4だけ。黒目上のつやをやや広く取ると立体が出ます。
丸目(幼く見えやすい)
目尻側の影を縦長の楕円に置くと、目が横に広がらず落ち着きます。下まぶたは目頭明るめ、目尻は点だけ。
切れ長(シャープで冷たく見える)
アプリコット一滴で温度を足し、つやを黒目上と目頭に二点。締めはキャメルで角を丸めるイメージに。
加齢のまぶた(たるみ・影が出やすい)
粉は薄く、つやは点。はちみつは線で描かず面で影を作り、境目はぼかし切る。下まぶたはピーチだけで十分です。
表:目の形×置き方の要点
| 目の形 | 置き方 | 締めの幅 |
|---|---|---|
| 奥二重 | 影は線の少し上 | 極細 |
| 一重 | 影は目尻1/4のみ | 細め |
| 丸目 | 影は縦長の楕円 | 細め |
| 切れ長 | 影は丸く/温度を足す | キャメル細 |
| 加齢 | 面で影/つやは点 | ごく細 |
買い物&作法:見極め・塗り順・崩れにくさ(ブラシ/指の使い分け付き)
店頭での見極め三か条
1)手の甲→まぶた色に近い箇所で試す(首筋でもOK)。
2)白紙の上で明度・黄みを比べる(明るい方を選ぶ)。
3)自然光で10秒だけ鏡を見る(直感が鈍る前に決める)。
ブラシ/指の使い分け
ベースは指の腹で薄く広げ、境目だけブラシ。影と締めは小ブラシで量を最小に。下まぶたは綿棒の先を使うと点置きが簡単です。
塗り順(くすみ回避の型)
1)明るいベースを薄く全面。
2)はちみつを二重幅+目尻1/3。
3)ミルクティーでまつげ際。
4)微細パールを黒目上に点。
5)必要なら下まぶたにピーチ→はちみつ点。
崩れ・沈みを防ぐコツ
下地は目周りだけ明るめを米粒量。指で薄くのばし、境目はブラシでなでる。アイラインは茶の明るめ、黒は使わない。マスカラは茶の明るめで統一すると目元全体が澄む。
表:よくある失敗→即修正
| 失敗 | 原因 | すぐできる修正 |
|---|---|---|
| 灰っぽい | 明度不足/灰み | ベースを明るく、影を短く |
| 土色 | 赤茶/粉厚 | 赤みを抜き、薄膜に戻す |
| 老け見え | 締めが黒/太い | ミルクティーで細く引き直し |
| ヨレ | 油分過多/粉厚 | 量を半分に/薄膜つやへ |
| 目の下が影 | 目尻の入れ過ぎ | 点置きに変更 |
一週間“晴れアイ”レシピ(色と予定で自動化)
| 曜日/予定 | ベース | 影 | 締め | つや | ねらい |
|---|---|---|---|---|---|
| 月・会議 | ピーチ | はちみつ薄 | ミルクティー細 | 黒目上 | 清潔・信頼 |
| 火・外回り | ピーチ+アプリコット | はちみつ中 | キャメル細 | 目頭点 | 元気・親しみ |
| 水・在宅 | 明るめピーチ広め | なし〜短 | なし | 黒目上広め | 画面で明るい |
| 木・会食 | ピーチ | キャラメル | ミルクティー普通 | 黒目上+目頭 | 写真映え |
| 金・カジュアル | ピーチ | はちみつ短 | キャメル細 | 下中央点 | 抜けと可愛げ |
| 土・屋外 | ピーチ | はちみつ薄 | ミルクティー細 | 目頭点 | 日中の透明感 |
| 日・写真日 | 明るめピーチ | キャラメル中 | ミルクティー細 | 黒目上+下中央 | 立体と明るさ |
Q&A(よくある疑問)
Q1. マットは絶対ダメ?
A. 広範囲マットは沈みやすいですが、二重の線だけに薄くマットはOK。ベースはつやで、影は短くが条件です。
Q2. ゴールドは似合う?
A. 微細で明るいゴールドは相性◎。黄土色や濃金は土色化の恐れ。点で少量が正解です。
Q3. ブラウン一色で済ませたい
A. ミルクティー単色を全体→まつげ際濃くのワンカラーなら自然。黒は不使用で明るさを保ちます。
Q4. 夕方くすむ
A. 下地を明るめに、影を短く、パールは黒目上だけで光を一点集中。綿棒で余分な粉を軽く払うと復活します。
Q5. 目の下のくまが気になる
A. 補正はコンシーラーより先にベースの明度上げ。その後極薄で補正、下まぶたの色は点置きにとどめます。
Q6. 服がモノトーンのときは?
A. 目元はピーチ寄りで温度を補い、締めはミルクティー。唇にコーラル一滴で全体を繋ぎます。
用語辞典(やさしい言い換え)
明度:色の明るさ。高いほど白っぽく見える。
彩度:色のあざやかさ。高すぎると派手、低すぎると土色。
微細パール:粒がとても小さい光。にごりを飛ばす。
ミルクティーブラウン:黄み寄りの明るい茶。締めに使うと柔らかい。
ピーチ/アプリコット:明るい黄み寄りの肌なじみ色。血色と明度を同時に上げる。
はちみつブラウン:黄み方向の軽い茶。影の役だけを担い、黒の代わりになる。
まとめ
イエベ春のくすみ回避は、明るい黄み×高明度×薄膜つやが三本柱。ピーチベージュ→はちみつ→ミルクティーの三段で“面・影・線”を作り、黒目上の一点つやで仕上げれば、どの光環境でもにごらない晴れアイが完成します。色も塗り方も明るく・薄く・黄みに寄せる——この三つを守るだけで、毎日がくすまない目元に変わります。

